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秋夕2026、日本のホテルは埋まった?由布市+14.8pt・対馬92.7%、九州の県単位は平常並み

投稿日 : 2026.09.25

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秋夕2026、日本のホテルは埋まった?由布市+14.8pt・対馬92.7%、九州の県単位は平常並み

韓国の秋夕(チュソク)連休は、2026年は9月24日(木)〜27日(日)。日本では5連休のシルバーウィーク(9/19〜23)が明けた直後にあたる。韓国からの航空便・航路が厚い九州・山口・山陰のホテルでは、SW明けの在庫がどこまで消化されたのか。メトロエンジンリサーチの在庫データで九州・山陰など7県と、韓国線の薄い内陸の長野・岐阜を比べると、県単位では7県とも平常週比−4.3〜+5.0ptの幅に収まった。一方で由布市は+14.8pt、対馬市は92.7%まで消化が進み、韓国需要の効き方は「県」ではなく「点」に表れた。

本記事における指標の定義

  • OCC(稼働率):エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。本記事では総客室の30%以上をOTA等に掲載する施設で固定した集計対象(宿泊日ごとに同じ施設集合)で算出した。OTA等で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、施設全体の実稼働率とは異なる。
  • LT(リードタイム):宿泊日までの日数。LT0=当日。宿泊日の違いによる観測時点のずれをなくすため、エリア比較は全日程をLT4(宿泊日の4日前)時点でそろえた。
  • 平常週:SWの影響を受けない9月3日(木)〜6日(日)と9月10日(木)〜13日(日)の同じ曜日並び8日間の平均。
  • 設定価格:各施設の最安プランの掲載価格(2名1室利用時の1室あたり料金・税込)。宿泊日を過ぎた日は宿泊日直前に観測した最後の掲載価格。
  • データ出典:メトロエンジンリサーチ(在庫・価格)、ホテルバンク編集部調べ(口コミ)
Key Takeaways
  • — 秋夕連休(2026年9月24日〜27日)の推定OCC(LT4時点)は、九州・山陰7県で平常週比−4.3〜+5.0pt。県単位では平常並みにとどまった。
  • — 上振れは「点」に出た。由布市は58.4%→73.2%(+14.8pt)、対馬市は78.4%→92.7%(+14.3pt)で、12市区町村の上位2つ。
  • — 由布市の秋夕2日は45日前から平常週を約15pt上回って推移しており、直前の駆け込みではなく早期の予約による上積みだった。
  • — 設定価格の「引き上げ−引き下げ」は大分+13.7pt・岐阜+13.3pt・長野+10.9pt。在庫消化が平常週並み以上の県と重なった。
  • — 韓国語の口コミ比率は福岡13.7%に対し長野0.6%・島根0.5%。対照の岐阜(+8.7pt)は英語比率16.3%で、韓国とは別の市場に支えられている。

韓国の秋夕2026は「4日間の短い連休」、行き先は日本に集中

2026年の秋夕は9月25日(金)が当日で、前後の24日(木)・26日(土)が祝日となり、日曜を含めた4日間が連休になった。例年より短い連休になったことで、韓国では近場の海外旅行に予約が集まっている。韓国の旅行予約事業者の集計を報じた韓国経済新聞によると、秋夕連休の海外旅行先は日本が最多で、都市別では大阪・福岡・東京が1〜3位だった。ノル・ユニバースの集計では日本のシェアが52.5%と、前年の42.2%から10.3pt上がっている(グローバル・エコノミック報道)。連休前の時点で九州・関西の受け皿を見通した分析は、韓国・秋夕は9/24〜27 — シルバーウィーク直後の「第2波」を九州・関西はどう受けるかにまとめている。

出国側の規模も大きい。仁川国際空港公社は、9月23日〜27日の旅客を約114万人、1日平均22.8万人と見込み、前年の秋夕連休の1日平均から4.8%増えると発表した。出発のピークは24日(木)の13万1,999人である(アジア経済報道)。

訪日側の統計でも韓国の比重は上がっている。日本政府観光局(JNTO)の推計では、2026年8月の訪日外客数は309万8,900人(前年同月比−9.6%)で、韓国は85万500人(同+28.7%)と市場別で最多だった。中国は41万8,000人(同−59.0%)と大きく減っており、韓国の連休は各地の秋の需要を支える重要な市場になっている(JNTO「訪日外客数(2026年8月推計値)」)。

県単位では平常並み — 九州・山陰7県は平常週比−4.3〜+5.0pt

SW明けの平日は、国内の連休需要が抜けて在庫が残りやすい時期である。実際、9県とも9月19日(土)・20日(日)には93〜100%近くまで在庫が消化されたが、秋夕連休の4日間は6割台後半〜8割台に戻った。注目したいのは戻った先の水準で、平常週と比べると次のようになる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(各日LT4時点の推定値。対象施設数・客室数は下表)

表1 県別の推定OCC(LT4時点):平常週・SW中・秋夕連休の比較
県対象施設/客室平常週平均SW中(9/19・20)秋夕連休(9/24〜27)平常週比
福岡県441施設/29,808室84.6%93.3%80.3%−4.3pt
佐賀県139施設/4,509室71.0%94.9%72.9%+1.9pt
長崎県268施設/11,664室69.5%94.8%67.8%−1.7pt
大分県471施設/10,911室67.9%96.4%68.9%+1.0pt
山口県141施設/7,130室71.7%97.7%73.2%+1.5pt
鳥取県126施設/5,426室76.8%99.8%73.3%−3.5pt
島根県205施設/6,767室73.2%99.7%78.2%+5.0pt
長野県(対照)727施設/22,725室80.2%97.2%81.2%+1.0pt
岐阜県(対照)311施設/11,544室77.6%98.8%86.3%+8.7pt

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(対象施設/客室は9月25日宿泊分の集計対象、主要予約サイト掲載ベース)

九州・山陰7県で平常週を上回ったのは島根(+5.0pt)・佐賀(+1.9pt)・山口(+1.5pt)・大分(+1.0pt)の4県で、福岡(−4.3pt)・鳥取(−3.5pt)・長崎(−1.7pt)はやや下回った。つまり、県全体の在庫で見る限り、秋夕連休の需要は「SW明けの落ち込みを平常週並みまで戻した」程度といえる。

むしろ目立つのは対照に置いた内陸県である。岐阜は平常週の77.6%に対して秋夕連休は86.3%と+8.7ptで、9県で最も高い伸びだった。長野も+1.0ptと平常並みを保っている。SW中からの下げ幅で見ても、岐阜(−12.5pt)・福岡(−13.0pt)・長野(−16.0pt)が小さく、長崎(−27.0pt)・大分(−27.5pt)が大きい。韓国線の厚さだけでは、SW明けの底堅さは説明できない。

福岡県の数字は解釈に注意がいる。平常週の水準がもともと84.6%と高く、都市型のビジネス需要で埋まっているため、上積みできる余地が小さい。加えて九州7県では、10月1日(木)宿泊分から「九州ふっこう応援割」(熊本・鹿児島は旅行代金の60%、他の5県は50%を割引)が始まる。福岡・佐賀は9月24日正午に予約受付が始まったばかりで、9月最終週の国内旅行を10月へずらす動きが出やすい時期でもある(観光庁「九州ふっこう応援割」)。予約開始日の違いが在庫配分にどう表れるかは、九州ふっこう応援割 佐賀は予約サイト9/24・旅行会社10/2で詳しく分析している。

この「平常週比」は、比較の基準にどの週・どの時点を取るかで動きうる。そこで、観測時点をLT4からLT7・LT14に移した場合と、平常週を9月第1週(9/3〜6)だけ、第2週(9/10〜13)だけにした場合で同じ差を計算し直した。

表2 平常週比の感度(観測時点×平常週の取り方、秋夕連休4日間の平均との差・pt)
県LT4・2週平均(本稿)LT7・2週平均LT14・2週平均LT4・第1週のみLT4・第2週のみ
福岡県−4.3−3.5−1.8−2.2−6.4
佐賀県+1.9+2.6+5.1+5.7−1.9
長崎県−1.7−1.2−0.9+0.9−4.1
大分県+1.0+1.1+1.7+4.6−2.7
山口県+1.5+1.7+2.4+3.0+0.1
鳥取県−3.5−3.8−2.9−7.8+0.8
島根県+5.0+5.7+9.5+8.8+1.4
長野県(対照)+1.0+1.3+2.1+1.4+0.7
岐阜県(対照)+8.7+9.2+10.0+9.8+7.7

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(各県の対象施設は表1と同じ。推定値、9月23日観測分まで)

九州・山陰7県の差はどの取り方でも−7.8〜+9.5ptの幅に収まり、県単位では「平常並み」という読みは変わらない。岐阜は5通りすべてで9県の最大(+7.7〜+10.0pt)だった。一方、第1週だけを基準にすると佐賀・大分が+4〜6pt、第2週だけだと福岡が−6.4ptと、個々の県の符号は基準の取り方で入れ替わる。県別の小さな差(±2pt程度)は誤差の範囲として読むのが妥当である。

効いたのは「点」 — 由布市+14.8pt、対馬市は92.7%

市区町村単位に分けると、韓国需要と結びつきの強い観光地で上振れがはっきりする。温泉地の由布市(湯布院)は平常週の58.4%から秋夕連休は73.2%へ+14.8pt、釜山からの国際航路が発着する比田勝港を抱える対馬市は78.4%から92.7%へ+14.3ptと、12市区町村で上位2つを占めた。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(各日LT4時点の推定値。対馬市は10施設・117室と対象が小さい)

表3 市区町村別の推定OCC(LT4時点):平常週と秋夕連休の比較
市区町村対象施設/客室平常週平均秋夕連休(9/24〜27)平常週比
由布市168施設/1,703室58.4%73.2%+14.8pt
対馬市10施設/117室78.4%92.7%+14.3pt
松江市55施設/3,158室76.0%83.9%+7.9pt
高山市123施設/3,641室76.5%84.0%+7.5pt
別府市147施設/4,104室67.0%72.1%+5.1pt
下関市35施設/1,620室74.2%78.9%+4.7pt
松本市84施設/3,369室87.9%92.2%+4.3pt
米子市33施設/1,741室82.2%79.7%−2.5pt
福岡市博多区155施設/13,539室89.0%85.5%−3.5pt
福岡市中央区84施設/5,672室87.4%82.8%−4.6pt
長崎市60施設/3,658室72.2%66.2%−6.0pt
北九州市小倉北区19施設/2,971室90.9%78.2%−12.7pt

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(対象施設/客室は9月25日宿泊分の集計対象、主要予約サイト掲載ベース)

由布市はふだんの平日の在庫消化が5〜6割台にとどまりやすい温泉地で、秋夕連休の4日間が7割台に乗ったことは平日としては大きい。別府市(+5.1pt)も平常週を上回った(由布院・別府の単価水準は大分県ホテル投資マップ2026を参照)。一方、福岡市の博多区(85.5%)・中央区(82.8%)は平常週をやや下回ったものの、水準そのものは8割台と高い。韓国からの旅行者が最も多く向かう都市部は、もともと埋まっているぶん上積みが数字に出にくい。

対照側でも松江市(+7.9pt)・高山市(+7.5pt)・松本市(+4.3pt)が平常週を上回っている。高山・松本は欧米豪からの旅行者が多い観光地で、秋の需要が韓国の連休と関係なく底上げしている可能性が高い。

ブッキングカーブで見る由布市 — 45日前から平常週を約15pt上回って推移

由布市の上振れが直前の駆け込みによるものか、早くから積み上がっていたのかを、宿泊日4日分のブッキングカーブで確かめる。平常週の木曜・金曜(9/10・9/11)と、秋夕連休の木曜・金曜(9/24・9/25)を並べた。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(由布市、対象168施設/1,703室〈9月25日宿泊分〉、主要予約サイト掲載ベース。LT45〜LT1、9月23日観測分まで)

秋夕連休の2日は、LT45(宿泊日の45日前)の時点ですでに60〜61%と、平常週の42〜46%を約15pt上回っていた。その差がほぼ縮まらずに直前まで続いている。つまり由布市の上積みは直前の駆け込みではなく、1か月半以上前から入っていた予約によるものである。団体・個人を問わず、秋夕を早くから押さえる旅行者がこの温泉地に一定数いると読める。

対馬・比田勝の宿泊特化型ホテル — 秋夕当日分はLT37で公開枠が完売

対馬の上振れを施設単位で見ると、比田勝港に近い宿泊特化型のホテルA(243室)の在庫推移がわかりやすい。ホテルAは総客室に対する公開枠の比率が集計基準に届かない日があるため、前節の対馬市の集計対象(10施設・117室)には含まれていない。市の数字とは別の施設で、同じ方向の動きが確認できたことになる。秋夕当日の9月25日(金)宿泊分は、LT45時点で残室12室、LT37で残室0/243室に達し、その後の追加枠(LT21に9室)もすぐに消化された。9月24日(木)宿泊分もLT31で残室0となり、LT13に43室の追加枠が出たあと、LT4までに再び0室になっている(追加分が5室以上で数日続いたため、キャンセルではなくホテル側が枠を追加したものと推定)。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(1施設の残室数推移、9月23日観測分まで。OTA等への公開枠は観測上の最大で総客室の約4〜5割)

比較のため同じ曜日を見ると、平常週の9月11日(金)はLT1でも62室が残り、SW前の9月18日(金)もLT2で12室残っていた。秋夕当日の在庫は、平常の金曜より1か月以上早く消化されたことになる。なお、ここでの残室はOTA等に出している公開枠(観測上の最大で総客室の約4〜5割)の中での数字で、ホテル全体の満室を意味するものではない。

設定価格は引き上げたか — 大分・岐阜・長野で「上げ」が多数

次に、各施設が秋夕連休の価格をどう設定したかを見る。同じ施設の最安プランの掲載価格を比較日と比べ、+3%を超えたものを「引き上げ」、−3%を下回ったものを「引き下げ」とした。比較日は木曜・金曜が前週の同じ曜日(9/17・9/18)、土曜・日曜は前週がSW中のため2週前の同じ曜日(9/12・9/13)である。多くの施設は価格を据え置いており(各県とも約5〜7割)、差が出るのは残りの施設の動き方だ。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(最安プランの掲載価格、2名1室利用時の1室あたり料金・税込)

表4 県別の設定価格の変化(比較日比、最安プラン・±3%超を上げ/下げと判定)
県価格を比較できた施設比較件数(施設×日)引き上げ引き下げ差し引き
福岡県183施設71924.5%25.2%−0.7pt
佐賀県154施設56217.1%16.4%+0.7pt
長崎県163施設63613.5%17.6%−4.1pt
大分県233施設86627.8%14.1%+13.7pt
山口県157施設60615.2%16.9%−1.7pt
鳥取県153施設58515.5%14.0%+1.5pt
島根県202施設78019.1%12.2%+6.9pt
長野県231施設85524.9%14.0%+10.9pt
岐阜県210施設74025.9%12.7%+13.3pt

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(在庫推移を集計した施設のうち、比較日と対象日の両方で価格を観測できた施設)

引き上げの割合が引き下げを大きく上回ったのは大分(+13.7pt)・岐阜(+13.3pt)・長野(+10.9pt)の3県で、いずれも在庫消化が平常週並みか、それ以上だった県と重なる。市町村別では由布市が引き上げ37.5%・引き下げ9.0%(比較648件)と、在庫の伸びにあわせて価格も上げる施設が多い。福岡市博多区も引き上げ43.0%・引き下げ26.2%(同640件)で、秋夕当日の金曜(9/25)は56%の施設が前週の金曜より価格を上げていた。

福岡・長崎・山口では引き上げと引き下げがほぼ同じ割合で、県全体としては平常週並みの価格を保つ運用が中心だった。在庫が平常週並みにとどまった県で価格を据え置くのは、需要に沿った判断といえる。

受け皿の厚み — 韓国語の口コミは福岡13.7%、長野・島根は1%未満

最後に、韓国からの宿泊客をどれだけ受け入れてきたかを口コミから確認する。ホテルバンク編集部が集計した直近24か月の宿泊者口コミ(日本語・韓国語・英語・中国語〈繁体字・簡体字〉・タイ語の6言語)のうち、韓国語の口コミの比率を県別に並べた。

出典:ホテルバンク編集部調べ(宿泊者口コミの言語別集計、直近24か月)

表5 県別の口コミ言語比率と多言語対応に好意的な言及がある施設数(直近24か月)
県集計した口コミ韓国語の比率英語の比率多言語対応への好意的な言及が5件以上ある施設
福岡県318,127件13.7%(43,642件)8.7%82
大分県135,363件6.8%(9,151件)6.7%15
佐賀県43,437件4.7%(2,056件)2.9%4
長崎県102,096件3.2%(3,245件)6.3%7
鳥取県52,224件2.7%(1,423件)2.3%—
岐阜県129,279件1.6%(2,089件)16.3%8
山口県57,449件1.5%(841件)1.9%—
長野県257,019件0.6%(1,502件)14.1%4
島根県55,528件0.5%(275件)2.2%—

出典:ホテルバンク編集部調べ(NLP解析。多言語対応は、スタッフの言語対応に好意的に触れた口コミが直近24か月で5件以上ある施設の数。「—」は該当施設が集計上みられない県)

韓国語の比率は福岡が13.7%(4万3,642件)と突出し、大分6.8%・佐賀4.7%が続く。対照の長野(0.6%)・岐阜(1.6%)は韓国語が少ない代わりに英語の比率が14.1%・16.3%と高く、九州の各県を上回る。秋夕連休に岐阜・長野の在庫が底堅かったのは、韓国とは別の市場に支えられているためだと読める。

スタッフの言語対応に好意的に触れた口コミが5件以上ある施設は、福岡で82施設、大分で15施設あった。口コミには「韓国語ができるスタッフの方がいて」「ロビーから韓国語を話せる従業員がいて」といった声が並び、韓国語で案内できることが評価につながっている。山口・鳥取・島根はこうした施設がまだ集計上みられず、韓国語対応を打ち出せる施設には伸びしろがある。

宿の打ち手 — 韓国の連休を価格カレンダーに入れる

今回のデータから、宿の側で取れる手を3つ挙げる。

1. 韓国の祝日を国内の連休と同じ扱いで価格カレンダーに入れる。由布市・対馬では、秋夕の在庫が45日以上前から平常週を上回って推移していた。韓国の秋夕や旧正月(ソルラル)は毎年日付が変わるため、翌年分を早めに確認し、韓国からの旅行者が多い施設は国内の連休と同じように早い段階で価格の段を上げておくことで、収益を伸ばす機会になる。

2. LT30〜45の消化速度を平常週と比べる。対馬のホテルAは秋夕当日分の公開枠をLT37で消化した。平常週の同じ曜日より消化が明らかに速い日は、需要が先行して入っているサインである。そうした日に限って段階的に価格を上げる運用は、在庫の少ない小規模な宿ほど効果が大きい。

3. 韓国語対応を口コミで見える形にする。福岡・大分では、韓国語で案内できるスタッフへの評価が口コミに多く残っている。対応できる言語を予約ページや館内で示すことが、次の連休の予約につながる。

なお、今回の分析は国籍別の予約を直接見たものではなく、韓国需要と結びつきの強いエリアの在庫・価格の動きから読み取った推定である。九州の各県では10月1日から応援割が始まるため、10月の在庫の動きは国内需要の回復とあわせて見ていく必要がある。

観測時点に関する注意:本記事の在庫・価格は調査時点(2026年9月23日観測分まで)のデータに基づく。9月26日(土)・27日(日)宿泊分は宿泊日前のため、LT4時点の推定値と調査時点の掲載価格を用いており、宿泊日までに変動する。ホテルAの残室数は9月23日時点の観測で、その後の在庫の追加・キャンセルで変わりうる。

よくある質問

Q. 韓国の秋夕連休は、日本のホテルの稼働をどのくらい押し上げたか?

A. 九州・山陰7県の推定OCC(LT4時点・2026年9月24日〜27日)は平常週比−4.3〜+5.0ptで、県単位ではほぼ平常並みだった。上振れがはっきり出たのは由布市(+14.8pt)や対馬市(+14.3pt)など、韓国からの旅行者と結びつきの強い一部の市町村である。

Q. なぜ福岡県は平常週を下回ったのか?

A. 福岡県は平常週の推定OCCがもともと84.6%(2026年9月の平常週平均)と高く、上積みの余地が小さい。加えて10月1日宿泊分から九州ふっこう応援割が始まるため、国内旅行が10月へずれやすい時期だった。博多区・中央区の水準そのものは8割台を保っている。

Q. 秋夕の予約はいつ頃から入っていたか?

A. 由布市では、秋夕連休の木曜・金曜の推定OCCが45日前の時点で60〜61%(平常週の同曜日は42〜46%)と、すでに約15pt高かった。対馬のホテルAは秋夕当日分の公開枠を37日前に売り切っている。

Q. ホテルは秋夕に合わせて価格を上げたか?

A. 多くの施設(各県とも約5〜7割)は価格を据え置いた。価格を動かした施設のうち、引き上げが引き下げを大きく上回ったのは大分・岐阜・長野の3県で、由布市では引き上げ37.5%・引き下げ9.0%だった。

Q. 韓国の連休需要を取り込むために、宿は何をすればよいか?

A. 秋夕や旧正月(ソルラル)など韓国の祝日を国内の連休と同じように価格カレンダーに入れ、45〜30日前の在庫消化の速さを平常週と比べることが出発点になる。韓国語で案内できる体制があれば、予約ページや館内でそれを示すことも効果的である。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

メトロエンジンリサーチの在庫推移データ(都道府県・市区町村別の推定OCC、施設別の残室推移)と最安プランの掲載価格(2名1室利用時の1室あたり料金・税込)、ホテルバンク編集部が集計した宿泊者口コミの言語別・タグ別集計(直近24か月)。訪日外客数・出国旅客見通し・予約動向は、JNTO・観光庁の公表資料と韓国の報道に基づく。

■ 試算前提

推定OCCは、総客室の30%以上をOTA等に掲載する施設で固定した集計対象(2026年9月の各宿泊日で同じ施設集合)について、宿泊日の4日前(LT4)時点の残室から算出した。平常週は9月3日〜6日と9月10日〜13日(木〜日)の8日間の平均。価格は、秋夕の木・金を前週の同曜日(9/17・9/18)、土・日を2週前の同曜日(9/12・9/13)と比べ、±3%を超えた変化を「引き上げ」「引き下げ」とした。感度表(表2)では観測時点(LT4/LT7/LT14)と平常週の取り方を変えて再計算した。

■ 限界・留意点

推定OCCはOTA等で販売される在庫の消化状況に基づく推定値で、施設全体の実稼働率とは異なる。国籍別の予約は観測しておらず、韓国需要の寄与は在庫・価格・口コミの動きからの推定である。9月26日・27日宿泊分の価格は調査時点の掲載価格で、宿泊日までに変わりうる(再集計では県別の引き上げ・引き下げ比率が最大±0.4pt動いた)。対馬市は9月3日宿泊分の観測がなく、平常週は7日間の平均。ホテルAは対馬市の集計対象に含まれない施設である。

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