眠っていたデータから新たな付加価値を
宿泊市場動向
2026年初春、ドル円相場は再び160円台を視野に入れた。出国日本人数は伸びているものの、コロナ前2019年比ではいまだ7割台にとどまる。一方、国内主要6都市の宿泊価格(ADR)は2026年7-8月で前年同月比+10%〜+28%という大幅な上昇を示している。本稿では、海外旅行コストが実質2倍化した円安環境下で、出国に向かわなかった日本人需要が「どこに」「どれだけ」流入しているか、ADRの弾性から定...
東京都
京都府
大阪府
観光庁は2026年3月、2025年通年の宿泊旅行統計(速報値)を公表し、全国の客室稼働率は61.8%、延べ宿泊者数は6億5,348万人泊(前年比-0.8%)となった。この速報値は2026年6月30日に「確定値」として再公表される見込みである。本稿では、過去5年間(2020〜2024年)の速報→確定の修正幅履歴を体系的に整理し、2025年確定値の予測レンジを提示する。あわせて、2026年1〜5月の主...
神奈川県
季節・イベント
6月は梅雨で観光需要が落ち込みやすいシーズン——しかし「紫陽花の名所周辺」だけは別格である。明月院・長谷寺(鎌倉)、箱根登山鉄道沿線(箱根)、三室戸寺(京都・宇治)、八景島シーパラダイス(横浜)。この4エリアの名所から3〜5km圏内にある全168施設のOTA販売価格と在庫推移を集計したところ、6月平均ADRは鎌倉で前年同月比+17.2%、京都+15.2%、八景島+16.9%と二桁伸長していた。さら...
京都市の宿泊税が2026年3月1日から大幅に引き上げられた。最高税額は従来の1,000円から10倍の10,000円となり、税率区分も3段階から5段階の傾斜構造に変わった。市の年間税収見込みは52億円から126億円へとほぼ倍増する。引き上げから約3ヶ月が経過した今、実際の宿泊市場はどう動いたのか。メトロエンジンリサーチの京都市内1,800施設超のOTA公開価格データを用いて、税負担帯別のADR・在庫...
インバウンド
日本政府観光局(JNTO)が2026年5月20日に公表した4月推計値は、訪日外客数369万2,200人・前年同月比-5.5%という、2026年に入って初めての前年割れとなった。ただし、この単月マイナスを「インバウンドの減速」と単純化するのは早計である。中国-56.8%という単一市場の急減を、韓国・台湾・米国・フランス等9市場が4月単月で過去最高を更新する構図で吸収しており、地方都市のADRはむしろ...
2026年1〜4月だけで約3,600品目の食品が値上げされた。調味料・加工食品・酒類を中心に、1回あたりの値上げ率は平均14〜15%前後。コメ製品や鶏卵製品、冷凍食品も対象に含まれ、外食・宿泊事業者の仕入れコストを継続的に押し上げている。なかでも「一泊二食」を基本商品とする温泉旅館は、夕食原価の上昇が直接利益を削る構造にあり、価格転嫁の巧拙が収益を左右する局面に入った。本記事では、全国主要温泉地の...
長野県
長野県は2026年6月1日より法定外目的税としての宿泊税を施行する。2026年4月施行の北海道に続く都道府県レベルでの2例目であり、白馬・軽井沢・野沢温泉・志賀高原などの世界的リゾート地を抱える信州の観光需要にどのように波及するか、業界の関心が集まる。本記事ではメトロエンジンリサーチが集計したOTA公開価格データを用いて、長野県内9エリアの6月ADR動向と税転嫁シナリオを定量分析する。
東京・大阪間の夜行バスは、2019年比でおよそ12%の値上がりが続き、3列独立シートは7,000円台、4列シートでも4,500円前後が標準帯になりつつある。2024年4月から施行された自動車運転業務の時間外労働規制(いわゆる2024年問題)と慢性的な運転手不足が背景にある。「高速バスは安い移動手段」という前提が崩れる中で、地方政令市のビジネスホテル・カプセルホテルの公開価格データを照合すると、5,...
JTBが2026年4月に発表したGW旅行動向調査では「1泊2日」が39.9%(前年比+6.4pt)と急増し、平均旅行予定費用は46,000円と前年を下回った。さらに同年1月発表の通期見通しでは、国内旅行者数は3億700万人(対前年97.8%)と前年割れ予想。背景には「家計に余裕がない」(33.5%)・「旅行費用が高い」(29.6%)という旅行控え理由の上位2項目がある。本記事では、こうした節約志向...
旅館業法とは、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業を都道府県知事等の許可制で規律する法律(昭和23年法律第138号)である。営業種別は「旅館・ホテル営業」「簡易宿所営業」「下宿営業」の3つで、届出制・年180日上限の住宅宿泊事業法(民泊新法)とは制度が異なる。現行ルールの土台となったのが2018年6月15日施行の改正で、ホテル営業10室・旅館営業5室と定められていた最低客室数の基準が撤廃され、1室から...