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秋のマラソン4大会と宿泊需給2026 — 金沢・水戸・富山・神戸、前夜の価格はもう動いている

投稿日 : 2026.08.05 更新日 : 2026.09.02

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季節・イベント

秋のマラソン4大会と宿泊需給2026 — 金沢・水戸・富山・神戸、前夜の価格はもう動いている

2026年秋、10月25日から11月15日までの3週間に、フルマラソンの定員合計で約5万8千人規模の市民マラソンが4大会続く。金沢マラソン2026(10月25日)、第11回水戸黄門漫遊マラソン(10月25日)、富山マラソン2026(11月1日)、そして神戸マラソン2026(11月15日)である。前泊需要が集中するのは大会前夜の土曜日で、10月24日・10月31日・11月14日の3日間に、開催4県の宿泊市場は一斉に「特異日」を迎える。本稿では、この3つの土曜と同じ月の通常土曜との価格差を施設単位で突き合わせ、どの都市でどれだけ需要が織り込まれているのか、そしてどこにまだ受け皿が残っているのかを定量化する。

本記事における指標の定義

  • ADR(平均客室単価):各施設がOTA等で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値(エリアの標準的な施設の水準)。
  • 掲載価格:OTA等に公開されている全プランの平均価格(2名1室利用時・1室あたり料金・税込、素泊まりから食事付きまでを含む)。日別の分析はこの掲載価格を用い、エリア値は施設ごとの日別平均をとったうえでの中央値です。
  • OCC(稼働率):エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。都道府県単位でのみ用います。
  • LT(リードタイム):チェックイン日までの日数。LT0=当日。
  • データ出典:メトロエンジンリサーチ
Key Takeaways
  • 3週間で4大会・フル定員合計約5万8千人。前泊需要が集中するのは10月24日・10月31日・11月14日の3つの土曜に絞られる。
  • — 開催都市の前夜掲載価格は同月の通常土曜比で高岡市+49.1%・金沢市+44.9%、富山市+28.6%、神戸市中央区+17.1%、水戸市+16.9%。
  • — 一方で施設単位の上乗せ中央値は金沢+10.9%・神戸+6.7%にとどまり、5%超の上乗せは6割前後。約4割の施設が平常価格のまま前夜を迎えようとしている。
  • — 波及は行政区域を越える。高岡市は金沢マラソン前夜(10月24日)にも+46.7%と2週連続で上昇。受け皿の価格差は金沢→小松−¥21,500、神戸→大阪府−¥14,000。
  • — 3つの前夜はいずれもリードタイム90日の観測窓の外(観測開始は7月26日・8月2日・8月16日)。現時点で断定できるのは価格の動きまでで、在庫の消化状況ではない。

3週間で5万8千人 — 秋の4大会が並ぶ2026年

まず対象となる4大会の与件を整理する。いずれも各大会の公式サイトおよび自治体発表で確認した内容である。特筆すべきは、10月25日に金沢と水戸が同日開催となる点、そして富山マラソンのスタート地点が富山市ではなく高岡市役所前である点だ。前者は北陸と北関東で需要のピークが重なることを意味し、後者は「開催県の県庁所在地に泊まる」という直感が必ずしも実態と一致しないことを示唆する。

表1 秋の4大会の開催日・フル定員・発着地と前夜(土曜)
大会開催日フル定員発着前夜(土)
金沢マラソン202610月25日(日)8:3015,000人金沢市10月24日
第11回水戸黄門漫遊マラソン10月25日(日)9:0010,000人水戸市 南町2丁目交差点発 → 三の丸庁舎着10月24日
富山マラソン202611月1日(日)9:0013,000人高岡市役所前発 → 富岩運河環水公園着10月31日
神戸マラソン202611月15日(日)20,000人神戸市役所前発 → 神戸ハーバーランド着11月14日

出典:各大会公式サイト・自治体発表よりホテルバンク編集部作成

金沢は7年ぶりに一斉スタート方式へ戻し、定員1万5千人のうち1千人を海外枠に充てている。水戸は一般枠が4月27日に定員到達で締め切られ、神戸は6万人を超えるエントリーに対して2万人を抽選で選ぶ形となった。つまりいずれの大会も、宿泊需要の母数は既に確定している。ここから先の変数は「そのランナーがどこに泊まるか」だけである。

前夜の掲載価格は、通常土曜より何割高いか

分析にあたっては、2026年10月〜11月の土曜9日分(10月3日・10日・17日・24日・31日、11月7日・14日・21日・28日)すべてで価格が観測できた施設だけを抜き出し、バランスの取れた比較対象とした。対象は石川・富山・茨城・兵庫の4県で計715施設、比較用に大阪府398施設を加えている。祝日を含む3連休初日(10月10日・11月21日)は季節要因が別に働くため基準からは外し、大会前夜と同じ月の通常土曜だけを基準値とした。なお同じイベント需要でも開催曜日によって価格と在庫の出方は変わる。この点は長崎くんち vs 岸和田だんじり — 平日祭と週末祭でホテル需給の出方はどう違うかで平日開催の祭と比較しており、本稿の土曜前夜という条件の特殊性を掴む助けになる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

結果は明快である。金沢市は大会前夜の掲載価格中央値が¥45,900で、10月の通常土曜(¥31,700)に対して+44.9%。高岡市は富山マラソン前夜に¥20,900と、通常土曜¥14,000から+49.1%へ跳ね上がる。水戸市は¥32,100で+16.9%、神戸市中央区は¥41,000で+17.1%となった。

表2 開催都市5エリア — 大会前夜と同月の通常土曜の掲載価格比較
開催都市N前夜同月の通常土曜水準差施設単位の中央値5%超の上乗せ施設
金沢市(10/24)60¥45,900¥31,700+44.9%+10.9%60.0%
水戸市(10/24)21¥32,100¥27,500+16.9%+25.7%76.2%
富山市(10/31)32¥28,600¥22,300+28.6%+7.5%59.4%
高岡市(10/31・スタート地点)11¥20,900¥14,000+49.1%+16.6%90.9%
神戸市中央区(11/14)43¥41,000¥35,100+17.1%+6.7%60.5%

掲載価格(全プラン平均・2名1室・税込)の施設中央値/出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

ここで2つの数字を分けて読む必要がある。「水準差」はエリア全体の価格中央値どうしの比較であり、営業している施設の顔ぶれ(構成)の影響を受ける。一方「施設単位の中央値」は、同じ施設の前夜価格と通常土曜価格を1対1で突き合わせた比率の中央値であり、構成の影響を受けない純粋な値上げ幅にあたる。

この2つが最も乖離するのが金沢市だ。エリア水準では+44.9%だが、施設単位で見ると中央値は+10.9%にとどまる。これは、前夜に価格を大きく引き上げている施設と、通常の土曜とほぼ同じ価格で販売している施設が混在していることを意味する。実際、5%を超えて上乗せしている施設は60.0%で、裏を返せば4割の施設が平常運転のまま10月24日を迎えようとしている。

価格を動かしている施設の比率 — 都市ごとの温度差

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

もっとも足並みが揃っているのは高岡市で、11施設中10施設(90.9%)が前夜に5%超の上乗せをしている。富山マラソンのスタート地点が高岡市役所前であることを、市内の宿泊事業者がはっきり価格に織り込んでいる形だ。水戸市も76.2%と高く、施設単位の中央値は+25.7%と4都市中で最大である。定員1万人という規模に対し、市内の宿泊供給が相対的に薄いことが背景にあると考えられる。

一方、金沢市と神戸市中央区は6割前後で、まだ余地が残る。とりわけ神戸は定員2万人と4大会最大でありながら、施設単位の上乗せ中央値は+6.7%にとどまる。これは神戸・大阪圏の宿泊供給の厚みが価格上昇を吸収しているためだが、逆に言えば、集客力の高い施設にとっては前夜1泊分の収益機会がまだ十分に残されているとも読める。大会前夜という需要が確定した1日について、リードタイムに応じた段階的な価格設計を組み込む余地は大きい。

隣県まで届く波 — 高岡は「2週連続」で上がる

興味深いのは、大会の影響が行政区域を越えて広がっている点だ。高岡市は自県の富山マラソン前夜(10月31日)に+49.1%となるが、その1週間前、金沢マラソン前夜の10月24日にも+46.7%と同水準まで上昇している。北陸新幹線で金沢から新高岡までは最短13分。金沢市内の価格が¥45,900に達する夜に、高岡の¥20,500という水準は明確な代替選択肢として機能する。同様に富山市も10月24日に+13.5%と反応している。開催地の在庫が締まったときに周辺エリアへどう需要が滲み出すかという構図は、長岡花火大会2026 — 長岡市は3月完売、周辺エリアへの需給波及でも同種の波及として観測されている。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

逆方向の波及は限定的だ。富山マラソン前夜(10月31日)の金沢市は+6.7%、石川県全体では+1.3%にとどまる。金沢が北陸最大の宿泊集積地であり、富山方面の需要を吸収してもなお在庫に余裕があることの裏返しである。

表3 周辺・代替エリアの前夜価格と開催都市との差額
受け皿候補対象の前夜N前夜同月の通常土曜水準差開催都市との差
小松市10/24(金沢)17¥24,400¥21,900+11.4%−¥21,500
加賀市(加賀温泉郷)10/24(金沢)39¥61,000¥62,200−2.0%+¥15,100
つくば市10/24(水戸)18¥19,800¥21,600−8.6%−¥12,300
ひたちなか市10/24(水戸)11¥32,300¥28,500+13.6%+¥200
射水市10/31(富山)11¥36,200¥35,800+1.1%+¥7,600
明石市11/14(神戸)7¥21,700¥20,300+6.9%−¥19,300
大阪府11/14(神戸)398¥27,000¥26,000+3.8%−¥14,000

「開催都市との差」は当該前夜における開催都市(金沢市/水戸市/富山市/神戸市中央区)の掲載価格中央値との差額/出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

受け皿として最も価格差が大きいのは、神戸に対する大阪府(−¥14,000)と明石市(−¥19,300)、金沢に対する小松市(−¥21,500)である。大阪は通常土曜でも神戸市中央区より¥9,100安いが、前夜にはその差が¥14,000まで広がる。神戸マラソンは11月15日の朝スタートで、大阪市内から三宮までは新快速で20分強。移動コストを考えれば、価格差の拡大は合理的な選択肢の広がりを意味する。小松と金沢の単価差がイベント日以外の平常時にどの程度あるのかについては、北陸新幹線敦賀延伸3年目|福井・敦賀・小松・金沢 4都市ADR徹底比較が通年の水準を整理している。

なお加賀市の水準が¥61,000と突出しているのは、加賀温泉郷が2食付きの旅館主体のエリアであり、掲載価格の全プラン平均が構造的に高く出るためだ。素泊まり中心のビジネスホテルと同じ物差しで比較できる数字ではない点に留意されたい。つくば市が−8.6%と前夜にむしろ下がっているのは、水戸から約60km離れており、大会需要の圏外にあることを示している。

秋という季節そのものの底上げ — 4県のADR実績

ここまでは日別の掲載価格を見てきたが、月次の推定成約ADRで見ると、4県の秋はもともと単価が上がる季節である。石川県の月次推移を年別に重ねると、11月が明確なピークを形成していることがわかる。北陸では11月6日前後のズワイガニ漁解禁が宿泊需要と単価を押し上げる構造があり、マラソンによる1日の需要はこの季節性の上に乗る形になる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

表4 開催4県の10月・11月 推定成約ADRと前年同月比
2024年10月2025年10月前年同月比2024年11月2025年11月前年同月比
石川県(N=229〜237)¥11,700¥12,600+8.1%¥12,600¥14,000+11.1%
富山県(N=160〜163)¥7,600¥7,600+0.8%¥7,500¥8,000+5.8%
茨城県(N=305〜313)¥6,500¥6,800+4.7%¥6,700¥7,100+6.0%
兵庫県(N=539〜562)¥11,900¥13,300+11.6%¥13,700

推定成約ADR(税抜相当)。兵庫県の2025年11月は集計対象施設がN=34と他月(中央値540前後)を大きく下回るため、精度確保の観点から掲載しない/出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

秋の単価上昇率は県によって差がある。兵庫県は2025年10月に前年同月比+11.6%、石川県は同+8.1%、11月は+11.1%と伸びた一方、富山県の10月は+0.8%とほぼ横ばいだった。富山は北陸新幹線開業効果が一巡した後、単価の再加速局面にはまだ入っていない。逆に言えば、大会前夜のような需要確定日をどう扱うかが、年間の平均単価に効いてくる県だといえる。

在庫の進み具合は、まだ「観測窓の外」にある

ここで正直に書いておくべきことがある。3つの大会前夜は、いずれも現時点では在庫の消化状況を観測できる期間に入っていない。宿泊在庫の推移はリードタイム90日以内を対象に追跡しており、10月24日がその範囲に入るのは7月26日、10月31日は8月2日、11月14日は8月16日である。したがって現時点で言えるのは「価格はすでに動いている」ことまでで、「予約がどれだけ埋まっているか」を数字で断定することはできない。

表5 大会前夜3日の在庫観測開始日(LT90)と集計対象施設数
対象日在庫推移の観測が始まる日(LT90)集計対象施設数
10月24日(金沢・水戸前夜)2026年7月26日石川県 / 茨城県70 / 108
10月31日(富山前夜)2026年8月2日富山県76
11月14日(神戸前夜)2026年8月16日兵庫県185

集計対象施設数は、総客室数の3割以上をOTA等に公開している施設に限定した2026年10月17日時点の件数/出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

なお在庫を扱う集計はすべて、総客室数の3割以上をOTA等に在庫として公開している施設に母集団を絞っている。公開割合がそれ未満の施設は、公式サイトでの直販中心の運用、チェックインが近づくにつれ在庫を小出しに追加していく在庫コントロール、あるいは契約上のOTA割当が小さいことなど、複数の可能性が考えられ、残室数の推移から需給を読むには適さないためである。

参考として、観測可能な2026年10月最初の土曜(2026年10月3日)における4県の稼働率(OTA販売在庫に基づく推定・2026年7月25日時点の集計)の推移を示す。リードタイム90日から71日にかけての19日間で、富山県は81.1%から84.0%へ、茨城県は75.9%から79.0%へと消化が進んでいる。石川県と兵庫県はこの区間でおおむね横ばいであり、需要の立ち上がりは県によってかなり異なる。

OTA販売在庫に基づく推定値。富山県のLT75にみられる一時的な落ち込みは、一部施設が在庫公開量を増やしたことによる分母側の変動であり、需要の反転ではない/出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

ランナーと宿、それぞれの読み筋

エントリー済みのランナーにとって。4大会のうち最も価格差が開いているのは金沢である。市内¥45,900に対し、小松市は¥24,400、新高岡まで足を延ばせば¥20,500。金沢マラソンのスタートは8時30分と早いため移動時間との兼ね合いになるが、選択肢としての価格差は明確に存在する。神戸は大阪府内(¥27,000)が現実的な代替で、三宮まで20分強という距離を考えれば有力だ。水戸は市内¥32,100に対しつくば市が¥19,800だが、こちらは約60kmと距離があるため、ひたちなか市や県内他エリアも含めた比較が現実的だろう。

宿泊事業者にとって。大会前夜は、需要の母数が数ヶ月前から確定している数少ない日である。定員が確定し、抽選も締め切られ、参加者は必ずどこかに泊まる。それにもかかわらず、金沢市では4割、神戸市中央区でも4割の施設が通常土曜と大きく変わらない価格で販売している。ここには段階的なプライシングを導入する余地が残されている。

具体的には、リードタイムに応じて価格を段階的に引き上げる設計、2泊目(大会当日夜)とのセット造成、早朝チェックアウトや荷物預かりといったランナー向けの付帯サービスによる差別化が考えられる。とくに高岡市のように、開催都市から新幹線で十数分の距離にありながら価格差が¥25,000以上あるエリアでは、「移動時間を明示した前泊プラン」そのものが訴求材料になりうる。すでに高岡の9割の施設が前夜の上乗せに動いていることは、この読み筋が市場に共有されつつあることを示している。

今後の焦点は、7月26日以降に順次観測期間に入る在庫の消化ペースである。価格が先行して動いた都市で実際に予約が伴うのか、それとも価格を据え置いた施設から先に埋まっていくのか。この検証は、観測データが十分に蓄積された時点で改めて行いたい。

⚠ 将来日程の価格に関する注意:本記事で扱う2026年10〜11月の価格は、いずれも調査時点(2026年7月25日)でOTA等に公開されている販売価格に基づく推定であり、チェックイン日に近づくにつれて変動します。現時点で高く設定されている価格が直前に調整される可能性、逆に新規プランの追加で水準が変わる可能性の双方があります。また、月次の推定成約ADRのうち2026年7月以降は現時点の掲載水準からの推定値であり、実績ベースの月と単純に比較することはできません。本記事では前年同月比の算出を実績ベースの月に限定しています。

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参考資料・出典一覧

■ 大会公式情報

■ データソース

掲載価格・推定成約ADR・OTA販売在庫に基づく推定稼働率はメトロエンジンリサーチ。日別の価格分析は石川・富山・茨城・兵庫の4県計715施設に大阪府398施設を加えた計1,113施設、月次ADRは県単位(石川N=229〜237/富山N=160〜163/茨城N=305〜313/兵庫N=539〜562)。大会の開催日・定員・発着地は各大会公式サイトおよび開催自治体の公表資料。

■ 試算前提

2026年10〜11月の土曜9日分すべてで価格を観測できた施設のみを対象としたバランスの取れた比較対象を用いる。3連休初日にあたる10月10日・11月21日は季節要因が別に働くため基準から除外し、大会前夜と同じ月の通常土曜のみを基準値とした。「水準差」はエリアの価格中央値どうしの比較、「施設単位の中央値」は同一施設の前夜価格÷通常土曜価格の比率の中央値で、後者は営業施設の構成変化の影響を受けない。在庫・稼働率の集計は総客室数の3割以上をOTA等に公開している施設に母集団を限定している。

■ 限界・留意点

本稿の2026年10〜11月の価格は将来日程の販売価格に基づく推定であり、チェックイン日に近づくにつれ変動する。3つの大会前夜はいずれもリードタイム90日の観測窓に入っておらず、在庫の消化状況を数値で断定することはできない。加賀市のように2食付きの旅館が主体のエリアは掲載価格が構造的に高く出るため、素泊まり中心の都市と同じ物差しでは比較できない。兵庫県の2025年11月は集計対象がN=34と他月を大きく下回るため前年同月比を掲載していない。掲載価格・推定成約ADRはいずれも推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なる。

■ 市場データ

  • メトロエンジンリサーチ — 掲載価格・推定成約ADR・OTA販売在庫に基づく推定稼働率(日別分析の対象:石川・富山・茨城・兵庫の4県計715施設+大阪府398施設、2026年10〜11月の土曜9日分すべてで価格観測ができた施設)

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