眠っていたデータから新たな付加価値を
指定なし
投資・開発
ホテルのNOIを引き上げる経路は、ADRを上げるか稼働を上げるか、あるいは運営費を絞るかに集約されがちである。ただし建物には、客室として売っていない床が必ず残っている。屋上、壁面、昼間に空く駐車マス、ロビー脇の数坪——これらを第三者に貸すと、客室の分母を一切増やさずにNOIの分子だけが増える。本稿では、その「まだ貸していない床」がいくらの収入になり、利回りに何pt効くのかを、施設マスターと商圏デー...
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ホテル用地を検討するとき、まず開くのは用途地域図である。商業地域か、近隣商業か、住居系か。容積率は何%か。その物差しで初期スクリーニングをかけるのが実務の常道だが、ウォーターフロントにはその物差しがそもそも適用されない土地がある。港湾法にもとづく臨港地区のうち、分区が指定された区域である。分区内では建築基準法第48条(用途地域等における建築制限)と第49条(特別用途地区)の規定が適用されず(港湾法...
海外投資家による日本のホテル投資は、2025年から2026年上期にかけて役割が入れ替わった。総取引額では過去最高圏にありながら、ホテルセクターに限れば海外勢の「取得側」としての存在感は縮み、代わりに2023年前後に仕込んだ物件を国内の受け皿へ渡す「売却側」としての動きが目立つ。本稿では個別プレーヤーの深掘りではなく、市場横断のセンサス(棚卸し)に徹して、この転換を数字で確認する。
同じ200室のビジネスホテルを、同じ事業計画書で、東京と山梨に建てるとする。建築費も、想定ADRも、GOP率の前提も、投資家が最初に埋める欄はほとんど変わらない。それでも開業初年度に差がつく変数がひとつある。必要な人員をその土地で何人集められるかだ。本稿はこの「労働供給の量と地理」を、賃金単価ではなく人数の分布として47都道府県に並べ、事業計画のどこに織り込むべきかを整理する。
群馬県
エリア・施設分析
群馬県は草津・伊香保・水上・四万・万座と、全国でも屈指の温泉地の層を持つ。ところが県都・前橋市や高崎市の宿泊単価は、全国のビジネスホテル帯とほぼ同じ水準にとどまる。同じ県内でありながら、市町村をまたぐと単価はどれだけ開くのか。メトロエンジンリサーチの市町村別データ12ヶ月分(2025年9月〜2026年8月)を集計すると、最上位のみなかみ町と最下位の伊勢崎市のあいだには約3.5倍の階層差が存在してい...
福島県
レベニューマネジメント
季節・イベント
福島県の宿泊需要を宿泊日ベースで追いかけると、10月の週末は「同じ土曜日」でもまったく別の商品になっていることがわかる。宿泊日の45日前という同じ物差しで揃えたとき、三連休初日にあたる10月10日(土)の旅館の推定稼働率(OTA掲載在庫ベース)は82.2%。同じ45日前時点の10月3日(土)は67.1%で、その差は15.1pt。30日前に揃え直しても88.9%対75.0%で13.9ptの開きが残っ...
愛媛県
愛媛県のシティホテルの推定成約ADRは、2026年4月に¥7,784(前年同月¥7,122)で前年同月比+9.3%と伸びた一方、7月は¥7,287(前年同月¥7,591)で−4.0%と反転した。同じ県内でもビジネスホテルは7月が¥5,871(前年同月¥5,584)で+5.1%と、1〜8月の確定月すべてでプラスを維持している。上半期に効いた強気の値決めが夏に通用しなくなったのはなぜか、そして秋以降の...
宿泊業の省人化機器は、補助金の有無で採算の見え方が大きく変わる。中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型・一般型)と観光庁の省力化投資補助事業はいずれも補助率1/2を基本としており、機器費の半分が公的資金で賄われる。本稿では、自動チェックイン機・清掃ロボット・入出金機を導入した場合の年間削減額と単純回収年数を、客室30室・100室・200室の3モデルで補助ありとなしに分けて試算した。
業界トレンド
ふるさと納税の返礼品として宿泊券を出すとき、金額の設計を縛るルールは2つある。ひとつは全返礼品に共通する「調達費用は寄附額の3割以下」(地方税法第37条の2第2項第二号)。もうひとつが宿泊にだけかかる「一夜につき一人当たり五万円を超えないもの」(総務省告示第5条第7号の3イ)だ。この2つは別々の上限で、掛け合わせて初めて「寄附いくらで何泊分を出せるか」が決まる。本稿では総務省が2026年7月31日...
新規開業・供給
2026年に開業した宿泊施設を数え上げると、メトロエンジンリサーチが把握する範囲で全国1,469施設・37,409室になる。ただし「何室増えたか」という絶対量だけでは、その土地の宿泊市場に何が起きているかは読めない。同じ1,000室でも、既存ストックが16万室ある東京と1万5千室の埼玉では、意味がまったく違うからだ。本稿では新規客室数を既存の客室ストックで割った供給インパクト率を47都道府県すべて...