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大相撲九州場所15日間、福岡の平日単価はどこまで取れるか — 前年実績+9.7%と現在の掲載+3.3%の差

投稿日 : 2026.08.15 更新日 : 2026.09.02

福岡県

季節・イベント

大相撲九州場所15日間、福岡の平日単価はどこまで取れるか — 前年実績+9.7%と現在の掲載+3.3%の差

大相撲九州場所は、福岡の宿泊市場にとって年に一度の「15日間連続イベント」である。花火大会やコンサートのような単日ピークとは性質が異なり、平日を10日も含む長丁場だからだ。2026年(令和八年)十一月場所は11月8日(日)が初日、11月22日(日)が千秋楽。会場は例年どおり福岡国際センター(福岡市博多区築港本町)である。同じ15日間の本場所が会場周辺の単価をどう動かすかは、両国を対象にした大相撲五月場所2026 両国宿泊需要分析でも検証している。

本稿では、前年(2025年)と前々年(2024年)の実績データから「場所期間の平日は実際どれだけ押し上がったのか」を同一施設パネルで定量化し、2026年11月時点で市場に出ている価格がその水準にどこまで到達しているかを突き合わせる。読者として想定するのは福岡市内のホテル運営者・レベニュー担当者であり、結論は「どの日に、どれだけ強気に取りにいけるか」の実務論に着地させる。

本記事における指標の定義

  • 掲載価格:各施設がOTA等に公開している販売価格の全プラン平均(素泊まり〜食事付きを含む)。2名1室利用時の1室あたり料金(税込)。日別の分析はすべてこの掲載価格を用い、同一施設のみで構成したパネル(期間中すべての日で観測できた施設に限定)の中央値で比較している。
  • ADR(平均客室単価):各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値(エリアの標準的な施設の水準)。
  • OCC(稼働率):エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。本記事では都道府県単位でのみ用いる。
  • データ出典:メトロエンジンリサーチ
Key Takeaways
  • — +9.7% 2025年の場所期間の平日(月〜木)掲載価格中央値は非場所平日を上回り、同一施設パネル322施設の81%で上昇していた。
  • — +1.9% 対照群の北九州市(N=58施設)はほぼ横ばい。11月という季節要因ではなく、会場周辺の局所的な需要である。
  • — +3.3% 2026年11月の現時点の掲載は、平日の織り込みがまだ浅い。前年実績との差は約6ポイント残っている。
  • — ¥18,000 博多区の2026年11月の推定成約ADRは3年連続で年間ピーク。前年同月比+13.9%の水準にある。
  • — 平日10日 15日間のうち土日5日は市場が織り込み済み。勝負どころは、単日イベントでは取れない厚みを持つ平日側にある。

前年実績:場所期間の平日は、非場所の平日を9.7%上回った

まず押さえるべきは、2026年11月の在庫シグナルからは何も断定できないということである。本稿執筆時点でチェックイン日まで90日以上あり、この距離では各施設がOTAへ在庫をどれだけ出しているかも、需要側の予約ピークも、まだ立ち上がっていない。したがって「最速完売」「完売率」といった判定は行わない。断定の根拠は、すべて前年・前々年の確定した実績に置く。

分析の設計はこうだ。福岡市中心5区(博多区・中央区・東区・早良区・西区)を対象に、2025年10月26日から12月6日までの42日間すべてで価格が観測できた施設だけを残し、日別の掲載価格中央値を求めた。パネル施設数はN=322施設。施設の入れ替わりによる見かけ上の変動を排除するための処理である。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

グラフを一見して分かるのは、11月の福岡が曜日で大きく揺れる市場だということだ。土曜は平日の倍以上に跳ね、日曜は落ちる。この曜日効果を除去しないまま「場所期間 vs 非場所期間」を比べると、期間に含まれる土日の本数だけで結論が変わってしまう。そこで曜日を揃えて比較する。

2025年の場所期間(11月9日〜23日)の平日(月〜木)掲載価格中央値は¥25,200。同じ11月前後の非場所の平日は¥23,000で、差は+9.7%である。しかもこの上昇はごく一部の施設が牽引したものではない。パネル322施設のうち81%が、場所期間の平日を非場所平日より高く設定していた。市場全体が動いていたことになる。

興味深いのは、初日前夜にあたる11月8日(土)の¥52,100である。同じ11月の他の土曜(11月1日 ¥36,900、11月29日 ¥49,100)と比べても突出しており、初日を観戦する遠征客が前泊で入ることを市場が織り込んでいた様子がうかがえる。

これは本当に場所の効果か — 北九州市を対照群に置く

「11月の福岡が高いのは、単に紅葉シーズンで全国的に高いだけではないか」という反論はもっともである。そこで同じ福岡県内で、会場から60km以上離れ、場所開催の影響を直接受けにくい北九州市(小倉北区・八幡西区・門司区ほか)を対照群として同じ処理をかけた。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

結果は明快だった。北九州市のパネル(N=58施設)では、同じ11月9日〜23日の平日の掲載価格中央値は¥13,400、非場所平日は¥13,200で、差は+1.9%にとどまる。上昇した施設の割合も55%と、ほぼ半々である。つまり、福岡市中心部で観測された+9.7%は、11月という季節要因ではなく、会場に近い都心部で起きている局所的な現象と読める。

前々年(2024年、場所期間は11月10日〜24日)でも同じ検証を行った。パネルN=361施設で平日リフトは+12.8%、上昇施設割合は85%。2年連続で、しかも一桁後半から二桁前半という近い水準で再現している。単年のノイズではない。

表1:場所期間 vs 非場所期間の掲載価格中央値 曜日別差分(同一施設パネル・1室2名・税込)
比較対象月火水木金土日平日(月〜木)
福岡市中心5区 2025年(実績)+12.1%+13.1%+7.2%+10.6%+7.9%+11.4%+20.5%+9.7%
福岡市中心5区 2024年(実績)+8.3%+12.0%+17.4%+13.2%+14.2%+7.6%-23.1%+12.8%
北九州市 2025年(対照群)+3.6%+3.4%+1.1%+0.1%-0.8%+15.0%+12.9%+1.9%
福岡市中心5区 2026年(現時点の掲載)-0.0%+3.2%+4.7%+6.0%+5.5%+6.9%+38.0%+3.3%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(同一施設パネル:2025年福岡 N=322、2024年福岡 N=361、2025年北九州 N=58、2026年福岡 N=359)

なお日曜の数値は解釈に注意が必要だ。11月は祝日が絡むため、千秋楽の日曜が翌日の祝日と連続するか否かで水準がまったく変わる。2025年の日曜+20.5%は千秋楽(11月23日・勤労感謝の日)が振替休日の前夜だったことに強く引きずられており、2024年の日曜がマイナスなのは非場所側の11月3日(日・文化の日)が高かったためである。安定して読めるのは月〜木の平日であり、本稿はそこを軸に据える。

2026年の現在地:千秋楽は織り込み済み、平日はまだ+3.3%

では2026年11月について、現在市場に出ている価格はどうなっているか。同じ手法で2026年10月25日〜12月5日の掲載価格を集計した(パネルN=359施設)。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

土曜(11月14日 ¥60,900、11月21日 ¥60,400)と千秋楽の日曜(11月22日 ¥51,900)は、すでにはっきりと持ち上がっている。とくに千秋楽の日曜は、比較対象となる11月29日(日)の¥27,800に対して約1.9倍。2026年は11月23日(月)が勤労感謝の日にあたるため、千秋楽の夜に泊まって翌日に帰るという動線が成立する。この構造は市場が正確に捉えている。

一方で平日はどうか。場所期間の平日(月〜木)中央値は¥27,900、非場所平日は¥27,000で、差は+3.3%。前年が最終的に到達した+9.7%、前々年の+12.8%と比べると、現時点ではまだ半分以下の水準にとどまっている。曜日別に見ると月曜は±0%、火曜+3.2%と、週の入りがほぼフラットである。

ここで公平を期しておきたい。2024年・2025年の数値はチェックイン直前までの価格改定を織り込んだ最終的な水準であり、2026年の数値は約3ヶ月前の断面である。リードタイムが縮むにつれて価格が上がるのは通常の挙動であり、この差をそのまま「取りこぼし」と読むのは正確ではない。読むべきは、残り3ヶ月で埋めにいける幅がどれだけ残っているかという点である。前年比で6ポイント前後の伸びしろが、平日10日分について残っていることになる。

博多区のADRは11月がピーク — 3年連続の構造

日別の掲載価格から視点を月次に引き上げ、推定成約ADRで見るとどうなるか。会場が立地する博多区の月次ADRを3年分重ねた。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(博多区・推定成約ADR、対象施設数は各月N=138〜149施設)

2024年・2025年ともに、年間の最高値をつけるのは11月である。2024年11月が¥14,600、2025年11月が¥15,800、そして2026年11月は現時点の掲載水準から推定して¥18,000。前年同月比では+13.9%にあたる。10月(¥17,200)や12月(¥17,600)を上回っており、11月が博多区にとって年間で最も単価を取れる月であるという構造は、2026年も維持される見込みである。

ただし2026年9月〜12月の数値は、調査時点で公開されている販売価格に基づく推定であり、今後の価格改定によって変動する。とくに11月については、上で見たとおり平日の織り込みがまだ浅いため、上方に動く余地を含んだ数字と考えるのが妥当だろう。

需給の背景も押さえておきたい。福岡県の稼働率(OTA掲載在庫ベース・推定)は2026年4月89.8%、5月91.3%、6月90.5%、7月91.1%と、通年で90%前後の高水準で推移している。とくにビジネスホテル業態は平日(月〜木)平均91.7%と、週末(金〜日)の91.4%を上回る。福岡の都心はもともと平日に強い市場であり、そこへ15日間の大型イベントが重なるという構図である。この単価の地力については、福岡の推定成約ADRが上期6か月すべて前年を上回った分析が背景を掘り下げている。

会場圏の供給:半径2km圏に326施設・3万室

需要を受け止める側の供給規模も確認しておく。福岡国際センターを中心に、2026年11月の販売を確認できた施設を距離帯別に集計した。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

表2:福岡国際センターからの距離帯別 施設数・客室数(2026年11月の販売が確認できた施設)
会場からの距離施設数客室数
半径1km圏103施設6,179室
半径2km圏326施設30,442室
半径3km圏445施設36,249室
半径5km圏474施設38,688室

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(2026年11月の販売が確認できた施設に限定、N=474施設)

半径1km圏は103施設・6,179室と限定的だが、2km圏まで広げると326施設・30,442室に一気に増える。会場は博多駅と天神のほぼ中間、ウォーターフロント側に位置し、博多駅周辺の宿泊集積が2km圏にすっぽり入る形だ。3km圏で36,249室、5km圏で38,688室。つまり「会場至近の希少性」で押し切れるのは1km圏の一部にとどまり、大半の施設は博多駅・天神からのアクセス利便で戦う市場構造にある。

供給側の増加も見ておく必要がある。メトロエンジンリサーチが把握する範囲で、2026年に福岡県で開業を確認できた施設は40施設・1,159室(OTA掲載確認ベース)。うち9月開業予定の117室規模の施設など、博多エリアへの新規供給が場所期間の直前に立ち上がる。ただしOTA掲載は開業の数ヶ月前から出るため、直近以降の月は今後の掲載で件数が増加する可能性がある点に留意されたい。2028年までの中期的な受け皿の広がりは、福岡・博多/天神の客室供給2026-2028で整理している。

需要トリガーの時系列 — 9月19日と10月26日が二つの山

価格を動かすタイミングを設計するうえで、チケット販売スケジュールは無視できない。日本相撲協会の公表によれば、2026年十一月場所(福岡)の前売券一般発売は9月19日(土)、番付発表は10月26日(月)である。

表3:2026年十一月場所 需要トリガーの時系列
日付イベント宿泊需要への意味
2026年9月19日(土)前売券 一般発売開始遠征客の宿泊検討が本格化する最初の山。この時点の在庫と価格が初動を決める
2026年10月26日(月)番付発表取組編成・注目力士が確定し、日別の人気差が顕在化する二の矢
2026年11月8日(日)初日前夜(11月7日・土)から需要が立ち上がる
2026年11月22日(日)千秋楽翌11月23日(月)が勤労感謝の日。日曜泊の需要が構造的に跳ねる

出典:日本相撲協会「令和八年十一月場所(福岡)観戦案内」よりホテルバンク編集部作成

前売開始の9月19日は、遠征を決めた客が宿を探し始める最初のトリガーである。この時点で価格が非場所平日と同水準に置かれていると、最も価格感度の低い層を安値で拾ってしまう。一方で番付発表の10月26日は、日別の人気差が顕在化する二の矢だ。注目カードが入る日と、そうでない日の差がここで見えてくる。

実務提案:平日10日をどう取りにいくか

ここまでのデータを、運営側のアクションに落とし込む。まず前提として、2026年十一月場所の15日間は平日(月〜金)10日、土曜2日、日曜3日という構成である。土日5日は市場がすでに織り込んでおり、勝負どころは平日10日にある。

第一に、月曜と火曜の設計を見直す余地が大きい。現時点の掲載では場所期間の月曜が非場所月曜と同水準(±0%)、火曜が+3.2%。しかし前年実績では月曜+12.1%、火曜+13.1%と、週の入りこそ最も伸びていた。15日間連続開催という性質上、観戦客の滞在は土日に集中せず週前半にも分散する。この構造を価格に反映させる余地がある。

第二に、11月7日(土)の前泊需要である。2025年は初日前夜の11月8日(土)が¥52,100と、同月の他の土曜を大きく上回った。2026年の対応日は11月7日(土)で、現時点の掲載は¥57,000。他の11月土曜(11月28日 ¥57,700)と横並びであり、初日前泊のプレミアムはまだ乗っていない。

第三に、千秋楽まわりは既に強い。11月22日(日)の¥51,900は、翌日が祝日という条件を市場が正しく評価した結果である。ここは追加の値上げより、在庫の出し方(連泊縛りや最低宿泊日数)で滞在日数を伸ばす設計のほうが効く可能性がある。11月21日(土)〜22日(日)の2連泊を取りにいけば、単価と稼働の両方が積める。

第四に、段階的に上げる設計にする。前売開始(9月19日)と番付発表(10月26日)という二つのトリガーを、価格改定のチェックポイントとして予定に組み込むのが現実的だろう。9月19日前に平日ベースを一段、10月26日以降に日別の需要差を見てもう一段、という組み立てである。

収益インパクトを粗く置いてみる。博多区の2026年11月の推定成約ADRは¥18,000。平日10日について前年並みのリフト(+9.7%)まで到達させ、現時点の+3.3%との差である約6ポイントを積めたとすると、1室1泊あたり約¥1,100、10泊で約¥11,000の単価上乗せになる。200室規模・稼働90%の施設なら、場所期間の平日だけで約200万円の増収に相当する。あくまで前提を置いた試算であり、実際には日別の需要差や競合の動き、既存予約の構成によって結果は変わる。

この試算は一点の見立てにすぎないので、到達水準ごとに幅を置いて示す。リフト水準は本文で確認した実測値、増収額は上と同じ前提による単純計算である。

表4:平日リフトの到達水準別シナリオ(博多区・推定成約ADR ¥18,000/平日10日/200室・稼働90%の前提)
シナリオ到達水準場所平日リフト現時点からの追加1室1泊の上乗せ平日10日の増収
悲観現時点の掲載水準のまま推移+3.3%+0.0pt¥0約0万円
中位2025年実績(+9.7%)まで到達+9.7%+6.4pt¥1,152約207万円
楽観2024年実績(+12.8%)まで到達+12.8%+9.5pt¥1,710約308万円

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(リフト水準は本文の実測値、増収は本文記載の前提による単純計算。本文の「約¥1,100・約200万円」は中位ケースを丸めた値)

客室規模と積み上げ幅を振ると、機会の大きさは次のように分布する。自館の規模と、9月19日・10月26日の二つのトリガーで何ポイント積めそうかを重ねて読むための表である。

表5:追加リフト幅 × 客室規模 別の平日10日増収額(単位:万円/推定成約ADR ¥18,000・稼働90%)
現時点からの追加リフト100室150室200室300室400室
+2.0pt32496597130
+4.0pt6597130194259
+6.4pt104156207311415
+8.0pt130194259389518
+9.5pt154231308462616

出典:ホテルバンク編集部より作成(各セル=ADR¥18,000×リフト幅×10泊×客室数×稼働90%。網掛けは本文の中位ケース)

逆に言えば、この規模の機会が「15日間のうち10日」という、単日イベントでは絶対に取れない厚みで存在しているということでもある。九州場所は、福岡の宿泊市場にとって年に一度、平日を戦略的に取りにいける稀有な期間である。

⚠ 将来日程の価格に関する注意:本記事の2026年9月以降の掲載価格・ADRは、調査時点(2026年8月9日)でOTA等に公開されている販売価格に基づく推定であり、チェックイン日に近づくにつれて変動します。また本記事は、チェックイン日まで90日以上ある時点の在庫状況からは需給の断定を行わず、完売・予約進度に関する判定は一切含んでいません。将来日程についての記述は、あくまで「現時点で市場に出ている価格の形」を示すものです。

まとめ

大相撲九州場所が福岡の宿泊市場に与える影響は、実績データで明確に確認できる。2025年は場所期間の平日(月〜木)掲載価格が非場所平日を+9.7%上回り、パネル322施設の81%で上昇が観測された。2024年も+12.8%と再現し、対照群である北九州市では+1.9%にとどまった。11月という季節要因ではなく、会場周辺の局所的な需要である。

2026年11月は、土曜と千秋楽の日曜についてはすでに市場が織り込んでいる。一方で平日の織り込みは現時点で+3.3%と浅く、前年実績との間に6ポイント前後の幅が残っている。前売開始(9月19日)と番付発表(10月26日)という二つのトリガーを軸に、平日10日をどう積み上げるか。それが今年の九州場所における最大の論点である。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

メトロエンジンリサーチによる掲載価格の日別集計(福岡市中心5区・北九州市の同一施設パネル。2025年 N=322施設、2024年 N=361施設、北九州 N=58施設、2026年 N=359施設)、推定成約ADRの月次系列(博多区、各月 N=138〜149施設)、稼働率推定(福岡県、OTA掲載在庫ベース)、会場周辺の施設数・客室数(2026年11月の販売が確認できた施設 N=474)。開催日程・前売券発売日・番付発表日は日本相撲協会の公表資料による。

■ 試算前提

曜日構成による見かけ上の差を排除するため、場所期間と非場所期間は同一曜日どうしで比較している。パネルは対象期間の全日で価格が観測できた施設に限定し、日別の中央値を用いた。増収試算は本文に記載した前提(博多区の2026年11月推定成約ADR ¥18,000、平日10日、200室、稼働90%)に、前年実績+9.7%と現時点+3.3%の差である約6ポイントを乗じた単純計算である。シナリオ表・感度表のリフト水準は、いずれも本文で確認した実測値(現時点+3.3%/2025年実績+9.7%/2024年実績+12.8%)のみを用いており、新たな前提は置いていない。

■ 限界・留意点

掲載価格は販売価格であり、成約価格ではない。推定成約ADRは上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合で誤差中央値が約7%の推定値であり、各施設の会計数値とは異なる。2024年・2025年の数値はチェックイン直前までの価格改定を織り込んだ最終水準、2026年の数値は約3ヶ月前の断面であり、両者の差をそのまま取りこぼしと読むことはできない。リフト率は月〜木ベース、増収試算の「平日10日」は月〜金ベースで粒度が一致していない点にも留意されたい。稼働率はOTA掲載在庫に基づく推定であり実績稼働ではない。チェックイン日まで90日以上ある時点の在庫からは、完売・予約進度の判定は行っていない。

■ 市場データ

  • メトロエンジンリサーチ — 掲載価格の日別集計(福岡市中心5区・北九州市の同一施設パネル)、推定成約ADR(博多区・中央区)、稼働率推定(福岡県)、会場周辺の施設・客室数
  • メトロエンジンリサーチ&コンサルティング(OTA掲載確認ベース、2026年 福岡県 N=40施設)— 新規開業データ

■ 大会・会場情報

■ 市場背景

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