眠っていたデータから新たな付加価値を
指定なし
宿泊市場動向
「東京のホテルの相場は2万円台」「箱根は5万円台」——市場記事やニュースで流通するこうした数字の多くは、予約サイトに掲載されている販売価格の平均である。一方で、事業計画や不動産鑑定、REITの開示資料で使われる客室単価は、実際に売れた1室あたりの成約単価だ。両者は同じ「相場」という言葉で語られながら、水準がまったく違う。2026年8月の実測では、その差は全国中位で2.26倍、都道府県によって1.7...
観光庁「宿泊旅行統計調査」は、同じ月の数字が3回発表される。翌々月末の第1次速報、その1ヶ月後の第2次速報、そして翌年7月の確定値である。実務でよく参照されるのは最初に出る第1次速報だが、それが最終的にどこまで動くのかを実測で確かめた資料は多くない。 本稿では、観光庁が公表した報道発表資料15ヶ月分(2025年4月分〜2026年6月分)を1件ずつ照合し、第1次速報から第2次速報、さらに確定値までの...
熊本県
鹿児島県
令和8年熊本地震(2026年7月28日)から約2か月が経ち、九州の宿泊需要は戻りはじめている。ただしその戻り方は、県ごとに一様ではなく、同じ県のなかでも業態ごとに大きくずれている。本稿では熊本県と鹿児島県について、OTA掲載在庫の消化率を業態別・月次で並べ、どの業態から埋まり、どの業態に在庫余力が残っているかを実測で確認する。そのうえで、2026年10月1日宿泊分から始まる九州ふっこう応援割が、金...
東京都
大阪府
京都府
北海道
沖縄県
福岡県
完売した宿の在庫は、そのまま埋まったままとは限らない。キャンセル、団体の解除、ホテル側の追加放出——理由はさまざまだが、OTA上の残室はチェックイン直前まで何度も「戻る」。本稿では、結果が確定した2026年のお盆(8月13〜16日)と、進行中のシルバーウィーク(9月19日・21日・22日)を対象に、6エリア・4業態の施設別残室推移を室ベースで追い、完売後の再放出がどのくらいの頻度で、どのリードタイ...
佐賀県
長崎県
大分県
宮崎県
2026年8月28日に発表された九州ふっこう応援割は、熊本県と鹿児島県で旅行・宿泊料金の60%、福岡・佐賀・長崎・大分・宮崎の5県で50%を補助する制度で、10月1日宿泊分から順次始まる。議論はどうしても「6割か5割か」という割引率の大小に寄りがちだが、宿の側から見ると、効きを決めるのは率だけではない。その率が何人泊にかかるのかという分母の大きさが、同じくらい効いてくる。 本稿は、観光庁「宿泊旅行...
九州ふっこう応援割(九州応援割)の制度パラメータが、ほぼ出揃った。割引率は熊本県・鹿児島県が6割、他5県が5割。そしてもう一つのパラメータである補助の限度額は、宿泊単体商品および交通付宿泊旅行商品1泊で2.0万円と公表されている。この2つが揃うと、宿側が自館について計算できることが一つ増える。「名目6割・5割がそのまま乗る価格帯はどこまでで、どこから実効割引率が名目を下回り始めるのか」である。 本...
九州ふっこう応援割の鹿児島県分は、観光庁の案内ページ(9月15日更新)で予約開始日が「未公表」のままだ。その手前で、鹿児島県は独自の「かごしま観光応援割」を9月14日に始めた。割引の対象は9月14日〜10月13日の宿泊分に限られ、9月13日以前の予約は対象外である。つまり10月13日の夜と10月14日の夜のあいだに、制度の線が1本引かれている。本稿では、この線の両側にある10月の夜を並べ、販売開始...
観光庁「宿泊旅行統計調査」は、日本の宿泊需要を語るときに最初に参照される公的統計である。一方で、同じ月の数字が公表のたびに書き換わることは、実務の現場では意外に知られていない。2025年の年間値は、2026年2月27日公表の速報値では延べ宿泊者数6億5,348万人泊・前年比-0.8%だったが、2026年7月6日公表の確定値では6億6,111万人泊・前年比+0.3%となった。「前年割れ」が「増加」へ...
令和8年熊本地震からの観光需要回復を目的とする「九州ふっこう応援割」は、10月1日宿泊分から対象になる。予約の受付開始日は県ごとに異なり、観光庁の9月11日更新の案内では熊本県が9月15日、佐賀県がオンライン9月24日、長崎県が9月第3週、大分県が9月下旬で、福岡・宮崎・鹿児島の3県は未公表となっている。本稿は熊本の販売開始を起点に、開始前の10月土曜の在庫消化と掲載価格を、まだ開始していない佐賀...
「宿泊旅行統計調査」は、観光庁が毎月公表する国内唯一の全国規模の宿泊需要統計である。延べ宿泊者数と客室稼働率の月次推移は、ホテルの予算策定から金融機関の与信判断まで幅広く参照されるが、その数値がどの母集団から、どの回収率で、どの改定サイクルを経て出てきたものかまで踏み込んで読まれることは少ない。本稿では調査要領と用語の解説という一次資料で定義を確認したうえで、直近7か月の第1次速報と第2次速報を突...