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双十節2026は10/9〜11、日本の三連休と重なる4日間 — 台湾比率が高い5道県の直前稼働と光復節の第2波

投稿日 : 2026.10.05

沖縄県

北海道

福岡県

愛知県

熊本県

台湾

インバウンド

双十節2026は10/9〜11、日本の三連休と重なる4日間 — 台湾比率が高い5道県の直前稼働と光復節の第2波

台湾の2026年の祝日は、10月10日(土)の国慶日(双十節)を前日の10月9日(金)に振り替えて10/9〜10/11が3連休、10月25日(日)の光復節を10月26日(月)に振り替えて10/24〜10/26が3連休になる。日本側は10月12日(月)がスポーツの日で10/10〜10/12が三連休のため、10月9日(金)泊から12日(月)泊までの4夜は、台湾の連休と日本の連休が1日ずつずれて重なる「重なる4日間」になる。本稿では、観光庁「宿泊旅行統計調査」の2025年年間値から台湾客の延べ宿泊が厚い県を特定し、そのうち沖縄・北海道・福岡・愛知・熊本の5道県(参照として東京・大阪)について、10月3日時点の観測で10/9〜10/12の4夜がほかの10月の週末とどれだけ違うのかを、業態別に分解して読み解く。後半では10/24〜10/26の光復節連休を「第2波」として同じ指標で確認し、10月の推定成約ADRも併記する。

本記事における指標の定義

  • ADR(平均客室単価):各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値(エリアの標準的な施設の水準)。
  • OCC(稼働率):エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。本記事では「稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)」と表記する。OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、施設全体の実稼働率とは異なります。
  • ブッキングカーブ/LT:チェックイン日に向けたOTA残室数の推移。LT(リードタイム)=チェックインまでの日数。本記事のカーブはLT45以内の観測のみを使用し、宿泊日が異なる夜を比べる際は同じLT(宿泊日の23日前=LT23)で揃える。
  • 掲載価格:2名1室利用時の1室あたり料金(税込)・全プランの平均。ADRとは別の指標。
  • 台湾比率:観光庁「宿泊旅行統計調査」の国籍(出身地)別外国人延べ宿泊者数のうち台湾が占める割合(従業者数10人以上の施設、2026年7月分は客室数20室以上の施設)。
  • データ出典:メトロエンジンリサーチ、観光庁、日本政府観光局(JNTO)
Key Takeaways
  • — 2025年の台湾客の延べ宿泊は全国19,971,870人泊で外国人全体の12.9%。県内の外国人宿泊に占める台湾比率は沖縄32.4%・熊本29.2%・北海道21.4%・愛知19.2%・福岡18.2%と、東京(7.4%)・大阪(9.0%)を大きく上回る。
  • — 10月3日時点の稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)は、沖縄の10/9(金)泊が89.5%、10/10(土)泊が90.8%に達する一方、日本の連休最終日にあたる10/12(月)泊は78.6%にとどまる。4夜のうち最後の1夜に受け皿余地が残る構図は5道県で共通する。
  • — 宿泊日の23日前で揃えると、10/10(土)泊は通常の土曜(10/17)より北海道+4.9pt・沖縄+3.0pt先行した。業態別では北海道の旅館(+8.6pt)、愛知のシティ(+6.0pt)、沖縄のビジネス(+4.3pt)から埋まっている。
  • — 光復節連休(10/24〜10/26)は、10/24(土)泊が同じLTで通常土曜を北海道+2.5pt・熊本+1.3pt上回るが、10/25(日)・10/26(月)泊は通常の日曜と同水準かそれ以下で、第2波の受け皿は十分に残っている。

台湾と日本の祝日配置 — 10/9〜10/12の「重なる4日間」と光復節の第2波

まず日付を確定しておきたい。台湾の行政院人事行政総処が公表した2026年(民国115年)の政府行政機関辦公日暦表では、10月10日(土)の国慶日が土曜日にあたるため前日の10月9日(金)を補假(振替休日)とし、10月9日〜11日が3連休になる。加えて、2025年に休日として復活した光復節(10月25日)は2026年は日曜日にあたり、翌10月26日(月)が振替休日となって10月24日〜26日も3連休になる。台湾では10月に2度の3連休が置かれる年である。

日本側は内閣府の「国民の祝日について」のとおり10月12日(月)がスポーツの日で、10月10日(土)〜12日(月)が三連休になる。宿泊日で整理すると、10/9(金)泊は台湾だけが休みに入る夜、10/10(土)泊と10/11(日)泊は日台双方が連休中の夜、10/12(月)泊は日本だけが連休中で台湾の旅行者にとっては帰国日(多くは前日10/11に帰国)にあたる。台湾需要の純粋な上積みを見るには10/9泊、需要の重なりを見るには10/10泊、受け皿余地を見るには10/12泊が、それぞれ適した断面になる。

宿泊日台湾日本この夜の読み方
10/3(土)・10/4(日)通常の週末通常の週末直前に実績が確定した比較用の週末
10/9(金)国慶日の振替休日(連休初日)平日台湾だけが休む夜
10/10(土)国慶日(双十節)三連休初日日台の連休が重なる夜
10/11(日)連休最終日三連休中日台湾客の帰国前夜、国内客は中日
10/12(月)平日スポーツの日(三連休最終日)日本だけが連休中、台湾客は帰国後
10/16(金)〜10/18(日)通常の週末通常の週末比較用の平常週末
10/24(土)〜10/26(月)光復節の3連休(10/26振替)通常の週末(10/26は平日)台湾の第2波、10/26泊は台湾だけが休む夜

出典:行政院人事行政総処「115年政府行政機関辦公日暦表」、内閣府「国民の祝日について」よりホテルバンク編集部作成

台湾客はどこに泊まるか — 2025年は19,971,870人泊、県内比率は沖縄32.4%・熊本29.2%

需要源の規模から確認する。観光庁「宿泊旅行統計調査」の2025年年間値(確定値、従業者数10人以上の施設)によると、台湾を国籍(出身地)とする外国人延べ宿泊者数は全国で19,971,870人泊、外国人全体154,254,100人泊の12.9%を占めた。日本政府観光局(JNTO)の推計では2025年の台湾からの訪日客数は676万3,400人で過去最高、台湾側の統計(交通部観光署)でも2025年の台湾人出国者1,894万人のうち35.6%が日本を訪れている。直近では2026年7月の訪日台湾人が76万人と単月の過去最高を更新し、8月も66万6,000人(前年同月比+7.3%)と8月として過去最高を記録した。訪日全体が8月に前年比−9.6%(309万8,900人)と減少するなかで、台湾は数少ない伸びている市場である。

ただし、台湾客は全国に均等に泊まっているわけではない。表2は2025年の台湾延べ宿泊者数の多い県を、県内の外国人宿泊に占める台湾比率とともに並べたものである。宿泊の絶対量では東京・北海道・大阪・沖縄・福岡の順だが、県内比率で見ると沖縄が3割、熊本が約3割、北海道・愛知・福岡が2割前後と、東京・大阪・京都の1割未満とは構造が異なる。台湾客の多い県ほど、台湾の連休が宿泊需要に直接響きやすい。なお、客室数20室以上の施設を対象に2025年7月〜2026年6月の12か月を集計した県別の分布と受け皿の客室ストックは、台湾の訪日客はどこに泊まる?地方が54.6%で整理している(集計対象と期間が異なるため、本稿の人泊数とは一致しない)。

施設所在地台湾 延べ宿泊者数(2025年)県内の台湾比率全国の台湾宿泊に占める割合2025年10月の台湾比率2026年7月の台湾比率
東京都3,805,6907.4%19.1%6.4%11.5%
北海道2,403,82021.4%12.0%25.1%22.5%
大阪府2,079,6309.0%10.4%8.4%14.4%
沖縄県2,017,95032.4%10.1%29.2%37.8%
福岡県1,422,25018.2%7.1%17.3%25.7%
京都府1,116,2507.2%5.6%5.0%11.2%
愛知県869,45019.2%4.4%18.5%32.7%
熊本県456,61029.2%2.3%25.9%31.6%
千葉県455,28010.5%2.3%8.6%16.5%
宮城県439,57045.3%2.2%44.7%50.5%
長野県376,23020.4%1.9%20.3%25.2%
兵庫県339,98017.9%1.7%13.2%35.9%
全国19,971,87012.9%100%11.9%18.2%

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」2025年年間値(確定値・従業者数10人以上の施設)、2025年10月(同)、2026年7月(第2次速報・客室数20室以上の施設)よりホテルバンク編集部作成。2026年7月は集計対象施設の基準が異なるため、水準の直接比較ではなく構成の目安として参照

季節と直近の変化も見ておく。2025年10月の台湾比率は全国11.9%で年間とほぼ同じだが、沖縄29.2%・北海道25.1%・熊本25.9%と、台湾比率の高い県では10月も比率が維持されている。さらに2026年7月(客室数20室以上の施設)では全国の台湾比率が18.2%まで上がり、沖縄37.8%・愛知32.7%・熊本31.6%・福岡25.7%と上昇した。中国本土からの宿泊が減るなかで、台湾が外国人宿泊の構成に占める重みは2026年に入って一段と増しているといえる。本稿が沖縄・北海道・福岡・愛知・熊本の5道県を主対象に、東京・大阪を参照として置くのはこのためである。

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」2025年年間値よりホテルバンク編集部作成

10月3日時点の予約進捗 — 沖縄は10/9泊89.5%・10/10泊90.8%、最終日10/12泊は78.6%

ここからメトロエンジンリサーチの在庫観測に移る。表3は、各道府県のOTA掲載在庫から推定した稼働率を、10月3日時点の観測で10/9〜10/12の4夜について並べたものである(対象は各県でOTAに掲載が確認できる施設の固定集合、客室数は表中のとおり)。宿泊日まで6〜9日の断面なので、これから直前予約で上積みされる余地を含んだ途中経過として読む必要がある。

道府県施設数客室数10/9(金)10/10(土)10/11(日)10/12(月)10/12の残室参考:10/3(土)確定値
沖縄県87636,05989.5%90.8%85.4%78.6%7,707室93.4%
北海道75255,72381.3%90.9%81.4%70.2%16,615室90.0%
福岡県42429,32787.4%93.5%84.5%72.6%8,027室93.1%
愛知県34533,43379.3%89.0%81.3%70.2%9,912室95.8%
熊本県32013,01877.4%91.9%84.7%68.4%4,111室90.8%
東京都846103,94486.6%92.4%87.4%79.9%20,883室95.7%
大阪府44762,80277.5%86.8%78.4%66.0%21,338室88.8%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)、2026年10月3日時点の観測(10/9泊はLT6、10/12泊はLT9)。10/3泊は宿泊日前日時点の値。施設数・客室数は10/10泊の対象で、宿泊日により数施設の増減がある

5道県とも10/10(土)泊が最も高く、沖縄90.8%・福岡93.5%・熊本91.9%・北海道90.9%は宿泊日1週間前の時点で9割前後に達している。これに対し10/12(月)泊は沖縄78.6%・熊本68.4%・福岡72.6%・北海道70.2%・愛知70.2%と、同じ連休のなかで10pt以上低い。10/12泊は日本の三連休の最終夜で国内客の帰路にあたり、台湾の旅行者もすでに帰国しているため、両市場の需要が同時に薄くなる夜である。残室数で見ると沖縄7,707室、北海道16,615室、福岡8,027室が10月3日時点で販売中であり、ここが4日間のなかで最も大きな受け皿余地になる。沖縄の最終日をリゾートとビジネスに分けて追った分析は、沖縄の10月三連休、最終日はリゾート82.8%・ビジネス75.9%にまとめている(宿泊日12日前時点の観測で対象施設の集合も異なるため、水準は本稿の表とそのまま並べられない)。

10/9(金)泊は沖縄89.5%・福岡87.4%が高く、北海道81.3%・熊本77.4%・愛知79.3%がそれに続く。ただし金曜泊は宿泊日まで6日と最も近く、残る観測日数が少ないので、同じ表の中で土曜泊や月曜泊と水準を比べることには無理がある。そこで次節では、宿泊日からの距離を揃えて比較する。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年10月3日時点の観測)

宿泊日23日前で揃える — 10/10(土)泊は北海道+4.9pt・沖縄+3.0pt、10/9(金)泊は平常の金曜並み

宿泊日が異なる夜を公平に比べるには、観測時点を宿泊日からの日数(LT)で揃える必要がある。本稿では、光復節連休の最終日10/26泊についても観測が存在する最小のLTであるLT23(宿泊日の23日前)を共通の断面とし、双十節連休(10/9〜10/12)、平常週末(10/16〜10/18)、光復節連休(10/24〜10/26、比較用に前日の10/23を含む)の各夜を同じLT23の値で並べた。表4がその結果である。

道府県10/9(金)10/16(金)差10/10(土)10/17(土)差10/11(日)10/18(日)差10/12(月)10/18(日)との差
沖縄県83.7%83.5%+0.2pt86.1%83.1%+3.0pt80.2%78.4%+1.8pt74.3%-4.1pt
北海道75.5%77.3%-1.8pt86.1%81.2%+4.9pt75.6%73.7%+1.9pt65.9%-7.8pt
福岡県76.2%78.4%-2.2pt83.8%83.2%+0.6pt73.8%74.6%-0.8pt63.4%-11.2pt
愛知県70.5%80.9%-10.4pt80.3%84.0%-3.7pt73.1%77.3%-4.2pt64.2%-13.1pt
熊本県73.8%79.6%-5.8pt89.3%87.9%+1.4pt84.2%79.0%+5.2pt68.3%-10.7pt
東京都75.4%78.8%-3.4pt83.2%79.8%+3.4pt79.4%75.0%+4.4pt72.2%-2.8pt
大阪府67.1%70.3%-3.2pt75.4%77.4%-2.0pt68.1%67.1%+1.0pt59.8%-7.3pt

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)、各宿泊日の23日前(LT23)時点の値。10/9〜10/12はそれぞれ9/16〜9/19、10/16〜10/18は9/23〜9/25の観測

同じLTで見ると、10/10(土)泊は北海道が86.1%と平常の土曜(10/17、81.2%)を+4.9pt上回り、沖縄+3.0pt・東京+3.4pt・熊本+1.4pt・福岡+0.6ptが続く。これは日本の三連休初日という国内要因を含んだ上積みであり、台湾需要だけで説明できるものではないが、台湾比率の高い北海道・沖縄で上積み幅が大きい点は構成と整合的である。一方で愛知は-3.7pt、大阪は-2.0ptと、10/17の方が先行している。愛知では10/17(土)泊の予約が先に積み上がっており、双十節の夜にはまだ受け皿が残っていると読める。

台湾だけが休む10/9(金)泊はどうか。LT23時点では沖縄83.7%に対し平常金曜(10/16)が83.5%と差は+0.2ptにとどまり、北海道-1.8pt・福岡-2.2pt・熊本-5.8ptは平常金曜を下回っていた。先行記事「台湾双十節×韓国ハングルの日、10/9〜11の宿泊需要」では宿泊日30日前の断面で沖縄・福岡の金曜泊が前後週比+2pt程度の上積みを示していたが、23日前の断面では平常週末側の予約が追い上げて差が縮んでいる。台湾の連休需要が金曜泊に「先行して」乗る度合いは限定的で、直前の受け皿としての余地が残っていると読むのが自然だろう。

10/12(月)泊を平常の日曜(10/18)と比べると、沖縄-4.1pt・北海道-7.8pt・福岡-11.2pt・愛知-13.1pt・熊本-10.7ptと、連休最終日は通常の日曜を下回る水準から始まっている。前節の10月3日時点の値でも最も低い夜であり、台湾比率の高い県ほど「台湾客が帰った後の国内連休最終夜」の落差が大きい。この夜は双十節の4日間のなかで、価格を守りながら国内客・在留外国人・近距離の個人客を受け止める余地が最も大きい。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。沖縄県(対象は宿泊日により876〜879施設・約36,100室)のブッキングカーブ、LT45〜最新観測(10月3日)まで

業態別に見る「どこから埋まるか」 — 北海道の旅館+8.6pt、愛知のシティ+6.0pt、沖縄のビジネス+4.3pt

台湾客が厚い県では、どの業態から埋まるのか。表5は10/10(土)泊と平常の土曜(10/17)のLT23時点の稼働率を業態別に比べたものである。業態の区分はメトロエンジンリサーチの施設分類(ビジネス・シティ・リゾート・旅館)で、施設数が10未満の区分は掲載していない。

道府県業態施設数客室数10/10(土)LT2310/17(土)LT23差10/9(金)LT2310/16(金)LT23差
沖縄県ビジネス13712,77088.3%84.0%+4.3pt85.2%87.1%-1.9pt
リゾート18915,96087.8%86.1%+1.7pt87.2%85.3%+1.9pt
北海道ビジネス21826,74985.8%81.3%+4.5pt75.6%77.1%-1.5pt
シティ358,71389.1%84.8%+4.3pt80.7%87.2%-6.5pt
リゾート9210,36986.5%84.1%+2.4pt74.2%76.9%-2.7pt
旅館1546,92388.3%79.7%+8.6pt77.2%75.2%+2.0pt
福岡県ビジネス17622,75184.1%83.7%+0.4pt77.5%80.0%-2.5pt
シティ253,35486.5%87.0%-0.5pt81.4%79.6%+1.8pt
リゾート1374289.2%91.5%-2.3pt68.5%82.6%-14.1pt
旅館4990383.2%79.0%+4.2pt62.2%58.8%+3.4pt
愛知県ビジネス16625,35877.8%84.4%-6.6pt69.6%82.0%-12.4pt
シティ233,67492.4%86.4%+6.0pt80.0%82.9%-2.9pt
旅館851,81478.4%70.4%+8.0pt55.5%64.1%-8.6pt
熊本県ビジネス567,03586.4%85.4%+1.0pt72.8%82.0%-9.2pt
シティ111,25597.1%92.9%+4.2pt83.6%87.5%-3.9pt
リゾート191,09396.2%93.6%+2.6pt86.2%84.2%+2.0pt
旅館1422,66795.1%95.1%+0.0pt80.4%81.6%-1.2pt

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)、各宿泊日の23日前時点。沖縄のシティ・旅館、福岡・愛知・熊本の一部区分は施設数10未満のため非掲載

北海道では旅館が+8.6pt、ビジネス+4.5pt、シティ+4.3pt、リゾート+2.4ptと全業態で10/10泊が先行し、とくに旅館の上積みが大きい。10月中旬の北海道は紅葉と温泉の季節に入り、国内客と台湾客の双方が旅館を選びやすい時期であることが背景にあるだろう。沖縄はビジネス+4.3ptに対しリゾート+1.7ptで、那覇市内に集中するビジネスホテルの方が先に埋まっている。台湾からの直行便が那覇に集中し、滞在初日・最終日を市内で過ごす行程が多いことと整合する。

愛知はシティ+6.0pt・旅館+8.0ptが先行する一方でビジネスは-6.6ptと平常土曜の方が高く、全体の差が小さく見えた理由は客室数の多いビジネスホテルの構成にある。熊本はシティ+4.2pt・リゾート+2.6ptが先行し、旅館は+0.0ptと平常土曜も同じ水準まで埋まっていて、連休に限らず秋の週末の旅館需要が強い。福岡は旅館+4.2pt・ビジネス+0.4ptで、客室数の大きいビジネスホテルは平常土曜とほぼ同じ進捗にある。台湾比率が高い県のなかでも、埋まり方の順番は「都市中心部の宿泊特化型と旅館が先、大型リゾート・郊外ビジネスが後」という共通の形をとる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(10/10泊と10/17泊のLT23時点の差、施設数10以上の区分のみ)

光復節3連休(10/24〜10/26)の第2波 — 10/24(土)泊は北海道+2.5pt、10/26(月)泊に受け皿

10月の台湾は2度目の3連休を迎える。10/24(土)〜10/26(月)の光復節連休は日本側に祝日がなく、10/26(月)泊は双十節の10/9(金)泊と同じく「台湾だけが休む夜」になる。表6は同じLT23の断面で光復節連休の3夜を平常週末と比べたものである。

道府県10/24(土)10/17(土)差10/25(日)10/18(日)差10/26(月)10/23(金)10/26の最新値(10/3時点)
沖縄県83.3%83.1%+0.2pt78.4%78.4%+0.0pt75.9%83.3%75.9%
北海道83.7%81.2%+2.5pt71.7%73.7%-2.0pt71.4%78.2%71.4%
福岡県94.5%83.2%+11.3pt75.3%74.6%+0.7pt71.6%81.4%71.6%
愛知県83.1%84.0%-0.9pt67.9%77.3%-9.4pt66.9%83.7%66.9%
熊本県89.2%87.9%+1.3pt75.5%79.0%-3.5pt70.9%79.7%70.9%
東京都83.6%79.8%+3.8pt79.4%75.0%+4.4pt79.6%78.9%79.6%
大阪府85.1%77.4%+7.7pt70.9%67.1%+3.8pt65.1%74.4%65.1%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)、各宿泊日の23日前時点。10/26泊はLT23が最新観測(10月3日)と一致

10/24(土)泊は北海道+2.5pt・熊本+1.3pt・東京+3.8ptと平常の土曜をわずかに上回り、沖縄は+0.2ptで同水準にある。福岡の94.5%は平常土曜を+11.3pt上回る突出した値だが、ビジネスホテルが96.1%まで埋まっている形から、台湾需要以外の国内要因が重なっている可能性があり、本稿では台湾の第2波とは切り分けて扱う。

一方、10/25(日)泊と10/26(月)泊は、5道県とも平常の日曜(10/18)と同水準かそれ以下で推移している。10/26(月)泊の最新値(10月3日時点、LT23)は沖縄75.9%・北海道71.4%・熊本70.9%・福岡71.6%・愛知66.9%で、台湾だけが休むこの夜は、双十節の10/9(金)泊よりもさらに余地が大きい状態から3週間の販売期間に入る。光復節は2025年に休日として復活して2年目であり、連休としての旅行需要が定着する途上にある。第2波を取るには、10/24(土)に合わせて売るのではなく、10/25(日)・10/26(月)の2泊を含む3連泊の受け皿を台湾向けに用意しておく設計が合理的だろう。

10月の推定成約ADR — 台湾比率の高い5道県は前年同月を上回る水準で販売中

価格面では、各道府県の推定成約ADR(記事冒頭の定義どおり、OTA最安プラン水準に業態別補正を適用した推定値、税抜相当、エリア中央値)を、2025年10月の実績月と2026年10月の調査時点スナップショットで比べた。2026年10月の値は10月4日時点でOTAに掲載されている販売価格に基づく推定であり、宿泊日に近づくにつれて変動する。

道府県2025年10月 推定成約ADR対象施設数2026年10月 推定成約ADR(調査時点)対象施設数前年同月比参考:2026年10月 掲載価格(全プラン平均・税込)
沖縄県¥10,852492¥12,731507+17.3%¥27,512(2,206施設)
北海道¥9,708901¥12,370898+27.4%¥26,966(2,154施設)
福岡県¥11,229466¥14,670470+30.6%¥27,193(944施設)
愛知県¥8,738497¥12,837489+46.9%¥23,886(752施設)
熊本県¥10,428374¥14,298398+37.1%¥26,459(714施設)
東京都¥15,6251,103¥19,0481,104+21.9%¥29,963(2,383施設)
大阪府¥13,392641¥11,135643-16.9%¥18,250(1,231施設)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成。推定成約ADRは税抜相当・エリア中央値、2026年10月は10月4日時点の掲載水準に基づく推定。掲載価格は2名1室利用時の1室あたり料金(税込)・全プラン平均で、ADRとは別の指標

5道県の2026年10月の推定成約ADRは、沖縄が約¥12,700(前年同月比+17.3%)、北海道が約¥12,400(+27.4%)、福岡が約¥14,700(+30.6%)、熊本が約¥14,300(+37.1%)、愛知が約¥12,800(+46.9%)と、いずれも前年同月の実績を上回る水準で販売されている。2026年10月は調査時点のスナップショットであり、直前の需要次第で上下するため、伸び率そのものより「前年実績を上回る位置から10月の販売が始まっている」という事実を押さえておきたい。参照として置いた大阪の−16.9%は、2025年10月が大阪・関西万博の閉幕月(10月13日)で前年の基準が高いことによる。

なお表の右端に示した掲載価格(全プラン平均・税込)は、推定成約ADRの約2倍の水準にある。掲載価格は売れ残った高価格帯プランや食事付きプランを含む公開価格の平均であり、成約単価ではない。価格水準を論じる際は推定成約ADRを、OTA上で競合と並んだときの見え方を論じる際は掲載価格を使い分ける必要がある。

宿泊事業者・DMOへの示唆 — 4日間を1つの連休として売らない

ここまでの観測を販売設計に落とすと、まず10/9〜10/12を「ひとつの三連休」として一律の料金・制限で売らない方がよい、ということになる。10/10(土)泊は日台の需要が重なり、台湾比率の高い県では1週間前の時点で9割前後に達しているため、残室を最後まで単価を守って売り切る夜である。これに対し10/12(月)泊は、台湾客が帰国し国内客も帰路につく夜で、通常の日曜よりも低い水準から始まっている。10/11(日)〜10/12(月)の2泊目を対象にした連泊特典や、10/12泊の最低宿泊数制限を外すといった打ち手は、4日間全体の販売室数を増やす余地になる。

台湾市場に向けた受け皿として見ると、10/9(金)泊と光復節の10/26(月)泊という「台湾だけが休む夜」が、同じLTで平常の金曜・日曜と同水準かそれ以下で推移していることは、直前の台湾需要を取り込む余地がまだ残っていることを意味する。台湾は那覇・福岡・新千歳・中部の各空港へ直行便が就航する近距離市場で、短い旅程でも足を運びやすい。繁体字の施設情報とプラン名、台湾の連休日程に合わせた3連泊の設定、那覇・新千歳・福岡・中部の各空港からのアクセス表記といった基本の整備が、この2つの夜では効きやすい。

業態別の順番も設計に使える。北海道では旅館、沖縄では那覇のビジネスホテル、愛知・熊本ではシティホテルが先に埋まり、大型リゾートと郊外のビジネスホテルが後から追う。先に埋まる業態はピーク夜の単価を引き上げる余地があり、後から埋まる業態は連休の周辺夜(10/9・10/12、10/26)を厚くする余地がある。DMOの立場では、台湾比率が3割前後の沖縄・熊本や、2026年7月に台湾比率が3割台に上がった愛知・兵庫のように、構成の変化が速い地域ほど、連休ごとに業態別の進捗を見て情報発信のタイミングを合わせる価値が高い。

まとめ

2026年10月の台湾は、双十節(10/9〜10/11)と光復節(10/24〜10/26)の2つの3連休を持ち、前者は日本の三連休(10/10〜10/12)と重なって10/9〜10/12の4夜をつくる。観光庁の2025年年間値で台湾比率が高い沖縄(32.4%)・熊本(29.2%)・北海道(21.4%)・愛知(19.2%)・福岡(18.2%)では、10月3日時点で10/10(土)泊が9割前後に達し、同じLTで比べた平常土曜との差は北海道+4.9pt・沖縄+3.0ptとなった。業態別では北海道の旅館、沖縄のビジネス、愛知・熊本のシティが先に埋まる。一方、台湾だけが休む10/9(金)泊と、日本だけが休む10/12(月)泊は平常の同じ曜日と同水準かそれ以下で推移し、連休最終夜の10/12泊には沖縄7,707室・北海道16,615室の受け皿が残る。光復節連休も10/24(土)泊の先行は小さく、10/25・10/26泊は3週間の販売期間を余地を残して迎える。推定成約ADRは5道県とも前年同月を上回る水準で10月の販売が始まっており、4日間を一律に売らず夜ごとに設計することが、台湾市場の受け皿を広げる現実的な方向性といえる。

よくある質問

Q. 2026年の双十節の連休はいつですか?

10月10日(土)の国慶日(双十節)が土曜日にあたるため、前日の10月9日(金)が振替休日となり、10月9日(金)から11日(日)までの3連休です。日本のスポーツの日(10月12日)を含む三連休と合わせると、10月9日泊から12日泊までの4夜が日台の連休の重なりになります。

Q. 光復節の連休は2026年はいつですか?

10月25日(日)の光復節が日曜日にあたるため、10月26日(月)が振替休日となり、10月24日(土)から26日(月)までの3連休です。日本側に祝日はないため、10月26日泊は台湾だけが休みに入る夜になります。

Q. 台湾からの宿泊が多い都道府県はどこですか?

観光庁「宿泊旅行統計調査」の2025年年間値では、台湾の延べ宿泊者数は東京・北海道・大阪・沖縄・福岡の順に多く、県内の外国人宿泊に占める台湾比率では沖縄(32.4%)、熊本(29.2%)、北海道(21.4%)、愛知(19.2%)、福岡(18.2%)が高くなっています。宮城(45.3%)や香川(34.5%)のように絶対量は小さくても比率が高い県もあります。

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⚠ 将来日程の数値に関する注意:本記事の10/9以降の稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)は2026年10月3日時点の観測、2026年10月の推定成約ADRは10月4日時点でOTAに公開されている販売価格に基づく推定であり、チェックイン日に近づくにつれて変動します。直前の予約・キャンセル・価格調整によって本稿の値から上下する可能性がある点にご留意ください。

参考資料・出典一覧

■ データソース

台湾比率と延べ宿泊者数は観光庁「宿泊旅行統計調査」参考第1表(2025年年間値・2025年10月は確定値で従業者数10人以上の施設、2026年7月は第2次速報で客室数20室以上の施設)。稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)とブッキングカーブはメトロエンジンリサーチの在庫観測(2026年10月3日時点、7道府県・10/10泊の対象で計4,010施設)、推定成約ADRと掲載価格は同2026年10月4日時点の集計による。

■ 試算前提

宿泊日が異なる夜の比較は、宿泊日の23日前(LT23)時点の値どうしを並べ、差はポイント差で示した。平常週末は10/16〜10/18、光復節連休の比較対象は10/17(土)・10/18(日)・10/23(金)。業態別は施設数10以上の区分のみを掲載。推定成約ADRの前年同月比は、2025年10月(実績月)と2026年10月(調査時点の掲載水準に基づく推定)の比較である。

■ 限界・留意点

稼働率はOTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定で、施設全体の実稼働率とは定義が異なる。予約者の国籍は観測できないため、平常週末との差には日本の三連休など台湾以外の要因が含まれる。10/9以降の値は途中経過であり、直前の予約・キャンセル・価格調整で変動する。台湾比率の2025年値と2026年7月値は対象施設の基準が異なり、水準の直接比較には向かない。

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