(出典:株式会社Reelu)
株式会社Reeluは、観光・旅行業界を中心にインバウンド対応を行う事業者を対象に、オーバーツーリズムが現場に与える影響に関する実態調査を実施した。調査では、87%の事業者がオーバーツーリズムを現場で実感していると回答し、訪日客がさらに増加した場合に「対応が難しい・不可能」とする事業者が半数近くにのぼることが示された。
2024年の訪日外国人旅行者数は約3,687万人と過去最高を記録し、2025年上半期もすでに2,151万人に達している。インバウンド需要の急回復を背景に、観光地ではオーバーツーリズムの影響が顕在化しつつあり、政府も補正予算を計上するなど対策を進めている。
(出典:株式会社Reelu)
オーバーツーリズムについては2024年以降に課題として認識し始めたとの回答が多く、コロナ禍後の訪日需要回復の時期と重なる結果となった。影響を感じるエリアとしては京都が最も多く挙げられ、浅草や渋谷、新宿など都市部の主要観光地も続いた。SNSで紹介される場所への来訪が集中する傾向も指摘されており、影響は観光需要が集中するエリアに偏在していることが示唆されている。
(出典:株式会社Reelu)
現場で生じている影響としては、施設・設備の混雑や予約枠の不足、観光客対応に伴う業務負荷の増加などが挙げられた。さらに多言語対応可能な人材の不足も指摘されており、訪日客数の増加に加えて、言語対応やマナー対応といった運営面の課題が複合的に現場の負担となっている状況が確認された。訪日客からは施設やサービスへの不満のほか、文化的マナーや言語に関する課題も一定数挙げられた。一方で、日本のホスピタリティや街の清潔さ、食事の質に対する評価もみられ、観光体験そのものは高く評価されている。
住民や周辺事業者からの声については「特にない」との回答が過半を占めたものの、約3割が交通混雑に関する不満を認識しており、観光地周辺の生活環境にも一定の影響を及ぼしている可能性が示された。こうした状況のなか、地域連携による対策については約74%が実施していないと回答しており、多くの事業者が個社単位での対応にとどまっている。