出雲大社の神在祭は、2026年は11月18日(水)午後7時の神迎神事・神迎祭で幕を開け、11月25日(水)午後4時の神等去出祭まで続く(出雲大社「令和8年出雲大社祭日表」)。この神迎祭当夜の出雲市は、宿泊日の45日前にあたる10月4日の観測ですでに推定OCC(OTA掲載在庫ベース)100.0%・掲載在庫が確認できない施設の割合100.0%(N=50施設・1,447室)に達し、直近の31日前(10月18日)まで一度も99.7%を割らずに推移していた。これに対し前夜の11月17日(火)は45日前の85.7%から30日前の93.3%へと+7.6ptを積み上げている途中にあり、隣接する松江市は11月18日が97.9%→98.8%(N=52施設・3,161室)と出雲市ほど閉じきっていない。本稿では、神在祭期間(11月16日〜26日)の各宿泊日について出雲市・松江市のブッキングカーブをリードタイム45日以内で比較し、「出雲市が閉じた日の在庫をどこで受けるか」という観点から、前後泊・隣接市送客の機会を整理する。価格水準は扱わず、稼働と在庫の進捗に絞って読み解く。
対象: 出雲市・全業態 N=49〜54施設(宿泊日ごとの固定コホート・約1,420〜1,470室)、松江市・全業態 N=51〜53施設(約3,160〜3,190室)、島根県・ビジネスホテル N=33施設・3,656室。稼働率はOTA掲載在庫ベースの推定値(推定OCC)、「完売施設率」はOTA等で掲載在庫が確認できない施設の割合(推定)。いずれも定義は記事末尾。本記事は価格指標を扱わない。データ時点: 2026年10月19日(最終観測日は10月18日)。
• ADR(平均客室単価)=各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。
• エリア(都道府県・市区町村)単位のADRは、対象施設の推定成約単価の中央値(エリアの標準的な施設の水準)です。
• 掲載価格に言及する箇所は、2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
• OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。
• 出典:メトロエンジンリサーチ(国内約168,000施設のOTA公開価格を継続追跡、うち稼働確認済み約27,000施設)
- — 出雲市11/18(神迎祭)は45日前から推定OCC100.0%・完売施設率100.0%(N=50施設・1,447室)で始まり、31日前(2026年10月18日観測)まで在庫が開く動きはなかった。
- — 前夜11/17はまだ積み上げの途中。出雲市は45日前85.7%→30日前93.3%、完売施設率48.1%→63.0%(N=54施設)で、4割弱の施設に在庫が残る。
- — 松江市11/18は推定OCC98.8%でも完売施設率80.8%(31日前・N=52施設)。19.2%の施設に在庫があり、出雲側の超過需要の受け皿になり得る。
- — 神在祭後半の11/23・11/25は余地が残る。直近の完売施設率は出雲市80.0%・67.9%、松江市47.2%・35.8%で、後半祭事の訴求余地がある。
神在祭の日程 — 公式祭日表で確認した2026年の祭事
まず前提となる日程を確認しておきたい。出雲大社の祭日表によれば、2026年の神在祭関連の祭事は次のとおりで、出雲観光協会も「神在祭期間は11月18日(水)〜11月25日(水)」と案内している。神在月(旧暦10月)そのものは11月9日(月)から12月8日(火)までで、12月4日(金)には第二神等去出祭が控える。観光協会は、神在祭期間中は出雲大社周辺の渋滞が見込まれるとし、特に11月19日(木)と11月21日(土)〜23日(月)を渋滞・駐車場満空情報の提供期間としている点も、宿泊需要の山を読むうえで手がかりになる。
| 日付 | 祭事 | 時刻・祭場 |
|---|---|---|
| 11月18日(水) | 神迎神事・神迎祭 | 午後7時・稲佐の浜→出雲大社 |
| 11月19日(木) | 神在祭 | 午前9時・御本殿 |
| 11月19日(木)〜24日(火) | 神在祭・夜神楽祈祷 | 午後5時・神楽殿 |
| 11月23日(月・祝) | 献穀祭・神在祭・縁結大祭 | 午前10時・御本殿 |
| 11月25日(水) | 神在祭・縁結大祭/神等去出祭 | 午前10時・御本殿/午後4時・拝殿 |
| 12月4日(金) | 第二神等去出祭 | 午後4時 |
出典:出雲大社「令和8年出雲大社祭日表」、出雲観光協会「出雲大社神在祭について」(記事末尾の参考資料を参照)
出雲市のブッキングカーブ — 11/18は45日前から直近まで100%のまま動かなかった
本題の出雲市から見ていく。下のチャートは、神迎祭当夜の11月18日(水)と前夜の11月17日(火)、翌日の11月19日(木)、そして比較対象として前週水曜の11月11日と2週前水曜の11月4日について、宿泊日の45日前から直近の観測までの推定OCCの積み上がりを重ねたものだ。11月18日は45日前の時点で100.0%・完売施設率100.0%(N=50施設・1,447室)で始まり、31日前の10月18日でも100.0%・100.0%と、観測期間中もっとも低かった37日前でさえ99.7%・完売施設率98.0%にとどまっている。10月5日の初回観測の時点では45日前の1点しか得られていなかったが、その後2週間の観測でも在庫が開く動きは確認できず、45日前に閉じた状態が固定されたと読んでよい。
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
一方で前夜の11月17日(火)は、45日前に85.7%・完売施設率48.1%(N=54施設・1,467室)だったものが30日前には93.3%・63.0%へと進み、15日間で+7.6ptを積み上げた。完売施設率が+14.9pt伸びていることから、館ごとに順に閉じていく「前夜需要の波及」が進行中だといえる。翌日の11月19日(木)は45日前で99.7%・94.2%、32日前で99.0%・94.2%と、水準としては11月18日に近いが、完売施設率が途中で90.2%まで下がる局面があった。推定OCCがほぼ動かないまま完売施設率だけが上下するのは、施設単位で少数の在庫が開いては閉じる動きで、一度閉じた在庫が開くのはこの翌日側だったことになる。推定OCCと完売施設率が測っているものの違いについては、推定OCCと完売率は何が違うのか — 東京都3業態のブッキングカーブで読む「広く薄く」と「先に完売」の見分け方が整理している。
ここで比較対象の2つの水曜を重ねると、神迎祭の特異さがはっきりする。前週水曜の11月11日は45日前で92.1%(N=52施設)と高めに始まり24日前で96.4%まで進んでいるが、完売施設率は44.2%→65.4%とまだ3分の1の施設に在庫が残る。2週前水曜の11月4日は45日前で66.5%、30日前で78.3%、17日前で85.8%・完売施設率47.2%という、通常の平日の積み上がり方だ。つまり出雲市の11月中旬の水曜は、30日前時点で見ると11月4日が78.3%、11月17日(火)が93.3%、11月18日が100.0%と、祭事当夜だけが別の次元で閉じている。参考までに9月の確定実績では出雲市の月平均推定OCCは91.7%(N=最頻値52施設、日により32〜54施設)で、連休の9月20日・21日は宿泊直前に100.0%へ達していた。直前に満室近くまで積み上がること自体はこの街では珍しくないが、45日前の時点で100%に達しそのまま動かない形は、連休とも別物だと考えてよい。同じ出雲市で単日イベントの前夜がどこまで早く閉じるかは、出雲駅伝2026のホテル、前夜は45日前に推定OCC98.8%でも確認している。
期間全体の面 — 出雲市は11/18〜22が閉じ、松江市は11/23以降に受け皿が残る
次に、神在祭期間を前後に広げた11月16日(月)〜26日(木)の各宿泊日について、45日前時点の推定OCCを出雲市と松江市で並べたのが下のチャートである。出雲市は11月18日から22日(日)までの5夜が45日前の時点で99.1%以上に達しており、11月21日(土)は100.0%・完売施設率100.0%(N=51施設)と18日と同じ閉じ方をしていた。祝日の11月23日(月)は93.2%、神等去出祭の11月25日(水)は87.5%、翌26日(木)は73.9%と、祭事の山を越えると段階的に開いていく形になる。
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
松江市は様相が異なる。客室規模が出雲市の2倍超(3,161室)ある分、11月18日は45日前で97.9%・完売施設率78.8%、31日前で98.8%・80.8%と高水準ながら、2割弱の施設にはまだ掲載在庫が残る。前夜の11月17日は89.1%→93.5%と推定OCCは+4.4pt伸びたものの、完売施設率は42.3%のまま動いておらず、「館は閉じないが室は埋まる」進み方だった。11月21日(土)・22日(日)は97.4%→98.3%、97.1%→98.4%と週末は松江も閉じかけているが、祝日の11月23日は79.9%→83.1%、24日(火)は82.9%→85.0%、25日(水)は77.9%→78.8%と、神在祭後半は松江市に受け皿が残っている。下表に両市の45日前と直近の値をまとめた。
| 宿泊日 | 祭事 | 出雲市・全業態 | 松江市・全業態 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 45日前OCC | 直近OCC(観測LT) | 完売施設率 45日前→直近 | 45日前OCC | 直近OCC(観測LT) | 完売施設率 45日前→直近 | ||
| 11/04(水) | 2週前水曜 | 66.5% | 85.8%(17日前) | 25.5%→47.2% | 67.7% | 76.6%(17日前) | 21.6%→29.4% |
| 11/11(水) | 前週水曜 | 92.1% | 96.4%(24日前) | 44.2%→65.4% | 95.3% | 96.8%(24日前) | 43.4%→62.3% |
| 11/16(月) | 75.1% | 84.7%(29日前) | 37.7%→44.4% | 84.6% | 90.6%(29日前) | 25.0%→38.5% | |
| 11/17(火) | 前夜 | 85.7% | 93.3%(30日前) | 48.1%→63.0% | 89.1% | 93.5%(30日前) | 42.3%→42.3% |
| 11/18(水) | 神迎神事・神迎祭(19時) | 100.0% | 100.0%(31日前) | 100.0%→100.0% | 97.9% | 98.8%(31日前) | 78.8%→80.8% |
| 11/19(木) | 神在祭 | 99.7% | 99.0%(32日前) | 94.2%→94.2% | 96.8% | 96.7%(32日前) | 69.2%→73.1% |
| 11/20(金) | 99.1% | 98.4%(33日前) | 92.5%→86.8% | 97.3% | 97.4%(33日前) | 82.7%→80.8% | |
| 11/21(土) | 100.0% | 100.0%(34日前) | 100.0%→100.0% | 97.4% | 98.3%(34日前) | 94.1%→98.0% | |
| 11/22(日) | 99.8% | 100.0%(35日前) | 95.9%→100.0% | 97.1% | 98.4%(35日前) | 90.0%→96.1% | |
| 11/23(月) | 神在祭・縁結大祭(祝) | 93.2% | 93.5%(36日前) | 74.0%→80.0% | 79.9% | 83.1%(36日前) | 44.2%→47.2% |
| 11/24(火) | 98.3% | 99.8%(37日前) | 84.6%→96.2% | 82.9% | 85.0%(37日前) | 38.5%→45.3% | |
| 11/25(水) | 神在祭・神等去出祭(16時) | 87.5% | 92.1%(38日前) | 57.7%→67.9% | 77.9% | 78.8%(38日前) | 25.0%→35.8% |
| 11/26(木) | 翌日 | 73.9% | 78.5%(39日前) | 39.6%→44.4% | 73.1% | 75.4%(39日前) | 26.9%→26.9% |
推定OCC(OTA掲載在庫ベース)。出雲市 N=49〜54施設、松江市 N=51〜53施設(宿泊日ごとの固定コホート)。直近の観測リードタイムは宿泊日により17〜39日前。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
この表から読み取りたいのは2点ある。第一に、出雲市で11月18日〜22日が閉じたあとも、松江市は同じ夜に2.0%〜26.9%(平日の18日〜20日は19.2%〜26.9%)の施設に在庫があり、出雲側で受けきれない需要の受け皿として機能し得る。第二に、神在祭の後半のうち縁結大祭のある11月23日と神等去出祭の25日は、出雲市ですら完売施設率が80.0%・67.9%にとどまり(間の24日は96.2%)、これらの祭事を目当てにした需要の積み上げ余地が両市に残っている。
島根県のビジネスホテル — 11/18は施設単位で開閉しつつ室ベースでは締まっていく
出雲市のビジネスホテル単独は固定コホートの施設数が足りないため、業態別の動きは島根県全体のビジネスホテル(N=33施設・3,656室)で確認する。11月18日は45日前で推定OCC88.7%・完売施設率66.7%、31日前で91.3%・54.5%と、推定OCCが+2.6pt締まる一方で完売施設率は12.2pt下がった。33施設のコホートでは1施設が約3ptに相当するので、2週間で4施設分が「閉じた在庫を開いた」計算になる。全業態の出雲市で見えなかった「一度閉じた在庫が開く」動きは、県全体のビジネスホテルでは起きていたわけだ。
出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
前後日と比較すると、前夜の11月17日は78.0%→84.9%(完売施設率21.2%→33.3%)、翌日の11月19日は89.2%→90.9%(54.5%→48.5%)で、前週水曜の11月11日は83.7%→88.4%、2週前水曜の11月4日は57.8%→70.2%(17日前)だった。祝日の11月23日は72.4%→74.9%、神等去出祭の11月25日は68.7%→71.3%で、完売施設率はそれぞれ15.2%・15.2%と1〜2割にとどまる。ビジネスホテルの面で見れば、神在祭の需要は11月18日・19日の2夜に集中し、その後は平常の平日に近い進み方に戻っていると整理できる。島根県のビジネスホテルが平常時にどう積み上がるかは、島根県のお盆2026、需要の谷は8/15〜16の2日間が45日前・30日前・14日前の断面で示している。
出雲市・松江市のホテルを運営するレベニューマネジャーへ — 示唆とアクションプラン
運営目線のインサイト
1. 45日前に閉じた日は、閉じた時点の条件で売り切っている可能性が高い。出雲市の11月18日・21日は45日前の観測ですでに推定OCC100.0%・完売施設率100.0%で、その後に在庫が開く動きがなかった。自館の同日が早い段階で閉じていたなら、その日の販売条件(最低泊数・キャンセルポリシー・販売チャネルの配分)を神在祭の需要に見合うものにできていたかを振り返る余地がある。来年以降の神在祭に向けて、祭事日程が公表された時点で在庫を開く順序を設計しておきたい。
2. 前夜(11/17)と翌日(11/19)は積み上げの途中にある。出雲市の11月17日は30日前で93.3%・完売施設率63.0%と、まだ4割弱の施設に在庫が残る。神迎神事が午後7時に稲佐の浜で始まる以上、前泊して当日の昼から出雲入りする客層と、神迎祭を見届けて翌19日午前9時の神在祭まで滞在する客層の双方が、17日・19日の受け皿を探すことになる。18日が閉じている館ほど、17日・19日との連泊条件を整える意味は大きい。
3. 松江市は「館は開いているが室は埋まる」進み方で、送客の受け皿として機能し得る。11月18日の松江市は31日前で推定OCC98.8%ながら完売施設率は80.8%で、19.2%の施設に在庫がある。出雲市の館が18日の問い合わせを断る場面では、隣接市への案内が機会損失を減らす選択肢になる。逆に松江市の館から見れば、出雲側が閉じた日は自館の最終需要が読みにくいので、残り在庫の出し方を日次で確認したい局面だといえる。
4. 神在祭後半(11/23〜25)は両市に積み上げ余地が残る。出雲市の11月25日は38日前で92.1%・完売施設率67.9%、松江市は78.8%・35.8%で、縁結大祭と神等去出祭を目当てにした需要の受け皿がある。18日に閉じた館が後半の祭事を訴求する余地は十分に残っている。
アクションプラン(11月18日を30日後に控えた時点から)
| 時間軸 | 打ち手 | 判断トリガー(記事中の数値との照合) | 狙い |
|---|---|---|---|
| 今日〜今週(30日前) | 11/18・11/21・11/22の自館在庫と販売条件を棚卸しする | 出雲市の同日が45日前から推定OCC100.0%・完売施設率100.0%で動いていない中、自館にまだ在庫が残っているなら条件面の見直し余地がある | 閉じた市場での残り在庫を適切な条件で売り切る |
| 今日〜今週 | 11/17・11/19との連泊プランを前面に出す | 出雲市11/17が93.3%・完売施設率63.0%、11/19が99.0%・94.2%で、前後日に受け皿が残っている | 18日の超過需要を前後泊へ誘導する |
| 2週間以内(16日前まで) | 18日の問い合わせを断る際の案内先を整える | 松江市11/18は完売施設率80.8%で19.2%の施設に在庫が残る | 隣接市への送客で機会損失と顧客体験の両方を守る |
| 2週間以内 | 11/23〜25(縁結大祭・神等去出祭)の訴求を切り替える | 出雲市11/25が推定OCC92.1%・完売施設率67.9%、松江市11/25が78.8%・35.8% | 神在祭後半の需要を取り込む |
| 直前(7日前〜当日) | 完売施設率の上下を見て、開いた在庫の再販売に備える | 島根県ビジネスホテルの11/18は完売施設率が66.7%→54.5%と施設単位で開閉している | 直前のキャンセル戻りを取りこぼさない |
| 祭事後 | 45日前時点の自館の状態を記録し、来年の在庫開放の順序を設計する | 出雲市の11/18は45日前時点で100.0%、11/4(通常の水曜)は66.5%で始まっていた | 次回の神在祭に向けた販売設計の材料にする |
判断トリガーの数値はいずれも本記事の集計値(データ時点: 2026年10月19日)。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成
まとめ — 神在祭の需要を読む3つの物差し
神在祭期間の出雲市・松江市のブッキングカーブを整理すると、次の3点が物差しになる。第一に「45日前で閉じているか」で、出雲市の11月18日・21日は45日前の時点で推定OCC100.0%・完売施設率100.0%に達し、その後2週間で在庫が開く動きはなかった。第二に「前後日にどれだけ積み上げ余地があるか」で、前夜の11月17日は30日前で93.3%、翌日の11月19日は99.0%と水準は違えど、完売施設率ではそれぞれ37.0%・5.8%の施設に在庫が残っている。第三に「隣接市の完売施設率」で、松江市は11月18日でも完売施設率80.8%にとどまり、出雲側で受けきれない需要の受け皿として機能し得る。祭事の山が過ぎる11月23日以降は両市ともに積み上げ余地が残るため、18日に閉じた館ほど、前後泊・後半祭事・隣接市送客という3つの機会フレームで販売を組み立てる意味がある。
データについて
| 推定OCC(OTA掲載在庫ベース)の定義: OTA掲載在庫ベース稼働率 = 100 − 100 × OTA掲載残室数 ÷ 総客室数。対象は総客室の30%以上をOTAに掲載する施設で構成した固定コホート(各宿泊日で同じ施設集合。N がその施設数)。OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、実客室稼働率とは定義が異なる(掲載外の客室を消化済み側に数えるため高めに出る)。 |
| ブッキングカーブ: 宿泊日の45日前から直近までの観測に基づく。本記事の各宿泊日の直近観測は2026年10月18日(11月4日=17日前、11月18日=31日前、11月26日=39日前)。 |
| 完売施設率: 各観測日時点でOTA等に掲載在庫が確認できない施設の割合(推定)。固定コホート内の施設数で割った値で、施設単位の在庫の開閉により観測日ごとに上下する。 |
| 対象の内訳: 出雲市・全業態 N=49〜54施設(宿泊日ごとの固定コホート、約1,420〜1,470室)。松江市・全業態 N=51〜53施設(約3,160〜3,190室)。島根県・ビジネスホテル N=33施設・3,656室。出雲市のビジネスホテル単独はコホートの施設数が基準に満たないため全業態で扱った。9月の確定実績は出雲市 N=最頻値52施設(日により32〜54施設)。 |
| 本記事は価格指標(推定成約ADR)を扱わない。稼働率の前年同期比も扱わない。 |
| データ時点: 2026年10月19日(最終観測日は10月18日)。販売状況・在庫は日々変動するため、本記事の数値は取得時点のスナップショットである。 |
参考資料・出典一覧
| 出雲大社「令和8年出雲大社祭日表」 https://izumooyashiro.or.jp/plans/ |
| 出雲観光協会「出雲大社神在祭について(交通情報など)」 https://www.izumo-kankou.gr.jp/topics/11618 |
| 推定OCC・完売施設率: 出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成 |
あわせて読みたい
- 出雲駅伝2026のホテル、前夜は45日前に推定OCC98.8% — 全日本大学駅伝の伊勢は通常土曜+6pt
- 島根県のお盆2026、需要の谷は8/15〜16の2日間 — 盆明け8/22(土)はビジネスホテル推定OCC90.9%
- 推定OCCと完売率は何が違うのか — 東京都3業態のブッキングカーブで読む「広く薄く」と「先に完売」の見分け方
- 姫路・灘のけんか祭り宵宮、推定OCCは平日並みでも完売施設率は2倍 — 45日前・30日前・直前の在庫設計
- イベント需要は45日前に決着していた — 宮城県・定禅寺ジャズフェス2026、完売施設率で読む初日と2日目の落差
- おわら風の盆の3日間は45日前に決着していた|富山県の推定OCC、翌週同曜日と21.8pt差をブッキングカーブで検証
- 長崎くんち直前、中日10/8はビジネス推定OCC 88.8%・最終日10/9は76.6% — 3夜の埋まり方と在庫設計
