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グリーンズ、「hotel around TAKAYAMA」で衣類寄付の仕組みを導入:宿泊客の不要品を地域福祉へ

投稿日 : 2025.05.20

岐阜県

SDGs

ホテル関連ニュース

(出典:株式会社グリーンズ

株式会社グリーンズは、2025年5月11日、同社が運営する「hotel around TAKAYAMA」において、宿泊客が不要となった衣類などを地域の慈善団体に寄付できる仕組みを導入した。

この取り組みは、特にインバウンド旅行者が旅の途中で不要となった新品同様の衣類や靴などを客室に残していく事例が増加している状況を背景としており、宿泊客の「寄付したい」という声に応える形で始まったものである。ホテルスタッフによる遺失物の保管・管理および廃棄にかかる業務負担を軽減するとともに、地域社会および環境への貢献を目的としている。高山市社会福祉協議会と連携する寄付の仕組みとしては、同ホテルが初めての事例となる。

さらに、環境省の推計によると、日本国内では年間およそ51万トンの衣類が廃棄されており、その大部分が焼却処分されるため環境負荷が大きいとされている。また、厚生労働省の調査によれば、国内には2,591人の路上生活者が確認されており、生活困窮者は200万人を超えるとの推計もある。ホテルでの今回の取り組みは、宿泊者が社会貢献に参加する新たな方法として、資源の有効活用や地域連携の強化にも資するものと位置づけられる。

寄付の対象は、衣類、靴、防寒具、タオルケットなど、再利用可能なものに限定し、ホテルでは月10件程度の寄付を見込んでいる。具体的には、客室内のオープンクローゼットに5枚セットの「不用品寄付シール」を設置し、宿泊客は寄付を希望する衣類などにシールを貼ることで意思表示を行う。チェックアウト後に清掃スタッフがそれらを回収し、専用ボックスに保管する。一定量が集まり次第、高山市社会福祉協議会および救援衣料・フードチャリティー実行委員会を通じて岐阜市のNPO法人に寄付される仕組みである。

本取り組みを開始した「hotel around TAKAYAMA」は、「旅人と飛騨高山のGOOD LOCALな出会いを紡ぐ」というコンセプトを掲げており、人、食、文化、体験などとのつながりを重視した地域密着型の滞在を提供している。今回の寄付活動もその一環であり、ホテル、宿泊者、地域が協力し合うことで、小さな善意が大きな循環を生み出し、「GOOD LOCAL」の価値を育むことを目指している。

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