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自治体独自の宿泊割引クーポン2026秋冬版|10〜12月の8制度一覧と原資は何泊分か

投稿日 : 2026.09.27

秋田県

岩手県

福島県

新潟県

福井県

静岡県

富山県

自治体独自の宿泊割引クーポン2026秋冬版|10〜12月の8制度一覧と原資は何泊分か

2026年10〜12月に宿泊対象期間がかかる自治体独自の宿泊割引を、各自治体の公式サイトと報道発表で確認し、8制度を一覧にした。表には制度名・実施主体・期間・割引の形・1泊あたりの上限・予算額・対象者(県民限定か全国か)を並べ、公表されていない項目は「未公表」と書いている。予算額が分かる4制度については、原資が地元の客室の何泊分に当たるかを試算した。あわせて、10月から11月初旬の推定稼働率を平日と週末に分けて見て、割引が効きやすいのはどちらかを在庫の側から確かめた。

なお、5〜7月期の制度と観光庁予算の全体像は既存記事「自治体独自の宿泊割引クーポン2026 実施中一覧と秋の予定」にまとめている。本稿は秋冬(10〜12月)に宿泊できる制度だけを扱う。

本記事における指標の定義

  • ADR(平均客室単価):各施設が予約サイト上で公開する最安プランの水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に、業態別の補正係数を掛けて算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別の実績と照合すると(91施設・直近3ヶ月間)、誤差の中央値は約7%。あくまで推定値であり、各施設の実際の成約価格や会計上の数値とは異なる。エリア単位のADRは対象施設の中央値で、そのエリアの標準的な施設の水準を表す。
  • OCC(稼働率):エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。予約サイトで販売される在庫の消化状況から推定した値であり、施設全体の実際の稼働率とは異なる。
  • LT(リードタイム):宿泊日までの日数。本稿ではLT45(宿泊日の45日前)以内の観測だけを使う。
  • 客室ストック:直近3か月(2026年6月22日〜9月21日の宿泊日)に予約サイトで価格が確認できた施設の客室数の合計。
  • 掲載価格:2名1室利用時の1室あたり料金(税込)。施設ごとに全プランの平均を求め、エリア単位ではその中央値をとる。
  • データ出典:メトロエンジンリサーチ
Key Takeaways
  • — 8制度を公式発表で確認:2026年10〜12月に宿泊できる自治体独自の宿泊割引(九州ふっこう応援割は国費のため参考扱い)。県民限定は新潟県だけで、4制度は予算額が未公表。
  • — 原資は客室ストックの5〜18泊分:予算額か想定泊数が分かる4制度で試算。市単位の氷見市は、クーポン8,500枚で対象期間の在庫の約2割(20.7%)に届く。
  • — 平日のほうが空いている:宿泊日45日前時点の推定稼働率は、7地域すべてで土曜が水曜を上回った(差は+5.6〜+17.1pt、2026年10月14日〜11月4日の宿泊日)。
  • — 利用条件は標準単価より上:福島県の「1人1泊8,000円以上」に対し、県の推定成約ADRは1人あたり約4,200円相当。食事付き・体験付きプランが割引を受けやすい。

秋冬(10〜12月)の自治体独自の宿泊割引 8制度一覧

2026年9月22日時点で、宿泊対象期間が10〜12月にかかり、自治体が実施主体(または財源)となっている宿泊割引を公式発表で確認できたのは次の8制度である。期間・金額は公式サイト・報道発表の表記どおりに載せた。予算額は、公式に出ていないものを「未公表」とし、報道で確認できたものだけ出典を付けて記している。

表1 秋冬(10〜12月)に宿泊できる自治体独自の宿泊割引(2026年9月22日確認)
制度名 実施主体 宿泊対象期間 割引の形 1人1泊の上限 予算額 対象者
おでんせ!いわて旅割キャンペーン 第2弾 岩手県 10月1日〜12月25日(12月26日チェックアウトまで) 定額割引(宿泊料の1/2以内) 県北・沿岸 7,000円/その他 5,000円 未公表(全3弾で23万人泊を想定) 居住地の制限記載なし
福島県「また来て。」割 第3期 福島県 11月1日〜12月25日(予約10月1日10時〜) 定額割引(1人1泊8,000円以上が条件) 3,000円 35億3,849万円(全4期・90万人泊想定、報道) 全国(居住地制限なし)
まだバレてない秋田県。得旅キャンペーン 第2弾 秋田県 11月1日〜2027年2月28日チェックアウト 定額クーポン(1人あたり宿泊料金に応じて4段階) 10,000円(体験等付きプランは12,000円) クーポン原資5億9,000万円(第1弾からの繰越を含む、報道) 全国(どなたでも利用可)
にいがたGo Toトラベル 第2弾 新潟県観光協会(県事業) 9月7日〜12月29日チェックアウト 定率30%割引 5,000円 未公表 新潟県民限定(ビジネス利用は対象外)
福井に泊まろう!「いいとこ、掘りだくさん。」第2弾 福井県 9月1日〜10月31日(9月19〜22日を除く) 地域通貨の付与(2名以上の予約が条件) 5,000円分(紙クーポンは4,000円分) 未公表 居住地の制限記載なし
今こそ伊東へ!キャンペーン 第2期 静岡県伊東市(事務局:伊東観光協会) 9月7日〜12月14日チェックアウト(予約サイトで異なる) 定率割引(最大20%) 5,000円 未公表 居住地制限なし
氷見旅行割キャンペーン 富山県氷見市 8月23日〜11月16日チェックアウト 1予約あたり定額クーポン(先着順、指定予約サイト1社経由) 1予約 3,000円/5,000円/10,000円(人数・金額条件あり) 未公表(配布枚数は計8,500枚) 居住地の制限記載なし
九州ふっこう応援割(参考・国費) 九州7県(国の補助) 10月1日宿泊分〜。5県は12月25日まで、福岡県は12月15日まで、鹿児島県は未定 定率50%(熊本県・鹿児島県は60%) 1人あたり 2.0万円/3.0万円/3.5万円(商品区分別) 観光復興に向けた支援 155億円(国の予備費) 全国

出典:各自治体・観光庁の公式サイト、報道発表(2026年9月22日確認)よりホテルバンク編集部作成。予算額の「報道」は福島県=福島民報(2025年12月16日)、秋田県=日本経済新聞(2026年8月20日)

表の外に置いたものもある。山口県「やまぐちのアソビ新発見割2026」第2期(10月1日〜12月31日、30%オフ)は体験・アクティビティが対象で、宿泊は含まれない。長野県の体験割引や千葉県の応援割も同じ理由で除いた。旅行会社が主体となっている送客キャンペーンも、自治体独自の制度ではないため載せていない。

8制度を並べると、制度の設計が大きく二つに分かれていることが分かる。一つは、秋田・岩手・福島のように全国から客を受け入れる定額型である。もう一つは、新潟のように県民に限った定率型だ。予算額を公式に出していない制度も多い。8制度のうち4制度は予算額が未公表で、岩手県も想定泊数(23万人泊)しか示していない。割引の形も、定額割引・定率割引・地域通貨の付与(福井)・予約単位のクーポン(氷見)と分かれている。したがって、「1泊いくら安くなるか」だけを並べて比べると、制度の実際の効き方を読み違えやすい。

九州ふっこう応援割は1行の参考扱いにとどめる

九州ふっこう応援割は、令和8年熊本地震からの観光復興を目的とする国の事業である。国土交通省の予備費使用(2026年8月28日閣議決定)のうち、「観光復興に向けた支援」155億円を原資とし、補助率は50%(熊本県・鹿児島県は60%)となっている。1人あたりの限度額は、宿泊単体と交通付き1泊が2.0万円、交通付き2泊以上が3.0万円、2県以上を回る周遊型が3.5万円で、観光庁がすでに公表している。自治体独自の制度ではないため、本稿では比較のために表の1行として載せるだけにした。県別の配分額や何人泊分に当たるかは、既存記事「九州ふっこう応援割、7県配分額と客室売上カバー率」と「155億円は約230万〜460万人泊分」を参照してほしい。

原資は地元の客室の何泊分か — 4制度の試算

予算額か想定泊数を公表している制度(報道で確認できたものを含む)は、秋田・岩手・福島・氷見の4つである。この4制度について、原資をもとに「割引の対象になる室泊数」を割り戻した。これを制度の対象地域の客室ストックと比べると、原資が地元の客室の何泊分に当たるか、また対象期間の客室在庫の何%に届くかが分かる。試算の前提は次のとおりである。

  • 1室の利用人数は2名とした(人泊数÷2=室泊数)
  • 秋田県は1人1泊の平均割引額を3,000円と5,000円の2通りで置き、クーポン原資5.9億円を割った(原資には第1弾からの繰越分が含まれ、宿泊対象期間は11月〜2月の119泊)
  • 岩手県・福島県は、自治体が示した想定泊数(岩手23万人泊・福島90万人泊)をそのまま使った。どちらも複数の期にまたがる年度全体の値である
  • 氷見市はクーポン8,500枚をすべて使い切り、1予約=1室1泊と仮定した(連泊の予約があると室泊数はこれより増える)
  • 客室ストックは直近3か月に価格が確認できた施設の客室数合計。そのため、予約サイトに掲載していない宿は含まれない
表2 原資は地元の客室の何泊分か(4制度の試算)
制度 原資/想定 割引対象の室泊数(試算) 客室ストック ストックの何泊分か 対象期間の在庫カバー率
氷見旅行割(氷見市) 8,500枚 8,500 37施設・484室 17.6泊分 20.7%(85泊)
「また来て。」割(福島県・全4期) 90万人泊 450,000 673施設・28,107室 16.0泊分 算出せず(第4期の期間が未公表)
得旅 第2弾(秋田県・平均3,000円割引の場合) 5.9億円 98,333 262施設・11,754室 8.4泊分 7.0%(119泊)
得旅 第2弾(秋田県・平均5,000円割引の場合) 5.9億円 59,000 262施設・11,754室 5.0泊分 4.2%(119泊)
いわて旅割(岩手県・全3弾) 23万人泊 115,000 372施設・18,234室 6.3泊分 2.8%(全3弾の223泊)

出典:メトロエンジンリサーチ(客室ストック:直近3か月に価格が確認できた施設)、各自治体公表資料・報道よりホテルバンク編集部試算

出典:メトロエンジンリサーチ、各自治体公表資料・報道よりホテルバンク編集部試算

いちばん厚いのは氷見市だった。市内のストックは484室と小さく、そこにクーポン8,500枚が配られるため、対象期間85泊の在庫の約2割に割引が行き渡る計算になる。市単位の制度は、予算が小さくても対象の宿が少ないので、1軒あたりに届く効果が大きくなりやすい。福島県は90万人泊という規模が際立っており、県内ストック(28,107室)の16泊分に当たる。ただし、この数字は年度全体の4期分の合計であり、第3期(11月1日〜12月25日)だけに回る量は公表されていない。

秋田県は平均割引額の置き方で結果が変わり、ストックの5〜8泊分、対象期間の在庫の4〜7%という幅になる。岩手県は年度全体でストックの6.3泊分で、3弾を通して均すと在庫の2.8%にとどまる。ただし、割引上限を高く設定している県北・沿岸の17市町村に予約が集まれば、そのエリアの中でのカバー率は県平均より高くなる。割引の厚さだけでなく、どのエリアに重点を置くかという点も、県ごとに設計の特徴が表れている。

割引の条件と地域の単価水準 — 恩恵が集まるプランはどれか

定額型の制度には「1人1泊○円以上」という利用条件が付いている。そこで、条件の金額と地域の単価水準を比べた。単価には、確定済みの前年同期(2025年10〜12月)の推定成約ADRと掲載価格を使った。

表3 対象地域の客室ストックと単価水準(2025年10〜12月)
対象地域 客室ストック 推定成約ADR(2025年10〜12月) 掲載価格(全プラン平均・税込) 割引の利用条件
秋田県262施設・11,754室¥7,992(N=166)¥18,8001人6,000円以上で割引1,000円〜
岩手県372施設・18,234室¥7,206(N=248)¥18,558宿泊料の1/2以内
福島県673施設・28,107室¥7,655(N=431)¥20,4231人8,000円以上
新潟県765施設・29,204室¥10,114(N=408)¥21,76430%(1人16,667円以上で上限到達)
福井県385施設・11,023室¥12,483(N=207)¥29,4302名以上の予約
静岡県伊東市455施設・5,320室¥21,843(N=121)¥38,708最大20%(上限5,000円)
富山県氷見市37施設・484室¥13,564(N=14)¥35,3691予約6,000円以上〜

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。推定成約ADR・掲載価格は2025年10〜12月の3か月をN加重で平均した値。Nは推定成約ADRの月平均の対象施設数。氷見市はN=14と対象施設が少ない

福島県の条件は「1人1泊8,000円以上」である。一方、県の推定成約ADR(税抜相当・1室あたり)は約7,700円で、税込にして2名で割ると1人あたり約4,200円になり、条件の半分ほどしかない。これに対し、掲載価格(全プラン平均・税込)は1室約20,400円で、1人あたり約10,200円と条件を上回る。つまり、割引の対象になりやすいのは、素泊まりに近い標準的な単価のプランより、1泊2食付きの旅館プランのような単価の高いプランである。秋田県も同じ形で、最低区分の「1人6,000円以上」は推定成約ADRの水準(1人約4,400円)より上にあり、掲載価格の水準(1人約9,400円)なら区分に入る。

宿の側から見ると、食事付き・体験付きのプランを持っていること自体が、制度の恩恵を受けやすい条件になっている。とくに秋田県は、体験や特産品を組み合わせたプランの割引額を2,000円上乗せする設計である。地域の食や体験を組み込んだ商品を持つ宿ほど、制度の割引を訴求材料として使える幅が広い。

割引が効きやすいのは平日 — 10月〜11月初旬の在庫から

割引の原資が同じなら、もともと埋まりやすい日に使われるより、空室が残る日に使われる方が、地域の宿泊需要を新しく生む効果は大きい。そこで、10月14日(水)から11月4日(水)までの水曜4日と土曜3日について、宿泊日の45日前(LT45)時点の推定稼働率を地域ごとに比べた。7日とも同じLTで比べているので、予約の進み具合の差がそのまま読み取れる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。宿泊日の45日前時点の推定稼働率。平日=10月14日・21日・28日・11月4日(水)、週末=10月17日・24日・31日(土)の平均

表4 宿泊日45日前時点の推定稼働率:平日と週末(2026年10月14日〜11月4日の宿泊日)
地域 対象施設/客室 平日(水)平均 週末(土)平均 差
秋田県115施設/4,926室66.6%72.2%+5.6pt
岩手県185施設/9,897室63.1%76.5%+13.4pt
福島県279施設/12,905室57.3%69.4%+12.1pt
新潟県289施設/13,274室58.3%72.3%+14.0pt
福井県180施設/5,491室52.9%70.0%+17.1pt
静岡県伊東市219施設/3,740室56.0%63.0%+7.0pt
富山県氷見市18施設/354室73.1%89.7%+16.6pt

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。対象施設・客室は主要予約サイト掲載ベース(10月14日宿泊分の集計対象)。氷見市は18施設と少ないため、日ごとの振れが大きい

7地域すべてで、土曜が水曜を上回った。差がいちばん大きいのは福井県の+17.1ptで、次いで氷見市(+16.6pt)、新潟県(+14.0pt)、岩手県(+13.4pt)が続く。宿泊日の45日前の時点で、週末はすでに7割前後まで埋まっている地域が多い。これに対し、平日は5〜6割台にとどまり、空室がまだ多く残っている。割引の予算枠が空室の多い平日に回れば、もともと動いていた週末の需要を割り引くだけで終わらず、新しい宿泊需要を生む余地が大きいといえる。

秋田県は差が+5.6ptと小さい。平日の11月4日(水)も71.8%と高い水準にあり、10〜11月は平日にも一定の需要がある構造がうかがえる。富山県は県全体で見ると、10月24日(土)が95.9%、10月31日(土)が90.5%と、特定の土曜に稼働が大きく集中していた(県全体で119〜120施設・約7,700室)。ただし、県全体の値は県内の他の市の動きを含むため、氷見市の制度とそのまま結び付けて読むことはできない。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部作成。福島県・全施設(279施設/12,905室、主要予約サイト掲載ベース)。9月22日時点までの観測

福島県の10月14日(水)と10月17日(土)の予約の進み方を見ると、LT45からの2〜3週間で、どちらも8〜11pt伸びている。ただ、土曜はLT26の時点で77.0%に達しているのに対し、水曜はLT23でも64.6%にとどまる。第3期の予約受付は10月1日に始まり、11月1日以降の宿泊が対象になる。予約が開いてから宿泊日までの期間は、この10月の曲線と同じ時間帯(LT45〜LT1)に当たるため、平日の空室を埋める手段として割引を組み込む時間は十分にある。

宿側の活用ポイント — 平日在庫と食事付きプランで割引の原資を取り込む

ここまでのデータから、制度を販売に取り込む方向性は三つにまとめられる。一つ目は平日の在庫への重点化である。7地域すべてで平日の空室が週末より多く、うち5地域では差が10pt以上あるため、割引の対象となるプランを平日の日程に厚く並べれば、原資を新しい宿泊需要に結び付けやすい。先着順や予算がなくなり次第終了という制度が多く、週末から先に原資が使われると、平日に回る分が早く減ってしまう。予約の受付が始まった直後に、平日のプランを目立つ位置に出しておくことが、原資を取り込むうえで効果的である。

二つ目は利用条件に合わせた商品設計である。福島県の「1人8,000円以上」や秋田県の段階的な区分は、標準的な素泊まり単価より高い水準に線が引かれている。食事付きや体験付きのプランを条件のすぐ上の価格帯に置けば、客の実質負担を抑えながら客単価を保てる。新潟県の定率30%は1人16,667円で上限に届くので、この価格帯より上の上位客室は割引額が頭打ちになる。一方で、この価格帯のプランは割引の効き方が最も大きい。

三つ目は制度期間の終わりへの備えである。岩手県は12月25日、福島県の第3期も12月25日、新潟県は12月29日チェックアウトで終了し、年末年始は多くの制度で対象外になる。秋田県の第2弾は2027年2月まで続く。期間が終わった後の需要の戻り方は地域によって違うので、制度終了後の販売計画も早めに組み立てておくとよい。

まとめ

2026年10〜12月に宿泊できる自治体独自の宿泊割引は、九州ふっこう応援割を除くと7制度を確認できた。このうち県民限定なのは新潟県だけで、ほかは全国から利用できるか、公式サイトに居住地の制限の記載がない。予算額を公式に出していない制度が多く、原資を割り戻せたのは4制度だった。その4制度で見ると、原資は地元の客室ストックの5〜18泊分に当たり、市単位の氷見市は対象期間の在庫の約2割に届く。在庫の側から見ると、どの地域も平日は週末より空室が多く残っており、割引の原資を平日に回すほど新しい宿泊需要を生む余地が大きい。予約の受付が始まる10月1日前後は、平日プランと利用条件に合わせた食事付きプランの見せ方を整えるよい時期である。

将来の宿泊日のデータに関する注意:10〜11月の推定稼働率は、調査時点(2026年9月22日)までに予約サイトで観測できた在庫の消化状況にもとづく途中経過で、宿泊日が近づくにつれて変わる。推定稼働率は主要予約サイトに掲載された在庫にもとづく推定値であり、施設全体の実際の稼働率とは異なる。制度の期間・金額・予算の状況は各自治体の判断で変わることがあり、予算がなくなり次第終了する制度も多い。利用する前に各公式サイトで最新の状況を確認してほしい。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

制度の期間・金額・予算額・対象者は、各自治体・観光庁の公式サイトと報道発表で確認した(2026年9月22日時点)。客室ストック・推定成約ADR・掲載価格・推定稼働率はメトロエンジンリサーチ(主要予約サイトで公開されている価格と在庫の観測にもとづく集計)。

■ 試算前提

1室2名利用(人泊数÷2=室泊数)。秋田県は1人1泊の平均割引額を3,000円と5,000円の2通りで置いた。岩手県・福島県は自治体が示した年度全体の想定泊数をそのまま使った。氷見市はクーポン8,500枚をすべて使い切り、1予約=1室1泊とした。在庫カバー率=割引対象の室泊数÷(客室ストック×対象期間の泊数)。

■ 限界・留意点

客室ストックは予約サイトに掲載していない宿を含まない。予算額も想定泊数も公表されていない新潟県・福井県・伊東市は試算の対象外とした。10〜11月の推定稼働率は2026年9月22日時点までの途中経過で、宿泊日が近づくにつれて変わる。推定成約ADRは推定値であり、各施設の実際の成約価格とは異なる。

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