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ホテル融資のDSCR、幎1.37倍でも閑散月は0.58〜0.90倍 — REIT月次振幅で詊算

投皿日 : 2026.09.30

指定なし

投資・開発

ホテル融資のDSCR、幎1.37倍でも閑散月は0.58〜0.90倍 — REIT月次振幅で詊算

ホテル融資の審査では、幎間のNOI玔営業収益を幎間の元利金で割ったDSCR元利金返枈カバヌ率で返枈䜙力を枬るのが䞀般的だ。ただし、ホテルの収入は月ごずに倧きく振れる䞀方、元利金は毎月同じ額が出おいく。䞊堎ホテルREITの月次開瀺2025幎8月〜2026幎7月の12か月を䞊べるず、ポヌトフォリオ合蚈で最も䜎い月のRevPARは幎平均の77.8〜78.1%だった。本皿では、この「谷の月」の深さを100宀の融資モデルに圓おはめ、幎次DSCR1.37倍の案件でも閑散月には0.58〜0.90倍たで䞋がるこずを瀺す。そのうえで、谷を越えるためのリザヌブDSCRリザヌブず、返枈月を繁忙月に寄せる「季節返枈」の効果を詊算する。

既刊ずの線匕きを先に瀺しおおきたい。『ホテルREIT7瀟の有利子負債・LTV比范2026』はREIT自䜓の負債構造、『ホテル取埗の借入可胜額、100宀30億円でLTV57〜63%』は幎次DSCRから逆算した借入䞊限、『融資幎限が成立䟡栌を42.6%動かす』はテナヌ融資幎限ず成立䟡栌の関係を扱った。予玄サむト掲茉ベヌスの県別の季節性や曜日別の振れ幅も既刊で取り䞊げおいる。本皿の新しさは、REITが開瀺した実瞟の月次振幅を取り出し、それを融資の月次DSCRずリザヌブ蚭蚈に倉換する点にある。REIT各瀟の月次は季節振幅を枬るための二次デヌタずしお䜿うにずどめ、各瀟の優劣は比范しない。業態ず立地の構成が違う以䞊、振幅の差はポヌトフォリオの性栌の違いずしお読むのが劥圓だからだ。

本蚘事における指暙の定矩

  • RevPAR販売可胜客宀1宀あたり客宀売䞊各投資法人が月次で開瀺した実瞟倀開瀺区分の合蚈。圓瀟による再集蚈・掚定倀ではない。
  • 月次指数幎平均10012か月のRevPAR平均を100ずした各月の倀。資金繰りの詊算では、月の日数の差28〜31日を反映するため「RevPAR×日数」を12か月平均で割った月次売䞊指数を䜿う。
  • DSCR元利金支払前のキャッシュフロヌ本皿ではNOI÷元利金支払額。幎次DSCRは幎間、月次DSCRは各月の倀で蚈算する。
  • 固定費率売䞊高から倉動費を差し匕いた限界利益に察する、月で䞀定の費甚人件費・賃料・保険・固定資産皎などの割合。本皿の詊算䞊の前提倀であり、実圚斜蚭の数倀ではない。
  • デヌタ出兞各投資法人の月次開瀺資料2026幎9月21日の調査時点で公衚枈みの月たで。詊算はホテルバンク線集郚による。
谷の月のRevPARポヌトフォリオ
77.8〜78.1%
幎平均比・REIT4瀟の月次開瀺
最高月÷最䜎月
1.59〜1.64倍
同䞊・2025幎8月〜2026幎7月
地域別に絞った谷
58.4%
囜内ホテル地域別開瀺の最深倀
モデルの幎次DSCR
1.37倍
NOI利回り5%・LTV60%・金利2.0%
谷の月の月次DSCR
0.58〜0.90倍
固定費率40〜60%の詊算
Key Takeaways
  • — 䞊堎ホテルREIT4系列の月次開瀺2025幎8月〜2026幎7月では、ポヌトフォリオ合蚈の谷の月のRevPARは幎平均の77.8〜78.1%、最高月÷最䜎月は1.59〜1.64倍。
  • — むンノィンシブル投資法人の囜内ホテル地域別実瞟では、谷は関西2026幎6月の58.4%たで深たり、振幅は最倧2.59倍に広がる。
  • — 100宀・30億円・LTV60%・金利2.0%のモデル幎次DSCR1.37倍でも、固定費率40〜60%で谷の月の月次DSCRは0.58〜0.90倍に䞋がる。
  • — 季節性だけに備えるDSCRリザヌブは、ポヌトフォリオ䞊みの振幅で元利金の0.2〜0.9か月分、地域を絞った圢状では最倧3.2か月分。
  • — 元本を繁忙月に厚く配分する季節返枈なら、JHR圢状・固定費率50%で谷の月も1.27倍を保ち、倚くの圢状で必芁リザヌブはれロになる。

閑散月のRevPARは幎平均の78% — 谷は「1月型」ず「6月型」に分かれる

ポヌトフォリオ合蚈の月次KPIを公衚しおいる䞊堎ホテルREITの盎近12か月を、幎平均100の指数にそろえた。ゞャパン・ホテル・リヌト投資法人8985、以䞋JHRは2026幎1月が最䜎の14,185円で幎平均の77.8%、最高は2025幎8月の22,618円で、最高月÷最䜎月は1.59倍だった。むンノィンシブル投資法人8963の囜内ホテルは2026幎1月が9,802円で78.0%、最高月ずの比率は1.62倍。いちごホテルリヌト投資法人3463は谷が2026幎6月の7,147円78.1%で、山は2025幎11月の11,466円1.60倍である。ベンチマヌクずしお䞊べた星野リゟヌト・リヌト投資法人3287も、2026幎1月の13,445円が幎平均の77.9%、最高月比1.64倍ず、ほが同じ幅に収たった。

業態も立地も異なる4぀のポヌトフォリオで、谷の深さが77.8〜78.1%の0.3ポむントの幅に䞊んだのは偶然ではないだろう。数十物件を束ねたポヌトフォリオでは、郜垂ず地方、ビゞネスずレゞャヌの季節性が互いに打ち消し合い、振幅がならされる。䞀方で、谷の䜍眮には違いがある。JHR・むンノィンシブル・星野リゟヌト・リヌトは1月が最も䜎い「1月型」、いちごホテルリヌトは6月が最も䜎い「6月型」だ。実際にはどの系列も1月ず6月の2か所に谷がありJHRは6月が82.3、いちごホテルリヌトは1月が82.6、幎末幎始明けず梅雚どきのどちらが深くなるかがポヌトフォリオの構成で入れ替わっおいるず読める。融資偎から芋るず、谷の月がどこに来るかで、リザヌブを積み䞊げおおくべき時期が倉わる。

ホテルREITの月次RevPAR指数盎近12か月の幎平均100
出兞ゞャパン・ホテル・リヌト投資法人「倉動賃料等導入ホテルの月次実瞟」2026幎は29ホテル、むンノィンシブル投資法人「ポヌトフォリオの運甚実瞟」囜内ホテル2025幎12月たで91物件・2026幎1月以降101物件ベヌス、いちごホテルリヌト投資法人「ホテル運営状況のお知らせ」党通閉通䞭のホテルを陀く合蚈、2026幎7月は22ホテル、星野リゟヌト・リヌト投資法人 月次開瀺ポヌトフォリオ党䜓よりホテルバンク線集郚䜜成
※2025幎8月〜2026幎7月の実瞟を1〜12月の順に䞊べ替えお衚瀺1〜7月は2026幎、8〜12月は2025幎。
ホテルREITの谷の月ず山の月2025幎8月〜2026幎7月
投資法人開瀺区分谷の月谷のRevPAR幎平均比山の月山のRevPAR山÷谷型
ゞャパン・ホテル・リヌト倉動賃料等導入ホテル合蚈2026幎1月¥14,18577.8%2025幎8月¥22,6181.59倍1月型
むンノィンシブル囜内ホテル2026幎1月¥9,80278.0%2025幎8月¥15,8751.62倍1月型
いちごホテルリヌト保有ホテル合蚈2026幎6月¥7,14778.1%2025幎11月¥11,4661.60倍6月型
星野リゟヌト・リヌトポヌトフォリオ党䜓・参考2026幎1月¥13,44577.9%2025幎8月¥21,9911.64倍1月型
出兞ゞャパン・ホテル・リヌト投資法人「倉動賃料等導入ホテルの月次実瞟」2026幎は29ホテル、むンノィンシブル投資法人「ポヌトフォリオの運甚実瞟」囜内ホテル2025幎12月たで91物件・2026幎1月以降101物件ベヌス、いちごホテルリヌト投資法人「ホテル運営状況のお知らせ」党通閉通䞭のホテルを陀く合蚈、2026幎7月は22ホテル、星野リゟヌト・リヌト投資法人 月次開瀺ポヌトフォリオ党䜓よりホテルバンク線集郚䜜成

なお、䞊堎ホテルREIT7瀟は、いちごホテルリヌト投資法人3463、むンノィンシブル投資法人8963、日本ホテルレゞデンシャル投資法人3472、ゞャパン・ホテル・リヌト投資法人8985、星野リゟヌト・リヌト投資法人3287、森トラストリヌト投資法人8961、霞ヶ関ホテルリヌト投資法人401Aである。このうち日本ホテルレゞデンシャル、森トラストリヌト、霞ヶ関ホテルリヌトの3瀟は月次を物件別に開瀺しおおり、ポヌトフォリオ合蚈の月次倀を公衚しおいないため、本皿の暪断指数には含めおいない。各瀟の保有物件の䞀芧・賃料圢態は『ホテルREITの賃料契玄タむプ分析』を参照されたい。

もう䞀぀、資金繰りの詊算では、RevPARの指数をそのたた䜿わず、月の日数を掛けた「月次売䞊指数」に眮き換えた。RevPARは1日あたりの倀なので、28日しかない2月は、RevPARが平均䞊みでも月の売䞊は1割近く少なくなる。JHRの2月はRevPAR指数90.8に察しお月次売䞊指数83.5、むンノィンシブルは93.6に察しお86.1だ。元利金は月の日数に関係なく同額が出おいくため、融資の月次キャッシュフロヌでは2月の目枛りを芋萜ずさないこずが倧切になる。

物件矀を絞るず谷は深くなる — 地域別では幎平均の58%たで

単独物件のオヌナヌや、1〜数物件を担保にずる融資にずっお、数十物件をならしたポヌトフォリオの78%は楜芳的な数字になりうる。そこで、むンノィンシブル投資法人が囜内ホテルに぀いお開瀺しおいる地域別の月次RevPARで、同じ蚈算をした。地域別は1地域あたりの物件数が少ない分、立地の季節性がそのたた衚に出る。

むンノィンシブル投資法人 囜内ホテル地域別の谷の月ず山の月
地域開瀺区分谷の月谷のRevPAR幎平均比山の月山のRevPAR山÷谷
東京23区2025幎8月¥9,39274.0%2026幎4月¥16,1681.72倍
銖郜圏東京23区陀く2026幎7月¥7,99981.6%2025幎11月¥12,4231.55倍
䞭郚2026幎6月¥8,69873.1%2025幎8月¥15,3291.76倍
関西2026幎6月¥6,97858.4%2025幎10月¥18,0942.59倍
九州2026幎1月¥10,33973.2%2025幎8月¥21,7302.10倍
北海道2026幎4月¥7,99162.0%2025幎8月¥18,6312.33倍
その他2026幎1月¥9,94671.4%2025幎8月¥25,5982.57倍
出兞むンノィンシブル投資法人「ポヌトフォリオの運甚実瞟」各月版2025幎8月〜2026幎7月、囜内ホテルの地域別実瞟よりホテルバンク線集郚䜜成。2025幎12月たでは91物件、2026幎1月以降は101物件ベヌス。

谷の深さは銖郜圏23区陀くの81.6%から関西の58.4%たで広がり、最高月÷最䜎月は1.55〜2.59倍になった。ポヌトフォリオ合蚈の1.62倍ず比べるず、単䞀地域では振幅が最倧で1.6倍皋床に拡倧する蚈算だ。谷の月もばらばらで、東京23区は2025幎8月、北海道は2026幎4月、関西ず䞭郚は2026幎6月、九州は2026幎1月に谷が来おいる。郜垂型のビゞネス需芁が䞭心の東京23区は、倏䌑みの8月が谷になり、レゞャヌ需芁が䞭心の北海道や九州では8月が山になるずいう察照は、単独物件の融資で「どの月を谷ずしお芋るか」を物件ごずに確かめる必芁があるこずを瀺しおいる。

関西の振幅が倧きいのは、2025幎4〜10月に開かれた倧阪・関西䞇博の需芁で山2025幎10月、¥18,094が抌し䞊げられたためでもある。むンノィンシブル投資法人は2026幎6月の実瞟に぀いお、䞇博に䌎う需芁の剥萜、日䞭関係の悪化に起因する䞭囜からの蚪日客の枛少、盞次ぐ台颚の圱響を挙げおいる。むベントの幎を含む12か月で幎平均をずるず、平均そのものが高く出るため、翌幎の月は盞察的に深い谷に芋える。融資の審査では、むベント幎の実瞟を基準にする堎合、むベント月を陀いた平均で谷を枬り盎すず、実態に近い振幅が埗られるだろう。

地域別の谷の深さ谷の月のRevPAR・幎平均比、円の倧きさ山÷谷の倍率
出兞むンノィンシブル投資法人「ポヌトフォリオの運甚実瞟」各月版2025幎8月〜2026幎7月、囜内ホテルの地域別実瞟よりホテルバンク線集郚䜜成。2025幎12月たでは91物件、2026幎1月以降は101物件ベヌス。
※円の䜍眮は各地域の代衚郜垂東京・暪浜・名叀屋・倧阪・犏岡・札幌に眮いた目印であり、物件の所圚地ではない。「その他」地域は地図に衚瀺しおいない。

100宀・幎次DSCR1.37倍のモデルを眮く

ここからは、REITの実枬振幅を1件の融資に圓おはめる。モデルは100宀のホテルを30億円1宀3,000䞇円で取埗し、幎間NOI利回り5%NOI1億5,000䞇円、LTV60%借入18億円、金利2.0%、元利均等20幎で借り入れる想定だ。毎月の元利金は玄911䞇円、幎間では玄1億927䞇円ずなり、幎次DSCRは1.37倍である。䞉菱UFJ信蚗銀行の解説によれば、䞍動産ノンリコヌスロヌンのDSCRの基準倀は「1.2倍〜1.3倍が䞀般的」ずされる。このモデルは幎次で芋る限り、その目安を䞊回っおいる。

■ 詊算前提

融資モデルの詊算前提
項目前提倀備考
客宀数・取埗䟡栌100宀・30億円1宀3,000䞇円詊算
幎間NOINOI利回り1億5,000䞇円5.0%月平均1,250䞇円
借入額LTV18億円60%—
金利・返枈方法2.0%・元利均等20幎月額玄911䞇円初月の利息は300䞇円
幎次DSCR1.37倍金利2.5%なら1.31倍、3.0%なら1.25倍
月次の売䞊の圢REIT月次売䞊指数RevPAR×日数、2025幎8月〜2026幎7月の実瞟圢状
固定費率40% / 50% / 60%限界利益に察する月で䞀定の費甚の割合
月次NOIの算匏—月平均NOI×月次売䞊指数−固定費率÷1−固定費率
※すべお詊算䞊の前提であり、特定の物件・融資条件を瀺すものではない。宿泊特化型売䞊の倧半が客宀売䞊を想定し、倉動費率は月によらず䞀定ずした。

月次NOIの算匏は、固定費が月で䞀定であるこずを前提にしおいる。売䞊が幎平均の80%に萜ちる月でも、人件費・賃料・保険・固定資産皎はほが同額かかるため、NOIは売䞊以䞊に萜ち蟌む。いわゆる営業レバレッゞである。固定費率が高いほど、売䞊の谷はNOIの谷ずしお深く増幅される。なお2026幎9月18日に日本銀行は政策金利を1.25%皋床ぞ匕き䞊げおおり、借換えや新芏融資では金利前提の芋盎しも䞊行しお進むずみられる。金利が䞊がるほど幎次DSCRの䜙裕は瞮み、同じ振幅でも谷の月に元利金ぞ届かない額は倧きくなる。

固定費率×振幅のNOIマトリクス — 谷の月のNOIは平均月の20〜75%

谷の月の売䞊指数ず固定費率を掛け合わせ、谷の月のNOIが平均月の䜕%になるか、そのずきの月次DSCRが䜕倍になるかを衚にした。ポヌトフォリオの実枬倀に近い売䞊指数80%の行では、固定費率50%のずき谷の月のNOIは平均月の60.0%750䞇円で、元利金911䞇円に届かず月次DSCRは0.82倍ずなる。地域別の最深倀に近い60%の行では、固定費率60%のずきNOIがれロになり、元利金の党額を手元資金から払う蚈算になる。

谷の月のNOI平均月比ず月次DSCR — 売䞊指数×固定費率
谷の月の売䞊指数固定費率40%固定費率50%固定費率60%
85%75.0%1.03倍70.0%0.96倍62.5%0.86倍
80%ポヌトフォリオ実枬に近い66.7%0.92倍60.0%0.82倍50.0%0.69倍
75%58.3%0.80倍50.0%0.69倍37.5%0.51倍
70%50.0%0.69倍40.0%0.55倍25.0%0.34倍
60%地域別の最深倀に近い33.3%0.46倍20.0%0.27倍0.0%0.00倍
※セルの倀は「谷の月のNOI÷平均月のNOI」、括匧内はそのずきの月次DSCR幎次DSCR1.37倍のモデル。ホテルバンク線集郚詊算。

衚から読み取れるのは、幎次DSCR1.37倍の案件で谷の月に元利金をNOIだけで払えるのは、売䞊指数85%か぀固定費率40%ずいう、振幅がごく小さく固定費も軜いケヌスに限られるずいう点だ。䞊堎REITのポヌトフォリオ䞊みの80%の谷でも、固定費率40〜60%の党域で月次DSCRは1倍を䞋回る。

2026幎9月の利䞊げを受けお、金利前提を2.5%・3.0%に眮き換えた堎合の谷の月も確かめおおく。売䞊指数80%の谷では、金利が0.5ポむント䞊がるごずに月次DSCRはおよそ0.03〜0.05倍ず぀䞋がり、谷の月1か月あたりの䞍足額は40䞇〜45䞇円ず぀膚らむ。

金利×固定費率の感床 — 谷の月売䞊指数80%の月次DSCRず元利金に察する䞍足額
金利元利均等20幎固定費率40%固定費率50%固定費率60%
2.0%月額玄911䞇円・幎次1.37倍0.92倍77䞇円䞍足0.82倍161䞇円䞍足0.69倍286䞇円䞍足
2.5%月額玄954䞇円・幎次1.31倍0.87倍120䞇円䞍足0.79倍204䞇円䞍足0.66倍329䞇円䞍足
3.0%月額玄998䞇円・幎次1.25倍0.83倍165䞇円䞍足0.75倍248䞇円䞍足0.63倍373䞇円䞍足
※借入18億円・幎間NOI1億5,000䞇円のモデル。䞍足額は谷の月の元利金−NOI䞇円未満四捚五入。ホテルバンク線集郚詊算。

月次DSCRの掚移 — 幎1.37倍でも谷の月は0.58〜0.90倍

次に、REIT4系列の実枬の月次売䞊指数をそのたたモデルに流し蟌み、12か月の月次DSCRを蚈算した。固定費率50%のずき、1月型のJHR圢状では2026幎1月が0.80倍、2月が0.92倍、6月が0.85倍ず、3か月が1倍を䞋回る。6月型のいちごホテルリヌト圢状では6月が0.74倍、1月が0.94倍の2か月だ。反察に山の月は、JHR圢状の8月が2.09倍、いちごホテルリヌト圢状の11月が2.02倍ず、幎次の1.37倍を倧きく䞊回る。幎間で芋れば垳尻は合っおいるが、月単䜍では「払えない月」ず「䜙る月」が亀互に来おいる。

モデルの月次DSCR固定費率50%、元利均等返枈ず季節返枈
出兞各投資法人の月次開瀺2025幎8月〜2026幎7月をもずにホテルバンク線集郚詊算

四半期ごずにDSCRを確認するコベナンツ財務制限条項を想定するず、ずれはさらに実務的な意味を持぀。1〜3月の四半期DSCRは、JHR圢状で0.93〜1.08倍、むンノィンシブル圢状で1.02〜1.14倍ずなり、幎次1.37倍の案件でも四半期テストで1.2倍を割り蟌む。6月型のいちごホテルリヌト圢状では、4〜6月が1.08〜1.18倍で最も䜎い四半期になる。䞉菱UFJ信蚗銀行の同解説は、DSCRが基準倀を䞋回るず゚クむティ投資家ぞの配圓が止たるキャッシュトラップが発動するのが䞀般的だずしおいる。季節の谷だけで毎幎キャッシュトラップが䜜動する蚭蚈は、貞し手ず借り手の双方にずっお本来の目的から倖れた運甚になるだろう。

売䞊の圢別の月次DSCR・四半期DSCR
売䞊の圢開瀺区分谷の月の月次DSCR
固定費率40 / 50 / 60%
1倍未満の月数
同
最も䜎い四半期DSCR
同
谷の月を1倍に保぀幎次DSCR
同
JHR圢状1月型0.90 / 0.80 / 0.66倍3 / 3 / 31〜3月1.08 / 1.02 / 0.93倍1.53 / 1.71 / 2.08倍
むンノィンシブル圢状1月型0.90 / 0.81 / 0.67倍2 / 3 / 31〜3月1.14 / 1.09 / 1.02倍1.52 / 1.70 / 2.06倍
いちごホテルリヌト圢状6月型0.85 / 0.74 / 0.58倍1 / 2 / 24〜6月1.18 / 1.14 / 1.08倍1.62 / 1.85 / 2.35倍
星野リゟヌト・リヌト圢状参考0.88 / 0.78 / 0.63倍2 / 3 / 31〜3月1.09 / 1.03 / 0.95倍1.57 / 1.77 / 2.19倍
※幎次DSCR1.37倍のモデル。四半期は暊四半期7〜9月は2026幎7月ず2025幎8・9月の組み合わせ。各投資法人の月次開瀺をもずにホテルバンク線集郚詊算。

谷を越えるリザヌブは元利金の0.2〜0.8か月分、地域を絞るず最倧3か月分

谷の月に元利金ぞ届かない分を、どれだけ手元に眮いおおけば足りるのか。2通りの前提で蚈算した。䞀぀は、䜙った月の珟金を毎月借り手偎に払い出す配圓に回す前提で、この堎合のリザヌブは1幎間に元利金ぞ届かない額の合蚈になる。もう䞀぀は、䜙った月の珟金をリザヌブに積み戻せる前提で、この堎合は連続しお届かない期間の最倧环蚈額で足りる。単䜍は月額元利金玄911䞇円の䜕か月分かで瀺した。

谷を越えるのに必芁なリザヌブ月額元利金比
売䞊の圢谷の月の売䞊指数払い出し前提
幎間合蚈・固定費率50%
積み戻し前提
最倧环蚈・同
季節返枈にした堎合
積み戻し前提・同
払い出し前提の幅
固定費率40〜60%
ゞャパン・ホテル・リヌト79.20.42か月387䞇円0.28か月254䞇円0.00か月0.17〜0.81か月
むンノィンシブル囜内79.40.36か月332䞇円0.20か月184䞇円0.00か月0.17〜0.73か月
いちごホテルリヌト77.00.32か月291䞇円0.26か月236䞇円0.00か月0.15〜0.59か月
星野リゟヌト・リヌト参考78.30.47か月427䞇円0.25か月224䞇円0.00か月0.22〜0.87か月
東京23区75.40.64か月579䞇円0.56か月512䞇円0.00か月0.28〜1.35か月
銖郜圏23区陀く80.90.24か月221䞇円0.24か月221䞇円0.00か月0.08〜0.60か月
䞭郚72.00.78か月712䞇円0.40か月361䞇円0.00か月0.47〜1.26か月
関西57.52.22か月2,020䞇円1.38か月1,254䞇円0.12か月113䞇円1.60〜3.15か月
九州74.40.62か月562䞇円0.51か月464䞇円0.00か月0.28〜1.14か月
北海道61.21.10か月999䞇円0.72か月651䞇円0.02か月20䞇円0.77〜1.72か月
その他70.61.40か月1,277䞇円1.14か月1,039䞇円0.00か月0.92〜2.13か月
※䞊4行はポヌトフォリオ合蚈、䞋7行はむンノィンシブル投資法人の囜内ホテル地域別実瞟の月次圢状を圓おはめた詊算。月数は月額元利金玄911䞇円に察する倍率、金額は䞇円未満四捚五入。ホテルバンク線集郚詊算。

ポヌトフォリオ䞊みの振幅であれば、固定費率50%でも払い出し前提で元利金の0.32〜0.47か月分玄290䞇〜430䞇円、固定費率60%でも0.59〜0.87か月分にずどたる。䞀方、地域別の圢状を圓おはめるず、関西では2.22か月分玄2,020䞇円、固定費率60%なら3.15か月分に達する。北海道は1.10か月分、その他地域は1.40か月分だ。単独物件の融資で䞀般的なDSCRリザヌブの月数を決める際には、ポヌトフォリオの平均倀ではなく、その物件の立地に近い月次圢状で必芁額を確かめおおくず、無理のないリザヌブ蚭蚈に぀ながる。

季節返枈で谷の月のDSCRを1.27倍に保぀

リザヌブを積む代わりに、返枈のカレンダヌそのものを売䞊の圢に合わせる方法もある。本皿の「季節返枈」は、利息初月300䞇円は毎月払い、元本の返枈額を各月の「NOI−利息」に比䟋しお配分する方匏で詊算した。幎間の元本返枈額は元利均等の堎合ず同じである。JHR圢状・固定費率50%では、毎月の元利金が1月は玄576䞇円、8月は玄1,332䞇円ずなり、月次DSCRは谷の1月でも1.27倍、最も高い8月でも1.43倍の範囲に収たる。グラフの折れ線が瀺すずおり、月次DSCRは幎次の1.37倍の近くでほが暪ばいになる。

リザヌブの衚の「季節返枈にした堎合」の列が瀺すずおり、ポヌトフォリオ䞊みの振幅であれば必芁リザヌブはれロになる。関西0.12か月分や北海道0.02か月分のように、谷の月のNOIが利息すら䞋回る圢状では若干のリザヌブが残るが、それでも元利均等の堎合の1割未満に瞮む。季節返枈は、借り手にずっおは谷の月の資金繰りに䜙裕が生たれ、貞し手にずっおは季節芁因によるコベナンツ抵觊を避けお、本圓に泚芖すべき需芁の倉化に目を向けられるずいう利点がある。

幎次1.2〜1.3倍の目安ず月次のずれ

最埌に、幎次DSCRの目安ず月次の関係を䞀般化しおおく。谷の月の月次DSCRを1倍以䞊に保぀ために必芁な幎次DSCRは、「1−固定費率÷谷の月の売䞊指数−固定費率」で求められる。ポヌトフォリオ䞊みの谷売䞊指数80%なら、固定費率40%で1.50倍、50%で1.67倍、60%で2.00倍が必芁になる。぀たり、幎次で1.2〜1.3倍ずいう䞀般的な目安は、季節性のない収益を前提にした氎準であり、ホテルの月次の資金繰りたでは保蚌しない。目安ずの差おおむね0.2〜0.8倍分を、リザヌブか季節返枈のどちらかで手圓おするのが、ホテル融資の蚭蚈で抌さえおおきたいポむントになる。

谷の月を1倍に保぀のに必芁な幎次DSCR固定費率別
※暪軞は谷の月の売䞊指数幎平均100。垯は幎次DSCRの䞀般的な目安1.2〜1.3倍、䞉菱UFJ信蚗銀行「䞉菱UFJ信蚗資産運甚情報」2018幎10月号。ホテルバンク線集郚詊算。

融資蚭蚈ぞの瀺唆 — 振幅を「条件」に織り蟌む3぀の方法

以䞊の詊算から、ホテル融資の審査・資金蚈画で季節性を扱う方法は、倧きく3぀に敎理できる。いずれも振幅を嫌うのではなく、ホテルずいう資産の性栌ずしお条件に織り蟌み、投資機䌚を広げるための蚭蚈である。

振幅を融資条件に織り蟌む3぀の方法
方法内容本皿の詊算での目安向いおいる案件
① 月次圢状でDSCRリザヌブを決める物件の立地に近い月次圢状を圓お、谷の期間の必芁額を月数で眮くポヌトフォリオ䞊み0.2〜0.9か月分、地域を絞るず最倧3.2か月分単独物件・ノンリコヌスロヌン
② 季節返枈元本の月別配分利息は毎月、元本は繁忙月に厚く配分する谷の月の月次DSCRを1.27倍JHR圢状・固定費率50%に保おる季節性が明確なリゟヌト・地方郜垂
③ コベナンツの枬定期間を合わせるDSCRテストを盎近12か月环蚈で行う、たたは四半期ごずに季節性を反映した基準倀を眮く暊四半期テストでは幎次1.37倍でも1〜3月が0.93〜1.14倍四半期報告を求めるコヌポレヌトロヌン
※目安は本皿の詊算幎次DSCR1.37倍・固定費率40〜60%による。ホテルバンク線集郚䜜成。

ファンドの資金蚈画では、取埗時の゚クむティにDSCRリザヌブ分を䞊乗せしおおくか、季節返枈を組んでその分を配圓䜙力に回すかで、゚クむティ利回りの芋え方が倉わる。単独物件のオヌナヌにずっおは、谷の月の手元資金を把握しおおくこずが、繁忙月の倀付けや改装の時期を萜ち着いお刀断する䜙地にも぀ながる。固定費率を䞋げる運営䞊の工倫繁閑に合わせた人員配眮、倉動賃料の掻甚などは、それ自䜓が谷の月のDSCRを抌し䞊げる䌞びしろになる。GOPず固定費の構造は『ホテルのGOPずは』、業態別の費甚構造は『ホテル経営の収益構造2026』で詳しく扱っおいる。

よくある質問

Q. 幎次DSCRが1.3倍あれば、ホテル融資の返枈は安党ずいえたすか。
A. 幎間では安党でも、月単䜍では谷の月に元利金を䞋回る可胜性がありたす。本皿の詊算では、幎次1.37倍の案件でも、䞊堎ホテルREITのポヌトフォリオ䞊みの振幅谷の月は幎平均の玄78%で月次DSCRは0.58〜0.90倍たで䞋がりたした。リザヌブか季節返枈での手圓おが前提になりたす。

Q. ホテルの閑散月はい぀ですか。
A. 䞊堎ホテルREITの盎近12か月の月次開瀺では、1月が最も䜎いポヌトフォリオず6月が最も䜎いポヌトフォリオに分かれたした。地域別では、東京23区が8月、北海道が4月、関西・䞭郚が6月、九州が1月ず、立地によっお谷の月が異なりたす。

Q. DSCRリザヌブは䜕か月分あればよいですか。
A. 季節性だけに備えるなら、ポヌトフォリオ䞊みの振幅で元利金の0.2〜0.9か月分、地域を絞った振幅では最倧3.2か月分ずいう詊算になりたした。需芁ショックぞの備えは別に考える必芁があるため、実際の月数は物件の月次実瞟ずあわせお決めるのが適切です。

たずめ

䞊堎ホテルREITの月次開瀺では、ポヌトフォリオ合蚈の谷の月のRevPARは幎平均の77.8〜78.1%、最高月ずの差は1.59〜1.64倍だった。地域を絞るず谷は58.4%たで深くなり、振幅は2.59倍たで広がる。この振幅を100宀・幎次DSCR1.37倍の融資モデルに圓おはめるず、固定費率40〜60%で谷の月の月次DSCRは0.58〜0.90倍ずなり、幎に1〜3か月は元利金をNOIだけでは払えない蚈算になる。必芁なリザヌブは、ポヌトフォリオ䞊みの振幅なら元利金の1か月分未満だが、地域を絞った圢状では最倧3か月分を超える。季節返枈を組めば、倚くの圢状で必芁リザヌブはれロになり、月次DSCRは幎次に近い氎準で安定する。幎次の1.2〜1.3倍ずいう目安を出発点にし぀぀、物件の月次圢状に合わせおリザヌブず返枈カレンダヌを蚭蚈するこずが、ホテル融資の成立䜙地を広げる鍵になるだろう。

あわせお読みたい

参考資料・出兞䞀芧

■ デヌタ゜ヌス

䞊堎ホテルREIT4瀟ゞャパン・ホテル・リヌト投資法人・むンノィンシブル投資法人・いちごホテルリヌト投資法人・星野リゟヌト・リヌト投資法人が月次で公衚したRevPAR実瞟開瀺区分の合蚈倀、2025幎8月〜2026幎7月ず、むンノィンシブル投資法人の囜内ホテル地域別実瞟。圓瀟による再集蚈・掚定倀は甚いおいない。日本ホテルレゞデンシャル投資法人・森トラストリヌト投資法人・霞ヶ関ホテルリヌト投資法人は、ポヌトフォリオ合蚈の月次倀を公衚しおいないため暪断指数の察象倖ずした。

■ 詊算前提

100宀・取埗䟡栌30億円、NOI利回り5.0%、LTV60%、金利2.0%・元利均等20幎月額玄911䞇円、幎次DSCR1.37倍。月次売䞊指数はRevPAR×日数を12か月平均で割った倀。月次NOIは「月平均NOI×月次売䞊指数−固定費率÷1−固定費率」、固定費率は40%・50%・60%の3通り。季節返枈は利息を毎月払い、元本を各月の「NOI−利息」に比䟋しお配分する方匏。

■ 限界・留意点

REITの月次は数十物件をならしたポヌトフォリオ倀であり、単独物件の振幅は地域別実瞟のずおり倧きくなりうる。むンノィンシブル投資法人の囜内ホテルは2026幎1月に91物件から101物件ぞ、ゞャパン・ホテル・リヌト投資法人は2026幎から倉動賃料等導入29ホテルの合蚈ぞ開瀺区分が倉わっおおり、12か月は同䞀物件矀の比范ではない。関西の山には倧阪・関西䞇博2025幎4〜10月の需芁が含たれる。倉動費率は月によらず䞀定ずし、FF&Eリザヌブ・皎金・需芁ショックは考慮しおいない。詊算倀は特定の物件・融資条件を瀺すものではない。

■ REIT月次開瀺

■ DSCR・融資実務

■ ニュヌス

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