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亀の井ホテルとは|かんぽの宿から転換した39軒2,952室を全国集計

投稿日 : 2026.09.24

指定なし

「亀の井ホテル」は、旧「かんぽの宿」を引き継いだ温泉ホテルブランドである。2026年9月時点で公式サイトに掲載されている施設は24都府県39軒、合計2,952室。本稿では、ブランド転換の経緯を公式発表・報道で年表化したうえで、39施設を都道府県別・客室規模別・立地類型別に集計し、自社データベースの掲載価格・推定成約単価・宿泊者口コミからブランドの価格帯ポジションを描き出す。

本記事における指標の定義と母集団

  • 母集団:亀の井ホテル公式サイトに掲載されている施設一覧(2026年9月18日時点)と当社ホテルマスターを施設名・所在地で突合し、一致した39施設を対象とした。突合できなかった施設はない(39/39一致)。由布院の「亀の井別荘」および同名の民宿は別事業者のため母集団から除外している。2026年4月に他ブランドへ転換した1施設も除外した。
  • ADR(平均客室単価):各施設がOTA等で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値(エリアの標準的な施設の水準)。掲載価格に言及する箇所は2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
  • 集計期間:2025年9月〜2026年8月の12ヶ月(確定月のみ)。推定成約ADRを算出できたのは39施設中36施設、掲載価格は39施設すべてで取得している。
  • データ出典:メトロエンジンリサーチ/口コミ集計はホテルバンク編集部調べ
Key Takeaways
  • — 24都府県39軒・2,952室。旧かんぽの宿を引き継いだ温泉ホテルブランドで、公式施設一覧(2026年9月18日時点)と当社ホテルマスターは39施設すべてが一致した。
  • — 2021年10月1日、日本郵政がかんぽの宿32施設の事業譲渡を決議(総額約88億円)。2022年7月1日に別府の亀の井ホテルとあわせてブランドを統一した。
  • — 半数超の20軒(1,895室)が温泉地立地。海沿い10軒・市街地9軒が続き、駅前ビジネス立地ではなく滞在型の在庫が中心である。
  • — 推定成約ADR中央値は約¥19,300(2025年9月〜2026年8月・N=36施設)。同県の旅館カテゴリ中央値に対する価格指数の中央値は130で、76〜279の幅に分布する。
  • — 口コミ137,196件(39施設)では夕食4.14・従業員4.17・朝食4.13が上位。料理全般への言及率が34.4%と突出し、2食付き温泉滞在が評価軸の中心にある。

亀の井ホテルとは — 別府発の名前を全国39軒に広げたブランド

亀の井ホテルという名前の源流は、大分県別府市にある。「別府観光の父」と呼ばれた油屋熊八が1911年(明治44年)10月に開いた亀の井旅館が前身で、1924年(大正13年)に洋式ホテルへと改装された。日本初とされる女性バスガイド付き定期観光バスの運行や、「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」というキャッチフレーズを生んだ人物の宿である。

この歴史ある屋号が全国ブランドの名称になったのは2022年のことだ。日本郵政が保有していた「かんぽの宿」の事業がマイステイズ・ホテル・マネジメント(現・アイコニア・ホスピタリティ)へ譲渡され、2022年7月1日、譲受した施設群と別府の亀の井ホテルをあわせて「亀の井ホテル」へとブランドが統一された。つまり読者が検索する「亀の井ホテル」と「かんぽの宿」は、施設としてはおおむね同じ建物を指しており、運営者とブランドが入れ替わったという関係にある。

2026年9月時点で、公式サイトに掲載されている施設は24都府県・39軒・合計2,952室。1施設あたりの中央値は55室で、最小33室(福井)から最大322室(別府)まで幅がある。宿泊者口コミは39施設合計で137,196件を集計対象とした。

展開施設数
39軒
24都府県
合計客室数
2,952室
中央値55室
推定成約ADR中央値
¥19,300
N=36施設・12ヶ月
温泉地立地
20軒
海沿い10・市街地9

かんぽの宿から亀の井ホテルへ — 2021年の譲渡決議からの年表

ブランド転換の起点は2021年10月1日にさかのぼる。日本郵政はこの日、保有する「かんぽの宿」のうち32施設に係る事業を4社へ譲渡することを決議し、契約を締結した。総額は約88億円。うち29施設がマイステイズ・ホテル・マネジメントおよびYakushima特定目的会社(いずれもフォートレス・インベストメント・グループの関連会社)へ、残る3施設はシャトレーゼホールディングス(石和)、ノザワワールド(いわき)、日田淡水魚センター(日田)へとそれぞれ引き継がれている。

背景として日本郵政が挙げたのは事業採算である。かんぽの宿事業は2007年の郵政民営化以降、年平均46億円の経常損失が続き、新型コロナウイルスの影響を受けた2020年度には約113億円の経常損失を計上していた。宿泊需要の回復を自力で待つのではなく、ホテル運営を本業とする事業者へ事業ごと引き渡す判断がなされたかたちだ。

表1 かんぽの宿から亀の井ホテルへ — ブランド転換の年表(1911年〜2026年5月)
時期できごと
1911年10月油屋熊八が別府に「亀の井旅館」を創業(1924年に洋式ホテルへ改装)
2015年12月1日マイステイズ・ホテル・マネジメントが別府の亀の井ホテルの運営を開始
2021年10月1日日本郵政が「かんぽの宿」32施設の事業譲渡を決議・契約締結(総額約88億円、うち29施設がマイステイズ側へ)
2022年4月マイステイズ・ホテル・マネジメントが譲受施設の運営を開始。栃木県に奥日光湯元が新たに加わる
2022年7月1日「亀の井ホテル」へブランド統一(32施設)
2023年11月15日亀の井ホテル 草津湯畑がグランドオープン
2025年7月運営会社がアイコニア・ホスピタリティへ商号変更
2025年12月25日草津温泉ホテルリゾートを「亀の井ホテル 草津リゾート」としてリブランドオープン
2026年4月11日奈良県の1施設が愛犬同伴ブランドへ転換(本稿の母集団からは除外)
2026年5月30日山梨県富士吉田市の「エバーグリーン富士」をリブランドし「亀の井ホテル 富士」として開業(88室)

出典:日本郵政株式会社、アイコニア・ホスピタリティ(旧マイステイズ・ホテル・マネジメント)各公式発表および報道各社の記事よりホテルバンク編集部作成

年表が示すのは、譲受で終わらずブランドが増え続けているという点だ。2022年の32施設から、奥日光湯元・草津湯畑・草津リゾート・富士といった新規開業やリブランドが積み上がり、2026年9月時点の掲載は39軒に達している。草津のように短期間で複数の施設が加わった温泉地の需給については、草津温泉の宿泊単価、2026年夏は前年並みが新規供給と単価の関係を検証している。旧かんぽの宿の器を引き継ぎつつ、それ以外の温泉ホテルも取り込む受け皿として機能していることがわかる。

39施設はどこにあるか — 関東12軒、温泉地立地が半数超

地域別に見ると、関東が12軒・828室で最も多い。次いで近畿9軒・512室、中部7軒・470室と続く。九州は5軒ながら別府322室・阿蘇パークリゾート209室という大型施設を含むため、客室数では687室と関東に次ぐ規模になる。都府県別では静岡県の4軒が最多で、茨城県・栃木県・兵庫県が各3軒、群馬県・千葉県・秋田県・和歌山県・福岡県・熊本県が各2軒である。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

立地類型で分けると、温泉地に立地する施設が20軒(1,895室)と半数を超え、海沿いが10軒(641室)、市街地が9軒(416室)という構成になる。旧かんぽの宿が全国の保養地に配置されていた歴史がそのまま残っており、駅前ビジネス立地ではなく、温泉と食事を目的とした滞在型の在庫が中心である点がブランドの性格を決めている。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

客室規模は40〜60室台が中心 — 中型温泉ホテルの束

客室数の分布を見ると、50〜59室が14軒で最も多く、50室未満(33〜49室)が9軒。合わせて23軒、つまり全体の6割近くが60室未満に収まっている。中央値は55室であり、大規模リゾートでも小規模旅館でもない「中型温泉ホテル」がブランドの標準形だといえる。

一方で、120室以上の大型施設も4軒ある。別府322室、阿蘇パークリゾート209室、熱海159室、田沢湖121室がそれにあたる。中型施設を数多く束ねつつ、拠点性の高い温泉地には大型の在庫を持つ構成である。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

価格帯ポジション — 同県の旅館カテゴリ中央値に対して指数130

ここからは自社データベースで価格水準を確認する。2025年9月〜2026年8月の12ヶ月(確定月)で各施設の推定成約ADRの月次中央値を求めると、ブランド全体の中央値は約¥19,300(N=36施設)。最も高いのは伊豆高原の約¥37,300、最も低いのは田沢湖の約¥10,300で、3.6倍の開きがある。同期間の掲載価格(全プラン平均・2名1室・税込)で見た中央値は約¥43,300。推定成約ADRは最安プラン水準に業態別の補正係数を適用した税抜相当の推定値であるのに対し、掲載価格は上位プランも含む全プランの平均であるため、両者は水準が異なる。

水準の高低は、立地する市場の相場に左右される。そこで各施設の推定成約ADRを、同じ都道府県の旅館カテゴリの推定成約ADR中央値で割った指数を算出した。指数100が「その県の標準的な旅館と同水準」を意味する。結果、36施設の指数中央値は130。すなわち亀の井ホテルは、多くの市場で県内旅館の標準よりやや上の価格帯に位置している。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

指数が高いのは筑波山(279)、伊豆高原(199)、草津湯畑(184)、彦根(181)といった施設で、いずれも眺望や湯畑至近といった立地の希少性が価格に反映されている。逆に指数が100を下回るのは別府(76)、喜連川(77)、せとうち光(92)、奥日光湯元(99)の4施設。別府や奥日光湯元のように高単価帯の宿が厚い温泉地では、ブランド側が広い客室在庫を使って手の届きやすい価格帯の受け皿になっているかたちで、これは「誰でも泊まれる気軽な温泉宿」というリブランド時のコンセプトとも整合する。別府を含む県内の単価階層そのものについては、大分県ホテル投資マップ2026が18市町村別に整理している。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

客室規模と推定成約ADRの関係を見ると、40〜60室台のレンジに¥15,000〜¥30,000の幅で施設が広く分布しており、規模が価格を決めているわけではないことがわかる。立地類型別の推定成約ADR中央値は、海沿い約¥21,000(N=9)、温泉地約¥19,300(N=20)、市街地約¥15,900(N=7)で、海沿いと温泉地がほぼ同水準、市街地がやや下という並びになる。

口コミが示す評価軸 — 夕食・従業員・朝食が上位

ホテルバンク編集部が集計した39施設・137,196件の宿泊者口コミから、カテゴリ別スコア(5点満点)の施設中央値を求めると、夕食4.14、従業員4.17、朝食4.13、食事4.07、風呂・温泉4.07、立地4.06、清潔感4.04、客室3.99、サービス3.99という順になった。食事と接客が評価軸の中心にあることが読み取れる。

口コミ本文をNLPで解析したタグ別の言及率(施設中央値)でも同じ傾向が出ている。料理全般が34.4%で突出し、朝食ビュッフェ14.3%、露天風呂10.6%、温泉10.3%、大浴場7.9%と続く。加えて「コストパフォーマンス」に関する言及が7.8%、ファミリー利用への言及が7.8%を占め、2食付き・温泉付きの滞在を家族で手頃に楽しむ、という使われ方がデータ上も確認できる。

出典:ホテルバンク編集部調べ(39施設・137,196件の宿泊者口コミ、カテゴリ別スコアは各施設の5点満点評価の中央値)

施設単位で見ると、風呂・温泉のスコアが高いのは伊豆高原4.58、奥日光湯元4.52、熊野田辺4.45、赤穂4.41、長瀞寄居4.36。夕食では草津湯畑4.41、富士4.40、彦根4.38、伊豆高原4.37、焼津4.35が上位に並ぶ。奥日光湯元のように価格指数は控えめでも入浴体験の評価が高い施設があり、価格水準と滞在満足の評価軸が必ずしも一致していないことは、このブランドの幅の広さを示している。

39施設一覧(都道府県・客室数・立地類型・価格水準)

以下が本稿の母集団である39施設の一覧である。価格指数は同一都道府県の旅館カテゴリ推定成約ADR中央値を100としたときの各施設の水準を示す。推定成約ADRを算出できなかった3施設は「—」とした。

表2 亀の井ホテル 39施設一覧(都道府県・客室数・立地類型・推定成約ADR・価格指数・口コミ件数/2026年9月18日時点)
地域都道府県施設名客室数立地類型推定成約ADR価格指数口コミ件数
東北岩手県亀の井ホテル 一関55市街地——2,365
東北秋田県亀の井ホテル 田沢湖121温泉地¥10,2851133,501
東北秋田県亀の井ホテル 秋田湯瀬114温泉地¥10,6141172,863
東北青森県亀の井ホテル 青森まかど73温泉地¥13,3671272,154
関東千葉県亀の井ホテル 鴨川103海沿い¥22,0241603,765
関東千葉県亀の井ホテル 九十九里81海沿い¥19,3491413,532
関東埼玉県亀の井ホテル 長瀞寄居51温泉地¥18,5821362,595
関東東京都亀の井ホテル 青梅56温泉地¥18,6741706,363
関東栃木県亀の井ホテル 奥日光湯元78温泉地¥16,442991,846
関東栃木県亀の井ホテル 日光湯西川54温泉地¥27,4511651,922
関東栃木県亀の井ホテル 喜連川53温泉地¥12,802772,191
関東群馬県亀の井ホテル 草津リゾート103温泉地¥20,0051305,137
関東群馬県亀の井ホテル 草津湯畑80温泉地¥28,2651841,871
関東茨城県亀の井ホテル 筑波山59温泉地¥23,0202791,454
関東茨城県亀の井ホテル 潮来58市街地¥14,7381784,048
関東茨城県亀の井ホテル 大洗52海沿い——3,703
中部山梨県亀の井ホテル 富士80温泉地¥14,852118915
中部愛知県亀の井ホテル 知多美浜45海沿い¥14,9831071,965
中部福井県亀の井ホテル 福井33市街地¥15,1241041,029
中部静岡県亀の井ホテル 熱海159温泉地¥28,9471556,171
中部静岡県亀の井ホテル 伊豆高原55温泉地¥37,3081992,587
中部静岡県亀の井ホテル 焼津53海沿い¥22,3291191,926
中部静岡県亀の井ホテル 熱海 別館45温泉地¥24,2691303,573
近畿三重県亀の井ホテル 鳥羽62海沿い¥22,0781302,810
近畿兵庫県亀の井ホテル 有馬68温泉地¥34,1631693,800
近畿兵庫県亀の井ホテル 淡路島53海沿い¥26,5611322,022
近畿兵庫県亀の井ホテル 赤穂49温泉地¥29,2561452,807
近畿和歌山県亀の井ホテル 那智勝浦102海沿い¥20,9901574,980
近畿和歌山県亀の井ホテル 熊野田辺52市街地¥15,1321132,808
近畿大阪府亀の井ホテル 富田林43市街地¥19,2861701,235
近畿奈良県亀の井ホテル 奈良42市街地¥20,1561212,029
近畿滋賀県亀の井ホテル 彦根41市街地¥24,4901812,535
中国・四国山口県亀の井ホテル せとうち光40海沿い¥13,699921,765
中国・四国高知県亀の井ホテル 高知52市街地——2,736
九州大分県亀の井ホテル 別府322温泉地¥13,8847627,206
九州熊本県亀の井ホテル 阿蘇 パークリゾート209温泉地¥18,2141085,324
九州熊本県亀の井ホテル 阿蘇66温泉地¥27,5121633,305
九州福岡県亀の井ホテル 玄界灘50海沿い¥16,0621232,188
九州福岡県亀の井ホテル 柳川40市街地¥15,8751222,170

出典:メトロエンジンリサーチ(推定成約ADRは2025年9月〜2026年8月の確定月・月次中央値、N=36施設)/口コミ件数はホテルバンク編集部調べ/施設一覧は亀の井ホテル公式サイト(2026年9月18日時点)と当社ホテルマスターの突合による

公的宿泊施設が民間ブランドで再生するということ

かんぽの宿から亀の井ホテルへの転換は、公的セクターが持っていた宿泊施設が民間ブランドへ移る形式のひとつの実例である。この形式には、業界にとっていくつかの示唆がある。

第一に、器の再利用である。全国の温泉地・海辺の保養地に配置された2,952室は、いまから同じ立地に同じ規模で新設することが難しい在庫だ。建設費が上昇するなかで、既存施設を改装して再稼働させる手法は供給側の現実解として重みを増している。第二に、販売チャネルとブランドの統一である。単独では認知を取りにくい地方の中型温泉ホテルが、共通ブランドのもとでOTA等の検索面に並ぶことで、個々の施設の集客力が底上げされる構造がある。ブランド転換が単価をどの程度押し上げ、何年で投資を回収しているかは、リフラッグの実測ROIが33物件の実測値をまとめている。

第三に、価格帯の設計である。本稿で確認したように、39施設は同県旅館の標準に対して指数130前後を中心に、76から279まで幅広く分布している。全施設を同じ価格帯に揃えるのではなく、市場ごとに水準を変えながらブランドの一体感を保つ設計は、複数立地を束ねるブランドの運用として参考になる。温泉地では手の届きやすい受け皿として、希少な立地では相応の単価でと、同じブランド名で異なる役割を担わせる余地があることを示している。

なお、公的施設の民間転換という論点自体は亀の井ホテルに固有のものではない。各地の自治体が持つ保養所・観光施設についても同様の再生スキームが検討されており、宿泊需要の受け皿として既存ストックをどう活かすかは、今後も供給側の主要テーマであり続けるだろう。

まとめ

亀の井ホテルは、別府の老舗の屋号を冠し、旧かんぽの宿を中心に24都府県39軒・2,952室を展開する温泉ホテルブランドである。2021年10月の日本郵政による事業譲渡決議(32施設・総額約88億円)を起点に、2022年7月1日のブランド統一を経て、その後も新規開業とリブランドで施設数を伸ばしてきた。

施設の6割近くが40〜50室台の中型で、半数超が温泉地に立地する。推定成約ADRの中央値は約¥19,300、同県旅館カテゴリ中央値に対する価格指数の中央値は130。口コミでは夕食・従業員・朝食が高く評価され、料理への言及が34.4%と突出している。2食付きの温泉滞在を、市場ごとに調整された価格帯で提供するブランドだという像が、公式情報と自社データの双方から立ち上がってくる。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

施設一覧は亀の井ホテル公式サイト(2026年9月18日時点)、沿革・譲渡の事実関係は日本郵政および運営会社の公式発表と報道各社の記事。客室数・所在地・掲載価格・推定成約ADR・宿泊者口コミはメトロエンジンリサーチおよびホテルバンク編集部調べ(集計期間 2025年9月〜2026年8月の確定月)。

■ 試算前提

推定成約ADRは各施設の最安プラン水準(2名1室・1室あたり・税込)に業態別の補正係数を適用した税抜相当の推定値で、施設ごとに12ヶ月の月次中央値を求めたうえでブランド全体の中央値を算出した。価格指数は各施設の推定成約ADRを同一都道府県の旅館カテゴリ推定成約ADR中央値で除して100倍した値(指数100=同県の標準的な旅館と同水準)。立地類型(温泉地・海沿い・市街地)は所在地と施設特性にもとづく編集部の分類である。

■ 限界・留意点

推定成約ADRは公開価格からの推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なる(上場ホテルREITの物件別開示との照合で誤差中央値は約7%)。推定成約ADRを算出できたのは39施設中36施設で、残る3施設は価格分析の母集団から外れている。母集団は公式サイトの掲載時点に依存するため、以後の新規開業・リブランド・ブランド転換で施設数は変動する。宿泊者口コミは投稿者の自己選択を含み、施設間で件数にも差があるため、スコアの比較は中央値ベースの傾向として読まれたい。本稿は単一ブランドの実像を記述するもので、他チェーンとの規模比較や順位付けは行っていない。

■ 公式発表・一次情報

■ 報道

■ 自社データ

  • メトロエンジンリサーチ — 掲載価格・推定成約ADR(2025年9月〜2026年8月、N=36施設/掲載価格はN=39施設)、都道府県別旅館カテゴリ中央値
  • ホテルバンク編集部調べ — 宿泊者口コミ137,196件のカテゴリ別スコアおよびタグ別言及率(39施設)
亀の井ホテルとは|かんぽの宿から転換した39軒2,952室を全国集計

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