トップ > レベニューマネジメント > 奈良県シルバーウィークの直前期カーブ分析|9/21は45日前79.5%→直近96.5%、旅館+17.2pt・ビジネス+21.4ptの上積み

奈良県シルバーウィークの直前期カーブ分析|9/21は45日前79.5%→直近96.5%、旅館+17.2pt・ビジネス+21.4ptの上積み

投稿日 : 2026.09.13

奈良県

レベニューマネジメント

季節・イベント

奈良県シルバーウィークの直前期カーブ分析|9/21は45日前79.5%→直近96.5%、旅館+17.2pt・ビジネス+21.4ptの上積み

2026年9月19日(土)から23日(水)は、敬老の日と秋分の日に挟まれた11年ぶりの5連休である。奈良県の宿泊在庫データを見ると、この連休の中日にあたる9月21日(月・祝)の推定OCC(OTA掲載在庫ベース)は、宿泊日の45日前時点で全施設79.5%だったものが、直近観測(9月10日・LT11日)で96.5%まで積み上がった。上積み幅は+17.0pt。業態別では旅館が80.6%→97.8%(+17.2pt、N=55施設)、ビジネスホテルが74.3%→95.7%(+21.4pt、N=22施設)で、いずれも45日前から30日前までに+12pt前後を積み、30日前以降の上積みは旅館+5.0pt・ビジネスホテル+9.7ptと業態で差が開いた。一方で対照日として置いた10月3日(土)は、45日前57.0%→直近(LT23日)65.7%と、同じ「土曜」でも別の相場になっている。本稿では奈良県の直前期カーブの型を業態別に分解し、残室の出し方・最低泊数・キャンセル戻りの受け皿という実務手順に落とし込む。

対象: 奈良県 全施設 N=139施設/客室5,087室(主要予約サイト掲載ベース・固定コホート)、うち旅館 N=55施設/1,179室、ビジネスホテル N=22施設/2,613室。本記事の価格指標は推定成約ADR(OTA等の販売データから推定される成約価格水準・税抜相当)、稼働率はOTA掲載在庫ベースの推定値。いずれも定義は記事末尾。データ時点: 2026年9月11日。

本記事のデータについて
• ADR(平均客室単価)=各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。
• エリア(都道府県・市区町村)単位のADRは、対象施設の推定成約単価の中央値(エリアの標準的な施設の水準)です。
• 掲載価格に言及する箇所は、2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
• OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。
• 出典:メトロエンジンリサーチ(国内約168,000施設のOTA公開価格を継続追跡、うち稼働確認済み約27,000施設)
Key Takeaways
  • — 9月21日(月・祝)の奈良県全施設は、45日前79.5%から直近(9月10日)96.5%へ+17.0pt。連休中日は45日前の時点ですでに7〜8割に達していた。
  • — 旅館は30日前に92.8%でほぼ決着(以降+5.0pt)、ビジネスホテルは30日前以降に+9.7ptを積む直前型。業態で「決着タイミング」が違う。
  • — 近畿・隣接7府県で並べると、9/21のビジネスホテルは45日前3位(74.3%)から直近6位(95.7%)へ。京都・兵庫・和歌山が30日前以降に15〜21ptを積んで追い越した。
  • — 連休初日9/19のビジネスホテルは直近90.7%・完売施設率45.5%。45日前からの上積み+8.5ptは7府県で最も小さく、連休内で最も枠が残る断面だった。
  • — 価格は確定8月の推定成約ADRが旅館¥16,000(+3.8%)・ビジネスホテル¥9,500(+5.9%)と前年超え。直前期の論点は「埋める」より「残枠をどの順番・条件で出すか」にある。

9月21日(月・祝)— 45日前で7〜8割、そこから2割積み上がる

まず連休中日の9月21日(月・祝)のブッキングカーブを見る。3業態とも45日前の時点ですでに高い水準にあるが、その後の形が異なる。旅館は45日前80.6%から30日前92.8%へ12.2pt積み、そこから直近(LT11日)97.8%まで+5.0pt。対してビジネスホテルは45日前74.3%と3業態で最も低い位置から入り、30日前86.0%(+11.7pt)、直近95.7%(+9.7pt)と、30日を切ってからの上積みが旅館の約2倍のペースになっている。

完売施設率(OTA等で掲載在庫が確認できない施設の割合・推定)でも同じ構図が出る。旅館は45日前30.9%→30日前63.6%→直近90.9%と、30日前の段階で3分の2近くが在庫を落としている。ビジネスホテルは45日前36.4%→30日前40.9%→直近63.6%で、直前期に入ってからまとまって消化している。つまり同じ「ほぼ満室で着地しそうな日」でも、旅館は30日前に勝負が終わっており、ビジネスホテルは30日前から直前にかけてが本番という時間軸の違いがある。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

なお奈良県のシティホテルは、掲載在庫の条件を満たす固定コホートが県内4施設にとどまり、母数不足のため本稿では集計対象外とした(10施設未満のカテゴリは値を出さない運用)。県内の上位業態の動きは、後段の推定成約ADRの節で月次ベースで触れる。

3日付の定点比較 — 連休内でも初日と中日は別物、10月第1土曜はさらに別物

45日前・30日前・直近の3定点で、連休初日9月19日(土)、中日9月21日(月・祝)、対照の10月3日(土)を並べる。3定点で宿泊日の性格を判定する読み方の手順は、ブッキングカーブは3点だけ読む — 45日前・30日前・直前で宿泊日の性格を判定する手順で整理している。

表1 奈良県 3宿泊日×業態の推定OCC(OTA掲載在庫ベース)— 45日前・30日前・直近と完売施設率
宿泊日/業態N45日前30日前直近観測上積み直近の完売施設率
9/19(土)全施設13981.6%86.0%92.4%+10.8pt64.7%
9/19(土)旅館5576.9%84.1%94.0%+17.1pt67.3%
9/19(土)ビジネス2282.2%84.7%90.7%+8.5pt45.5%
9/21(月・祝)全施設13979.5%89.3%96.5%+17.0pt84.9%
9/21(月・祝)旅館5580.6%92.8%97.8%+17.2pt90.9%
9/21(月・祝)ビジネス2274.3%86.0%95.7%+21.4pt63.6%
10/3(土)全施設13957.0%61.8%65.7%+8.7pt28.8%
10/3(土)旅館5570.3%77.5%76.4%+6.1pt30.9%
10/3(土)ビジネス2247.1%49.4%55.6%+8.5pt0.0%

直近観測は9/19・9/21が2026年9月10日(LT9日/LT11日)、10/3が同日(LT23日)。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

読み取れる点は3つある。第一に、連休初日(9/19土)と中日(9/21月・祝)では、45日前の並び順が逆転している。9/19はビジネス82.2%>全施設81.6%>旅館76.9%だったのに対し、9/21は旅館80.6%>全施設79.5%>ビジネス74.3%。初日は移動日として都市型に先に入り、中日は滞在型に厚みが出るという順序が、45日前の断面にすでに現れている。

第二に、9/19のビジネスホテルは直近でも完売施設率45.5%にとどまり、推定OCCも90.7%で、3日付・3業態の中では最も「余っている高需要日」である。上積みも+8.5ptと緩い。旅館側が94.0%/完売67.3%まで詰まっているのと対照的で、連休初日は業態間で消化の温度差が残ったまま直前期に入っている。

第三に、対照日の10月3日(土)は完全に別の相場である。ビジネスホテルは45日前47.1%、直近でも55.6%で、完売施設率は3定点すべて0.0%。同じ土曜でも、連休という需要イベントが乗るかどうかで45日前の水準が35pt前後動く。同じ奈良県で、イベント会期中と会期後の差を45日前時点で比べたなら燈花会2026のブッキングカーブ検証も参考になる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

近畿・隣接7府県で並べると — 9/21のビジネスホテルは45日前3位から直近6位へ

奈良県の数値を単独で見ると、ビジネスホテルは9/21に+21.4ptと大きく積んだように読める。しかし同じ観測日・同じ集計定義で、近畿と隣接県(三重県・滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・和歌山県)を並べると評価は変わる。比較はいずれも固定コホート(各宿泊日で同じ施設集合)の推定OCC(OTA掲載在庫ベース)で、45日前は9/21分が2026年8月7日、9/19分が8月5日、直近は両日とも9月10日の観測である。

表2 近畿・隣接7府県の推定OCC(OTA掲載在庫ベース)— 9/21(月・祝)の45日前・30日前・直近と、9/19(土)の上積み
業態府県N9/21 45日前9/21 30日前9/21 直近9/21 上積み9/19 上積み9/19 直近の完売施設率
旅館三重県12286.7%96.0%99.4%+12.7pt+18.8pt73.8%
旅館滋賀県3689.0%95.0%100.0%+11.0pt+16.1pt81.1%
旅館京都府11767.9%81.3%96.7%+28.8pt+23.6pt54.2%
旅館大阪府2364.6%75.3%89.8%+25.2pt+18.8pt56.5%
旅館兵庫県17380.7%90.9%98.9%+18.2pt+24.1pt73.4%
旅館奈良県5580.6%92.8%97.8%+17.2pt+17.1pt67.3%
旅館和歌山県7180.8%89.9%98.8%+18.0pt+26.0pt56.3%
ビジネス三重県6474.7%87.2%99.9%+25.2pt+27.3pt62.5%
ビジネス滋賀県4688.0%94.2%99.6%+11.6pt+8.9pt89.1%
ビジネス京都府19669.0%78.4%96.0%+27.0pt+20.0pt29.1%
ビジネス大阪府29652.4%62.5%82.6%+30.2pt+20.9pt19.6%
ビジネス兵庫県7664.2%75.4%96.6%+32.4pt+24.0pt53.3%
ビジネス奈良県2274.3%86.0%95.7%+21.4pt+8.5pt45.5%
ビジネス和歌山県3471.2%82.6%97.8%+26.6pt+20.5pt67.6%

Nは9/21宿泊分の固定コホート施設数(9/19分は京都府旅館118・滋賀県旅館37・兵庫県ビジネス75施設、他は同数)。大阪府の旅館はN=23施設と母数が小さく参考値。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

読み取れる点は2つある。第一に、9/21のビジネスホテルは、45日前の水準では7府県中3位(74.3%)だったが、直近では6位(95.7%)に下がった。45日前に奈良を下回っていた和歌山県(71.2%→97.8%)・兵庫県(64.2%→96.6%)・京都府(69.0%→96.0%)が、30日前以降にそれぞれ+15.2pt・+21.2pt・+17.6ptを積み、奈良(+9.7pt)を追い越している。奈良の+21.4ptは県内で見れば大きいが、7府県の中では6番目の上積み幅にとどまる。

第二に、連休初日9/19のビジネスホテルは、45日前からの上積みが+8.5ptと7府県で最も小さい。次に小さい滋賀県(+8.9pt)は45日前の時点で90.8%と天井に近かったのに対し、奈良は82.2%から90.7%にとどまり、直近の完売施設率も45.5%と三重県(62.5%)・和歌山県(67.6%)・兵庫県(53.3%)を下回る。前段で「連休内で最も緩い断面」とした9/19のビジネスホテルは、近隣と比べても緩さが目立つ。一方、旅館の9/21は奈良97.8%に対し滋賀・三重・兵庫・和歌山が98.8〜100.0%に並び、府県差より業態差のほうが大きい。

府県ごとの直前期の組み立ては、大阪・9月5連休の逆算カレンダー和歌山の9月5連休のブッキングカーブ三重県の9月5連休の逆算カレンダーで扱っている。奈良県のレベニューマネージャーにとっての含意は、直前期の上積みを県内市場だけでなく近隣府県の上積み幅とも並べて評価することにある(後段の示唆(5))。

月次の推定成約ADR — 確定8月は旅館+3.8%・ビジネス+5.9%のYoY

価格側は月次の推定成約ADRで見る。直近の確定月である2026年8月の奈良県は、旅館が¥16,000(N=87施設、前年同月¥15,400/N=92施設に対し+3.8%)、ビジネスホテルが¥9,500(N=31施設、前年同月¥8,900/N=32施設に対し+5.9%)。いずれも前年比プラスで着地している。

9月以降は現時点の販売状況に基づく推定値(変動し得る)で、旅館¥17,200(N=88施設)、ビジネスホテル¥10,500(N=31施設)。10月は旅館¥17,600(N=83施設)、ビジネスホテル¥12,900(N=31施設)が現時点の推定水準となっている。確定値と現時点推定は算出基準が異なるため、8月確定と9月推定を単純に並べて増減を語ることはしない(9月・10月の評価は月末の確定を待つ必要がある)。年重ねで見ると、両業態とも秋から11月にかけて水準が上がる形状が2025年・2026年で共通している。10月下旬から11月上旬の価格と在庫の動きについては、正倉院展2026の奈良ホテル分析で詳しく扱っている。

実線=確定値、点線=現時点の販売状況に基づく推定値。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

稼働の絵と重ねると、奈良県は「連休は45日前の段階ですでに高稼働、そこから直近までに17〜21pt前後を上積みして満室近くに着地する」市場であり、価格側も確定月ベースで前年を上回っている。直前期の論点は、もはや在庫を埋めることではなく、残った枠をどの順番で、どの条件で出すかに移っている。

奈良県の旅館・ビジネスホテルを運営するレベニューマネージャーへ — 示唆とアクションプラン

(1) 自館のカーブを、業態の「決着タイミング」に当てて読む。 旅館は9/21で45日前80.6%→30日前92.8%と30日前にほぼ決着し、ビジネスホテルは45日前74.3%→直近95.7%(+21.4pt)と直前で寄せる型だった。自館の予約ペースを市場カーブに重ねるとき、同じ「30日前で85%」でも、旅館なら市場(92.8%)に対して遅れ、ビジネスホテル(86.0%)なら並走という評価になる。単一の基準線で全業態・全日付を判定しないことが出発点になる。

(2) 「高需要日なのに緩い日」を先に拾う。 9/19(土)のビジネスホテルは直近でも完売施設率45.5%・推定OCC90.7%で、連休内では最も枠が残っている断面だった。逆に9/21(月・祝)の旅館は完売90.9%。同じ連休でも、日付×業態でまったく別の局面にある。連休を一括りに扱わず、日別・業態別に残枠の厚みを確認してから打ち手を決める余地がある。

(3) 最低泊数は「中日だけ」効かせる設計を検討する。 市場全体で9/21の完売施設率が84.9%まで上がる一方、初日9/19は64.7%。中日に強い連泊需要がある構図なので、連泊条件を連休全体に一律でかけると、初日側の単泊需要を落とす可能性がある。条件は日付単位で切り分けたい。

(4) 対照日(非連休の土曜)は別カレンダーで管理する。 10/3(土)はビジネスホテルで45日前47.1%・完売0.0%。同じ土曜でも連休日とは45日前の水準が大きく異なるため、「土曜だから」という理由での価格・在庫設定の共通化は、どちらか一方を取りこぼすことになりやすい。

(5) 30日前以降の上積みは、近隣府県とも並べて見る。 9/21のビジネスホテルは、京都府(+17.6pt)・兵庫県(+21.2pt)・和歌山県(+15.2pt)が30日前以降に奈良(+9.7pt)を上回るペースで積み、直近の水準で奈良を上回った(表2)。県内市場だけを物差しにすると「十分に積めている」と見えやすい日でも、広域で並べると伸びしろが残っている可能性がある。

表3 奈良県の直前期アクションプラン(時間軸別)
時間軸打ち手判断トリガー(記事中の数値に紐づく)狙い
今日〜今週(直前期)連休の日別・業態別に残枠を棚卸しし、出す順番を決める9/21の市場完売施設率84.9%に対し自館がまだ在庫を抱えているか/9/19は市場でも64.7%にとどまる中日と初日で別の意思決定に分ける
今日〜今週キャンセル戻りの受け皿(再販の導線と当日対応の段取り)を用意しておく市場の推定OCCが直近で96.5%まで詰まっている日は、戻り在庫が短時間で動く前提で備えたい戻った枠を空室のまま抱えない
今日〜今週連休初日(9/19)の単泊・最低泊数条件を点検9/19ビジネスは直近でも推定OCC90.7%・完売45.5%と、連休内で最も緩い断面条件で自ら需要を締めていないか確認
2週間以内10月の非連休土曜を、連休とは別の価格・在庫カレンダーで組み直す10/3ビジネスは45日前47.1%・直近55.6%・完売0.0%高需要日の設定を平常土曜に流用しない
2週間以内自館10月の設定水準を市場の推定成約ADRと突き合わせる10月の現時点推定は旅館¥17,600(N=83)・ビジネス¥12,900(N=31)。自館がこれを大きく下回ったままなら検証の余地価格帯のズレを早めに把握する
来月に向けて次の高需要日に向け、T-45/T-30/直前の3定点で自館カーブを記録する運用を定着させる今回の市場上積み幅(旅館+17.2pt/ビジネス+21.4pt)を自館の実績と比較できる形で残す来年の同時期に使える物差しを作る

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

まとめ — 直前期を測る3つの物差し

物差し①「45日前の位置」。 9/21は旅館80.6%・全施設79.5%・ビジネス74.3%。連休日は45日前ですでに7〜8割に達しており、この時点の位置がその日の格を決める。逆に10/3のように45日前が5割台なら、そもそも別の需要カレンダーの日である。

物差し②「45日前からの上積み幅」。 9/21は全施設+17.0pt(うち30日前以降は89.3%→96.5%の+7.2pt)、ビジネスが+21.4pt、旅館が+17.2pt。自館の上積みがこれを大きく下回るなら、直前期の在庫の出し方・条件設定を見直す材料になる。

物差し③「完売施設率の水位」。 9/21は市場の84.9%、旅館では90.9%。周囲が枠を落とし切っている日と、9/19のように45.5%しか落ちていない日では、直前期に取るべき姿勢が変わる。価格側は確定8月で旅館+3.8%・ビジネス+5.9%のYoYプラスであり、直前期の判断は「埋める」より「どう出すか」に軸足を置ける環境にある。

データについて

・推定OCC(OTA掲載在庫ベース)の定義: OTA掲載在庫ベース稼働率 = 100 − 100 × OTA掲載残室数 ÷ 総客室数。対象は総客室の30%以上をOTAに掲載する施設で構成した固定コホート(各宿泊日で同じ施設集合)。OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、実客室稼働率とは定義が異なる(掲載外の客室を消化済み側に数えるため高めに出る)。

・ブッキングカーブ: 宿泊日の45日前から直近までの観測に基づく。

・推定成約ADRの定義: OTA等の販売データ(最安プラン水準×業態別係数・複数チャネルのアンサンブル)から推定した成約価格水準(税抜相当)。過去月は確定値、現在・未来月は現時点の販売状況に基づく推定値。公表運営実績との照合で誤差中央値6.6%。

・対象Nの内訳: ブッキングカーブは奈良県 全施設 N=139施設/5,087室、旅館 N=55施設/1,179室、ビジネスホテル N=22施設/2,613室。推定成約ADRは旅館 N=70〜93施設、ビジネスホテル N=29〜33施設(月により変動、本文中に各月のNを記載)。奈良県のシティホテルは固定コホートが4施設と10施設の基準に満たないため、稼働率の集計対象外とした。

・完売施設率は「OTA等で掲載在庫が確認できない施設の割合・推定」であり、実際の満室を意味しない。

・データ時点: 2026年9月11日。販売状況・在庫は日々変動するため、本記事の数値は取得時点のスナップショットである。

参考資料・出典一覧

■ データソース

推定OCC・完売施設率・ブッキングカーブは、メトロエンジンリサーチが収集する主要予約サイトの掲載在庫データを都道府県×業態で集計したもの。奈良県は2026年9月19日・21日・10月3日宿泊分、比較対象の近畿・隣接6府県(三重・滋賀・京都・大阪・兵庫・和歌山)は9月19日・21日宿泊分を、宿泊日の45日前から2026年9月10日の観測まで追跡した。推定成約ADRは同じく掲載価格データから推定した月次水準で、奈良県の旅館・ビジネスホテルの2025年1月〜2026年12月分を用いた。データ取得時点は2026年9月11日。

■ 試算前提

上積み幅は「直近観測の推定OCC − 45日前の推定OCC」、30日前以降の上積みは「直近 − 30日前」のポイント差で算出した。各宿泊日の集計対象は固定コホート(総客室の3割以上をOTAに掲載する施設で、観測期間を通じて同じ施設集合)であり、府県間の比較は同一の観測日・同一定義で揃えている(表2)。推定成約ADRの前年同月比は確定月同士(2025年8月と2026年8月)のみで算出し、基準の異なる9月以降の現時点推定は前年比に含めていない。表3のアクションプランは市場集計から読める検討材料であり、効果を保証するものではない。

■ 限界・留意点

推定OCCはOTA掲載在庫の消化状況に基づくため、掲載外の客室を消化済み側に数え、実客室稼働率より高めに出る。直近観測は宿泊日のLT9〜11日時点(10/3はLT23日)のスナップショットで、最終着地ではない。奈良県のビジネスホテル(N=22施設)と大阪府の旅館(N=23施設)は母数が小さく、数施設の在庫変動で値が数ポイント動き得る。推定成約ADRは公表運営実績との照合で誤差中央値6.6%の推定値であり、前年比が数ポイントの差にとどまる場合は推定誤差の範囲内で符号が入れ替わり得る。奈良県のシティホテルは固定コホートが10施設に満たないため集計に含めていない。

■ 参考資料

・内閣府「国民の祝日について」 https://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/gaiyou.html(2026年9月21日=敬老の日、9月23日=秋分の日、両者に挟まれた9月22日=国民の休日)

あわせて読みたい

関連記事