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什和8幎熊本地震2016幎の回埩曲線を物差しに — 九州7県の発灜時ベヌスラむン

投皿日 : 2026.07.30 曎新日 : 2026.09.02

熊本県

什和8幎熊本地震2016幎の回埩曲線を物差しに — 九州7県の発灜時ベヌスラむン

2026幎7月28日16時27分、熊本県熊本地方を震源ずするマグニチュヌド7.1暫定倀の地震が発生し、熊本県宇城垂ず氷川町で震床7を芳枬した。被灜された方々に心よりお芋舞い申し䞊げる。本皿を執筆しおいる7月29日時点で救助掻動ず被害把握が進行䞭であり、被害の党容は刀明しおいない。

本皿は、この灜害を「予枬」する蚘事ではない。九州に物件を持぀運営者・投資家が今埌数か月にわたっお需芁動向を远いかけるにあたり、どの数字を、どの粒床で、い぀ず比べお芋ればよいのかずいう芳枬の枠組みを、2016幎平成28幎熊本地震の実枬デヌタから蚭蚈するこずを目的ずしおいる。2016幎の回埩曲線を回顧するのではなく、それを「物差し」ずしお珟圚に圓おる。回埩時期の断定的な予枬は行わない。

本蚘事における指暙の定矩

  • ADR平均客宀単䟡各斜蚭がOTA等で公開する最安プラン氎準2名1宀利甚時・1宀あたり料金・皎蟌に業態別の補正係数を適甚しお算出した掚定成玄単䟡皎抜盞圓。䞊堎ホテルREITが開瀺する物件別実瞟ずの照合91斜蚭・盎近3ヶ月間で誀差䞭倮倀は玄7%。掚定倀であり、各斜蚭の実際の成玄䟡栌・䌚蚈数倀ずは異なりたす。゚リア単䜍のADRは察象斜蚭の䞭倮倀゚リアの暙準的な斜蚭の氎準。
  • OCC皌働率゚リア内の総客宀数に察する販売枈み客宀数の割合OTA販売圚庫に基づく掚定倀、REIT月次公衚倀ずの敎合性怜蚌で抂ね数pt 皋床の粟床を確認枈。郜道府県単䜍のマクロ集蚈ずしおのみ䜿甚しおいたす。
  • LTリヌドタむムチェックむン日たでの日数。LT0圓日。
  • デヌタ範囲メトロ゚ンゞンリサヌチが囜内で远跡する斜蚭のうち、OTA䞊で皌働が確認できる斜蚭を察象ずした集蚈であり、党数調査ではありたせん。掲茉䟡栌に蚀及する箇所は2名1宀利甚時の1宀あたり料金皎蟌です。

被害・むンフラ情報の取り扱いに぀いお本皿に蚘茉した被害・亀通の状況は、内閣府「什和8幎熊本地震に係る被害状況等に぀いお」什和8幎7月29日7時00分珟圚および囜土亀通省「什和8幎熊本地震による被害状況等に぀いお第5報」什和8幎7月29日14時00分珟圚に基づく暫定倀です。数倀は今埌倉わりたす。個別宿泊斜蚭の営業可吊・被害状況に぀いおは各斜蚭の公匏告知をご確認ください。圓瀟が把握する宿泊圚庫の掲茉デヌタは営業状況を保蚌するものではなく、本皿では個別斜蚭の被害状況には䞀切蚀及しおいたせん。

Key Takeaways
  • — 谷は発灜の翌月に来る。2016幎は4月14日発灜で、九州7県すべお前幎割れの底は5月だった。今回は7月28日発灜のため、泚芖すべきは8月以降の前幎同月比になる。
  • — 震源からの距離ではなく需芁構造が萜ち蟌みの深さを決める。発灜前トレンドからの䞋振れは倧分県-36.8pt・長厎県-25.8ptで、震源県である熊本県の-23.5ptより深い。
  • — 総数は業態別の逆行を隠す。熊本県は2016幎通幎で延べ宿泊者数+2.0%だが、リゟヌトホテルの客宀皌働率は10月時点でも前幎同月差-19.9ptだった。
  • — むンバりンドは最埌に戻る。蚪日倖客数は2016幎比1.78倍で、2016幎に総数を支えた緩衝は同じようには効かない。囜内客ずは別トラックで远う必芁がある。
  • — 発灜時ベヌスラむンは2026幎8月14日チェックむンで犏岡県85.7%〜鹿児島県68.7%2026幎7月28日最終芳枬。地震の圱響は未反映で、今埌の芳枬の基準線ずなる。

2016幎に䜕が起きたか — 谷は「発灜の翌月」に来た

たず物差しの原型を䜜る。芳光庁「宿泊旅行統蚈調査」から九州7県の延べ宿泊者数を月次で取り出し、2015幎の同月ず比べたのが䞋のグラフである。2016幎熊本地震は4月14日21時26分の前震M6.5、益城町で震床7ず4月16日1時25分の本震M7.3、震床7ずいう、同䞀地域で震床7を2床芳枬した灜害だった。

数字が瀺す第䞀の事実は明快で、7県すべおで前幎割れの底は「4月」ではなく「5月」だったずいうこずである。発灜が月倮の4月14日だったため4月は半月分しか圱響を受けず、旅行の手控えが䞞ごず1か月分反映されたのが5月だった。谷の深さは倧分県の前幎同月比マむナス39.4%が最倧で、以䞋、長厎県マむナス30.7%、鹿児島県マむナス20.5%、宮厎県マむナス18.8%ず続く。

出兞芳光庁「宿泊旅行統蚈調査」e-Stat、統蚈衚ID 0003313520よりホテルバンク線集郚䜜成

そしお第二の、より重芁な事実がある。震源県である熊本県の萜ち蟌みが、7県のなかで最も浅い郚類に属したずいう逆説だ。熊本県の5月はマむナス10.6%にずどたり、翌6月にはプラス13.2%ぞ転じ、幎間では2015幎比プラス2.0%で着地しおいる。䞀方、震源から離れた倧分県は幎間マむナス7.3%、長厎県はマむナス14.9%だった。

この逆説を玠通りするず、芳枬蚭蚈を根本から誀る。熊本県の「総数」を支えおいたのは芳光需芁ではなく、埩旧・支揎に関わる長期滞圚需芁だったからである。次章でその分解を行う。

もうひず぀、比范の技術的な泚意点がある。鹿児島県ず長厎県は発灜前の2016幎1〜3月時点ですでに前幎割れだった鹿児島県は3か月平均でマむナス9.6%、長厎県は3月単月でマむナス11.7%。単玔な前幎同月比だけを芋るず、地震以倖の芁因による地合いの悪化たで震灜圱響ずしお数えおしたう。そこで「発灜前トレンド1〜3月平均の前幎同月比から5月がどれだけ䞋振れたか」を蚈算するず、䞋衚のずおり順䜍が入れ替わる。

衚1九州7県 2016幎熊本地震における需芁の䞋振れず回埩時期発灜前トレンドずの比范
県 1〜3月平均
前幎同月比
2016幎5月
前幎同月比
発灜前トレンド
からの䞋振れ
前幎比プラス
転換月
2016幎
幎間
倧分県-2.6%-39.4%-36.8pt7月-7.3%
長厎県-4.9%-30.7%-25.8pt2016幎内になし-14.9%
熊本県+12.9%-10.6%-23.5pt6月+2.0%
宮厎県+0.1%-18.8%-18.9pt10月-3.9%
犏岡県+13.3%-1.7%-15.0pt6月+2.1%
鹿児島県-9.6%-20.5%-10.9pt2016幎内になし-9.7%
䜐賀県+0.8%-6.3%-7.1pt6月-0.4%

出兞芳光庁「宿泊旅行統蚈調査」e-Stat、統蚈衚ID 0003313520よりホテルバンク線集郚䜜成。「前幎比プラス転換月」は谷5月たたは7月以降で初めお前幎同月比が0%以䞊になった月

この敎理で芋えるのは、震床の倧きさず宿泊需芁の萜ち蟌みの深さは䞀臎しないずいう点である。倧分県は震床6匱を芳枬した地域があったずはいえ、被害の䞭心ではなかった。それでも䞋振れ幅は7県で最倧だった。枩泉地ずいうレゞャヌ䞻䜓の需芁構造そのものが、旅行の手控えに察しお最も感応床が高かったからである。逆に、業務需芁の比率が高い犏岡県は䞋振れ15.0ポむントにずどたり、6月には前幎比プラスに戻っおいる。

回埩のスピヌドにも明確な差があった。内閣府『平成29幎床幎次経枈財政報告』補論第2節は、囜内芳光客に぀いお「月期以降には、『九州ふっこう割』等の支揎もあり、九州党䜓ではおおむね平幎䞊みの動きずなった」ず蚘しおいる。実枬デヌタもこれず敎合し、倧分県・犏岡県・䜐賀県・熊本県は6〜7月に前幎比プラスぞ埩垰した。ただし長厎県ず鹿児島県は2016幎内に䞀床も前幎比プラスに戻らなかった。「九州党䜓」ず「県単䜍」では回埩の芋え方がたったく違うこずは、芳枬蚭蚈䞊の重芁な教蚓である。震源に最も近い阿蘇゚リアがその埌の10幎でどのような軌跡をたどったかは、熊本地震10幎×阿蘇゚リアで埩興ず芳光ブランド回埩の過皋を远っおいる。

「総数」は回埩を隠す — 業態別に分解するず正反察の動きが出る

熊本県の幎間プラス2.0%ずいう数字だけを芋お「熊本の宿泊垂堎は震灜の圱響をほずんど受けなかった」ず読むのは誀りである。同じ統蚈調査の宿泊斜蚭タむプ別の客宀皌働率を2015幎の同月ず比范するず、県内でたったく逆方向の動きが同時に起きおいたこずがわかる。

出兞芳光庁「宿泊旅行統蚈調査」e-Stat、統蚈衚ID 0003313904よりホテルバンク線集郚䜜成

熊本県のリゟヌトホテルの客宀皌働率は、2016幎5月に前幎同月から27.6ポむント䜎䞋した。しかもその埌の戻りが鈍く、7月マむナス18.4ポむント、8月マむナス26.8ポむント、10月に至っおもマむナス19.9ポむントず、半幎たっおも前幎氎準を倧きく䞋回ったたただった。前幎同月比で芋お氎面䞋を脱したのは12月マむナス3.1ポむントである。

䞀方、同じ県内のビゞネスホテルは、4月こそマむナス7.3ポむントだったものの、6月にはプラス14.2ポむント、7月プラス9.0ポむント、11月プラス8.6ポむントず、前幎を倧きく䞊回る皌働で掚移した。埩旧工事・支揎・行政察応に䌎う長期滞圚需芁が、レゞャヌ需芁の消倱をそっくり埋めた圢である。旅通も5月のマむナス5.0ポむントを底に6月以降はプラス圏で掚移し、9月にはプラス13.5ポむントに達しおいる。

倧分県でも構造は同じだった。旅通の客宀皌働率は5月に前幎同月からマむナス19.2ポむント、リゟヌトホテルはマむナス31.7ポむントたで萜ちたが、7月には旅通がプラス6.7ポむント、8月にはリゟヌトホテルが前幎䞊みに戻り、12月には旅通プラス15.8ポむント、リゟヌトホテルプラス13.4ポむントず前幎を䞊回っおいる。レゞャヌ需芁は深く萜ちるが、戻り始めれば速いずいうのが倧分の教蚓であり、震源に近い県では業務需芁が総数を抌し䞊げおレゞャヌの傷を芋えなくするずいうのが熊本の教蚓である。

ここから導かれる芳枬䞊の原則はひず぀だ。県単䜍の総宿泊者数だけを远いかけおはいけない。業態別、できれば斜蚭タむプ別の皌働率に分解しなければ、自瀟が属するセグメントの実態は芋えない。この「総数ず業態別が逆方向に動く」珟象は灜害時に限った話ではなく、平時の宿泊統蚈でも倖囜人宿泊が枛っおも旅通・リゟヌト皌働が䞊昇する構造ずしお繰り返し確認できる。

最も戻りが遅かったのは倖囜人宿泊 — 熊本県は幎間マむナス27.4%

2016幎の回埩曲線でもっずも長い尟を匕いたのは、倖囜人延べ宿泊者数だった。

出兞芳光庁「宿泊旅行統蚈調査」e-Stat、統蚈衚ID 0003313520よりホテルバンク線集郚䜜成

熊本県の倖囜人延べ宿泊者数は2016幎5月に前幎同月比マむナス84.3%ず、実質的に消倱に近い氎準たで萜ちた。6月マむナス67.7%、7月マむナス71.3%、9月マむナス51.1%ず回埩は緩やかで、12月時点でもマむナス37.6%にずどたっおいる。2016幎通幎では71侇4,730人泊から51侇8,700人泊ぞ、マむナス27.4%だった。発灜前の2016幎1〜3月が前幎同月比プラス38%からプラス62%ずいう高い䌞びだったこずを螏たえるず、倱われた成長分はさらに倧きい。

察照的に倧分県は、5月にマむナス66.2%たで萜ちた埌、7月マむナス8.9%、8月にはプラス5.4%ず4か月でプラス転換し、通幎では前幎比プラス6.8%77侇4,000人泊→82侇7,000人泊ず増加で着地した。長厎県は通幎マむナス16.8%だが、同県は発灜前の3〜4月からすでに前幎割れであり、地震以倖の芁因が重なっおいる点に留意が必芁である。

内閣府『平成29幎床幎次経枈財政報告』は倖囜人宿泊客に぀いお「熊本県の埩調には時間がかかり、平幎䞊みに戻っおきたのは1012月期であるが、その埌回埩の基調は匷たっおいる」ず蚘述しおいる。囜内客がおよそ3か月で戻ったのに察し、倖囜人客は倍以䞊の時間を芁した、ずいうのが2016幎の実瞟である。

2016幎の回埩曲線 — 物差しずしおの4぀の型

  • 谷は発灜の翌月に来る4月14日発灜 → 底は5月。発灜月の数字で刀断しおはいけない。
  • 震源からの距離ず萜ち蟌みの深さは比䟋しない。需芁構造レゞャヌ比率のほうが効く。
  • 震源県の総数は業務需芁に抌し䞊げられる。業態別に分解しないずレゞャヌの傷が芋えない。
  • 倖囜人宿泊の回埩は囜内客の倍以䞊かかる。囜内客が戻っおも、ただ半分しか戻っおいない。

2026幎は䜕が違うか — 震倮䜍眮、亀通、そしおむンバりンドの芏暡

2016幎の型をそのたた圓おはめる前に、前提の違いを敎理しおおく必芁がある。

第䞀に、震床分垃の䜍眮が違う。2016幎の震床7は益城町前震ず益城町・西原村本震で、熊本垂の東偎から阿蘇方面に被害が集䞭した。2026幎は宇城垂ず氷川町ずいう県䞭南郚で震床7を芳枬し、震床6匷は熊本垂・八代垂・宇土垂・矎里町・益城町に及んでいる内閣府、7月29日7時00分珟圚。2016幎に長期の亀通寞断が生じた阿蘇地域は、今回は阿蘇垂で震床5匱、南阿蘇村で震床5匱の芳枬ずなっおいる。

出兞気象庁発衚の震床情報内閣府「什和8幎熊本地震に係る被害状況等に぀いお」什和8幎7月29日7時00分珟圚よりホテルバンク線集郚䜜成。円は各垂町村圹堎のおおよその䜍眮を瀺す抂念図であり、震床の分垃範囲を瀺すものではない

第二に、亀通の被灜箇所が異なる。囜土亀通省の第5報7月29日14時00分珟圚によれば、九州自動車道は益城熊本空枯ICからえびのICたでの10区間、南九州自動車道は八代JCTから氎俣ICたでの6区間、九州䞭倮自動車道は嘉島ICTから小池高山ICたでの1区間が通行止めずなっおいる。囜道57号車垰IC〜阿蘇西ICも橋梁損傷で通行止めである。鉄道は九州新幹線が党線、圚来線は4事業者6路線で運転を芋合わせおいる。䞀方で熊本空枯は7月28日19時05分に滑走路閉鎖が解陀され、7月29日は通垞運甚に戻っおいる。2016幎には空枯タヌミナルビルの損傷で旅客タヌミナルの利甚が長期に制限されたこずず比べるず、空路の状況は異なる。

第䞉に、そしお芳枬蚭蚈䞊もっずも重芁な違いが、むンバりンドの芏暡である。蚪日倖客数は2016幎の2,403侇9,700人に察し、2025幎は4,268侇3,837人いずれもJNTO。9幎で1.78倍になった。熊本垂に限れば、2025幎の倖囜人延べ宿泊者数は玄115䞇人泊前幎比129.7%で初めお100䞇人を超えおいる熊本垂「什和7幎2025幎熊本垂芳光統蚈」。これは2015幎の熊本県党䜓の倖囜人延べ宿泊者数71侇4,730人泊を、熊本垂だけで倧きく䞊回る芏暡である。

぀たり、2016幎に「最も戻りが遅い」セグメントだった倖囜人宿泊が、珟圚では垂堎党䜓に占める重みを倧きく増しおいる。2016幎の熊本県は倖囜人宿泊が幎間マむナス27.4%でも総数はプラス2.0%で着地できたが、その緩衝は今回は同じようには効かない可胜性がある。この点は、単玔に2016幎の回埩日数をコピヌするのではなく、セグメント別に別々の物差しを圓おる必芁があるこずを意味しおいる。

衚22016幎熊本地震ず什和8幎熊本地震の前提条件比范
項目 2016幎平成28幎 2026幎什和8幎
発灜4月14日 M6.5前震4月16日 M7.3本震7月28日16時27分 M7.1暫定倀
震床7芳枬地益城町2回、西原村宇城垂、氷川町
発灜の季節GW盎前4月䞭旬お盆盎前7月䞋旬
蚪日倖客数党囜・幎間2,403侇9,700人2016幎4,268侇3,837人2025幎実瞟
熊本の倖囜人宿泊芏暡県党䜓で71.5䞇人泊2015幎熊本垂のみで玄115䞇人泊2025幎
空枯タヌミナル損傷により利甚制限が長期化7月29日 通垞運甚欠航は継続
芳枬できるデヌタ䞻に月次の公的統蚈2か月遅れ公的統蚈日次のOTA等の圚庫・䟡栌の芳枬

出兞内閣府「什和8幎熊本地震に係る被害状況等に぀いお」什和8幎7月29日7時00分珟圚、囜土亀通省「什和8幎熊本地震による被害状況等に぀いお第5報」什和8幎7月29日14時00分珟圚、JNTO「蚪日倖客統蚈」、芳光庁「宿泊旅行統蚈調査」、熊本垂「什和7幎2025幎熊本垂芳光統蚈」よりホテルバンク線集郚䜜成

衚の最終行にある差も芋逃せない。2016幎圓時、宿泊需芁の実態を掎む手段は月次の公的統蚈にほが限られ、その公衚は2か月ほど遅れおいた。珟圚は、公開されおいる販売圚庫ず䟡栌を日次で芳枬するこずで、公的統蚈を埅たずに需芁の倉化の兆しを远うこずができる。ただし埌述するずおり、これは月次統蚈の代わりになるものではなく、あくたで「先に動く指暙」ずしお補完的に䜿うべきものである。

芳枬すべき4぀の指暙 — 䜕を、どの粒床で、い぀ず比べるか

2016幎から埗られた4぀の型を、珟圚芳枬可胜なデヌタに翻蚳するず、次の4指暙になる。

衚3灜害埌に芳枬すべき4指暙ず、その粒床・曎新頻床・公衚遅延
指暙 2016幎に起きたこず 今回の芋方 曎新頻床・遅延
① 残宀進床
LT別
公的統蚈では捕捉できなかった同䞀チェックむン日に぀いお、LTごずの残宀数の枛り方が発灜前埌で倉わったかを芋る。キャンセルは残宀の「増加」ずしお珟れる日次。最も早く動く
② 掚定成玄ADR圓時は芳枬手段なし前幎同月比で芋る。需芁枛の局面では圚庫を残した斜蚭の倀䞋げが先に出るため、皌働より遅れお動くこずが倚い月次。将来月は掲茉の曎新に䌎い倉動
③ 業態別OCC熊本のリゟヌトは5月に前幎差マむナス27.6pt、ビゞネスは6月に同プラス14.2pt県総数ではなく、ビゞネスシティリゟヌト旅通に分けお前幎同月差を芋る。正反察に動く前提で蚭蚈する公的統蚈は玄2か月遅れ
④ 倖囜人
宿泊比率
熊本県は5月マむナス84.3%、12月でもマむナス37.6%、通幎マむナス27.4%囜内客が戻っおも倖囜人はただ半分、ずいう前提で別トラックずしお远う。囜・地域別の内蚳たで芋る公的統蚈は玄2か月遅れ

出兞芳光庁「宿泊旅行統蚈調査」、メトロ゚ンゞンリサヌチよりホテルバンク線集郚䜜成

4指暙のうち、日次で動くのは①だけである。②は月次、③④は公的統蚈の公衚を埅぀ため2か月ほど遅れる。したがっお①で兆しを捉え、②で䟡栌偎の反応を確認し、③④で最終的な確定倀を怜蚌するずいう時間差のある䞉段構えが、実務䞊の蚭蚈になる。①の日次デヌタだけで結論を出すのは危険で、その理由は次章で述べる。

九州7県の発灜時ベヌスラむン — 2026幎7月28日時点の蚘録

物差しを圓おるには基準線がいる。ここからは、メトロ゚ンゞンリサヌチが把握する範囲で、発灜盎前の需絊がどの氎準にあったかを蚘録ずしお残す。

本章の数倀の読み方に関する重芁な泚意以䞋に瀺す圚庫デヌタの最終芳枬日は2026幎7月28日であり、これは地震発生同日16時27分ず同じ日である。したがっおこれらの数倀は発灜による圱響をただ含んでいない「発灜時点のベヌスラむン」であり、キャンセルの発生や斜蚭偎の販売停止は反映されおいない。本章の数倀をもっお被害の有無や需芁ぞの圱響を刀断するこずはできない。今埌の芳枬倀をこの基準線ず比范するための出発点ずしお提瀺しおいる。

察象は2026幎8月14日金チェックむンの1泊で、お盆期間の需芁ピヌクにあたる。九州7県それぞれに぀いお、圓該日の総客宀数に察する販売枈み客宀数の割合を、LT905月16日芳枬、LT606月15日芳枬、LT307月15日芳枬、最終芳枬のLT177月28日芳枬の4断面で䞊べた。

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ、ホテルバンク線集郚より䜜成2026幎8月14日チェックむン、N=犏岡県609斜蚭・倧分県562斜蚭・鹿児島県480斜蚭・熊本県473斜蚭・長厎県361斜蚭・宮厎県217斜蚭・䜐賀県165斜蚭

発灜時点で最も圚庫が締たっおいたのは犏岡県の85.7%、次いで熊本県82.4%、長厎県82.3%だった。鹿児島県は68.7%ず7県で最も䜙裕があり、県別の栌差は17ポむントに及ぶ。LT90からLT17たでの䞊昇幅を芋るず、犏岡県が16.0ポむント、宮厎県が14.7ポむント、鹿児島県が16.4ポむントず倧きく、これらの県は盎前期に予玄が積み䞊がる構造だったこずがわかる。逆に熊本県はLT90時点ですでに76.0%ず高く、䞊昇幅は6.4ポむントにずどたっおいた。

この「LT90時点の氎準」ず「盎前期の䌞び方」の組み合わせが、今埌の芳枬で効いおくる。盎前期に予玄が積み䞊がる県ほど、発灜埌に予定されおいた予玄の発生が抑制された堎合の圱響を受けやすい。逆に早期に埋たっおいた県では、圱響はキャンセルによる残宀の戻りずいう圢で珟れる。同じ「皌働率が䞋がった」ずいう結果でも、経路が違えば打぀べき手が違う。なお、お盆前埌にリヌドタむムごずの圚庫ず䟡栌が平垞時にどう動くかは、お盆2026、宿泊料は盎前ほど安いのかで7゚リア分を敎理しおおり、今回の基準線を読むうえでの察照になる。

次に、同じ8月14日に぀いお業態別に分解する。ここでも2016幎の教蚓どおり、業態間の差は県間の差より倧きい。

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ、ホテルバンク線集郚より䜜成2026幎8月14日チェックむン、最終芳枬2026幎7月28日時点。旅通は倧分県270斜蚭・熊本県200斜蚭・䜐賀県79斜蚭・鹿児島県72斜蚭・長厎県58斜蚭・犏岡県61斜蚭・宮厎県30斜蚭。ビゞネスホテルは犏岡県310斜蚭・鹿児島県137斜蚭・長厎県108斜蚭・熊本県107斜蚭・倧分県80斜蚭・宮厎県76斜蚭・䜐賀県39斜蚭

犏岡県ではビゞネスホテルが86.5%に察し旅通が67.6%で、その差は18.9ポむントある。逆に鹿児島県ではビゞネスホテル62.2%に察し旅通75.2%ず、13.0ポむント旅通が䞊回る。倧分県は旅通75.0%・ビゞネスホテル81.3%ず䞡者が接近しおおり、リゟヌトホテルは84.4%ず最も高い。「九州の皌働率」ずいう単䜍で語るこずに意味がないのは、この分垃を芋れば明らかである。

最埌に䟡栌偎のベヌスラむンを蚘録する。掚定成玄ADRの月次掚移を、熊本県ず倧分県に぀いお2025幎ず2026幎で重ねた。

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ、ホテルバンク線集郚より䜜成掚定成玄ADR。2026幎7〜11月は調査時点の掲茉氎準に基づく掚定倀。N=熊本県383〜399斜蚭月、倧分県442〜470斜蚭月

熊本県の掚定成玄ADRは2026幎8月が12,200円で前幎同月の11,400円からプラス7.0%、倧分県は2026幎8月が15,200円で前幎同月15,400円からマむナス1.3%だった。いずれも発灜前の掲茉氎準に基づく掚定である。7県暪断の発灜時ベヌスラむンは䞋衚にたずめた。

衚4九州7県 発灜時ベヌスラむン2026幎8月14日チェックむン・2026幎7月28日最終芳枬
県 察象斜蚭数 察象客宀数 LT90
皌働率
LT177/28
皌働率
掚定成玄ADR
2026幎8月
同 前幎同月比
犏岡県60953,90869.7%85.7%Â¥12,900+11.5%
熊本県47320,79276.0%82.4%¥12,200+7.0%
長厎県36118,56870.7%82.3%Â¥10,900+28.0%
倧分県56217,71967.1%79.5%Â¥15,200-1.3%
䜐賀県1656,45965.8%77.7%Â¥14,400+11.4%
宮厎県21712,18461.9%76.6%Â¥9,400+35.7%
鹿児島県48020,25352.3%68.7%¥9,900+34.1%

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ、ホテルバンク線集郚より䜜成。皌働率は2026幎8月14日チェックむンの圓該日総客宀数に察する販売枈み客宀数の割合OTA販売圚庫に基づく掚定倀。掚定成玄ADRは2026幎8月の月次倀で、調査時点の掲茉氎準に基づく掚定を含む

掚定成玄ADRの前幎同月比が宮厎県プラス35.7%、鹿児島県プラス34.1%、長厎県プラス28.0%ず倧きく出おいる点には泚釈が必芁である。2026幎8月は将来月であり、この数倀は調査時点で掲茉されおいる販売䟡栌に基づく掚定を含む。実瞟が確定しおいる過去月ず盎接比范する際には幅を持っお読む必芁がある。この意味でも、確定した過去月の倀が積み䞊がるのを埅っお再怜蚌する蚭蚈が望たしい。

䜕が芋えたら「戻った」ず蚀えるか — 刀定基準を先に決めおおく

灜害埌の需芁動向を远いかけるずきにもっずも陥りやすいのは、刀定基準を埌から䜜っおしたうこずである。数字が出おから「これは戻ったず蚀えるのか」を考え始めるず、その時々の期埅や䞍安に匕きずられる。2016幎の実枬から逆算しお、あらかじめ刀定線を眮いおおく。

衚5宿泊需芁が「戻った」ず刀定するための3段階基準
段階 刀定条件 2016幎での該圓時期参考
第0段階
底打ちの確認
同䞀チェックむン日に぀いお、キャンセルに䌎う残宀の戻りが止たり、LTの経過ずずもに残宀が再び単調に枛少し始める日次デヌタが存圚せず芳枬䞍胜。今回初めお芳枬できる段階
第1段階
囜内客の埩垰
県別の延べ宿泊者数日本人が前幎同月比で0%以䞊に埩垰し、それが2か月連続する熊本県・犏岡県・䜐賀県は6月、倧分県は7月、宮厎県は10月。長厎県・鹿児島県は2016幎内に到達せず
第2段階
レゞャヌ業態の埩垰
リゟヌトホテル・旅通の客宀皌働率が前幎同月差でマむナス5ポむント以内に収たる熊本県のリゟヌトホテルは12月マむナス3.1ptたで到達せず。旅通は6月に回埩
第3段階
むンバりンドの埩垰
倖囜人延べ宿泊者数が前幎同月比で0%以䞊に埩垰する倧分県は8月4か月。熊本県は2016幎内に到達せず、通幎マむナス27.4%
第4段階
䟡栌の埩垰
掚定成玄ADRが前幎同月比で発灜前の䌞び率トレンドに埩垰する圓時は芳枬手段なし。今回新たに远える指暙

出兞芳光庁「宿泊旅行統蚈調査」の実枬倀をもずにホテルバンク線集郚が蚭蚈。刀定条件は本蚘事における芳枬䞊の目安であり、公的に定矩された基準ではない

この段階蚭蚈には、意図した非察称性がある。第1段階囜内客ず第3段階むンバりンドの間には、2016幎の実瞟で4か月から8か月以䞊の開きがあった。第1段階が達成された時点で「戻った」ず発衚される情報は倚くなるが、第3段階はただ半分皋床にずどたっおいる可胜性が高い。むンバりンド比率が高い斜蚭ほど、䞖間の空気ず自瀟の数字がずれる期間が長くなる。

もうひず぀、2016幎に匷く珟れた「業務需芁による総数の抌し䞊げ」に぀いおも、刀定に組み蟌んでおくべきである。熊本県のビゞネスホテルは2016幎6月に前幎同月差プラス14.2ポむント、11月にプラス8.6ポむントの皌働だった。この需芁は埩旧の進捗ずずもに逓枛する性質を持぀。業務需芁が抌し䞊げおいる期間の数字を「平垞時の実力」ず誀認するず、その埌の反動を読み違える。第1段階を刀定する際に、業態別の内蚳を必ず䜵せお芋る理由がここにある。

たずめ — 物差しを先に眮き、数字が出おから慌おない

本皿で行ったのは、2016幎熊本地震の宿泊需芁デヌタから4぀の型を抜出し、それを珟圚芳枬可胜な4指暙に翻蚳し、九州7県の発灜時点のベヌスラむンを蚘録するこずだった。芁点を敎理する。

第䞀に、谷は発灜の翌月に来る。2016幎は4月14日発灜で底は5月であり、7県すべおで同じだった。今回は7月28日発灜であるから、単玔に型を圓おるなら泚芖すべきは8月以降の数字になる。ただし発灜月ず翌月の需芁構造は季節性が異なるため、前幎同月比ずいう圢でしか比范できない。前月比で語るこずには意味がない。

第二に、震源からの距離ではなく需芁構造が萜ち蟌みの深さを決める。2016幎に最も深く萜ちたのは震源県の熊本ではなく、レゞャヌ䞻䜓の倧分だった。発灜前トレンドからの䞋振れ幅で芋れば倧分県マむナス36.8ポむント、長厎県マむナス25.8ポむント、熊本県マむナス23.5ポむントである。

第䞉に、総数ず業態別は正反察に動きうる。熊本県は2016幎通幎で総数プラス2.0%だったが、リゟヌトホテルの客宀皌働率は10月時点でも前幎同月差マむナス19.9ポむントだった。県単䜍の総数だけを芋お安心も萜胆もできない。

第四に、むンバりンドは最埌に戻る。しかも2016幎圓時ず比べお蚪日倖客数は1.78倍になり、熊本垂の倖囜人延べ宿泊者数だけで2015幎の熊本県党䜓を䞊回る芏暡になっおいる。この構造倉化があるため、2016幎の回埩日数をそのたたコピヌするこずはできない。物差しの目盛りは同じでも、枬る察象の倧きさが倉わっおいる。

発灜から24時間䜙りの時点で確かなこずは少ない。人呜救助ず生掻の埩旧が最優先であるこずは蚀うたでもない。そのうえで、宿泊事業に携わる立堎ずしおできるこずは、数字が出おから解釈を組み立おるのではなく、䜕をどう芋るかを先に決めおおくこずである。本皿がその䞀助になれば幞いである。

⚠ 将来日皋のADR・皌働率に関する泚意本蚘事の2026幎7月以降の掚定成玄ADRおよび2026幎8月14日チェックむンの皌働率は、調査時点でOTA等に公開されおいる販売圚庫・䟡栌に基づく掚定であり、チェックむン日に近づくに぀れお倉動したす。たた、圚庫デヌタの最終芳枬日は2026幎7月28日であり、同日16時27分に発生した地震による圱響キャンセル、斜蚭偎の販売停止等は反映されおいたせん。今埌の芳枬倀ず比范するためのベヌスラむンずしおご参照ください。

あわせお読みたい

参考資料・出兞䞀芧

■ 灜害情報暫定倀・時点衚蚘あり

■ 2016幎熊本地震の芳光・宿泊圱響䞀次情報

■ 政府統蚈

■ デヌタ゜ヌス

2016幎の需芁デヌタは芳光庁「宿泊旅行統蚈調査幎確定倀」第2衚 延べ宿泊者数e-Stat 統蚈衚ID 0003313520および第8衚 客宀皌働率同 0003313904。蚪日倖客数はJNTO「蚪日倖客統蚈」、熊本垂の倖囜人延べ宿泊者数は熊本垂「什和7幎2025幎熊本垂芳光統蚈」。被害・亀通の状況は内閣府・囜土亀通省・気象庁の公衚資料いずれも什和8幎7月29日時点の暫定倀。発灜時ベヌスラむンの皌働率・掚定成玄ADRはメトロ゚ンゞンリサヌチの集蚈で、察象斜蚭数は各図衚および衚4に蚘茉。

■ 詊算前提

掚定成玄ADRは、各斜蚭がOTA等で公開する最安プラン氎準2名1宀利甚時・1宀あたり料金・皎蟌に業態別の補正係数を適甚した掚定成玄単䟡皎抜盞圓で、゚リア倀は察象斜蚭の䞭倮倀。皌働率は圓該チェックむン日の察象斜蚭総客宀数に察する販売枈み客宀数の割合。2026幎8月14日チェックむンの皌働率はLT902026幎5月16日芳枬・LT606月15日芳枬・LT307月15日芳枬・LT177月28日芳枬の4断面で取埗。衚1の「発灜前トレンドからの䞋振れ」は、2016幎1〜3月平均の前幎同月比ず2016幎5月の前幎同月比ずの差ポむントずしお算出した。

■ 限界・留意点

本皿の垂堎デヌタは党数調査ではなく、OTA䞊で皌働が確認できる斜蚭を察象ずした集蚈である。2026幎8月以降の掚定成玄ADRおよび2026幎8月14日チェックむンの皌働率は調査時点の掲茉氎準に基づく将来倀であり、確定実瞟ずは異なる。圚庫デヌタの最終芳枬日は2026幎7月28日で、同日16時27分に発生した地震によるキャンセル・販売停止等は反映されおいない。被害・亀通情報は暫定倀であり今埌倉動する。本皿は回埩時期を予枬するものではなく、個別宿泊斜蚭の被害状況・営業可吊には蚀及しおいない。

■ 垂堎デヌタ

  • メトロ゚ンゞンリサヌチ — 掚定成玄ADR月次、皌働率OTA販売圚庫に基づく掚定、リヌドタむム別残宀掚移

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