コアグローバルマネジメント株式会社が2026年9月17日に公表した新ブランド第1号「CURENE ASO KUJU(キュレネ 阿蘇 くじゅう)」は、大分県玖珠郡九重町湯坪瀬の本628-6で2027年3月1日に開業する全19室・全室露天風呂付きの宿で、7棟を新設して既存施設をリブランドする増設型の案件である。瀬の本高原は大分県九重町と熊本県南小国町(黒川温泉)の県境に位置し、推定成約ADRの12か月平均は九重町が16,800円(対象36〜47施設)、南小国町が29,600円(同42〜47施設)と、数kmの距離で1.76倍の単価差が走る。本稿では、この県境市場の24か月の単価推移、半径7.5km圏の施設規模帯、1万5,536件の口コミタグ、直近の予約進捗を重ね、19室・全室露天という小規模な客室構成で成立する価格帯を仮定を明示して逆算し、小規模な宿を束ねる運営受託モデルの構造を事実ベースで整理する。
本記事における指標の定義
- ADR(平均客室単価)=各施設がOTA等で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値(エリアの標準的な施設の水準)。
- OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値、REIT月次公表値との整合性検証で概ね数pt 程度の精度を確認済)。本稿では「稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)」と表記し、OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、施設全体の実稼働率とは異なります。
- LT(リードタイム)=チェックイン日までの日数。ブッキングカーブはLT45〜LT1の観測点のみを用いる。
- 掲載価格に言及する箇所は2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
- データ出典:メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(施設数・客室数はメトロエンジンリサーチが追跡するうち、稼働が確認できる約27,000施設の範囲)
要点 — 県境1.76倍の単価差の「高い側」に19室を置く
- 県境の単価差/瀬の本高原を挟む九重町(大分)と南小国町(熊本・黒川温泉)の推定成約ADRは12か月平均で16,800円と29,600円。差は12,800円・1.76倍で、2026年8月単月(18,000円・29,100円)でも構図は同じである。
- 圏内の価格帯/半径7.5km圏で12か月の推定成約ADRが得られた49施設の中央値は30,900円。5万円超の帯は3施設32室にとどまり、19室・全室露天の新施設はこの薄い帯に入る。
- 評価の軸/圏内78施設・15,536件の口コミタグでは温泉への言及が18.8%、露天風呂15.8%、貸切風呂12.4%、客室の露天風呂8.4%(言及の100%が肯定)。サウナへの言及は0.8%で、新施設が掲げる「大露天風呂・サウナ付客室」は圏内で希少な要素である。
- 需要の厚み/2026年10月24日(土)泊の稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)は、LT45時点で南小国町92.2%(対象45施設/587室)、九重町69.7%(32施設/376室)。黒川側は45日前にほぼ埋まり、九重側はLT24までに約20pt積み上がる。
- 成立する単価/総投資11〜14億円・利回り6%・稼働70%・GOP率25%という明示した仮定では、必要ADRは5.4〜6.9万円。前身施設が12室で2025年9月〜2026年8月に実現してきた推定成約ADR(9か月平均68,400円)と重なる水準である。
リリースの事実と同住所の前史 — 12棟の離れから19室へ
まずはリリースに書かれていることだけを並べる。コアグローバルマネジメント株式会社(本社:東京都中央区晴海、代表取締役:中野正純)は2026年9月17日(木)、新ホテルブランド「CURENE(キュレネ)」を立ち上げ、第1弾として「CURENE ASO KUJU」を2027年3月1日(月)にリブランドオープンすると発表した。所在地は大分県玖珠郡九重町湯坪瀬の本628-6、予約受付は発表当日から始まっている。客室は全19室で、内訳は大露天風呂・サウナ付和モダンツイン2室、露天風呂・サウナ付和モダンツイン2室、露天風呂付和モダンフォース3室、露天風呂付和洋室フォース4室、露天風呂付洋室ツイン8室。客室棟7棟を新設し、アクセスは「筋湯温泉入口」バス停から徒歩3分、阿蘇くまもと空港から車で約70分と記載されている。運営会社は国内36施設を運営するとしている。ブランド名は「Curate(選び抜く)」と「Elevate(高める)」を組み合わせた造語で、自然・温泉・食・建築・歴史といった土地の要素を選び抜いて高めるという考え方を掲げる。
一方で、リリースには旧施設名と既存の客室数の記載がない。そこで公的な登記情報ではなく、公表資料と報道で確認できる範囲を整理する。同じ住所「九重町湯坪瀬の本628-6」では、2006年6月に開業し2011年10月に現名称となった温泉旅館「界 阿蘇」(12棟の離れ、各棟に露天風呂)が営業しており、星野リゾート・リート投資法人(3287)は2025年5月1日付で同物件を株式会社NBI地方創生インベストメントへ譲渡価格774百万円(簿価との差額159百万円)で譲渡した。同リートはこの譲渡を、内部成長が限定的な物件を売却し利回りの高い物件を取得するポートフォリオ入替の一環と説明している。その後、西日本新聞(2025年12月26日)と大分合同新聞、TRAICY(同12月30日)が「界 阿蘇」の2026年10月末閉館と、三井住友ファイナンス&リース子会社のSMFLみらいパートナーズによる取得、12月からのバリューアップ工事と増築による19室化を報じた。報道の「増築後19室」とリリースの「7棟新設・全19室」は数字が一致するが、リリース自体が前身施設を特定していない点は本稿でもそのまま扱い、以下では「同住所の前身施設」と表記する。
| 時点 | 事実 | 出典の種別 |
|---|---|---|
| 2006年6月 | 同住所で温泉旅館が開業(2011年10月に「界 阿蘇」へ改称)。12棟の離れ、各棟に露天風呂 | 報道(TRAICY・西日本新聞) |
| 2025年5月1日 | 星野リゾート・リート投資法人がNBI地方創生インベストメントへ譲渡。譲渡価格774百万円、簿価との差額159百万円。12室換算で1室あたり約6,450万円 | REIT開示・不動産メディア |
| 2025年12月 | SMFLみらいパートナーズが取得し、12月からバリューアップ工事。増築で19室へ(報道) | 報道 |
| 2026年9月17日 | コアグローバルマネジメントが「CURENE ASO KUJU」を発表。全19室・7棟新設・2027年3月1日開業・予約開始 | プレスリリース(PR TIMES) |
| 2026年10月31日 | 前身施設の閉館(報道) | 報道 |
この案件が「増設型リブランド」として興味深いのは、既存12棟の離れという資産を残したまま、7棟を足して19室にする構成だからである。新規開発では土地取得と全棟の建設費が初期投資にのるのに対し、増設型では譲渡価格774百万円という市場で成立した既存資産の価格が投資額の起点になる。そのうえで、この立地が属する市場の単価がどこにあるのかを、県境の両側で確かめていく。
県境の単価地図 — 九重町1.7万円・南小国町3.0万円、4市町の24か月
瀬の本高原は、やまなみハイウェイが大分県九重町から熊本県南小国町へ抜ける地点にあり、黒川温泉街まで約4km、筋湯温泉まで約5km、湯坪温泉まで約7kmという距離関係にある。市町村単位の推定成約ADRを24か月並べると、同じ高原の両側で水準がはっきり分かれる。2025年9月〜2026年8月の12か月平均は南小国町が29,600円(対象42〜47施設)、九重町が16,800円(同36〜47施設)で、差は12,800円・1.76倍になる。前年同期間(2024年9月〜2025年8月)比では南小国町が+6.7%、九重町が+5.5%と両町とも上がっており、差は縮まっていない。2026年8月単月でも南小国町29,100円(N=46)、九重町18,000円(N=44)と、前年同月比はそれぞれ+3.7%、+4.6%である。
季節の形も両町で似ている。南小国町は2026年3月に32,200円のピークをつけ、6月に25,100円まで下がったのち8月に29,100円へ戻した。九重町は2025年12月の19,300円が高く、2026年6月の14,100円が低い。つまり両町の差は季節要因ではなく水準そのものの差であり、県境の高原に立つ施設は、どちらの価格帯を参照して値付けするかを自ら選ぶことになる。周辺の由布市(23,700円・N=131〜142)、阿蘇市(19,000円・N=23〜25)、竹田市(8,800円・N=20〜21)を加えると、南小国町は5市町のなかで単独の最上位にあり、県全体の中央値(大分県14,900円・N=436〜470、熊本県10,500円・N=366〜404)と比べても約2倍〜2.8倍の位置にいる。
| 市町 | 県 | 12か月平均 | 対象施設数 | 2026年8月 | 前年同月比 | 12か月平均の前年比 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 南小国町 | 熊本県 | ¥29,565 | N=42〜47 | ¥29,068(N=46) | +3.7% | +6.7% |
| 由布市 | 大分県 | ¥23,692 | N=131〜142 | ¥22,386(N=142) | -6.5% | +0.8% |
| 阿蘇市 | 熊本県 | ¥18,994 | N=23〜25 | ¥20,823(N=24) | +8.6% | +13.1% |
| 九重町 | 大分県 | ¥16,810 | N=36〜47 | ¥18,030(N=44) | +4.6% | +5.5% |
| 竹田市 | 大分県 | ¥8,771 | N=20〜21 | ¥9,704(N=20) | -2.3% | -0.7% |
なお、阿蘇市の12か月平均が前年比+13.1%と伸びているのは、阿蘇山周辺の施設数が23〜25施設と少なく中央値が動きやすいことも寄与しているとみられ、単価水準そのものは九重町と近い。由布市は8月単月で−6.5%だが12か月では+0.8%であり、由布院の旅館の10月三連休の予約進捗を扱った記事で見たように、連休の最終日の埋まり方が月の平均を左右しやすい地域である。県境をまたぐ単価差が制度要因でも動くことは、九州応援割で黒川温泉と由布院の実質単価差が665円まで縮んだ事例で確認した。本稿が扱うのは制度差ではなく、市場が平時につけている水準差である。
瀬の本を中心とする半径7.5km圏 — 82施設1,272室、5万円超は3施設
中心座標は国土地理院の地名検索で「瀬の本高原」をジオコードした北緯33.0698度・東経131.1865度とした。湯坪集落の代表点(北緯33.1283度・東経131.1893度)は瀬の本から約6.5km北にあり、住所表記が同じ「湯坪」でも別地点である。半径7.5km圏で営業中かつ客室数が登録されている宿泊施設を、旅館・リゾートホテル・オーベルジュ・コテージ・貸別荘・ペンションの区分で数えると82施設・1,272室になる。内訳は旅館が69施設1,050室と全体の83%を占め、リゾートホテル4施設62室、オーベルジュ3施設40室、コテージ3施設110室である。県別には熊本側(南小国町48施設、小国町1施設)が49施設、大分側(九重町28施設、竹田市5施設)が33施設で、黒川温泉街の密度がそのまま圏内の構成に表れている。
| 半径 | 施設数 | 客室数 | 規模帯の分布(施設数) | 県別 |
|---|---|---|---|---|
| 3km | 12 | 144 | 1〜5室:2/6〜10室:4/11〜20室:4/21〜30室:1/31〜50室:1 | 熊本8・大分4 |
| 5km | 52 | 771 | 1〜5室:4/6〜10室:16/11〜20室:24/21〜30室:4/31〜50室:1/51室〜:3 | 熊本36・大分16 |
| 7.5km | 82 | 1,272 | 1〜5室:7/6〜10室:27/11〜20室:35/21〜30室:6/31〜50室:2/51室〜:5 | 熊本49・大分33 |
規模帯を見ると、7.5km圏の82施設のうち11〜20室が35施設、6〜10室が27施設で、両者で全体の76%を占める。21室以上は13施設しかない。新施設の19室という規模は、この圏内で最も厚い「11〜20室」の帯の上端に当たり、黒川温泉の旅館群と同じ土俵に立つ規模設計といえる。次に、この82施設のうち直近12か月の推定成約ADRが得られた49施設を、客室数と単価の2軸に置く。
| 価格帯(推定成約ADR) | 施設数 | 客室数 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1.5万円未満 | 6 | 160 | 久住高原側のホテル・大型旅館が中心。30室超が2施設 |
| 1.5万〜2.5万円 | 13 | 222 | 黒川温泉街の中規模旅館と筋湯・田の原の旅館 |
| 2.5万〜3.5万円 | 18 | 337 | 最も厚い帯。黒川の老舗・離れ型の旅館、55室級も含む |
| 3.5万〜5万円 | 9 | 115 | 8〜25室の離れ・露天風呂付客室を持つ旅館 |
| 5万〜8万円 | 1 | 12 | 同住所の前身施設(12棟の離れ) |
| 8万円以上 | 2 | 20 | 黒川の全室離れ・貸切露天の高単価旅館 |
49施設の中央値は30,900円、第1四分位18,300円、第3四分位34,600円で、20室以下の38施設に限っても中央値は30,900円と変わらない。注目したいのは5万円超の帯の薄さである。5万〜8万円は前身施設の1施設12室、8万円以上は2施設20室で、圏内1,272室のうち5万円超で売れている客室は32室にとどまる。3.5万〜5万円の9施設115室が「露天風呂付客室を持つ離れ型旅館」の実勢であり、新施設が19室を5万円超で埋めるなら、圏内で供給の薄い帯を自ら広げることになる。前身施設の12室がすでにこの帯で売れてきた事実は、立地が単価を受け止めてきた実績として読める。
直近の予約進捗 — 10月下旬、黒川側はLT45で92%、九重側は20pt積み上げ
単価の次に、需要の厚みを直近の予約進捗で確かめる。くじゅう・阿蘇の紅葉シーズンにあたる2026年10月24日(土)泊と11月1日(日)泊について、両町のブッキングカーブ(OTA残室数の推移)をLT45からLT1の範囲で追った。稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)は、南小国町(対象45施設/587室、主要予約サイト掲載ベース)が10月24日泊でLT45時点92.2%、LT24時点98.1%と45日前にほぼ埋まった状態から始まり、九重町(対象32施設/376室)はLT45時点69.7%からLT24時点89.6%へ約20pt積み上がった。11月1日泊も形は同じで、南小国町92.3%→97.0%(LT32時点)、九重町67.6%→84.8%(LT32時点)である。黒川側は早期に予約が入りきり、九重側は直前1か月で需要が追いつく、という時間差が県境の両側で観測できる。
施設単位の残室でも同じ構図が見える。OTA公開枠が総客室の30%以上ある施設に絞ると、10月24日泊は南小国町で集計対象25施設(在庫データのある53施設のうち)の全25施設で残室0の観測があり、うち12施設は宿泊日の45日以上前から完売していた。九重町は集計対象30施設(同54施設のうち)の18施設で残室0を観測し、うち10施設が45日以上前からの完売である。10月31日(土)泊では南小国町26施設中23施設、九重町33施設中20施設に残室0の観測があった。残室0は販売停止や小出しの在庫コントロールを含むOTA上の観測であり、施設全体の満室を意味しないが、黒川温泉の週末が1か月半前に埋まるという市場の厚みは、19室の新施設が参照する需要の土台として十分に厚い。
| 宿泊日 | 市町 | 集計対象 | 残室0を観測 | うち45日以上前から完売 |
|---|---|---|---|---|
| 10月24日(土) | 南小国町 | 25施設 | 25施設 | 12施設 |
| 10月24日(土) | 九重町 | 30施設 | 18施設 | 10施設 |
| 10月31日(土) | 南小国町 | 26施設 | 23施設 | 21施設 |
| 10月31日(土) | 九重町 | 33施設 | 20施設 | 12施設 |
口コミタグで読む、この圏内の宿が評価されている理由 — 温泉18.8%・客室露天8.4%・サウナ0.8%
この圏内の宿泊者が何を評価しているかを、半径7.5km圏の旅館・リゾート・オーベルジュのうち口コミ100件以上の78施設について、直近24か月(2024年10月〜2026年9月)の口コミ15,536件をNLP解析したタグで集計した。食事全般への言及が44.5%と最も多く、温泉18.8%(言及の96%が肯定)、露天風呂15.8%(同85%)、貸切風呂12.4%(同95%)、客室の露天風呂8.4%(44施設、言及の100%が肯定)と続く。立地では静かな環境6.0%、観光地への近さ5.0%、周辺の自然4.9%で、駅やバスの便への言及はほとんど現れない。車で来る高原の宿という前提が、口コミの構造にそのまま出ている。
| 評価要素 | 言及件数 | 言及率 | 肯定の割合 | 言及のある施設数 |
|---|---|---|---|---|
| 温泉 | 2,923 | 18.8% | 96% | 72 |
| 露天風呂(共用) | 2,460 | 15.8% | 85% | 65 |
| 貸切風呂 | 1,928 | 12.4% | 95% | 55 |
| 客室の露天風呂 | 1,307 | 8.4% | 100% | 44 |
| 静かな環境 | 934 | 6.0% | 92% | 52 |
| 泉質 | 749 | 4.8% | 99% | 48 |
| 客室からの眺望 | 668 | 4.3% | 95% | 36 |
| 源泉掛け流し | 271 | 1.7% | 100% | 26 |
| 展望風呂 | 201 | 1.3% | 100% | 11 |
| サウナ | 130 | 0.8% | 92% | 7 |
新施設の客室構成と照らすと、2つのことが読める。第一に、客室の露天風呂は圏内44施設で言及され肯定率100%と、すでに「あって当然」に近い評価軸である。全室露天という設計はこの圏内では差別化ではなく参加条件であり、単価を支えるのは露天そのものより眺望(客室からの眺望4.3%、展望風呂1.3%)や泉質(4.8%)、静けさ(6.0%)の組み合わせになる。第二に、サウナへの言及は130件・0.8%で、言及のある施設は7施設にとどまる。新施設の19室のうち4室が「サウナ付」であり、この圏内では供給がきわめて薄い要素を客室単位で持ち込むことになる。露天風呂付客室の上乗せを792軒の同一施設比較で測った全国分析では平均で1泊約1万円(+23%)の差を確認しているが、本稿の圏内はすでに露天付が標準であるため、上乗せの源泉はサウナ・眺望・離れ型の静けさといった次の層に移っていると考えられる。
立地の基礎データ — 国立公園・地価・居住人口107人の高原
瀬の本高原は阿蘇くじゅう国立公園の区域内にあり、建築や増築は自然公園法の許可基準の下で行われる(国立公園にホテルは建てられるかを扱った記事を参照)。7棟新設という増設型は、既存施設の敷地内で許可済みの用途を延長する形になるため、新規の土地取得を伴う開発より手続きの見通しが立ちやすい構成である。地価は、九重町の都道府県地価調査(基準地価)の2026年平均が7,575円/㎡(前年比−0.81%、調査4地点)、2025年が7,657円/㎡(同−1.15%)で、南小国町の平均は9,666円/㎡(2025年)である。両町とも2026年の地価公示の標準地は選定されていない。高原の宿の投資額を決めるのは土地ではなく建物と設備であることが、この地価水準からも分かる。
| 2020年 | 107人 |
| 2025年(推計) | 106人 |
| 2040年(推計) | 102人(−4.7%) |
| 65歳以上比率(2025年) | 29.9% |
| 基準地価 九重町平均(2026年) | 7,575円/㎡ |
| 基準地価 南小国町平均(2025年) | 9,666円/㎡ |
半径3km圏の居住人口は2020年で107人、2040年推計で102人と、宿泊需要の源泉が地元には存在しない立地である。言い換えれば、この宿の需要は100%が来訪者であり、商圏は半径3kmではなく、福岡・熊本・大分の都市圏と阿蘇くまもと空港・大分空港から流入するレジャー需要そのものになる。前節の口コミタグで駅・バスへの言及がほぼなく、静けさ・自然への言及が多かったことと整合する。居住人口の少なさは、夜間の静けさや星空といった高原の宿の評価要素の裏返しでもある。
供給の推移 — 7km圏の客室ストックは2019年以降ほぼ横ばい
圏内の供給が増えているのかどうかを、施設の開業年・閉館年に基づく客室ストックの推移で確認する。瀬の本高原から半径7kmの範囲(キャンプ場・民宿などを含む全区分)では、2012年末時点の118施設1,855室が2026年には150施設2,141室となった。14年間で+286室・+15.4%だが、2019年の141施設2,142室以降はほぼ横ばいで、2022年に一度2,106室まで減ったのち微増している。なお、この系列は各施設の現在の客室数を開業年に遡って適用しているため、増築前の室数は反映されない。今回の案件のように12室が19室になる増設は、系列上では2027年に+7室としてではなく、既存施設の客室数の更新として現れる点に留意が必要である。
供給が2019年以降増えていない一方で、南小国町の推定成約ADRは2024年9月〜2025年8月の27,700円から直近12か月の29,600円へ+6.7%上がり、九重町も15,900円から16,800円へ+5.5%上がった。需要側の伸びが単価に出ている市場に、供給側が追随していない構図である。新施設の19室は圏内1,272室(営業中・客室登録済の82施設)の1.5%、増設分の7室では0.6%にあたり、市場全体の需給を動かす量ではなく、5万円超という薄い価格帯の中で供給を広げる位置づけになる。
19室・全室露天で成立する価格帯の逆算 — 仮定を置くと5.4〜6.9万円
ここからは試算である。公表されていない数値は使わず、仮定はすべて明示する。起点は2025年5月の譲渡価格774百万円で、これは土地と既存12棟を含む市場で成立した価格である。新設7棟の建設費は、1棟あたり延床25坪(約83㎡、露天風呂を含む離れを想定)、7棟で175坪に、旅館の建設単価の目安200万円/坪(国土交通省 建築着工統計の2025年全国平均は全構造195.2万円/坪、S造240.5万円、木造138.2万円)を乗じた約350百万円とし、既存棟の改修と大露天風呂・サウナ・共用部の整備を含めない「ケースA」を約1,100百万円、これらを280百万円と見込む「ケースB」を約1,400百万円とした(積み上げ値は1,124百万円・1,404百万円で、試算は11億円・14億円に丸めた値で行う。丸めずに計算した場合の必要ADRはケースAで55,600円、ケースBで69,400円)。1室あたりでは5,800万〜7,400万円で、旅館の公庫融資の上限を15室で割った1室4,800万円と比べると、全室露天の高原の宿として大きく外れた水準ではない。
この投資額に対して求めるGOP利回りを6%とし、GOP率は25%(2食付・19室・離れ型の運営を想定して置いた仮定値)、稼働率を70%と置く。稼働率70%は、2026年10月24日泊で南小国町が45日前に92.2%、九重町が89.6%(LT24時点)という紅葉期の数字より保守的で、通年の平均として設定した。必要なGOPはケースAで66百万円、ケースBで84百万円、必要売上はそれぞれ264百万円・336百万円となり、19室×365日×稼働70%=4,855室夜で割ると、必要ADR(税抜相当・2食付の宿泊料収入を含む)はケースAで54,400円、ケースBで69,200円になる。
| 項目 | ケースA | ケースB 基準 | 仮定の根拠 |
|---|---|---|---|
| 既存資産(土地+12棟) | 774百万円 | 774百万円 | 2025年5月の譲渡価格(REIT開示) |
| 新設7棟の建設費 | 350百万円 | 350百万円 | 175坪×200万円/坪(国交省 建築着工統計2025年 全構造195.2万円を参照) |
| 既存棟改修・大露天風呂・サウナ・共用部 | — | 280百万円 | 仮定(公表値なし) |
| 総投資額(概算) | 1,100百万円 | 1,400百万円 | 1室あたり5,800万円/7,400万円。積み上げ値(1,124百万円/1,404百万円)を11億円・14億円に丸めて試算。丸めずに計算すると必要ADRは55,600円/69,400円 |
| 必要GOP(利回り6%) | 66百万円 | 84百万円 | 仮定 |
| 必要売上(GOP率25%) | 264百万円 | 336百万円 | 仮定(2食付・離れ型の運営を想定) |
| 販売室夜(19室×365日×70%) | 4,855 | 4,855 | 紅葉期の推定稼働より保守的な通年仮定 |
| 必要ADR(税抜相当) | ¥54,400 | ¥69,200 | 前身施設の推定成約ADR 9か月平均 ¥68,400 と同帯 |
| 前提 | ケースA(11億円) | ケースB(14億円) |
|---|---|---|
| 基準(利回り6%・稼働率70%通年仮定・GOP率25%) | ¥54,400 | ¥69,200 |
| 利回り5% | ¥45,300 | ¥57,700 |
| 利回り7% | ¥63,400 | ¥80,700 |
| 稼働率60%(通年仮定・利回り6%) | ¥63,400 | ¥80,700 |
| 稼働率80%(通年仮定・利回り6%) | ¥47,600 | ¥60,600 |
| GOP率30%(利回り6%・稼働率70%通年仮定) | ¥45,300 | ¥57,700 |
| GOP率20%(利回り6%・稼働率70%通年仮定) | ¥68,000 | ¥86,500 |
| 稼働率\GOP率 | 20% | 22.5% | 25% | 27.5% | 30% |
|---|---|---|---|---|---|
| 稼働率60%(通年仮定) | ¥100,900 | ¥89,700 | ¥80,700 | ¥73,400 | ¥67,300 |
| 稼働率65%(通年仮定) | ¥93,200 | ¥82,800 | ¥74,500 | ¥67,800 | ¥62,100 |
| 稼働率70%(通年仮定) | ¥86,500 | ¥76,900 | ¥69,200 | ¥62,900 | ¥57,700 |
| 稼働率75%(通年仮定) | ¥80,700 | ¥71,800 | ¥64,600 | ¥58,700 | ¥53,800 |
| 稼働率80%(通年仮定) | ¥75,700 | ¥67,300 | ¥60,600 | ¥55,100 | ¥50,500 |
2軸で見ると(稼働率はいずれも通年仮定、2026年10月時点の試算)、ケースBで必要ADRが前身施設の実績(68,400円)以下に収まるのは25通りのうち12通りである。稼働率70%ならGOP率27.5%以上、稼働率60%ならGOP率30%が条件になり、GOP率20%のままでは稼働率80%(通年仮定)でも75,700円が必要になる。稼働率を10pt上げる効果とGOP率を5pt上げる効果がほぼ同じ大きさであることも、この表から読める(基準69,200円に対し、稼働率80%(通年仮定)で60,600円、GOP率30%で57,700円)。
結果として、必要ADRは5.4万〜6.9万円の帯に収まる。半径7.5km圏49施設の中央値30,900円の1.8〜2.2倍であり、3.5万〜5万円の帯にいる9施設115室より一段上に位置する。ここで効いてくるのが前身施設の実績で、同住所の12棟の離れは2025年9月〜2026年8月に推定成約ADRの9か月平均で68,400円(月次で63,400〜73,600円、全プラン平均の掲載価格では130,400円)を実現している。つまり逆算で出た価格帯は、この立地で12室がすでに受け止めてきた水準と同じであり、論点は「新しい単価帯を切り開けるか」ではなく「12室で成立していた単価を19室でも維持できるか」に置き換わる。室数が1.58倍になるとき、南小国町のLT45時点92%という2026年10月1日観測の需要の厚みと、サウナ付客室(圏内で言及0.8%)や和洋室フォース・和モダンフォース(7室)というファミリー・グループ向け構成が、販売室夜の増分を吸収する余地になる。
感度の読み方も添えておく。2026年10月時点の試算で、通年の稼働率が60%にとどまれば必要ADRはケースBで80,700円まで上がり、圏内で8万円超の帯にいる2施設20室と同じ土俵になる。逆に80%なら60,600円で足り、GOP率を30%まで引き上げられれば57,700円になる。小規模な宿ではGOP率の数ポイントがADRの1万円に相当するため、運営の効率がそのまま単価の要求水準を下げる。この点が、次節の運営受託モデルにつながる。
小規模な宿を束ねる運営受託モデル — 36施設・6ブランドの構成
コアグローバルマネジメント株式会社は2007年7月設立(当初はコアエンタープライズ株式会社、2013年2月に現社名)で、2013年3月にホテル運営を開始した。会社概要によれば本社は東京都中央区晴海、資本金2,000万円、従業員は単体495名・グループ1,163名、売上高は単体139億27百万円・グループ245億円(いずれも2025年3月31日時点)である。事業はホテルの運営受託・コンサルティング、施設管理、客室清掃、ウェディングで、2024年3月に初の自社保有ホテルを取得している。リリースでは国内36施設を運営するとしており、公式サイトの施設一覧(2026年10月1日閲覧、開業予定を含む)ではクインテッサホテルが20施設、ヒューイットリゾートが6施設、ヒューイット1施設、リージョニア by クインテッサ1施設、源泉一途2施設、ザ エディスターホテル2施設、その他4施設(オーベルジュほまち三國湊、緑翠亭 景水、かなたのさと、CURENE ASO KUJU)という構成が示されている。
| ブランド | 施設数 | 業態・特徴 |
|---|---|---|
| クインテッサホテル | 20 | 都市型ホテル。札幌・東京・大阪・福岡など。マンガライブラリーを備える「Comic&Books」型を2021年から展開 |
| ヒューイットリゾート | 6 | リゾート。函館湯の川・那須・軽井沢・那覇(2026年7月開業・2027年1月開業予定を含む) |
| ヒューイット | 1 | 甲子園 |
| リージョニア by クインテッサ | 1 | 札幌駅前(2026年6月開業) |
| 源泉一途 | 2 | 温泉宿。南伊豆・岩手雫石(2026年6月・7月開業) |
| ザ エディスターホテル | 2 | 成田・京都二条 |
| その他(個別名称) | 4 | オーベルジュほまち三國湊(福井)、緑翠亭 景水(福島)、かなたのさと(長野)、CURENE ASO KUJU(2027年3月開業予定) |
構成から読めるのは、都市型ホテルを束ねて得たオペレーションの基盤を、2025年8月の「花のおもてなし南楽」(静岡県南伊豆町、運営開始時点で国内30施設目)や源泉一途、そして今回のCURENEといった温泉宿へ横展開している姿である。所有と運営を分ける受託モデルでは、所有者(今回の案件では報道上SMFLみらいパートナーズ)が資産を持ち、運営会社が予約販売・人員・清掃・レベニューマネジメントを担う。19室の宿を単独で運営する場合に固定費として重くなる販売チャネルの管理、人材の採用・育成、仕入れの交渉を、36施設の規模で分担できることが、前節で見た「GOP率の数ポイントがADRの1万円に相当する」構造への答えになる。
小規模旅館のオーナーや地域ファンドの視点では、この案件は3つの登場人物に分かれる。資産を売却した元の保有者(REIT)、資産を取得してバリューアップ工事を行う新たな所有者、ブランドを付けて運営する受託会社である。宇治の旅館で株式取得スキームによるリブランドに着手した事例と同様に、所有・改装・運営を分けることで、1社が全リスクを負わずに小規模な宿の単価帯を一段上げる構図が九州の高原でも動き始めている。
投資判断の整理 — 高い側の単価を取りに行く増設型の論点
市場の位置
県境の両側で12,800円・1.76倍の単価差。新施設は高い側(南小国町29,600円)を参照しつつ、圏内で供給の薄い5万円超の帯に入る。
需要の厚み
2026年10月24日泊の稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)は南小国町がLT45で92.2%。黒川側は1か月半前に埋まる市場で、19室の増分を受け止める余地がある。
成立の条件
必要ADR 5.4〜6.9万円は前身施設の実績(68,400円)と同帯。稼働70%・GOP率25%を運営で確保できるかが、増設型の成否を分ける。
投資判断の観点で整理すると、この案件のアップサイドは3点にある。第一に、既存12棟という市場価格が付いた資産を起点にできるため、新規開発に比べて初期投資の見通しが立ちやすい。第二に、圏内で5万円超の客室が32室しかない帯に19室を置くことで、競合の密度が最も薄い価格帯を取りに行ける。第三に、サウナ付客室という圏内で言及0.8%の要素と、4名定員の客室7室というグループ向け構成が、単価と販売室夜の両方に伸びしろを持つ。留意点としては、国立公園内での工期と許可の手順、紅葉・GW・夏休み以外の平日稼働の積み上げ、そして2027年3月という開業時期が春の需要立ち上がりと重なるかどうかの3点が挙げられる。いずれも運営会社の販売力と、所有者側の工事計画の精度で対応しうる論点である。
| 読者 | この案件から読める示唆 |
|---|---|
| 小規模旅館オーナー | 露天付客室は圏内で参加条件になっており、単価の上乗せはサウナ・眺望・静けさ・4名定員の組み合わせに移っている。10〜20室で5万円超を狙うなら、既存棟を残して棟を足す増設型が初期投資を抑える選択肢になる |
| 運営受託会社 | 19室の宿ではGOP率5ptがADR1万円に相当する。販売・人員・清掃を複数施設で分担できる受託の規模が、そのまま所有者への提案価値になる |
| 地域ファンド | 県境の高原では「どちらの町の単価を参照するか」が投資額を決める。南小国町29,600円と九重町16,800円の差は12か月で縮まっておらず、高い側を取る立地選定が収益の前提になる |
宿向け:このテーマに効くプラン名のヒント
大分県の旅館で「露天風呂・サウナ・離れ」を含む公開プラン名(N=654)に多い訴求要素 ——
離れ・コテージ 60%温泉露天 29%2食付 29%会席コース 26%和牛・ブランド牛 14%露天風呂付客室 11%
実際の名前の例(匿名化):
- 【5%OFF】【大型セール】サウナラウンジ1日貸切ととのい体験/おおいた和牛プレミアム会席
- 【GW・お盆・特定日】夕・朝お部屋食◆純和風古民家風離れに宿泊【楓会席】
※公開プラン名の集計にもとづく傾向で、命名が販売を生む因果を示すものではありません。市場×命名の深掘りは命名ベンチマーク/イベント記事をご参照ください。
⚠ 将来日程のデータに関する注意:本記事の2026年10月24日泊・10月31日泊・11月1日泊に関する稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)と残室の観測は、2026年10月1日時点でOTAに公開されている販売在庫に基づく途中経過であり、チェックイン日に近づくにつれて在庫の追加や販売停止・再開で変動する。2026年9月以降の月次ADRは調査時点の掲載水準に基づく推定のため、本記事の集計には含めていない。
よくある質問
Q. CURENE ASO KUJU(キュレネ 阿蘇 くじゅう)はどこにあり、いつ開業しますか。
A. 所在地は大分県玖珠郡九重町湯坪瀬の本628-6で、熊本県南小国町(黒川温泉)との県境にある瀬の本高原に位置します。開業は2027年3月1日(月)、予約受付は2026年9月17日(木)に始まっています。全19室で、全室に露天風呂が付き、うち4室はサウナ付きです(PR TIMES、2026年9月17日)。
Q. 九重町と南小国町でなぜ単価が1.76倍も違うのですか。
A. 本記事の推定成約ADR(2025年9月〜2026年8月の12か月平均)は南小国町29,600円(N=42〜47施設)、九重町16,800円(N=36〜47施設)です。南小国町には黒川温泉の離れ型旅館が集まり、半径7.5km圏で推定成約ADRが3.5万円を超える12施設のうち11施設は南小国町側(黒川・小田・白川など)の旅館です。九重町側は筋湯・湯坪・宝泉寺などの温泉地と久住高原のホテルが混在し、客室数の多い施設の比率が高いことが中央値を下げています。差は季節ではなく水準の差で、前年比でも両町とも5%以上上がっており縮まっていません。
Q. 19室・全室露天で成立するADRはいくらですか。
A. 本記事の試算では、総投資11〜14億円(2025年5月の譲渡価格774百万円+新設7棟の建設費350百万円+改修・共用部280百万円の仮定)、GOP利回り6%、稼働率70%、GOP率25%という仮定のもとで、必要ADR(税抜相当)は54,400〜69,200円です。これは同住所の前身施設(12室)が2025年9月〜2026年8月に実現した推定成約ADRの9か月平均68,400円と同じ帯にあります。仮定が変わればADRも変わる簡易試算であり、実際の投資判断には詳細なフィージビリティ・スタディが必要です。
Q. 増設型リブランドとは何ですか。新築との違いは。
A. 既存の客室棟を残したまま新たに棟を足して室数を増やし、同時にブランドと運営を切り替える手法です。本件では12棟の離れに7棟を加えて19室とし、運営会社のブランド「CURENE」で開業します。新築と異なり、既存資産の市場価格(本件では774百万円)が投資額の起点になるため、土地取得と全棟建設を伴う開発より初期投資の見通しが立ちやすい一方、国立公園内では自然公園法の許可手順と既存棟の改修計画の精度が工期を左右します。
参考資料・出典一覧
■ データソース
- メトロエンジンリサーチ&コンサルティング — 推定成約ADR(市町村・都道府県・施設単位、2024年9月〜2026年8月)、ブッキングカーブ・稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定、2026年10月1日観測)、施設別残室数(室ベース)、半径圏の施設・客室数、客室ストックの推移(開業年・閉館年ベース)
- ホテルバンク編集部調べ(NLP解析) — 半径7.5km圏78施設・15,536件の宿泊者口コミ(2024年10月〜2026年9月)のタグ集計
- 国土交通省 国土数値情報(250mメッシュ別将来推計人口・R6国政局推計) — 半径3km圏の居住人口
- 国土交通省「都道府県地価調査」(土地代データ 九重町/同 南小国町 の集計値)
- 国土交通省「建築着工統計」 — 2025年の構造別建築単価(全構造195.2万円/坪、S造240.5万円、木造138.2万円)
- 国土地理院 地名検索サービス — 瀬の本高原・湯坪の中心座標
■ 試算前提
- 総投資額:既存資産774百万円(2025年5月譲渡価格)+新設7棟350百万円(175坪×200万円/坪)+改修・共用部280百万円(ケースBのみ、仮定)
- GOP利回り6%(感度5〜7%)、GOP率25%(感度20〜30%、2026年10月時点の試算。業態別の傾向の出典:リロホテルソリューションズ)、稼働率70%(通年仮定、感度60〜80%、2026年10月時点の試算)、19室×365日
- 必要ADRは税抜相当で、2食付の宿泊料収入を含む室あたり売上として算出
■ 限界・留意点
- 推定成約ADRはモデル推定値(REIT開示実績との照合で誤差中央値約7%)であり、各施設の実際の成約価格とは異なる。REIT開示の成約ADRは消費税抜き表示で、本記事の推定成約ADRも税抜相当の水準
- 稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)はOTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値で、施設全体の実稼働率とは異なる。施設別の残室0は販売停止や小出しの在庫コントロールを含み、満室を意味しない
- 客室ストックの推移は現在の客室数を過去年にも適用しているため、増築前の室数は反映されない。半径圏の施設数はメトロエンジンリサーチが追跡するうち稼働が確認できる範囲で、OTA未掲載の施設は含まれない
- 前身施設の特定はリリースに記載がなく、報道(西日本新聞・大分合同新聞・TRAICY)とREIT開示の住所一致に基づく整理である
■ プレスリリース・企業情報
- 新ホテルブランド「CURENE ASO KUJU(キュレネ 阿蘇 くじゅう)」大露天風呂やサウナを備えた新棟を備え、リブランドオープン(PR TIMES、コアグローバルマネジメント株式会社、2026年9月17日)
- コアグローバルマネジメント株式会社「企業情報/沿革」/同「施設一覧」
- クインテッサホテル福岡渡辺通 Comic&Books リブランドオープン(PR TIMES、2025年)
■ REIT開示・報道
関連記事
- 露天風呂付客室の上乗せは1泊約1万円(+23%)— 792軒の同一施設比較と改装回収5.7〜11.1年
- 九州応援割、黒川温泉と由布院の実質単価差は665円に縮小 — 県境31kmに走る10ptの制度差
- 由布院の旅館、10月三連休の最終日は「平日並み」— 初日との差16.3ptをブッキングカーブで読む
- 霞ヶ関キャピタルの旅館リブランド着手 — 宇治・株式取得スキームと単価の伸びしろ
- 旅館の公庫融資は上限7.2億円・20年|15室なら1室4,800万円、使い切るにはADR7.4万円
- 国立公園にホテルは建てられるか|自然公園法の許可基準と33リゾート地の供給実測
- 大分県ホテル投資マップ2026 — 由布院2.3万円・別府1.5万円・大分市7千円、18市町村の単価階層と供給量
- 熊本のホテル、キャンセル19万人泊の後|黒川温泉・阿蘇の回復を日次46日で測る
- ビジネスホテルの大浴場、単価差は温泉・サウナ付きで+9.3% — 4,925施設で逆算する増設Capex上限
