大和ハウスリアルティマネジメント(東京都千代田区)が2026年10月15日に公表したニュースリリースによると、宮崎県初出店となる「ダイワロイネットホテル宮崎」は宮崎市橘通西4丁目に鉄骨造12階建て・212室で建設が進み、2027年3月8日(月)に開業、2026年10月26日(月)に予約を開始する。2階に大浴場とサウナを置き、客室の過半を24㎡超のモデレートダブル以上で構成する宿泊特化型であり、料金例としてスタンダードダブル1室1万円〜8万円(税込・変動)が示された。本稿では、橘通3丁目交差点を中心とする半径1km圏の客室ストック、宮崎市の推定成約ADRと推定稼働率、就業人口と公示地価を重ね、212室が圏内の供給に占める比率と、大浴場付きの上位ビジネス帯が成立する単価水準を試算する。
• ADR(平均客室単価)=各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。
• エリア(都道府県・市区町村)単位のADRは、対象施設の推定成約単価の中央値(エリアの標準的な施設の水準)です。
• 掲載価格に言及する箇所は、2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
• OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。
• 出典:メトロエンジンリサーチ(国内約168,000施設のOTA公開価格を継続追跡、うち稼働確認済み約27,000施設)
本記事の客室ストックは、橘通3丁目交差点から半径1,000m圏内にある客室数10室以上の宿泊施設(レジャーホテルを除く)を対象とし、「稼働中」は直近3か月(2026年8月〜2026年10月)に主要予約サイトで販売価格が確認できた施設を指す(2026年10月20日時点、メトロエンジンリサーチ集計)。 LT(リードタイム)=チェックイン日までの日数。早期完売LT=残室数が初めて0室に到達したリードタイム(値が大きいほど早く完売)。
- — +4.6% 212室は橘通3丁目交差点1km圏の稼働客室4,647室(36軒・2026年10月時点)に対する供給増で、2024年の+296室以来の大型供給。
- — ¥8,968 宮崎市の推定成約ADR(2026年9月・N=59施設)は前年同月比+23.8%。キャンプ月の2月は12,582円、6月は6,496円と季節差は1.9倍。
- — 0施設 圏内に「200室超×推定成約ADR1.2万円以上」の施設は無く、1.3万円台で成約する100室以上の施設はドーミーイン宮崎とJR九州ホテル宮崎の2館。
- — ¥13,700〜¥17,800 NOI利回り6%に必要なADR(稼働率の前提80%)。1室約2,670万円のAケースは圏内上位2館の実績帯と重なる。
- — ¥316,000/㎡ 近傍標準地の公示地価(2026年・+5.0%)から逆算した1室あたり土地コストは207万〜310万円で、建設費に比べ軽い要素。
計画概要 — 212室の6割超が24㎡以上、2階に大浴場とサウナ
リリースが示す建物構成は、1階がエントランスと物販・飲食店舗、2階がフロントと大浴場・サウナ、3〜12階が客室である。客室は6タイプに分かれ、スタンダードダブル56室(16.4〜18.1㎡)に対し、モデレートダブル90室(24.8〜25.3㎡)、デラックスツイン42室と3名利用可の17室(いずれも27.9㎡)、フォース4室(52.1㎡)、ユニバーサル3室(27.9㎡)と、24㎡以上の客室が156室と全体の73.6%を占める。宿泊特化型の標準的な16〜18㎡の客室を4分の1に抑え、2名・3名利用を前提とした面積配分にしている点が、この計画の性格を最もよく表している。
| 客室タイプ | 定員 | 室数 | 面積 | 構成比 |
|---|---|---|---|---|
| スタンダードダブル | 2名 | 56室 | 16.4〜18.1㎡ | 26.4% |
| モデレートダブル | 2名 | 90室 | 24.8〜25.3㎡ | 42.5% |
| デラックスツイン | 2名 | 42室 | 27.9㎡ | 19.8% |
| デラックスツイン(3名利用可) | 3名 | 17室 | 27.9㎡ | 8.0% |
| フォース | 4名 | 4室 | 52.1㎡ | 1.9% |
| ユニバーサル | 2名 | 3室 | 27.9㎡ | 1.4% |
| 合計 | — | 212室 | 平均約24.3㎡(当社試算) | 100% |
工程は着工2025年7月31日、竣工予定2027年2月15日、グランドオープン2027年3月8日で、予約開始は開業の約4カ月半前にあたる2026年10月26日である。敷地内に有料・先着順の駐車場60台を備え、館内は全室禁煙、セルフチェックイン機とアメニティバー、男女別コインランドリーを置く。アクセスはJR宮崎駅西口から徒歩約12分、宮崎空港からはバス約20分で「橘通3丁目」停留所下車・徒歩約4分、東九州自動車道宮崎西ICから車で約15分とされる。運営は大和ハウスリアルティマネジメントが100%出資するダイワロイネットホテルズが担う。
1km圏の客室ストック — 稼働4,647室に212室が加わり+4.6%
橘通3丁目交差点から半径1km圏には、客室数10室以上の宿泊施設が掲載ベースで45軒・5,434室あり、このうち直近3カ月に主要予約サイトで販売価格が確認できた稼働中の施設は36軒・4,647室である。業態別ではビジネスホテルが稼働29軒・3,575室と室数の77%を占め、シティホテル6軒・1,042室がこれに続く。ダイワロイネットホテル宮崎の212室は、稼働客室に対して+4.6%、2026年時点の開業年が確認できる37軒・4,661室に対しては+4.5%にあたる。
年次の推移を見ると、圏内の客室は2017年の4,008室から2024年の4,631室まで7年で+15.5%増えた。2024年はホテルマイステイズ宮崎(208室)、プリンススマートイン宮崎(163室)、宮崎マンゴーホテル(133室)が相次いで開業した年で、1年で+296室と直近10年では最大の増加幅だった。2025年以降は小規模な増加にとどまり、2027年3月の212室が次の大きな供給となる。言い換えると、圏内は2024年に一度まとまった新規供給を吸収しており、その後の2年間で単価がどう動いたかが212室の吸収力を占う材料になる。
| 業態 | 掲載 軒数 | 掲載 室数 | 稼働 軒数 | 稼働 室数 |
|---|---|---|---|---|
| ビジネスホテル | 36 | 4,325 | 29 | 3,575 |
| シティホテル | 6 | 1,042 | 6 | 1,042 |
| 旅館 | 2 | 37 | 0 | 0 |
| リゾートホテル | 1 | 30 | 1 | 30 |
| 合計 | 45 | 5,434 | 36 | 4,647 |
規模別に見ると、圏内は101〜200室の施設が21軒・3,114室と中核をなし、201室以上は7軒・1,662室である。200室以上で稼働中の既存施設はホテルマリックス(374室・1964年開業)、エアラインホテル(237室・1981年)、ホテルルートイン宮崎橘通(213室・2008年)、ホテルJALシティ宮崎(210室・2002年)、ホテルマイステイズ宮崎(208室・2024年)、東横INN宮崎駅前(200室・2005年)で、212室の新館はこの群に加わる。開業年代別では1980〜90年代開業が14軒・1,856室と室数の34%を占め、築30年を超える施設が圏内の3分の1にのぼる点は、新築の客室仕様(24㎡超が7割)が差別化の軸になり得ることを示している。
圏外の供給としては、宮崎県内で2027年に開業予定として当社が把握するのは本件のほか、西都市のHOTEL AZ宮崎西都店(158室・2027年5月)にとどまる。宮崎駅近くではドラッグストアのコスモス薬品が1階店舗・上階ホテルの複合型で宿泊事業に参入する計画を公表しているが、開業まで2年程度とされ、時期・規模は未確定である。なお、当社の新規開業データは主要予約サイトへの掲載確認ベースのため、掲載が出ていない計画は含まれず、今後の掲載で件数は増える可能性がある。
需要の構造 — 就業3.3万人の業務地と、春季キャンプ観客88.7万人の季節需要
橘通は宮崎市の中心商業・業務地であり、総務省・経済産業省「経済センサス-活動調査」(2021年)に基づく半径1km圏の事業所数は3,625、従業者数は32,678人、うちオフィス系従業者は7,523人(23.0%)である。県庁・市役所などの行政機関と百貨店・金融機関が集まる立地で、平日のビジネス需要が土台にある。一方、半径1.5km圏の居住人口は45,429人(2020年国勢調査ベース、国土交通省 国土数値情報の250mメッシュ将来推計人口)で、2040年には43,984人(−3.2%)と緩やかな減少が見込まれる。居住人口は滞在・通過人口ではなく、宿泊需要の直接の源泉ではないが、飲食・物販の集積を支える基盤として中心市街地の厚みを示す。
宮崎県の宿泊需要は、観光庁「宿泊旅行統計調査」の2025年年間値(確定値)で延べ宿泊者数388万8千人泊(前年比+7.7%、2019年比−10.0%)、うち外国人は26万3千人泊(前年比+23.5%)である。客室稼働率は全体で54.1%(前年差+3.0pt)、ビジネスホテルは63.8%で、全国のビジネスホテル75.3%に対して11.5ptの開きがある。この差は、裏を返せば平日需要を取り込める上位仕様の施設にとっての伸びしろでもある。
季節要因として最も大きいのはプロ野球・社会人の春季キャンプである。宮崎県スポーツランド推進課の集計(2026年6月3日)によると、2026年1〜3月の春季キャンプ・合宿は419団体・延べ参加101,962人、観客数は侍ジャパン宮崎キャンプ2026(2月14〜24日・観客20万人)と福岡ソフトバンクホークスの歓迎パレードが重なり886,755人(前年比+34.7%)と過去2番目の水準に達し、経済効果は126億2,700万円(+27.1%)となった。宮崎市の推定成約ADRが2月だけ突出する構造(後述)はこの需要に対応しており、2027年3月8日の開業はキャンプ明け直後、年度末の出張需要と春休みの観光需要が重なる月に当たる。
直近の需給を当社の推定稼働率で見ると、宮崎市の2026年9月は月平均76.5%(対象36施設/客室3,724、主要予約サイト掲載ベース)、ビジネスホテルに限ると77.6%(19施設/2,486室)だった。日別には、9月10〜12日(木〜土)が88.7〜93.9%、敬老の日を含むシルバーウィーク前半の9月19〜21日が93.0〜99.9%と上限近くまで埋まる一方、9月4〜6日の金土日は42.6〜51.9%にとどまる。平日の業務需要と連休のレジャー需要が強く、通常の週末に谷があるという、業務都市型の典型的なパターンである。宮崎県のビジネスホテルのブッキングカーブ(9月平均)では、LT45時点で推定稼働率44.7%(2026年9月・N=41施設)、LT14で63.8%、LT1で79.0%まで積み上がり、LT45時点で既に最終水準の5割強が埋まっており、直前2週間の上積みは約15ptにとどまる。
単価の現在地 — 宮崎市の推定成約ADRは9月8,968円、キャンプ月の2月は12,582円
宮崎市の推定成約ADR(市内施設の中央値・税抜相当)は、2026年9月が8,968円(N=59施設)で、前年同月の7,244円から+23.8%と大きく伸びた。2026年の月次を追うと、キャンプ月の2月が12,582円(前年同月比+16.9%)と年間の頂点をつくり、梅雨期の6月が6,496円と底になる。2月と6月の比率は1.9倍で、季節の振れ幅が単価戦略の中心論点になる市場といえる。ビジネスホテルに限った推定成約ADRは9月8,157円(N=36)、2月11,943円で、全体とほぼ同じ形を描く。
リリースの料金例「スタンダードダブル1室1万円〜」(税込)を既存施設の掲載水準に置くと、1km圏の稼働36施設が2026年9月に掲載した日次最安プランの月内平均は中央値9,600円(四分位範囲8,100〜10,600円)で、1万円以上の施設は14軒だった。つまり1万円の下限は圏内の最安水準の中央値をやや上回る位置にあり、圏内の上位4割の施設と同じ価格帯から販売を始める設計と読める。
上限8万円は変動価格の幅を示す数字であり、実際の成約水準を占うには、圏内で100室以上かつ推定成約ADR9,000円以上の施設がどこにいるかを見る方が近い。該当する9施設の直近12カ月(2025年10月〜2026年9月)の推定成約ADRは次のとおりで、大浴場を備える日向の湯 ドーミーイン宮崎(191室)が13,256円、JR九州ホテル宮崎(141室)が13,037円と1.3万円台に立ち、2024年開業の宮崎マンゴーホテル(133室)も10,686円と開業2年で1万円台に乗せている。圏内の100室以上24施設の中央値は8,692円であり、上位帯の9施設はこれを7〜52%上回る水準で成約している。
| 施設名 | 客室数 | 開業年 | 推定成約ADR(12カ月平均) | 同 2026年2月 | 同 2026年9月 |
|---|---|---|---|---|---|
| 日向の湯 ドーミーイン宮崎 | 191室 | 2017年 | ¥13,256 | ¥18,769 | ¥15,743 |
| JR九州ホテル 宮崎 | 141室 | 2011年 | ¥13,037 | ¥19,772 | ¥15,207 |
| アートホテル宮崎 スカイタワー | 131室 | 1991年 | ¥11,768 | ¥21,304 | ¥14,028 |
| 宮崎マンゴーホテル | 133室 | 2024年 | ¥10,686 | ¥19,611 | ¥12,696 |
| グリーンリッチホテル宮崎橘通2 | 163室 | 2021年 | ¥10,329 | ¥16,553 | ¥10,590 |
| ホテルJALシティ宮崎 | 210室 | 2002年 | ¥10,314 | ¥16,974 | ¥12,076 |
| スーパーホテル Premier宮崎一番街 | 132室 | 2019年 | ¥9,583 | ¥13,930 | ¥9,775 |
| ホテルマイステイズ宮崎 | 208室 | 2024年 | ¥9,392 | ¥17,690 | ¥11,590 |
| 宮崎第一ホテル | 157室 | 1998年 | ¥9,279 | ¥17,555 | ¥12,113 |
| 宮崎市 ビジネスホテル中央値(参考) | — | — | ¥7,769 | ¥11,943 | ¥8,157 |
大浴場・サウナの単価効果については、当社が全国4,925施設のビジネスホテルで同一条件比較した既報で、温泉・サウナ付きの大浴場を持つ施設は持たない施設に対して推定成約ADRで+9.3%の差があることを示している。宮崎市のビジネスホテル12カ月平均(7,769円)に当てはめれば約700円、上位帯の1.3万円に対しては約1,200円の上乗せに相当し、2階に大浴場とサウナを置く本計画は、この差を取りにいく仕様と位置づけられる。
同ブランドの九州・沖縄9施設を並べると、推定成約ADRの12カ月平均は大分の9,795円から博多冷泉PREMIERの27,498円まで幅があり、中央値は14,041円である。鹿児島天文館PREMIER(2022年開業・217室)が15,605円、熊本が11,454円で、県庁所在地の中心市街地に立つ同規模の既存館は1.1万〜1.6万円の帯に収まっている。宮崎市のビジネスホテル中央値(約7,800円)との差は大きいが、圏内の上位2施設が1.3万円台で成約していることを踏まえると、ブランドの標準帯は宮崎でも既に実績のある価格帯に重なる。
ポジショニング — 200室超×1.2万円以上は圏内に0施設
圏内の稼働36施設を客室数と推定成約ADRの2軸に置くと、市場の構造がはっきりする。200室以上の6施設はいずれも推定成約ADRが1.1万円未満で、最も高いホテルJALシティ宮崎でも10,314円である。1.2万円以上で成約しているのは日向の湯 ドーミーイン宮崎(191室)とJR九州ホテル宮崎(141室)、そして30室のTHE MEIBIA MIYAZAKI(28,193円)の3施設で、200室超と1.2万円以上を同時に満たす施設は存在しない。ダイワロイネットホテル宮崎が狙う位置は、まさにこの空白である。
密集 埋まっている領域
¥6,000〜¥9,000 × 100〜240室
1980〜2000年代開業の宿泊特化型が集中。100室以上24施設の中央値は¥8,692。
空白① 大規模×上位ビジネス帯
¥12,000以上 × 200室超
該当0施設。本計画(212室・大浴場付き)が初めてこの帯に入る。必要ADRの試算は次節。
参照 既に上位帯にいる施設
¥13,000台 × 140〜190室
大浴場付きの既存館とJR系の2施設。新館の成立水準はこの実績の範囲に収まる。
需要の強さを別の角度から確かめるため、9月14〜27日の2週間について、主要予約サイトに総客室の30%以上を公開している圏内施設の残室推移を見た。東横INN宮崎中央通(139室)は2週間のうち8日で宿泊日の45日以上前に残室0となり、13日で完売を観測している(平均の早期完売LTは51.6)。ホテルルートイン宮崎橘通(213室)も平均LT19で完売しており、200室超の施設でも2〜3週間前に埋まる日が続く。推定成約ADRが8,000円前後の施設ほど早く埋まる傾向は、価格に対する需要の弾力性が高いことを示すと同時に、上位帯で早く埋まる施設が少ないことの裏返しでもある。
| 施設名 | 客室数 | 早期完売LT(平均) | 完売観測日数(14日中) | 推定成約ADR(12カ月) |
|---|---|---|---|---|
| 東横INN宮崎中央通 | 139室 | 45以上 | 13日 | ¥8,068 |
| ホテルセンチュリー 宮崎 | 17室 | LT35.5 | 13日 | ¥10,737 |
| THE MEIBIA MIYAZAKI | 30室 | LT27.4 | 14日 | ¥28,193 |
| Tabist レイズホテルやかた | 21室 | LT26.3 | 13日 | ¥5,910 |
| ホテルルートイン宮崎橘通 | 213室 | LT19.4 | 13日 | ¥8,709 |
| ホテルエリアワン宮崎シティ | 63室 | LT14.5 | 13日 | ¥6,934 |
| ホテル ブリスベン | 12室 | LT12.3 | 14日 | ¥7,309 |
| レガロホテル宮崎 | 101室 | LT11.4 | 14日 | ¥7,201 |
立地評価 — 商業地域・公示地価31.6万円/㎡、1室あたり土地コストは210〜310万円
1. THE MEIBIA MIYAZAKI(30室) 2. 日向の湯 ドーミーイン宮崎(191室) 3. JR九州ホテル 宮崎(141室) 4. キャビニティホテルプレミア宮崎(30室) 5. アートホテル宮崎 スカイタワー(131室) 6. ホテルセンチュリー 宮崎(17室) 7. 宮崎マンゴーホテル(133室) 8. グリーンリッチホテル宮崎橘通2(163室) 9. ホテルJALシティ宮崎(210室) 10. スーパーホテル Premier宮崎一番街(132室) 11. ホテルマイステイズ宮崎(208室) 12. 宮崎第一ホテル(157室) 13. コンフォートホテル宮崎(179室) 14. ホテルメリージュ(174室) 15. ホテルルートイン宮崎橘通(213室) 16. プリンススマートイン宮崎(163室) 17. アパホテル〈宮崎駅橘通〉(160室) 18. スーパーホテル 宮崎天然温泉(124室) 19. 東横INN宮崎中央通(139室) 20. 東横INN宮崎駅前(200室) 21. ホテルマリックスラグーン(176室) 22. ホテルマリックス(374室) 23. ビジネスホテル林荘(54室) 24. 宮崎ライオンズホテル(116室) 25. ケイズストリートホテル宮崎(156室) 26. ホテル ブリスベン(12室) 27. Tabist レイズホテルすいせん(30室) 28. レガロホテル宮崎(101室) 29. ホテルエリアワン宮崎シティ(63室) 30. ホテルエリアワン宮崎(69室) 31. エアラインホテル(237室) 32. ビジネス宮崎ロイヤルホテル(32室) 33. ホテル ブリスベンズ(134室) 34. Tabist レイズホテルやかた(21室) 35. ホテルクレイン橘(82室) 36. 宮崎ファイブシーズホテル(95室)
計画地から約100m西の商業地の標準地(宮崎市橘通西3丁目59番)の公示地価は、2026年1月1日時点で316,000円/㎡(前年比+5.0%)である。2020〜2023年は286,000〜288,000円/㎡でほぼ横ばいだったが、2024年に+1.4%、2025年に+3.8%、2026年に+5.0%と上昇幅を広げており、県都の中心商業地としては明確な回復局面にある。都道府県地価調査(2026年7月1日時点)でも近接の橘通西3丁目89番が307,000円/㎡(+5.1%)と同じ方向を示す。周辺は商業地域と近隣商業地域で構成され、宮崎県の資料によると中心商業地域の容積率は400〜600%、建蔽率80%の指定が混在する。
この地価と容積率から1室あたりの土地コストを試算する。客室の面積合計は約5,159㎡(各タイプの面積中央値×室数)で、宿泊特化型の客室部分比率を62%と置くと延床面積は約8,320㎡(約2,517坪)になる。延床をこの水準で成立させる敷地は容積率600%なら約1,387㎡、400%なら約2,080㎡で、公示地価316,000円/㎡を乗じると土地代は4.4億〜6.6億円、1室あたり207万〜310万円となる。標準地の価格をそのまま用いた目安であり、実際の取得条件や敷地内駐車場60台分の面積は含まないが、地方中核都市の中心部で宿泊特化型を建てる際の土地コストが1室200〜300万円台に収まるという感触は、建設費が1室2,000万円台後半に達している現在の環境では投資判断の中で相対的に軽い要素になっている。公示地価から1室あたりの地代と成立ADRを逆算する同じ手法を17商圏に当てた比較は、ホテル用地は借地か取得か|17商圏の公示地価で1室あたり地代と成立ADRを試算が参考になる。
開発シナリオ試算 — 必要ADRは1室2,700万円なら1.37万円、3,460万円なら1.77万円
本計画の延床面積・総事業費は公表されていないため、前節の延床約8,320㎡(約2,517坪)を前提に、建設費を2段階で置いて総投資額と必要ADRを試算する。第1段階は国土交通省「建築着工統計」に基づく2024年の全構造平均195万円/坪で、2022年の138万円から2年で+41%上昇した水準である(この上昇が新規供給を絞る構図は建設費+41%と人材難で消える供給 — 2027-2029年ホテル新規開業マップで整理している)。第2段階は2025年の鉄骨造(S造)240.5万円/坪に、本件の施工中間時点(2026年5月前後)までの建設費上昇を年+5%で織り込んだ約252万円/坪を用いる。土地は前節の容積率600%・400%の2ケース、FF&E・開業費は1室150万円の仮定とした。
| 項目 | A. 2024年実績ベース 保守 | B. 2025年S造+インフレ織込み |
|---|---|---|
| 建設費単価(坪) | 195.0万円 | 約252万円(240.5万円×1.05) |
| 建設費(延床約2,517坪) | 49.1億円 | 63.6億円 |
| 土地(公示地価316,000円/㎡) | 4.4億円(容積率600%) | 6.6億円(容積率400%) |
| FF&E・開業費(1室150万円) | 3.2億円 | 3.2億円 |
| 総投資額 | 56.6億円 | 73.3億円 |
| 1室あたり | 約2,670万円 | 約3,460万円 |
| NOI利回り6%に必要なNOI | 3.40億円 | 4.40億円 |
| 必要売上(GOP率40%) | 8.5億円 | 11.0億円 |
| 必要RevPAR | ¥11,000 | ¥14,200 |
| 必要ADR(稼働率の前提80%) | ¥13,700 | ¥17,800 |
| 必要ADR(稼働率の前提75%) | ¥14,600 | ¥18,900 |
結果として、保守的なAケースでは1室約2,670万円の総投資に対し、稼働率の前提を80%とすると13,700円のADRがNOI利回り6%の成立ラインになる。この水準は圏内の上位2施設が直近12カ月で達成している1.3万円台とほぼ一致し、同ブランドの九州・沖縄9施設の中央値14,000円の範囲内でもある。建設費の上昇を織り込んだBケースでは17,800円が必要になり、こちらは圏内に実績のない水準で、2月のキャンプ需要(宮崎市ビジネスホテルの推定成約ADR11,943円)と連休の高単価を年間でどこまで積み上げられるかにかかる。なお本計画は開発主体が自ら保有・運営する形態であり、第三者への賃貸を前提とする利回りとは評価の物差しが異なる点は留意したい。
| Aケースの感度分析 | ベースケース | ADR −10% | OCC −5pt | 両方 |
|---|---|---|---|---|
| ADR | ¥13,700 | ¥12,300 | ¥13,700 | ¥12,300 |
| 稼働率 | 80% | 80% | 75% | 75% |
| 客室売上 | 8.5億円 | 7.6億円 | 8.0億円 | 7.2億円 |
| GOP(40%) | 3.39億円 | 3.05億円 | 3.18億円 | 2.86億円 |
| NOI利回り(総投資56.6億円) | 6.0% | 5.4% | 5.6% | 5.1% |
前提を1つずつ動かす上の表に対し、ADRと稼働率を同時に動かした場合のNOI利回りを2軸で示す(Aケース・総投資56.6億円・GOP率40%)。NOI利回り6%を上回るのは、ADR13,700円なら稼働率の前提80%以上、ADR14,700円なら75%以上、ADR15,700円なら70%以上の組み合わせで、ADR12,700円以下では稼働率の前提を85%に置いても6%に届かない。単価の上振れ1,000円が稼働率の5pt分にほぼ相当するという関係は、平日の稼働を取り切れない場合に上位帯の単価で補えるかを判断する目安になる。
| ADR \ 稼働率(前提) | 65% | 70% | 75% | 80% | 85% |
|---|---|---|---|---|---|
| ¥11,700 | 4.2% | 4.5% | 4.8% | 5.1% | 5.4% |
| ¥12,700 | 4.5% | 4.9% | 5.2% | 5.6% | 5.9% |
| ¥13,700 | 4.9% | 5.2% | 5.6% | 6.0% | 6.4% |
| ¥14,700 | 5.2% | 5.6% | 6.0% | 6.4% | 6.8% |
| ¥15,700 | 5.6% | 6.0% | 6.4% | 6.9% | 7.3% |
感度分析が示すとおり、ADRが1割下がると利回りは約0.6pt、稼働率が5pt下がると約0.4pt動く。宮崎市の推定稼働率が9月に76.5%(主要予約サイト掲載在庫ベース・実稼働より高めに出る推定)、観光庁の2025年実績で県内ビジネスホテルが63.8%であることを踏まえると、稼働率を80%とする前提は圏内の上位仕様で平日を取り切ることを意味し、単価より稼働の確保がこの立地での先決になる。一方で建設費の高止まりは新規供給を抑える方向にも働き、2024年にまとまった供給を吸収した圏内に、2027年以降は大型の計画が当社把握の範囲(OTA掲載確認ベースで、今後の掲載により増える可能性がある)で見当たらないことは、開業後の単価形成にとって追い風になる。
まとめ — 地方中核都市の中心部で上位ビジネス帯をつくる条件
ここまでを整理すると、ダイワロイネットホテル宮崎の212室は、橘通1km圏の稼働4,647室に対して+4.6%という吸収可能な規模であり、客室の7割超を24㎡以上とし大浴場・サウナを備える仕様は、圏内に存在しない「200室超×1.2万円以上」の帯を初めて埋めるものになる。宮崎市の推定成約ADRは9月に前年同月比+23.8%、公示地価は+5.0%と、単価も地価も上向きの局面で開業を迎える。
成立条件は3つに要約できる。第1に、必要ADR1.37万〜1.77万円は圏内の上位2施設と同ブランドの九州既存館が既に実現している帯であり、仕様面の裏づけがあること。第2に、平日の業務需要(就業3.3万人の商圏)と2〜3月のキャンプ・年度末需要を取り込み、通常の週末の谷を連泊・レジャー商品で埋めることで稼働率を80%に近づけること。第3に、建設費の高止まりが続く中で、1室200〜300万円台の土地コストと2024年に供給を吸収済みの市場環境が、他の地方中核都市と比べて投資の重さを相対的に軽くしていることである。地方中核都市で宿泊特化型を計画する開発者や地域金融機関にとって、本件は「大浴場付き・24㎡超中心の上位ビジネス帯」が県都の中心部でどこまで単価を取れるかを示す先行事例になるだろう。宮崎を含む地方中核都市の既存ストックの世代構成と更新余地については、地方中核32市ホテル22.6万室、42.7%が1996年以前開業 — 世代構成で読む更新余地マップ2026で全国横断の整理をしている。
⚠ 将来日程のADRに関する注意:本記事の2026年10月以降のADRは調査時点で主要予約サイトに公開されている販売価格に基づく推定であり、チェックイン日に近づくにつれて変動します。現時点で高く設定されている価格が直前の調整で下落する可能性がある点にご留意ください。
よくある質問
- ダイワロイネットホテル宮崎の開業日と予約開始日はいつですか。
- 開業(グランドオープン)は2027年3月8日(月)、予約開始は2026年10月26日(月)です。竣工予定は2027年2月15日と公表されています。
- 客室数と主な設備は何ですか。
- 全212室で、24㎡以上の客室が156室(73.6%)を占めます。2階に大浴場とサウナ、1階に物販・飲食店舗、敷地内に60台の駐車場(有料・先着順)があります。
- 宮崎市のホテル単価はどの程度ですか。
- 宮崎市の推定成約ADR(中央値・税抜相当)は2026年9月で8,968円、プロ野球キャンプ期の2026年2月は12,582円です。半径1km圏で100室以上かつ上位帯の施設は1.0万〜1.3万円台で成約しています。
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参考資料・出典一覧
■ データソース
客室ストック・推定成約ADR・推定稼働率・ブッキングカーブ・残室推移はメトロエンジンリサーチ(主要予約サイトの公開価格・在庫を継続追跡、2026年10月20日時点)。ストックは橘通3丁目交差点から半径1,000m圏の客室10室以上の施設(レジャーホテル除く)、稼働中は直近3か月に販売価格が確認できた施設。計画概要は事業者ニュースリリース(2026年10月15日)、需要・地価・災害リスクは観光庁、宮崎県、国土交通省、総務省・経済産業省の公表資料による。
■ 試算前提
延床約8,320㎡(客室面積合計約5,159㎡÷客室部分比率62%)、建設費はAケース195.0万円/坪・Bケース約252万円/坪、土地は公示地価316,000円/㎡×容積率600%(A)・400%(B)から逆算した敷地面積、FF&E・開業費1室150万円、GOP率40%(GOPをNOIと同視)、目標NOI利回り6%、稼働率の前提80%(75%を併記)、客室売上のみ(1階店舗賃料等は含まない)。
■ 限界・留意点
延床面積・総事業費は非公表のため当社仮定に基づく簡易試算である。推定成約ADRは推定値で各施設の実績とは異なり、2026年10月以降の月は調査時点の掲載水準に基づく暫定値として今後変動する。推定稼働率は主要予約サイトの掲載在庫ベースで実稼働より高めに出る。土地は標準地の価格をそのまま当てた目安で、実際の取得条件と駐車場面積は含まない。新規開業の把握は掲載確認ベースで、今後の掲載により件数が増える可能性がある。
■ 一次資料・プレスリリース
- 大和ハウスリアルティマネジメント「ダイワロイネットホテル宮崎」ニュースリリース(travelspot掲載、2026年10月15日)
- コスモス薬品のホテル事業参入(Impress Watch、2026年1月21日)
■ 市場データ
- メトロエンジンリサーチ — 半径1km圏の客室ストック(掲載45軒・稼働36軒)、宮崎市の推定成約ADR(N=59施設)、推定稼働率(36施設/3,724室)、ブッキングカーブ(41施設/3,825室)、施設別の残室推移
■ 政府統計・公的データ
- 観光庁「宿泊旅行統計調査」2025年・年間値(確定値)(2026年7月6日公表)
- 宮崎県スポーツランド推進課「令和7年度 県外からのスポーツキャンプ・合宿の受入実績について」(2026年6月3日)
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ — 地価公示・都道府県地価調査・用途地域・洪水浸水想定区域
- 国土交通省 国土数値情報(250mメッシュ別将来推計人口・R6国政局推計)
- 総務省・経済産業省「経済センサス-活動調査」(2021年)
- 国土交通省「建築着工統計」(坪単価)
- 宮崎県 中心商業地域の用途地域・容積率に関する資料(2024年)
■ REIT・業界レポート
