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京都の口コミ評価分布と推定成約ADRを突き合わせる — 最弱項目バスルーム4.002、2026年7月はシティ¥17,420・ビジネス¥10,230

投稿日 : 2026.08.12

京都府

エリア・施設分析

レベニューマネジメント

京都の口コミ評価分布と推定成約ADRを突き合わせる — 最弱項目バスルーム4.002、2026年7月はシティ¥17,420・ビジネス¥10,230

京都府の宿泊施設について、口コミ評価10項目のエリアベースライン(直近24ヶ月・のべ459,696件)と、推定成約ADRの確定値を突き合わせた。10項目のうち平均が最も低いのはバスルームの4.002(対象319施設・38,231件)で、同時に第1四分位3.660〜第3四分位4.398と四分位範囲0.738ポイントが10項目中で最も広い。つまり京都は「評価が最も低く、かつ施設間で最も差がついている」項目がバスルームである。一方、2026年7月の推定成約ADRは確定値でシティホテル¥17,420(N=58施設)・ビジネスホテル¥10,230(N=325施設)・旅館¥18,838(N=203施設)。前年同月の確定値と比べるとシティ−16.8%、ビジネス−13.0%、旅館−2.1%となり、同月の推定稼働率がシティ86.2%・ビジネス83.5%と高水準だったにもかかわらず、単価は前年を下回って着地した。評価分布のどこに自館が位置するかを読む物差しを、以下のデータで組み立てる。

対象: 京都府のシティホテル・ビジネスホテル・旅館。口コミ評価は項目により175〜610施設(10項目のべ459,696件・直近24ヶ月)、推定成約ADRはシティホテルN=58施設・ビジネスホテルN=325施設・旅館N=203施設(2026年7月確定)、推定稼働率はシティ55〜56施設・ビジネス285〜293施設の観測。本記事の価格指標は推定成約ADR(OTA等の販売データから推定される成約価格水準・税抜相当)、稼働率はOTA掲載在庫ベースの推定値。いずれも定義は記事末尾。データ時点: 2026年8月7日。

Key Takeaways
  • — バスルーム4.002 — 京都府の口コミ評価10項目で平均が最も低く、同時に四分位範囲0.738ポイントで最も広い。平均が低い項目と差がつく項目が一致する。
  • — 業態間で0.460ポイントの差 — 同じバスルームでもビジネスホテル3.754・シティホテル4.043・旅館4.214。県全体の1本の基準線では過大にも過小にもなる。
  • — 2026年7月の推定成約ADRは前年割れ — シティ¥17,420(−16.8%)・ビジネス¥10,230(−13.0%)・旅館¥18,838(−2.1%)。宿泊主体の業態ほど下げ幅が大きい。
  • — 年内形状は4月が山、6〜7月が谷 — シティは4月¥29,986から7月¥17,420、ビジネスは4月¥20,308から6月¥9,616。価格改定カレンダーの骨格になる。
  • — 量は出たが単価は戻らない — 2026年7月の推定稼働率はシティ86.2%・ビジネス83.5%と高水準。曜日差はビジネスで14.1ポイントに開く。

京都の口コミ評価10項目 — 平均が低い項目と、差がつく項目は一致する

まず京都府全体の評価ベースラインを見る。平均値の順に並べると、最上位は従業員4.460(336施設・27,017件)、次いで立地4.430(578施設・87,662件)、アメニティ4.421(175施設・8,863件)と続く。最下位はバスルーム4.002(319施設・38,231件)で、その上が施設4.210(333施設・35,859件)、客室4.290(610施設・97,784件)である。

ここで注目すべきは平均そのものよりもばらつきの幅だ。第1四分位と第3四分位の差を取ると、バスルームが0.738ポイントで最大、施設0.690、サービス0.652と続く。逆に幅が狭いのはアメニティ0.414、朝食0.466、立地0.499。立地は平均4.430と高い一方で幅も狭く、京都という市場では「立地が良いこと」が差別化要因になりにくい構造がうかがえる。対してバスルームは、平均4.002・中央値4.000ちょうどに対して第3四分位が4.398まで伸びており、同じ京都の市場内でも施設によって受け止められ方が大きく分かれている。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

京都府の口コミ評価10項目 — 対象施設数・口コミ件数・平均・四分位(直近24ヶ月)
評価項目対象施設数口コミ件数平均第1四分位中央値第3四分位四分位範囲
バスルーム31938,2314.0023.6604.0004.3980.738
施設33335,8594.2103.8964.2584.5860.690
客室61097,7844.2904.0584.3694.6310.573
サービス60290,2434.3214.0494.4074.7010.652
朝食26716,9594.3344.1344.3964.6000.466
清潔感39639,3554.3614.1104.4444.7060.596
食事21917,7234.3854.1334.4554.7150.582
アメニティ1758,8634.4214.2534.4744.6670.414
立地57887,6624.4304.2234.5084.7220.499
従業員33627,0174.4604.2024.5334.7710.569

京都府・直近24ヶ月・対象施設数は項目ごとに異なる/出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

対象施設数が項目ごとに175〜610施設と大きく異なる点は読み方に直結する。客室・サービス・立地は600施設前後が評価対象になるのに対し、アメニティは175施設・食事は219施設にとどまる。母数の小さい項目は、投稿された口コミの構成によって水準が変わりやすい。以降の比較でも対象施設数と口コミ件数を必ず併記している。なお、同じ「分布のどこに自館がいるか」で価格ポジションを点検する手順を札幌中心部に当てた分析は、評価4.1は「平均」であって強みではない — 札幌中心部の口コミ分布と推定成約ADRで扱っている。

業態別に基準線を引き直すと、バスルームの位置は0.46ポイント動く

京都府全体の平均4.002を自館の目標線に据えるのは危うい。業態で分解すると、バスルームの平均はビジネスホテル3.754(121施設・18,406件)、シティホテル4.043(32施設・9,905件)、旅館4.214(92施設・6,459件)と、最も低い業態と最も高い業態で0.460ポイントの差がある。ビジネスホテルにとっての4.002は「県平均並み」ではなく、業態内では上位側の水準ということになる。

他の項目も同じ構図だ。客室はビジネス4.182・シティ4.339・旅館4.293、清潔感はビジネス4.164・シティ4.446・旅館4.473、サービスはビジネス4.120・シティ4.304・旅館4.413。京都府全体で最も評価の割れる立地についても、ビジネス4.362(147施設)・シティ4.425(37施設)・旅館4.467(139施設)と近接しており、業態を問わず高止まりしている。

この評価水準を、同じ市場の価格と並べたのが下表である。2026年7月の推定成約ADR確定値は、シティホテル¥17,420(N=58施設)、ビジネスホテル¥10,230(N=325施設)、旅館¥18,838(N=203施設)。前年同月の確定値との比較では、旅館の−2.1%に対してシティ−16.8%・ビジネス−13.0%と、宿泊主体の業態ほど前年割れの幅が大きい。

業態別の評価水準と2026年7月の推定成約ADR(確定値・前年同月比)
業態バスルーム客室清潔感サービス2026年7月
推定成約ADR(確定)
前年同月比
(確定同士)
シティホテル4.043
32施設・9,905件
4.339
37施設・21,486件
4.446
33施設・8,417件
4.304
37施設・20,163件
¥17,420
N=58施設
−16.8%
ビジネスホテル3.754
121施設・18,406件
4.182
149施設・45,974件
4.164
130施設・21,385件
4.120
148施設・40,984件
¥10,230
N=325施設
−13.0%
旅館4.214
92施設・6,459件
4.293
157施設・13,108件
4.473
112施設・4,689件
4.413
155施設・11,902件
¥18,838
N=203施設
−2.1%

評価は直近24ヶ月の平均/ADRは2026年7月・前年同月とも確定値/出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

ここで示しているのは同じ市場の2つの断面であり、評価と価格の因果を主張するものではない。ただし、価格が前年を下回って着地した業態ほど評価の基準線も低いという並びは、自館の位置づけを考えるときの座標軸になる。

推定成約ADRの年内形状 — 4月が山、6〜8月が谷

推定成約ADRを月次で追うと、京都の年内形状ははっきりしている。シティホテルの2026年確定値は1月¥18,432・2月¥18,660と低位で始まり、3月¥26,774、4月¥29,986で年内最高、5月¥25,867を経て6月¥17,738・7月¥17,420まで下がる。ビジネスホテルも同様で、1月¥9,773・2月¥9,641から4月¥20,308で最高となり、6月¥9,616が年内最低、7月は¥10,230だった。桜の4月と、6〜7月の谷という二極が価格改定カレンダーの骨格になる。この谷にあたる6月に両業態がそろって前年同月を割り込んだ経緯については、京都のホテルADR、2026年6月に両業態そろって前年割れが月次に分解している。

2026年8月以降は現時点の販売状況に基づく推定値であり、今後の販売状況で変動し得る。参考値としてはシティホテルが8月¥17,244・9月¥19,118・10月¥29,445・11月¥34,202・12月¥23,971(N=57〜58施設)、ビジネスホテルが8月¥10,244・9月¥12,265・10月¥20,599・11月¥24,155・12月¥15,812(N=284〜315施設)。前年の確定値との単純比較は月末の確定を待つ必要があるが、秋に向けて水準が切り上がる形状そのものは前年と共通している。

実線=確定値/点線=現時点の販売状況に基づく推定値/出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

2026年7月の需要 — 曜日差はビジネスホテルで14.1ポイント

単価が前年を下回った2026年7月について、需要側の断面も見ておく。同月の推定OCC(OTA掲載在庫ベース)は、シティホテルが月平均86.2%(観測55〜56施設)、ビジネスホテルが83.5%(観測285〜293施設)。日別の最高はいずれも7月18日(土)で、シティ94.7%・ビジネス95.5%だった。次いで高いのが7月16日(木)のシティ92.8%・ビジネス94.1%で、この週は祇園祭前祭の宵山(7月14〜16日)から山鉾巡行(7月17日・金)にかけての期間にあたる(京都市公式 京都観光Navi)。

曜日別に均すと、シティホテルは月曜83.4%から土曜90.9%までの幅で差は7.5ポイント。対してビジネスホテルは月曜75.2%が最低、木曜と土曜がともに89.3%で最高となり、差は14.1ポイントに広がる。ビジネスホテルは平日前半が明確に緩む一方、木曜が土曜と同水準まで積み上がる形になっている。木曜が週内のピークに立つ並び自体は京都に限った現象ではなく、愛知・広島のビジネスホテル 曜日別稼働の形でも同じ形状が確認できる。

2026年7月・京都府/出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

需要の総量としては高い水準にありながら、確定した推定成約ADRは前年同月を下回った。ボリュームが取れている局面ほど、価格そのものよりも「同じ価格帯のなかで選ばれる理由」が効いてくる。冒頭の評価分布は、その理由を点検するための物差しとして使える。

単価と稼働を1つの物差しに畳む — 推定RevPAR相当への単位換算

ここまで、価格(推定成約ADR)と需要(推定稼働率)を別々の断面として見てきた。両者は推定RevPAR相当 = 推定成約ADR × 推定稼働率という恒等式で1つの数値に畳める。以下は新しい実測を加えるものではなく、本文ですでに示した2026年7月の数値を1室あたりの日次売上水準に単位換算したものであり、将来の収益を予測するものではない。推定稼働率はOTA掲載在庫ベースで実客室稼働率より高めに出るため、水準の絶対値ではなく業態間・曜日間の相対比較の指標として読む。

3断面の推定RevPAR相当(2026年7月・京都府)— 推定成約ADRはシティ¥17,420・ビジネス¥10,230で固定し、本文の推定稼働率を掛け合わせた単位換算。予測ではない。
断面シティ 推定稼働率シティ 推定RevPAR相当ビジネス 推定稼働率ビジネス 推定RevPAR相当
月曜(週内の谷)83.4%¥14,52875.2%¥7,693
月平均86.2%¥15,01683.5%¥8,542
土曜(週内の山)90.9%¥15,83589.3%¥9,135

2026年7月の月平均断面では、シティホテルが¥15,016、ビジネスホテルが¥8,542。曜日で動く幅は、シティが月曜¥14,528から土曜¥15,835までの¥1,307、ビジネスが月曜¥7,693から土曜¥9,135までの¥1,442。単価そのものは1.70倍の開きがあるのに、曜日で動く金額はビジネスホテルのほうが1.10倍大きい。曜日単位の価格設計で積み上がる余地は、単価の高い業態ではなく振れ幅の大きい業態のほうにある。

シティホテルの推定RevPAR相当グリッド(2026年7月・京都府)— 縦軸は本文の2026年月次推定成約ADR5水準、横軸は本文の推定稼働率5水準。網かけは2026年7月の実測断面。外挿は行っていない。
シティホテル
推定成約ADR\推定稼働率
83.4%86.2%90.9%92.8%94.7%
¥17,420¥14,528¥15,016¥15,835¥16,166¥16,497
¥18,660¥15,562¥16,085¥16,962¥17,316¥17,671
¥23,971¥19,992¥20,663¥21,790¥22,245¥22,701
¥26,774¥22,330¥23,079¥24,338¥24,846¥25,355
¥29,986¥25,008¥25,848¥27,257¥27,827¥28,397
ビジネスホテルの推定RevPAR相当グリッド(2026年7月・京都府)— 縦軸は本文の2026年月次推定成約ADR5水準、横軸は本文の推定稼働率5水準。網かけは2026年7月の実測断面。外挿は行っていない。
ビジネスホテル
推定成約ADR\推定稼働率
75.2%83.5%89.3%94.1%95.5%
¥9,616¥7,231¥8,029¥8,587¥9,049¥9,183
¥10,230¥7,693¥8,542¥9,135¥9,626¥9,770
¥12,265¥9,223¥10,241¥10,953¥11,541¥11,713
¥15,812¥11,891¥13,203¥14,120¥14,879¥15,100
¥20,308¥15,272¥16,957¥18,135¥19,110¥19,394

グリッドは、本文で観測された推定成約ADRと推定稼働率の水準を組み合わせたときに、推定RevPAR相当がどの範囲に入るかを示す換算表である。シティホテルは推定成約ADRが4月の¥29,986から7月の¥17,420まで¥12,566動くのに対し、推定稼働率の観測幅は83.4%〜94.7%(2026年7月)にとどまる。この業態では推定RevPAR相当を動かす主因は稼働ではなく単価であることが、グリッドの縦横の広がり方の差として読み取れる。

同じ恒等式を前年同月比に当てると、単価の前年割れを稼働で埋められるかが確認できる。シティホテルの2026年7月は前年同月比−16.8%なので、推定稼働率だけで前年の推定RevPAR相当に戻すには86.2%×1/(1−0.168)=103.6%が必要で、100%を超えるため到達しない。ビジネスホテルは−13.0%なので必要水準は96.0%、月平均83.5%(2026年7月)から+12.5ポイントとなり、これは本文で示した曜日差14.1ポイントのほぼ全量に相当する。裏返せば、単価側で戻すには同じ稼働のままシティで+20.2%、ビジネスで+14.9%の引き上げが要る。いずれの経路も単独では重く、評価分布のどこに自館を置くかという非価格の物差しが必要になる理由がここにある。

京都のシティホテル・ビジネスホテルを運営するレベニューマネージャーへ — 示唆とアクションプラン

1. 「平均が低い項目」と「差がつく項目」は、京都では同じところにある。バスルームは平均4.002で10項目中最低であると同時に、第1四分位3.660〜第3四分位4.398と四分位範囲0.738ポイントで最も広い。平均だけを見て「どこも低いから仕方ない」と処理すると、実際には0.7ポイント以上の開きがある市場で自館がどちら側にいるのかを見落とすことになる。逆に立地は平均4.430と高いが幅は0.499にとどまり、この項目で相対的な差をつけるのは難しい。

2. 基準線は業態別に持ち直したい。バスルームの平均はビジネスホテル3.754・シティホテル4.043・旅館4.214。県全体の4.002を目標に置くと、ビジネスホテルでは実態より高い、旅館では低い基準を採用してしまう。自館スコアを第1四分位・中央値・第3四分位のどこに置くかを判断する際は、業態の分布に重ねるほうが打ち手を分けやすい。

3. 価格改定カレンダーは年内形状に合わせる。2026年確定値では、シティホテルは4月¥29,986が最高で7月¥17,420が最低、ビジネスホテルは4月¥20,308が最高で6月¥9,616が最低。谷の月に評価改善の施策を前倒しし、山の月に向けて設定を整えるという時間配分が組める。8月以降の水準は現時点推定であり、変動を前提に幅で見る。

4. 2026年7月は「量は出たが単価は前年を下回った」月として記録しておく。推定OCCはシティ86.2%・ビジネス83.5%、ピークの7月18日(土)は94.7%・95.5%に達した一方、確定した推定成約ADRはシティ−16.8%・ビジネス−13.0%。自館の同月実績をこの並びと照合すると、単価の下押しが市場全体の動きなのか自館固有なのかを切り分けやすい。

示唆とアクションプラン — 時間軸別の打ち手と判断トリガー
時間軸打ち手判断トリガー(記事中の数値)狙い
今日〜今週自館の評価10項目を京都の四分位に重ねるバスルームが第1四分位3.660以下、または客室が4.058以下にあるなら最も差がついている項目での立ち位置を確認する
今日〜今週基準線を業態別に引き直すビジネスホテルで自館バスルームが3.754を、シティホテルで4.043を下回っているなら県平均4.002との混同を避け、目標水準を業態内で設定する
2週間以内8〜9月の自館設定を市場の現時点推定と突き合わせるシティで8月¥17,244・9月¥19,118、ビジネスで8月¥10,244・9月¥12,265を大きく下回ったままなら乖離幅を把握する。推定値は変動するため水準そのものは幅で扱う
2週間以内曜日ごとの在庫配分と設定の強弱を点検するビジネスホテルで月曜75.2%と木曜・土曜89.3%の14.1ポイント差に対し、自館の曜日運用が横並びなら緩む曜日と積み上がる曜日で別の打ち手を用意する余地
来月に向けて秋の山に向けた改定タイミングを設計する10〜11月の現時点推定がシティ¥29,445・¥34,202、ビジネス¥20,599・¥24,155と、直近の谷(7月確定 ¥17,420/¥10,230)から水準を変えているなら改定の着手時期を前倒しし、幅を持った段階設定を準備する
来月に向けて評価改善の投資順序を決める自館バスルームが中央値4.000付近にとどまり、第3四分位4.398との差が開いているなら四分位範囲の広い項目から着手し、狭い項目(アメニティ0.414・立地0.499)は後順位に置く

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

まとめ — 京都で使える3つの物差し

第一に、評価は平均ではなく分布上の位置で読む。京都はバスルームが平均4.002で最下位、かつ四分位範囲0.738ポイントで最大。平均に届いているかどうかより、第1四分位3.660と第3四分位4.398のどちら側にいるかで打ち手が変わる。

第二に、基準線は業態別に持つ。同じバスルームでもビジネスホテル3.754・シティホテル4.043・旅館4.214と0.460ポイントの差がある。県全体の1本の線では、業態によって過大にも過小にもなる。

第三に、価格は年内形状で、需要は曜日で見る。2026年確定値はシティ4月¥29,986が山・7月¥17,420が谷、ビジネス4月¥20,308が山・6月¥9,616が谷。7月の推定OCCはシティ86.2%・ビジネス83.5%と高水準で、曜日差はビジネスで14.1ポイント。量と単価が別方向に動く局面では、この3つを並べて自館の立ち位置を毎月更新していきたい。

データについて

本記事で用いた指標の定義と観測条件
推定OCCの定義OTA掲載在庫ベース稼働率 = 100 − 100 × OTA掲載残室数 ÷ 総客室数。OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、実客室稼働率とは定義が異なる(高めに出る)。本記事では2026年7月(京都府)を対象とし、シティホテルは観測55〜56施設・30日、ビジネスホテルは観測285〜293施設・29日を集計対象とした。
観測窓宿泊日の45日前から直近までの観測に基づく。
推定成約ADRの定義OTA等の販売データ(最安プラン水準×業態別係数・複数チャネルのアンサンブル)から推定した成約価格水準(税抜相当)。過去月は確定値、現在・未来月は現時点の販売状況に基づく推定値。公表運営実績との照合で誤差中央値6.6%。
口コミ評価の集計京都府の宿泊施設に投稿された口コミを直近24ヶ月で集計した施設単位スコアの分布(平均・第1四分位・中央値・第3四分位)。項目ごとに評価が付与される施設が異なるため、対象施設数と口コミ件数を併記している。評価の水準は投稿の構成によっても変わるため、施設間比較は同一項目・同一業態で行っている。
対象Nの内訳口コミ評価(京都府全体): バスルーム319施設・38,231件/施設333施設・35,859件/客室610施設・97,784件/サービス602施設・90,243件/朝食267施設・16,959件/清潔感396施設・39,355件/食事219施設・17,723件/アメニティ175施設・8,863件/立地578施設・87,662件/従業員336施設・27,017件(10項目のべ459,696件)。推定成約ADR(2026年7月確定): シティホテルN=58施設・ビジネスホテルN=325施設・旅館N=203施設。
データ時点データ時点: 2026年8月7日。販売状況・在庫は日々変動するため、本記事の数値は取得時点のスナップショットである。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

参考資料・出典一覧

祇園祭山鉾巡行(前祭・後祭)|【京都市公式】京都観光Navi
京都・祇園祭2026【前祭の宵山】7/14〜7/16|京都観光旅行ガイド

■ データソース

口コミ評価は京都府のエリアベースライン(直近24ヶ月・10項目、項目により対象175〜610施設・のべ459,696件)。業態別の基準線は同ベースラインをシティホテル・ビジネスホテル・旅館に分解した値。推定成約ADRは京都府の業態別月次(2025年1月〜2026年12月。2026年7月確定はシティN=58施設・ビジネスN=325施設・旅館N=203施設、2026年8月以降はシティN=57〜58施設・ビジネスN=284〜315施設)。推定稼働率は2026年7月・京都府の日次系列(シティ観測55〜56施設、ビジネス観測285〜293施設)。祇園祭の日程は京都市公式 京都観光Navi。

■ 試算前提

評価スコアは項目ごとに対象施設数・口コミ件数が異なるため、平均の比較は同一項目内でのみ行い、項目間の比較には四分位範囲を用いた。曜日別・月平均の推定稼働率は、観測カバレッジが著しく低い日(シティ1日・ビジネス2日)を除外したシティ30日・ビジネス29日を集計対象とした。推定RevPAR相当は「推定成約ADR × 推定稼働率」という恒等式による単位換算であり、将来の収益予測ではない。3断面表・感応度グリッドの両軸は、いずれも本文に実在する観測値の水準のみを用い、範囲外への外挿は行っていない。前年水準への復元に必要な稼働・単価の逆算は、本文記載の前年同月比(シティ−16.8%・ビジネス−13.0%)のみから算出している。

■ 限界・留意点

評価スコアは記述言語や母数によって偏るため、単独の順位ではなく分布上の位置として扱う必要がある。推定成約ADRは公表運営実績との照合で誤差中央値6.6%(税抜相当)であり、2026年8月以降は現時点の販売状況に基づく推定値で、今後の販売状況により変動し得る。推定稼働率はOTA掲載在庫ベースで実客室稼働率より高めに出るうえ、観測の積み上がりにより記事作成後もわずかに変動する(本記事は2026年8月7日時点のスナップショット)。評価と価格の並置は同一市場の2つの断面であり、両者の因果関係を示すものではない。

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