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日本一大きいホテルは品川プリンス2,384室 — 客室数ランキングTOP30と500室超152軒

投稿日 : 2026.08.24 更新日 : 2026.09.02

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エリア・施設分析

日本一大きいホテルは品川プリンス2,384室 — 客室数ランキングTOP30と500室超152軒

「日本でいちばん大きいホテル」はどこか。メトロエンジンリサーチが把握する範囲で国内の宿泊施設を客室数の多い順に並べると、首位は品川プリンスホテルの2,384室だった。2位以下にはアパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉の2,311室、同〈大阪なんば駅前タワー〉の2,055室が続く。本稿では客室数の実名ランキングTOP30を提示したうえで、500室を超える大規模施設152軒が国内のどこに、どういう理由で集まっているのかを地図と数字で読み解く。

本記事における指標の定義

  • 客室数:各施設の登録客室数。タワー棟・別館が別施設として登録されている場合は別々にカウントしています。増改築の反映時点や登録単位の違いにより、運営会社の公表値と数室単位で異なる場合があります。
  • 集計対象:国内47都道府県に所在し、客室数が登録されている宿泊施設のうち、ホテル・旅館系の業態(シティホテル/ビジネスホテル/リゾートホテル/デラックスホテル/旅館/カプセルホテル)。研修所・団体宿泊所、キャンプ場などは除外しています。母数は29,781施設・1,750,857室。
  • 「500室超」:客室数500室以上の施設。該当は152施設・114,740室。
  • データ出典:メトロエンジンリサーチ。OTA等への掲載を通じて稼働が確認できる施設を対象としており、全数調査ではありません。
Key Takeaways
  • — 2,384室 — 国内最大は品川プリンスホテル。別掲載のイーストタワー919室を合算すれば単一拠点で3,300室を超える。
  • — 152軒・0.51% — 500室超はこれだけ。ただし客室数では114,740室と全体の6.6%を占め、15室に1室を担う。
  • — 東京45・大阪28・千葉23 — 上位3都府県で96軒・76,044室(500室超客室の66.3%)。25道府県には1軒も存在しない。
  • — 3軒に1軒 — 500室超の47軒・38,743室が空港・テーマパーク・MICE会場の3km圏内。分布を決めるのは人口ではなく集客装置。
  • — 2020年代27軒 — 年あたり3.9軒で1980年代の2.9軒を上回る。大箱は過去の遺産ではなく現在進行形の供給形態。

客室数ランキングTOP30 — 1,000室超は22施設しかない

まず全体像を押さえておきたい。集計対象29,781施設のうち、1,000室以上を持つ施設はわずか22施設(0.07%)、500室以上でも152施設(0.51%)にすぎない。一方でその152施設が抱える客室は114,740室に達し、母数全体1,750,857室の6.6%を占める。施設数では0.5%の存在が、供給量では15室に1室を担う計算だ。日本の宿泊供給は圧倒的に小規模施設の集合体でありながら、一部の「大箱」が需要のピークを吸収する構造になっている。

下表は客室数の上位30施設である。首位の品川プリンスホテルは複数のタワーで構成される複合施設で、当社データでは「品川プリンスホテル」2,384室と「品川プリンスホテル イーストタワー」919室が別掲載として登録されている。両者を合算すれば3,300室を超え、単一の拠点としては国内で群を抜く規模となる。

表1:客室数上位30施設(国内47都道府県・ホテル旅館系業態、N=29,781施設中の上位30施設)
順位施設名客室数所在地業態
1品川プリンスホテル2,384東京都 港区シティホテル
2アパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉2,311神奈川県 横浜市中区リゾートホテル
3アパホテル&リゾート〈大阪なんば駅前タワー〉2,055大阪府 大阪市浪速区ビジネスホテル
4アパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉2,007千葉県 千葉市美浜区シティホテル
5アパホテル&リゾート〈大阪梅田駅タワー〉1,704大阪府 大阪市北区ビジネスホテル
6ヴィラフォンテーヌグランド羽田空港1,557東京都 大田区シティホテル
7ホテルニューオータニ東京1,479東京都 千代田区シティホテル
8京王プラザホテル1,438東京都 新宿区デラックスホテル
9アワーズイン阪急1,388東京都 品川区ビジネスホテル
10東横INN中部国際空港21,287愛知県 常滑市ビジネスホテル
11新宿ワシントンホテル 本館1,280東京都 新宿区ビジネスホテル
12苗場プリンスホテル1,216新潟県 湯沢町リゾートホテル
13アパホテル&リゾート〈両国駅タワー〉1,111東京都 墨田区ビジネスホテル
14サンシャインシティプリンスホテル1,085東京都 豊島区シティホテル
15ヒルトン福岡シーホーク1,053福岡県 福岡市中央区シティホテル
16ホテル阪急レスパイア大阪1,030大阪府 大阪市北区ビジネスホテル
17シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル1,016千葉県 浦安市リゾートホテル
18東京ドームホテル1,006東京都 文京区シティホテル
19リーガロイヤルホテル大阪 ヴィニェット コレクション1,001大阪府 大阪市北区デラックスホテル
20東横INN中部国際空港11,001愛知県 常滑市ビジネスホテル
21アパホテル〈六本木SIX〉1,001東京都 港区ビジネスホテル
22アパホテル&リゾート〈新潟駅前大通〉1,001新潟県 新潟市中央区ビジネスホテル
23都ホテル 京都八条988京都府 京都市南区シティホテル
24ホテルグレイスリー新宿970東京都 新宿区ビジネスホテル
25大阪新阪急ホテル961大阪府 大阪市北区シティホテル
26京急EXホテル品川935東京都 港区ビジネスホテル
27品川プリンスホテル イーストタワー919東京都 港区シティホテル
28アパホテル&リゾート〈御堂筋本町駅タワー〉913大阪府 大阪市中央区ビジネスホテル
29相鉄グランドフレッサ 東京ベイ有明912東京都 江東区シティホテル
30グランドプリンスホテル新高輪908東京都 港区シティホテル

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(国内47都道府県・N=29,781施設中の上位30施設)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

この30施設を「地域ブロック × 業態」の2軸で組み替えると、規模の作り方が地域ごとに違うことが見えてくる。

表3:客室数上位30施設の地域ブロック × 業態(軒数/客室数、N=30施設)
地域ブロックシティビジネスリゾートデラックス計
首都圏9軒
12,257室
6軒
6,685室
2軒
3,327室
1軒
1,438室
18軒
23,707室
関西圏2軒
1,949室
4軒
5,702室
—1軒
1,001室
7軒
8,652室
その他地域1軒
1,053室
3軒
3,289室
1軒
1,216室
—5軒
5,558室
計12軒
15,259室
13軒
15,676室
3軒
4,543室
2軒
2,439室
30軒
37,917室

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(上表の上位30施設を再集計。地域ブロックは首都圏=東京・神奈川・千葉・埼玉、関西圏=大阪・京都・兵庫ほか)

首都圏は18軒とTOP30の過半を占め、4類型すべてに分散する。宴会需要を抱えるシティホテルと宿泊主体型のビジネスホテルが併存できるのは、需要の層が厚い首都圏だけだ。対する関西圏は7軒中4軒がビジネスホテルで、梅田・なんば・本町の駅前タワーに寄った構成になっている。その他地域の5軒は空港島(中部国際空港2施設)・スキーリゾート(苗場)・地方中枢都市(福岡・新潟)に限られ、都市の一般的な宿泊需要だけで大箱が成立している例はほとんど見当たらない。

TOP30を業態別に見ると、ビジネスホテルが13施設、シティホテルが12施設で、両者でほぼ二分している。かつて「大箱といえば宴会場と客室を併せ持つシティホテル」だった図式は、宿泊主体型の大型タワーホテルの登場によって大きく書き換わった。上位30施設のうち8施設をアパホテルが占めており、同グループの都市部タワー型開発が国内の大規模供給を牽引してきたことがわかる。2024年12月開業の〈大阪なんば駅前タワー〉2,055室は地上40階建てで、西日本で最大の客室数を持つ。

空港立地の存在感も見逃せない。6位のヴィラフォンテーヌグランド羽田空港(1,557室)は羽田空港内に立地する。10位・20位に並ぶ東横INN中部国際空港2(1,287室)と同1(1,001室)は、隣接する2棟を合算すると2,000室を超え、単一の空港島に日本有数の客室ストックが積み上がっている。

500室超152軒はどこにあるか — 東京45・大阪28・千葉23

次に視野を広げ、500室以上の152施設を都道府県別に分解する。東京都45施設(38,173室)、大阪府28施設(21,106室)、千葉県23施設(16,765室)が上位3都府県で、この3都府県だけで96施設・76,044室、全国の500室超客室の66.3%を占める。4位以下は北海道10施設、福岡県8施設、愛知県7施設、神奈川県5施設と続き、25道府県では500室超が1軒も確認できない。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(N=152施設)

地図に落とすと分布の偏りはさらに鮮明になる。下の地図は500室超152施設の位置を示したもので、円の大きさが客室数に対応する。東京湾岸に沿って浦安・幕張・有明・羽田・横浜みなとみらいと大型施設が数珠つなぎに並び、大阪では梅田からなんばにかけての御堂筋軸に集中する。それ以外の地域では、空港・リゾート・県庁所在地の駅前に点在するにとどまる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(N=152施設)

千葉県が全国3位になる理由 — 23軒のうち22軒が浦安と成田

人口規模でも県内総生産でも上位ではない千葉県が、500室超の軒数で全国3位に入る。理由は立地を分解すれば一目瞭然だ。県内23施設のうち浦安市が16施設、成田市が6施設で、この2市だけで22施設を占める。残る1施設が幕張新都心のアパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉(2,007室)である。つまり千葉の大箱は、テーマパーク・国際空港・大型展示場という3つの集客装置にほぼ完全に紐づいている。

表2:千葉県の500室超23施設と立地クラスター(N=23施設)
施設名客室数所在立地クラスター
アパホテル&リゾート〈東京ベイ幕張〉2,007千葉市美浜区幕張新都心
シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル1,016浦安市舞浜
東横INN成田空港本館844成田市成田空港
ヒルトン東京ベイ828浦安市舞浜
マロウドインターナショナルホテル成田801成田市成田空港
ザ ロイヤルパークホテル 舞浜リゾート東京ベイ750浦安市舞浜
ホテルマイステイズプレミア成田711成田市成田空港
グランドニッコー東京ベイ 舞浜707浦安市舞浜
東京ディズニーランドホテル706浦安市舞浜
東京ベイ舞浜ホテル クラブリゾート703浦安市舞浜
東京ディズニーセレブレーションホテル702浦安市舞浜
東京ベイ舞浜ホテル ファーストリゾート696浦安市舞浜
ホテル日航成田685成田市成田空港
1955 東京ベイ by 星野リゾート638浦安市舞浜
東京ベイ 東急ホテル638浦安市舞浜
東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテル595浦安市舞浜
ホテルエミオン東京ベイ583浦安市舞浜
三井ガーデンホテルプラナ東京ベイ550浦安市舞浜
ヒルトン成田548成田市成田空港
東横INN成田空港新館540成田市成田空港
オリエンタルホテル東京ベイ511浦安市舞浜
ディズニーアンバサダーホテル504浦安市舞浜
東京ディズニーシー ホテルミラコスタ502浦安市舞浜

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(千葉県の500室超・N=23施設)

浦安16施設の合計は10,629室にのぼる。テーマパーク直営ホテルと提携ホテルが同一エリアに層をなして立ち上がっており、1施設あたりの平均は664室に達する。1泊で完結せず連泊・複数名利用が前提となるレジャー需要は、平日と週末の差こそあるものの通年で発生量が読みやすい。大型施設が成立しやすい需要条件がそろっているといえる。舞浜・浦安ベイエリアに新規750室が加わったあとの吸収余地については、「舞浜・浦安ベイエリア テーマパーク隣接ホテル投資の深掘り分析」で個別に検証している。

成田6施設の合計は4,129室。こちらは乗り継ぎ・早朝便・遅延対応という、時間に紐づいた需要が母体だ。滞在は短いが日次の発生量が読みやすく、しかも季節性がレジャーより緩やかである。客室単価より回転で稼ぐ設計になじむため、上位にビジネスホテル業態が並ぶ。同じ「大箱県」でも、浦安と成田では収益の作り方が根本的に異なる点は押さえておきたい。

大箱が受けている需要 — 3割が空港・テーマパーク・MICE会場の3km圏内

千葉で見えた構図は全国でも成り立つのだろうか。500室超152施設の座標を、主要空港7か所・テーマパーク(舞浜)・主要MICE会場およびドーム/アリーナ8か所と突き合わせ、いずれかの3km圏内に入るかを判定した。結果、47施設・38,743室が該当した。軒数では30.9%、客室数では33.8%である。大箱の3軒に1軒は、都市の一般的な宿泊需要ではなく、特定の巨大集客装置に紐づいて立っている計算になる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(500室超152施設を各アンカーからの直線距離3km以内で分類)

内訳ではMICE会場・ドーム/アリーナ圏が25施設・22,310室と最も厚い。幕張メッセ圏の2,007室、東京ビッグサイト圏の5施設3,955室、京セラドーム大阪圏の10施設7,927室、パシフィコ横浜圏の4施設4,061室が主要な塊で、いずれも数千人から数万人規模の同時発生需要を至近距離で受け止める配置だ。福岡PayPayドームに隣接するヒルトン福岡シーホーク(1,053室)、横浜アリーナに近接する新横浜プリンスホテル(875室)のように、単館で1,000室級・900室級を成立させている例もある。

空港圏は12施設・9,426室、テーマパーク(舞浜)圏は10施設・7,007室。3つの需要タイプは発生パターンが異なる。MICE・アリーナは開催日に極端に集中し、空港は日次で平準的、テーマパークは週末・長期休暇に山ができる。大箱が同一エリアに複数並んでも共倒れしにくいのは、それぞれが違う暦で埋まる需要を分け合っているためだ。逆にいえば、大型集客施設の休館や大会・公演の減少は、周辺の大箱にとって代替の効きにくい変動要因でもある。なお、規模別に在庫がどう消化されていくかについては、別稿「大箱は最後に埋まるのか」で検証している。

大箱はいつ建てられたか — 2020年代がすでに27施設

500室超152施設を開業年代別に見ると、1980年代が29施設で最多、次いで2000年代と2020年代が各27施設で並ぶ。ここで注意したいのは、2020年代がまだ7年しか経過していない点だ。年あたりの発生数に直すと1980年代の2.9施設に対し、2020年代は3.9施設と最も速い。大箱は過去の遺産ではなく、現在も継続的に生まれている供給形態である。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(OTA掲載確認ベース、N=152施設)。年代はブランド変更・大規模改装に伴い登録が更新される場合があり、新築のみを示すものではありません。

2020年代に加わった27施設・21,289室の顔ぶれを見ると、アパホテル&リゾート〈大阪なんば駅前タワー〉(2,055室・2024年12月)、同〈大阪梅田駅タワー〉(1,704室・2023年2月)、ヴィラフォンテーヌグランド羽田空港(1,557室・2022年12月)、アパホテル&リゾート〈両国駅タワー〉(1,111室・2020年8月)、同〈新潟駅前大通〉(1,001室・2022年2月)など、1,000室級のタワー型が中核をなす。とりわけアパホテルは1,000室超を短期間に複数立ち上げており、単一グループとしての供給力は国内で突出している。

2026年の大型開業と、この先のパイプライン

直近の動きも大箱寄りだ。2026年2月13日には浦安市千鳥に「ザ ロイヤルパークホテル 舞浜リゾート 東京ベイ」(750室)が開業した。三菱地所ホテルズ&リゾーツにとってグループ最大規模の施設で、舞浜駅と両パークを結ぶ専用シャトルバス、約400台の駐車場を備える。前節でみた浦安クラスターに、さらに750室が積み増された形である。

2026年8月6日には「アパホテル&リゾート〈岡山駅新幹線口〉」(600室)が開業した。中国・四国エリアで初の「アパホテル&リゾート」ブランドで、岡山県内では最大級となる。大浴殿・露天風呂、最上階の展望プールなどリゾート仕様の共用部を備えており、これまで500室超がほとんどなかった中四国圏に本格的な大箱が登場した意味は大きい。地方中核都市でも、需要の受け皿として大規模施設が成立し得ることを示す事例といえる。

年末に向けては、大阪市中央区に「ソラリア西鉄ホテル大阪本町」(202室)が2026年12月18日に開業予定である。西鉄ホテルグループの「SOLARIA」ブランドとしては大阪初進出で、大阪メトロ御堂筋線・四つ橋線・中央線が交差する本町駅至近の立地。ミニキッチンや洗濯機を備えた中長期の連泊対応客室を含むなど、規模ではなく滞在の質で差をつける設計だ。また沖縄では、現在のダブルツリーbyヒルトン那覇首里城が2027年1月1日に「ザ グランドキャッスル 那覇 首里城 by ヒューイットリゾート」(333室)としてリブランドオープンする予定である。こちらは新築ではなく運営者の切り替えと改装によるもので、首里城正殿の復元完成を見据えた動きと位置づけられる。

さらに先のパイプラインでは、千葉市美浜区ひび野に客室数1,000室規模・地上23階建ての複合開発計画が確認されている。ホテルに加え映画館・飲食店・温浴施設を含む用途で、完成予定は2027年12月。実現すれば幕張新都心に2,000室級と1,000室級が並ぶことになる(この案件の詳細は「海浜幕張駅前1,000室・総投資300億円の複合開発」を参照)。なお、これらの計画件数は建築確認申請ベースであり、今後の申請追加によって増加する見込みである点には留意したい。現時点で確認できるパイプラインは、確定値ではなく下限値として読むのが妥当だ。

まとめ

国内最大の客室数を持つ施設は品川プリンスホテルの2,384室、1,000室超は22施設、500室超でも152施設にとどまる。にもかかわらず、その152施設が全客室の6.6%を抱える。大箱は数の上では例外的な存在でありながら、需要のピークを吸収する役割を集中的に担っている。

分布を決めているのは人口ではなく集客装置だ。東京・大阪という二大都市圏を別にすれば、千葉が全国3位に立つ理由はテーマパークと国際空港と大型展示場に尽きる。全国で見ても大箱の3割強が空港・テーマパーク・MICE会場の3km圏内に立地しており、大規模施設の立地判断が「街の大きさ」ではなく「1日に何人がその一点に集まるか」で行われてきたことを示している。

そして大箱は過去の産物ではない。2020年代はすでに27施設が加わり、年あたりの発生ペースでは過去最速圏にある。2026年には浦安に750室、岡山に600室が加わり、幕張には1,000室級の計画が控える。集客装置に紐づく大規模供給は、今後も国内宿泊市場の構造を規定し続けるだろう。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

メトロエンジンリサーチが保有する国内宿泊施設の客室数・所在地データ(国内47都道府県、ホテル・旅館系業態、N=29,781施設・1,750,857室)。開業年代は同データの施設属性、計画中案件は国土交通省「建築動態統計調査」よりメトロエンジンリサーチ作成。個別施設の客室数・開業日・開業予定日は、各運営会社の公式リリースおよび公式サイトで照合しています。

■ 試算前提

「500室超」は登録客室数500室以上と定義しています。タワー棟・別館が別施設として登録されている場合は合算せず別施設として数えます(品川プリンスホテルとイーストタワーが別掲載となるのはこのためです)。立地区分は各施設の座標と、主要空港7か所・テーマパーク(舞浜)・主要MICE会場およびドーム/アリーナ8か所との直線距離3km以内で判定し、複数のアンカーに該当する施設は重複計上していません。年あたり発生数は2020年代を2020〜2026年の7年として算出しています。

■ 限界・留意点

対象はOTA等への掲載を通じて稼働が確認できる施設であり、全数調査ではありません。客室数は登録値のため、増改築の反映時点や登録単位の違いにより運営会社の公表値と数室単位で異なる場合があります。開業年代はブランド変更・大規模改装に伴い登録が更新されることがあり、新築年と一致するとは限りません。パイプラインは建築確認申請ベースであり、確定値ではなく下限値です。また本稿は供給側の集計であり、稼働率・客室単価といった需要側の指標は扱っていません。大箱の需要吸収力そのものを論じたものではない点にご留意ください。

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