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養老渓谷 紅葉2026、小湊鉄道運休でも宿は営業中|残室・11月単価23,000円・代替ルートを整理

投稿日 : 2026.10.31

千葉県

季節・イベント

養老渓谷 紅葉2026、小湊鉄道運休でも宿は営業中|残室・11月単価23,000円・代替ルートを整理

小湊鉄道が2026年10月8日に公表した続報では、台風25号で被災した上総牛久〜上総中野間(養老渓谷駅を含む10駅)の全線開通に「半年〜1年以上」を想定するとされ、養老渓谷の紅葉期(例年の見頃は11月下旬〜12月上旬)に鉄道で養老渓谷駅へ直接入れない前提が固まった。一方で、養老渓谷温泉の主要旅館は営業を続けており、大多喜町の推定成約ADRは2025年11月に23,000円(N=10施設)と年間でも高い水準にある。本稿では、運営者・自治体・観光事業者に向けて、(1)今年の紅葉期の前提、(2)養老渓谷駅5km圏の宿のストック、(3)単価の季節性、(4)見頃の土曜2日(11月21日・28日)の現時点の予約状況、(5)鉄道以外の到達経路、(6)周辺の受け皿を、公表情報とメトロエンジンリサーチのデータで整理する。

本記事のデータについて
• ADR(平均客室単価)=各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。
• エリア(都道府県・市区町村)単位のADRは、対象施設の推定成約単価の中央値(エリアの標準的な施設の水準)です。
• 掲載価格に言及する箇所は、2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
• OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。
• 出典:メトロエンジンリサーチ(国内約168,000施設のOTA公開価格を継続追跡、うち稼働確認済み約27,000施設)
• ブッキングカーブ=チェックイン日に向けた主要予約サイト上の残室数の推移。LT(リードタイム)=チェックイン日までの日数。本稿のカーブと推定OCCはLT45〜LT1の観測のみを用い、対象は総客室の30%以上を主要予約サイトに掲載する施設で構成した固定の施設集合である。「稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)」は、OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、施設全体の実稼働率とは異なる。
• 本記事の客室ストックは、養老渓谷駅から半径5,000m圏内にある客室数10室以上の宿泊施設(レジャーホテルを除く)を対象とし、「稼働中」は直近3か月(2026年8月〜2026年10月)に主要予約サイトで販売価格が確認できた施設を指す(2026年10月24日時点、メトロエンジンリサーチ集計)。
Key Takeaways
  • — 半年〜1年以上 — 小湊鉄道 上総牛久〜上総中野間(養老渓谷駅を含む)は当面運休し、全線開通は半年〜1年以上を想定(2026年10月8日発表)。今年の到達経路は車(大多喜町側)か、上総牛久からの代行バス(平日・一部土曜)。
  • — 8軒・186室 — 養老渓谷駅5km圏の宿のストック(稼働中4軒・83室、2026年10月24日時点)。紅葉週末に受け入れられるのは100室前後が上限で、需要は周辺市町へ流れる構造。
  • — 23,030円 — 大多喜町の2025年11月の推定成約ADR(N=10施設、前年同月比+12.7%)。11〜12月が年間の高値帯で、紅葉の価値は下がっていない。
  • — 65.3%/53.5% — 大多喜町12施設/101室の稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定、10月22日観測)。11月21日分は30日前、28日分は37日前の値で、28日に受け入れ余地が残る。

今年の紅葉期の前提 — 見頃は例年どおり、鉄道だけが使えない

まず前提を揃えたい。養老渓谷の紅葉は関東でも遅い部類に入り、例年の見頃は11月下旬〜12月上旬とされる(ウェザーニュース「養老渓谷の紅葉」、ウォーカープラス「養老渓谷の紅葉」)。千葉県観光物産協会の公式観光情報サイト「まるちば」によれば、2026年の「養老渓谷 紅葉ライトアップ」は11月下旬〜12月初旬、17時〜21時の点灯を予定し、会場は粟又の滝・懸崖境・中瀬遊歩道(共栄橋側)・山の駅 養老渓谷 喜楽里(以上大多喜町)と観音橋(市原市)である。見頃の土曜は11月21日(土)と28日(土)で、21日は勤労感謝の日(23日・月)につながる3連休の初日にあたる。11月の暦で土日と続く3連休はこの1回だけであり、その需要の山が主要観光地の価格と在庫にどう表れるかは11月の3連休は11/21-23だけ|2026年の紅葉ピークと需要の山を7エリアで検証で7エリアを比較している。

ただし、交通の現況は例年と大きく違う。小湊鉄道は2026年に6月の台風7・8号、8月の千葉豪雨、9月の台風25号と3度の被災を受けた(鉄道コム・マイナビニュース)。同社が10月8日に公表した続報(報道各社の引用による)では、上総牛久〜上総中野間の被災箇所は26か所、復旧工事は10月13日に着手し、「工事箇所が多く規模も大きいため、半年〜1年以上かかることを想定」としている。NHKは10月21日、復旧費が少なくとも5億円程度と報じた。運転しているのは五井〜上総牛久の8駅で、上総牛久から先の10駅(上総川間・上総鶴舞・上総久保・高滝・里見・飯給・月崎・上総大久保・養老渓谷・上総中野)は当面の間終日運休である。

なお、小湊鉄道の公式サイトは10月21日23時からメンテナンス中の表示となっており、本稿執筆時点(10月24日)には公式サイト上で運行情報を直接確認できなかった。そのため本稿は、10月8日付プレスリリース(マイナビニュース・地域情報サイトが引用)、同社の代行バス時刻表(10月20日付、地域情報サイトが引用)、NHK(10月21日)、市原市の観光情報(10月23日更新)の範囲で、確認できた日付を付して記す。区間や再開時期を推測で補うことはしない。

宿のストック — 養老渓谷駅5km圏に8軒186室、稼働中は4軒83室

養老渓谷温泉は養老川を挟んで大多喜町と市原市にまたがる。宿のストックを養老渓谷駅(市原市)を中心に数えると、半径5km圏には客室数10室以上の宿泊施設が8軒・186室あり、うち直近3か月(2026年8〜10月)に主要予約サイトで販売価格が確認できた「稼働中」は4軒・83室だった(メトロエンジンリサーチ集計、2026年10月24日時点)。粟又の滝(大多喜町)を中心に同じ半径で数えても同じ8軒・186室が含まれ、駅と滝の5km圏はほぼ同一の商圏といえる。半径3km圏に絞ると掲載6軒・130室、稼働中3軒・50室で、温泉街の宿は駅から1〜1.5kmの養老川沿いに集中している。

業態別に見ると旅館が6軒・113室(稼働中4軒・83室)で、残りはキャンプ場1軒・50室とグランピング1軒・23室である。全8軒が50室以下の小規模施設で、旅館では最大33室にとどまる。つまり紅葉期の週末に受け入れられる室数は、鉄道が通常運行していた年でも100室前後が上限であり、このエリアの宿泊需要は構造的に周辺市町へ流れる設計になっている。

養老渓谷駅 半径5km圏の宿泊施設(業態別・2026年10月24日時点)
業態掲載施設数掲載客室数稼働中施設数稼働中客室数
旅館6113483
キャンプ場15000
グランピング12300
合計(養老渓谷駅 半径5km圏)8186483

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年10月時点)。客室数10室以上・レジャーホテル除く

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。円の大きさは客室数。破線は養老渓谷駅から半径5km

営業状況については、10月23日時点で市原市・大多喜町観光協会の公表情報をまとめた地域情報サイトによれば、滝見苑、養老温泉 黒湯の宿 嵯峨和、温泉旅館 川の家、渓谷別庭 もちの木、SHINRA YORO VALLEYなどの宿と山の駅 養老渓谷 喜楽里が通常営業しており、市原市側の鶴乃家と喜代元は10月30日から営業再開予定である。養老渓谷駅前観光案内所は11月14日から営業を再開し、駅の足湯は再開時期未定とされる。メトロエンジンリサーチの観測でも、上記の主要旅館は10月23日時点で11月の宿泊分を主要予約サイトで販売していることが確認できる。

単価の季節性 — 大多喜町は11〜12月が年間の高値帯、2025年11月は前年同月比+12.7%

次に単価を確認する。大多喜町の推定成約ADRは2025年10月に17,000円(N=10施設)だったのに対し、11月は23,000円、12月は24,100円(いずれもN=10)と、紅葉期から年末にかけてが年間の高値帯を形成している。前年同月比で見ると2025年11月は+12.7%(2024年11月:20,400円、N=9)、2025年12月は+21.8%(2024年12月:19,800円、N=9)で、紅葉期の単価は2年連続で切り上がった。直近の確定月である2026年9月は21,700円(N=9)で、前年同月比+18.2%と上昇基調が続いている。

一方で、2026年10〜12月の値は調査時点の掲載水準に基づく推定(10月16,600円・11月18,400円・12月16,200円、N=8〜9)であり、宿泊日に近づくにつれて変動する。2025年も10月の確定値は前年同月を下回っていたのに対し11月に大きく切り上がっており、紅葉期の単価は直前の需要で決まる性格が強い。今年は鉄道アクセスが使えない分、車・バスで来訪する客層の構成が変わる可能性があり、11月の確定値が前年並みに着地するかどうかは、後述する予約進捗とあわせて読む必要がある。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。大多喜町・推定成約ADR(税抜相当)、N=8〜10施設。2026年10〜12月は調査時点の掲載水準に基づく推定

周辺市町の紅葉期の単価も並べておく。2025年11月の推定成約ADRは、勝浦市19,900円(N=12、前年同月比+21.1%)、鴨川市20,600円(N=31、同+9.3%)、君津市9,100円(N=9)、市原市6,400円(N=22、同+3.0%)だった。大多喜町の23,000円は内房・外房の受け皿エリアより高く、養老渓谷の宿が「紅葉を目の前で見る」体験に対して単価を取れていることを示す。市原市は五井駅周辺のビジネスホテルが中心のため水準が異なり、養老渓谷の宿と同じ軸では比較できない点に注意したい。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。各市町の11月・推定成約ADR(税抜相当)。N=大多喜町9〜10、勝浦市12、鴨川市31〜34、君津市9、市原市22〜23施設

今年の予約進捗 — 11月21日・28日の現時点の予約状況(10月23日時点)

では、今年の見頃の土曜は現時点でどこまで埋まっているのか。本稿執筆時点で11月21日(土)は宿泊日まで28日、11月28日(土)は35日あり、どちらも予約のピーク帯に入る前の途中経過である。したがって「完売」「需要超過」といった断定はせず、観測できた残室数の推移として示す。同じ11月21〜23日の3連休を京都・長野・栃木など5県の旅館で追った10月9日断面は紅葉3連休11/21〜23の予約進捗、京都の旅館は残室18%・長野32% — 10月9日断面を5県で読むにまとめており、本稿の大多喜町の数値はその千葉版の途中経過として読める。

大多喜町の対象12施設/客室101室(主要予約サイト掲載ベース)で見ると、11月21日分は宿泊日45日前(10月7日観測)に残室54室・稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)46.5%だったものが、30日前(10月22日観測)には残室35室・65.3%まで進んだ。15日間で19室が消化された計算になる。11月28日分は45日前(10月14日観測)に残室57室・43.6%、37日前(10月22日観測)に残室47室・53.5%で、同じ37日前時点で比べると21日分も残室47室・53.5%であり、2つの土曜はここまでほぼ同じ速度で動いている。

参考までに、千葉県の旅館全体(対象76施設/客室1,898室)では11月21日分が30日前に残室257室・86.5%、11月28日分(75施設/1,885室)が37日前に残室628室・66.7%だった。大多喜町は県内旅館平均より残室の割合が大きく、紅葉期の受け入れ余地がまだ残っていると読める。鉄道が使えない今年は、この余地を車・バス利用客にどう案内して埋めるかが宿の打ち手になる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。大多喜町・対象12施設/客室101室(主要予約サイト掲載ベース)。LT45〜LT30(11月21日分)、LT45〜LT37(11月28日分)の残室数

施設別の残室状況も、観測時点を付して表に示す。対象は主要予約サイトに総客室の30%以上を掲載している大多喜町の施設で、11月21日分は在庫観測のある15施設のうち14施設、11月28日分も14施設が対象になった(町内で在庫観測の対象となった施設は41施設)。このうち総客室数と残室数を室数で読める7施設を表にし、1〜2室の一棟貸し・小規模宿7軒はまとめて記す。

大多喜町の施設別残室(11月21日・28日分、2026年10月23日までの観測)
施設(大多喜町)総客室数11月21日(土)残室11月28日(土)残室最終観測
滝見苑336室12室10月23日
Resort View 大多喜159室6室10月23日
養老温泉 黒湯の宿 嵯峨和134室7室10月23日
天龍荘73室1室10月23日
温泉旅館 川の家72室4室10月23日
渓谷別庭 もちの木17—1室10月23日
大多喜リゾートホテル338室22室10月12日
一棟貸し・小規模宿 7軒(1〜2室)計107軒とも残室03軒が残室0、3軒は残室あり(1軒は対象外)8月27日〜10月23日

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。主要予約サイトに総客室の30%以上を掲載する施設のみ。11月21日分は14施設、11月28日分は14施設が対象(在庫観測のある15施設のうち、公開枠30%未満を除外)。「—」は当該日の対象外。残室0は観測時点の掲載在庫がないことを示し、施設全体の満室を意味しない

読み取れることは3つある。第1に、養老川沿いの旅館は11月21日分の残室が総客室の2〜3割まで絞られており、3連休初日の需要は鉄道運休下でも確実に入っている。第2に、1〜2室の一棟貸し・小規模宿は21日分がすべて残室0で、車で入る前提の客層が先に動いた形といえる。第3に、11月28日分は滝見苑・嵯峨和・川の家・大多喜リゾートホテルで21日分より残室が多く(Resort View 大多喜と天龍荘は28日分の方が少ない)、2週目の土曜に受け入れ余地が残る。宿にとっては、28日を軸にした「車・高速バスでの来訪案内付きプラン」を用意する価値がある。なお、一棟貸し宿のうち一部は最終観測が8月下旬〜10月上旬で、その後の在庫の戻りは観測していない。

鉄道以外の到達経路 — 宿の案内ページに載せるべき項目

鉄道で養老渓谷駅に入れない今年は、宿の予約ページとアクセス案内が「どう来るか」を具体的に示せるかどうかで、取りこぼしの大きさが変わる。公表情報で確認できた経路と現況を、確認日とともに整理した。時刻・運賃は変更されるため、宿の案内には必ず「確認日」と公式の確認先を併記したい。

養老渓谷への到達経路と現況(2026年10月24日時点)
経路10月24日時点の現況(確認できた範囲)確認元・日付宿の案内に載せる項目
小湊鉄道 五井〜上総牛久運転中。平日26本・土休日25本、所要27〜28分小湊鉄道 10月8日発表・時刻表(地域情報サイト経由)五井での乗り換え、上総牛久が終点であること
小湊鉄道 上総牛久〜上総中野(養老渓谷駅を含む)当面の間終日運休。復旧工事は10月13日着手、全線開通は半年〜1年以上を想定小湊鉄道 10月8日発表、NHK 10月21日「養老渓谷駅まで電車では行けない」と明記
代行バス(平日)10月14日から上総牛久〜小茶自動車前(養老渓谷駅の手前)、高滝駅前停車、1日5本。通学利用者優先小湊鉄道 時刻表 10月20日付(地域情報サイト経由)養老渓谷駅前まで行かないこと、本数が限られること
代行バス(土曜)10月24日・31日・11月7日のみ上総牛久〜市原市石神(養老渓谷駅まで徒歩約500m)、各3便。11月14日以降の土曜・日祝は未発表小湊鉄道 時刻表 10月20日付(地域情報サイト経由)見頃の土曜(11月21日・28日)は代行バスの運行が未発表である旨
いすみ鉄道(大原〜上総中野)全線で運転見合わせ、代行バス運行。復旧見込みは2027年秋頃いすみ鉄道 公式サイト上総中野側からも鉄道では入れないこと
高速バス(安房小湊〜東京線)6往復、大多喜町内2停車千葉県「公共交通」資料 2026年3月最寄り停留所名、停留所から宿までの送迎可否
車(圏央道 市原鶴舞IC)大多喜町側(国道297号・465号経由)から入れる。市原市側の県道81号は石神付近で通行止め、復旧見込みは調査中市原市 観光情報 10月23日更新(地域情報サイト経由)、まるちば推奨ルート(大多喜町側)、所要約30分、駐車場の有無
路線バス(養老渓谷駅〜粟又ノ滝)養01系統が運行。養老渓谷駅〜上総中野駅の振替輸送は取り扱い中止小湊鉄道 10月8日発表、乗換案内サイト宿の最寄りバス停と送迎の受付条件
駐車場(大多喜町側)渡辺駐車場50台・粟又の滝駐車場37台・渓谷駐車場50台など(有料)大多喜町観光協会の案内(地域情報サイト経由)紅葉週末の混雑見込みと宿の駐車場台数

出典:小湊鉄道・いすみ鉄道・市原市・大多喜町・千葉県の公表情報、地域情報サイト(じもはる)の整理よりホテルバンク編集部作成

整理すると、今年の養老渓谷は「車で大多喜町側から入る」か「五井から上総牛久まで鉄道、そこから代行バス(平日・一部土曜のみ)」の二択になる。見頃の11月21日・28日に土曜の代行バスが走るかどうかは、10月24日時点では公表されていない。宿としては、送迎の受付条件(上総牛久駅・高速バス停留所からの送迎可否と時間帯)を明示することが、鉄道利用客の取りこぼしを防ぐ最も直接的な手段になる。加えて、大多喜町が公表する町道通行止め情報(10月2日更新、中野大多喜線・大多喜城線・紙敷線・老津線ほか)や、遊歩道の通行可能区間(中瀬遊歩道は共栄橋側から約400m、滝めぐり遊歩道は粟又の滝側100m地点で折り返し、梅ヶ瀬渓谷は立入禁止)も、宿の案内に日付付きで載せたい情報である。

周辺の受け皿 — 勝浦・鴨川・君津・市原市街、紅葉客の泊まり先の選択肢

養老渓谷の宿が100室前後で満たされた後、紅葉客はどこに泊まるのか。同じ11月21日分の予約進捗を周辺市町で並べると、勝浦市(対象16施設/客室365室)は宿泊日45日前の稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)70.7%から30日前に77.8%、鴨川市(39施設/1,099室)は76.1%から85.6%へ進んだ。市原市(17施設/781室)は五井駅周辺のビジネス・シティホテルが中心で、45日前93.6%・30日前97.6%と3連休初日の消化が進んでいる。君津市は対象施設数が基準に満たず、カーブを示せない。

11月28日分は、37日前時点で勝浦市74.6%(17施設/366室)、鴨川市64.6%、市原市62.4%、大多喜町53.5%だった。21日分と比べると各市町とも残室に余裕があり、2週目の土曜は養老渓谷の宿だけでなく、外房の勝浦・鴨川に泊まって日帰りで養老渓谷を訪れる組み立ても十分に成り立つ。単価で見ても、勝浦市・鴨川市の11月は2万円前後で養老渓谷より2,400〜3,100円ほど低く、君津市は9,000円台、市原市街は6,000円台と、予算に応じた受け皿が帯状に並んでいる。千葉県全体の客室ストックが浦安・成田に偏り、房総側の供給が薄い構造については、8月の豪雨時点で千葉県7.5万室の43%が災害救助法25市町に — 連泊対応ストックと受け皿余力を数えるが県内75,065室の内訳を整理している。

周辺市町の予約進捗と推定成約ADR(11月21日・28日分、10月22日観測)
市町対象施設/客室(主要予約サイト掲載ベース)11/21 稼働率(推定)30日前11/28 稼働率(推定)37日前2025年11月 推定成約ADR2026年11月 推定(掲載水準)
大多喜町(養老渓谷)12施設/101室65.3%53.5%¥23,030(N=10)¥18,400(N=9)
勝浦市16〜17施設/365〜366室77.8%74.6%¥19,860(N=12)¥18,775(N=12)
鴨川市39施設/1,099室85.6%64.6%¥20,550(N=31)¥20,125(N=31)
君津市基準未満(9施設/138室)——¥9,109(N=9)¥11,534(N=8)
市原市(五井周辺中心)17施設/781室97.6%62.4%¥6,415(N=22)¥9,676(N=18)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。稼働率はOTA掲載在庫ベースの推定値(10月22日観測)。2026年11月のADRは調査時点の掲載水準に基づく推定

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。11月21日(土)分、LT45〜LT30の稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)。対象:大多喜町12施設/101室、勝浦市16施設/365室、鴨川市39施設/1,099室、市原市17施設/781室

受け皿の側にも機会がある。勝浦市・鴨川市の宿にとって、養老渓谷の紅葉は車で1時間圏の日帰り目的地であり、「養老渓谷ライトアップ(17〜21時)を見てから戻る」動線を組めば、夕食時間を遅らせた紅葉プランが成立する。市原市街のビジネスホテルは、五井駅で小湊鉄道に乗り換える鉄道客の前泊・後泊地として、平日の代行バス(1日5本)の時刻に合わせた案内を置くだけで役割が明確になる。君津市は亀山温泉を抱え、圏央道・館山道からの車客が大多喜町側へ回る中継点として位置づけられる。

運営者・自治体への示唆 — 「来られない」ではなく「こう来る」を先に出す

ここまでを整理すると、養老渓谷の紅葉期は、見頃も単価の季節性も例年どおりで、変わったのは到達経路だけである。大多喜町の2025年11月の推定成約ADRは前年同月比+12.7%で、紅葉の価値そのものは下がっていない。宿が取り組めることは3つに絞られる。第1に、予約ページの冒頭に「車は大多喜町側(圏央道 市原鶴舞IC)から」「鉄道は上総牛久まで、代行バスは平日のみ」と確認日付きで書くこと。第2に、上総牛久駅・高速バス停留所からの送迎条件を明示し、鉄道利用客を送迎で受け止めること。第3に、残室に余裕のある11月28日(土)を軸に、ライトアップ時間に合わせた夕食時間の設定や、2週目の土曜向けプランを用意することである。

自治体・観光協会にとっては、見頃の土曜(11月21日・28日)に土曜代行バスが運行されるかどうかが、鉄道で来る層の受け入れを左右する。10月24日時点で公表されている土曜運行は11月7日までであり、紅葉期の運行有無が決まり次第、宿と観光協会が同じ日付・同じ文言で案内できる体制を整えておきたい。あわせて、養老渓谷駅前観光案内所の11月14日再開、観音橋・粟又の滝のライトアップ日程、遊歩道の通行可能区間を一枚の案内にまとめ、宿の予約ページから直接リンクできる形で公開することが、紅葉客の不安を減らす最も効率のよい方法だろう。鉄道の全線開通までは半年〜1年以上を要するとされるが、宿と地域が「こう来る」を先に示し続ければ、この紅葉期は受け皿を含めて十分に受け止められる。

よくある質問

Q. 2026年の養老渓谷の紅葉は、電車で見に行けますか。
A. 10月24日時点では、小湊鉄道の上総牛久〜上総中野間(養老渓谷駅を含む)が当面の間運休しており、電車で養老渓谷駅まで行くことはできません。五井〜上総牛久は運転しており、上総牛久から先は平日(および10月24日・31日・11月7日の土曜)に代行バスが養老渓谷駅手前まで運行しています。見頃の土曜(11月21日・28日)の代行バス運行は未発表です。

Q. 養老渓谷温泉の宿は営業していますか。
A. 10月23日時点の公表情報では、滝見苑、嵯峨和、川の家、もちの木、SHINRA YORO VALLEYなどの宿が通常営業しており、市原市側の鶴乃家・喜代元は10月30日から営業再開予定です。各施設の送迎条件は宿に直接ご確認ください。

Q. 車で行く場合のルートは。
A. 市原市の10月23日更新の情報では、市原市側の県道81号が石神付近で通行止めのため、圏央道 市原鶴舞ICから国道297号・465号を経由して大多喜町側から入るルートが案内されています。大多喜町側に有料駐車場(渡辺駐車場・粟又の滝駐車場・渓谷駐車場など)があります。

⚠ 将来日程のADRに関する注意:本記事の2026年10〜12月のADRは調査時点でOTAに公開されている販売価格に基づく推定であり、チェックイン日に近づくにつれて変動します。現時点で高く設定されている価格が直前値下げで下落する可能性がある点にご留意ください。2026年10〜12月の値は調査時点の掲載水準に基づく推定であり、確定値ではありません。また、残室数・稼働率(推定)は2026年10月22〜23日の観測時点の値であり、宿側の在庫操作やキャンセルで日々変わります。

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参考資料・出典一覧

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