インタセクト・コミュニケーションズ株式会社は、アフターコロナで急速に回復している訪日外国人の動向を背景に、「海外からの訪日客の安全意識と要望」に関する調査を実施した。本調査は、2024年10月6日から8日の3日間、中国の主要10都市に在住する20歳以上の中国人を対象としており、訪日経験の有無が災害時の不安感や情報収集手段にどのように影響を与えるかを分析したものである。
地震への不安について、「やや不安」と答えた人が全体の36.4%で最多であり、次いで「非常に不安」が25.8%で、不安を感じる人は全体の62.2%に達した。訪日経験者は「やや不安」が43.4%と高い割合である一方で、「安心」と答えた人も24.5%と比較的高い傾向がみられた。訪日未経験者では、「やや不安」30.2%、「非常に不安」28.3%が多かったが、「発生する恐れのある場所は訪問しない」と答えた人が32.7%と訪日未経験者の回答として最も多かった。
津波に関しての調査では、全体の数字は地震と同様に「やや不安」と回答した人が最も多く32.6%であった。2番目に多かった回答が「発生する恐れのある所は訪問しない」で24.8%。発生する場所が海岸付近など限られているため、このように考えられているようである。東日本大震災がまだ記憶に新しいため、「やや不安」「非常に不安」という回答は54.7%という結果となった。
災害時の情報収集方法については、日本政府観光局などの公式情報や中国のSNS(REDやWEIBO)が主な手段となっており、訪日経験者の67.5%が日本政府観光局のWEBサイトを利用すると答えた。一方、訪日未経験者では53.7%にとどまり、SNS利用が増加する傾向がみられた。また、情報受信手段としては「Wechatミニプログラム」や「WEBサイト」が最も支持され、訪日経験の有無に関わらずデジタルツールが重視されている。
さらに、観光庁が監修した災害時の訪日外国人向けアプリ「Safety Tips」の認知度は73.8%に達し、「知っていて使ったことがある」が24.8%、「知っているが使ったことはない」が49.0%であった。これらの結果から、訪日観光客が日本での災害に備える必要性と意識が高まっていることが示された。