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近畿総体2026 — 7/22-8/21、30競技・近畿6府県を縦断する宿泊需要マップ

投稿日 : 2026.07.02

滋賀県

大阪府

季節・イベント

近畿総体2026 30競技の宿泊需要マップ

令和8年度全国高等学校総合体育大会「夢へ躍進 青春の夏 近畿総体2026」は、2026年7月22日から8月21日まで、滋賀県を主管とする近畿6府県と、北海道・福島(一部競技)を会場として30競技が行われる。滋賀県だけで9競技、近畿6府県全体で約3万人とされる選手・監督に加え、引率教員、応援家族、報道関係者を含めれば、ピーク日には数万人単位の宿泊需要が30日間にわたって近畿圏に流入する。

本稿では、メトロエンジンリサーチが追跡する近畿6府県のOTA公開価格・残室データをもとに、大会会期内のうち本稿執筆時点(6月28日)から30日以上先となる8月1日以降の予約進度と業態別ADR動向、そして大会期間中の宿泊空白窓を読み解く。

本記事における指標の定義

  • ADR(平均客室単価):OTA等で公開されている販売価格の平均値。実際の成約価格とは異なります(REIT開示データとの照合では、成約ADRより平均+25〜30%高い傾向)。2名1室利用時の1室あたり料金(税込)・全プラン平均(素泊まり〜食事付きプランを含む)。
  • LT(リードタイム):チェックイン日までの日数。LT0=当日。
  • 早期完売LT:残室数が初めて0室に到達したリードタイム(値が大きいほど早く完売)。
  • OCC(稼働率):エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。
  • データ出典:メトロエンジンリサーチ。完売判定は室ベース残室数のみを使用し、OTA公開枠が総客室の30%以上のホテルに絞り集計しています。
Key Takeaways
  • — 2026年7月22日〜8月21日の31日間にわたり、30競技が近畿6府県+北海道・福島で開催される。滋賀(主管)は9競技を担当し、開会式・閉会式も滋賀県内で行われる。
  • — 業態別ADRは、主管・滋賀のビジネスホテルが¥15,000-18,000に踏みとどまる一方、シティ/観光型は¥33,000台へ大幅上振れし、リゾート型は¥55,000超を観測。
  • — 大会序盤(8/1-5週)はリードタイムLT80超での早期完売が進行し、ピークは滋賀。彦根の中規模ビジホはLT90で完売後、LT75-70で短期キャンセル戻りを観測。
  • — 宿泊空白窓は会場から半径30km外(湖南・甲賀・湖西、京都府南部、奈良北部)への分散と、会期内の競技間の谷間日に発生。8月中旬の谷間が需要再吸収のターゲット。

大会概要 — 30競技・31日間・近畿6府県を縦断する宿泊需要

「近畿総体2026」は、公益財団法人全国高等学校体育連盟が主催する令和8年度の全国高等学校総合体育大会で、開催ブロックは滋賀(主管)・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山の近畿6府県と、ヨット(兵庫)の一部競技を加えると会場は両側に広がる。会期は7月22日(水)から8月21日(金)までの31日間、開・閉会式は滋賀県内で行われる。

競技数は30、滋賀県内だけで陸上競技・競泳(飛込・水球・水泳)・女子バレーボール・ボート・ホッケー・重量挙げ・フェンシングの9競技を担当する。主管県の単独負担では消化しきれないため、男子バレーボール(京都市)、バスケットボール(大阪市・堺市・羽曳野市)、卓球・ソフトボール男子・アーチェリー(大阪市)、体操・新体操(神戸市)、登山(豊岡市ほか)、カラテ(姫路市)、ハンドボール(天理・桜井・五條・宇陀)、剣道(奈良市)、テニス(橿原・明日香)、バドミントン(和歌山市)など、近畿一円に競技が分散配置されている。

規模感を整理する。全国高体連が公表する例年の総体参加規模は選手約3万人、これに監督・引率教員、応援に駆けつける家族・OBOG、報道関係者を加味すると、ピーク週(おおむね大会序盤の7月最終週〜8月第1週)には近畿全体で数万人規模の宿泊需要が日次で発生する。会場は競技ごとに分散するが、宿泊地は会場周辺だけでなく交通結節点(京都駅・新大阪・大津駅)にも広く滲み出すため、影響範囲は競技都市にとどまらない。

競技主管会場日程本稿対象日
陸上競技滋賀彦根市・平和堂HATOスタジアム7/25-7/297/28-29
競泳・飛込・水球滋賀草津市・インフロニア草津アクアティクスセンター8/1-8/38/1-8/3
ボート滋賀大津市・関西みらいローイングセンター8/1-8/48/1-8/4
女子バレーボール滋賀大津・草津・守山8/2-8/58/2-8/5
ホッケー滋賀米原・長浜7/26-7/307/28-30
重量挙げ滋賀高島市8/1-8/38/1-8/3
フェンシング滋賀大津・滋賀ダイハツアリーナ7/28-7/317/28-31
男子バレーボール京都京都市7/26-7/297/28-29
自転車(ロード)京都南丹市・美山町特設ロードコース8/208/20
ボクシング京都宇治市7/27-7/317/28-31
バスケットボール大阪大阪市・堺市・羽曳野市7/26-8/17/28-8/1
卓球大阪大阪市8/5-8/98/5-8/9
ソフトボール(男子)大阪大阪市8/1-8/48/1-8/4
アーチェリー大阪大阪市8/10-8/128/10-8/12
カラテ兵庫姫路市7/27-7/287/28
カヌー兵庫豊岡市7/26-7/287/28
ハンドボール奈良天理・桜井・五條・宇陀7/27-8/27/28-8/2
剣道奈良奈良市7/27-7/287/28
テニス奈良橿原・明日香7/25-7/307/28-30
バドミントン和歌山和歌山市7/26-7/307/28-30
相撲・柔道・レスリング・他和歌山各市7/25-8/37/28-8/3

出典:公益財団法人全国高等学校体育連盟「近畿総体2026」公式発表(2026年5月時点)、ホテルバンク編集部より作成

表中の「本稿対象日」は、本稿執筆時点(6月28日)から30日以上先となる7月28日以降を抽出したものである。直前期(30日以内)は公開価格・残室データのシグナルが定まりにくく、観測誤差が大きくなるため、本稿の宿泊需要分析は7月28日〜8月21日に絞っている。

業態別ADR — 主管・滋賀のビジホは¥15-18kに踏みとどまるが、シティホテルは¥33kへ

2026年8月の業態別ADRを近畿6府県で比較すると、宿泊需要を吸収する業態の構成が府県ごとにくっきり分かれる。京都府は旅館・町家・シティホテルが主役で、夏のオン期も合わせて¥34,000〜¥55,000のレンジに分布する。一方、主管の滋賀県はビジネスホテル系(ADR¥15,000台)と旅館・リゾート系(¥53,000〜¥58,000)の二極構造で、近畿総体の選手・引率団が活用しやすい中価格帯のシティ/ビジネス層が薄い。これが後述する「会場近傍のビジネスホテルから先に埋まる」現象を生み出している。なお滋賀/琵琶湖エリアの平時の価格構造と京都との需給スピルオーバーについては、検索+32%の伏兵・滋賀/琵琶湖で詳しく分析している。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

会場都市の前年同月比(YoY)を見ると、競技会場が集中する都市から順に価格上昇が観測される。とりわけ滋賀県彦根市(陸上競技・ホッケー)は2026年8月のADRが¥67,700(N=11)と前年比+112.9%、奈良県宇陀市(ハンドボール会場の一つ)は¥84,700と+146.4%、滋賀県守山市(女子バレーボール会場)は¥102,800と+61.7%と、いずれも大会会場の周辺都市で価格が著しく上振れている。サンプル数の少ない都市(N=2〜3)は単一施設の値付け影響を強く受けるため幅で読む必要があるが、彦根(N=11)・大津(N=11、+35.3%)・姫路(N=22、+43.3%)・奈良(N=23、+21.1%)といったサンプル数が十分にある都市でも明確な上振れが確認できる。

出典:メトロエンジンリサーチ(2026年8月 ADR vs 2025年8月)、ホテルバンク編集部より作成

主会場別予約進度 — 大会序盤8/1-5週で平均早期完売LT80超、ピークは滋賀

大会序盤の8月1日〜5日(競泳・ボート・女子バレー・ソフトボール男子・ハンドボール終盤など主要競技が集中する5日間)について、近畿6府県のホテル別残室データを集計した。集計対象はOTA公開枠が総客室の30%以上を確保している施設に限定し(公開枠が極端に小さい施設は推測の信頼度が下がるため)、近畿6府県合計で893施設を分析対象としている。

大会序盤週の早期完売LTを府県平均で並べると、主管・滋賀が突出して高く、次いで大阪・兵庫・京都が続く。各府県の上位ホテルでは早期完売LTが80を超え、5月上旬時点(LT85〜90)にはOTA上で残室0となっていた施設が複数観測される。

出典:メトロエンジンリサーチ(2026年8月1日〜5日、OTA公開枠が総客室の30%以上)、ホテルバンク編集部より作成

府県別の上位施設を以下に整理する。客室規模が中規模(30室〜100室)かつ早期完売LTが80以上の施設に、会場アクセスが良い宿泊地が並ぶ。

府県施設名客室数業態平均早期完売LT完売観測日数
滋賀県 ファミリーロッジ旅籠屋・彦根店 14室 ロッジ 89 4/5日
グリーンパーク想い出の森 バンガロー 23室 貸別荘 89 5/5日
びわ湖花街道 43室 旅館 88 1/5日
京都府 三塔庵 6室 町家 88 5/5日
旅館すずらん 7室 旅館 88 1/4日
リブマックスリゾート夕日ヶ浦木津温泉 15室 旅館 88 1/5日
大阪府 東横INNあべの天王寺 417室 ビジネスホテル 90 1/5日
ホテルアウィーナ大阪 111室 シティホテル 90 1/5日
リッチモンドホテルなんば大国町 202室 ビジネスホテル 90 2/3日
兵庫県 海鮮の宿 民宿みさき 6室 民宿 90 1/5日
アリストンホテル神戸 121室 シティホテル 90 1/5日
サンライズ淡路 16室 会社・団体の宿泊所 90 1/4日
奈良県 ビジネス旅館やまべ 12室 旅館 90 3/5日
ベーカリーホテルシャトードール 48室 ホステル 90 2/5日
いろはグランホテル近鉄奈良駅前 143室 ビジネスホテル 89 3/5日
和歌山県 宿坊 常喜院 23室 その他 90 1/4日
ダイワロイネットホテル和歌山 219室 シティホテル 90 1/5日
農家民宿はる 2室 農家民宿 90 1/5日

出典:メトロエンジンリサーチ(2026年8月1日〜5日、OTA公開枠が総客室の30%以上、分析対象=705施設)、ホテルバンク編集部より作成

事例 — 彦根の中規模ビジネスホテル、LT90で完売・LT75〜70で短期戻りを観測

具体例として、陸上競技会場(彦根市・平和堂HATOスタジアム、7月25日〜29日)の徒歩圏に位置する中規模ビジネスホテルA(52室)のチェックイン日2026年8月2日(女子バレー初日と重なる日曜)における残室推移を見る。観測点は56日、LT90(5月初旬)の時点で既に残室0室、LT80(5月中旬)まで完売状態が続いた後、LT75前後で2〜4室の在庫が短期的に戻り、その後LT65〜50で再び0室に張り付いた。直近のLT35(6月下旬)時点でも在庫は8室にとどまっており、需要のピークが続いていることが読み取れる。

出典:メトロエンジンリサーチ(2026年8月2日チェックイン、観測点56日)、ホテルバンク編集部より作成

こうしたLT70〜50帯での「短期的な在庫戻り」は、団体予約のキャンセル循環や、ホテル側がOTAアロットメントを小分けに追加放出している可能性、あるいは直販・コーポレート契約の枠と OTA枠を需給に応じて調整している運用など、いくつかの理由が考えられる。読者が直前にもう一度取り直しを試みる場合は、LT30〜14帯(チェックインの2週間〜1ヶ月前)に断続的に発生する戻り在庫が狙い目となる。早期完売してしまった会場周辺は、いったん諦めて広域に視野を移すか、あるいは戻り在庫を断続的にチェックする2段構えが現実的である。同じ夏のスポーツ大会で会場至近のホテルが薄く広域分散が起こる構造は、甲子園周辺ホテルの夏は満室か — 西宮・尼崎・大阪西部の需給を残室データで読むでも残室データから検証している。

宿泊空白窓 — 会場から半径30km外への分散と、会期内の谷間日を読む

会場周辺が早期完売した場合、宿泊先を広域に振り分けるか、会期内の谷間日をピンポイントで狙うかの二択になる。まず広域分散の観点では、滋賀県内の主要会場(彦根・大津・草津・守山)から半径30km圏内に、米原・近江八幡・東近江・湖南・甲賀のビジネスホテルが点在する。これらの市町は2026年8月時点のビジネスホテルADRがいずれも¥15,000〜¥19,000台で推移しており、会場直近の宿が満室になった後の「滑り止め」として現実的な選択肢となる。米原はJR新快速で大津まで約30分、彦根まで約10分のため、ホッケー・陸上競技の選手・引率団でも実用域である。

市町業態ADR(2026年8月)対象施設数
湖南市ビジネスホテル¥16,1635施設
甲賀市ビジネスホテル¥15,5107施設
草津市ビジネスホテル¥17,0685施設
近江八幡市ビジネスホテル¥18,8386施設
東近江市ビジネスホテル¥16,2296施設
彦根市ビジネスホテル¥15,12911施設
大津市ビジネスホテル¥18,2059施設

出典:メトロエンジンリサーチ(2026年8月、滋賀県内ビジネスホテル)、ホテルバンク編集部より作成

次に、会期内の谷間日に着目する。8月の競技配置を見ると、滋賀の主要競技(水泳・ボート・女子バレー)が8月1日〜5日に集中し、京都の男子バレー・ボクシングは7月末で終了、大阪の卓球は8月5日〜9日、アーチェリーは8月10日〜12日と続く一方、8月13日〜20日のお盆週は近畿総体としては競技数が薄くなる。8月21日に和歌山県内で開催される自転車ロード競技が最終日となるが、それまでの1週間は近畿総体の宿泊需要が一旦緩む可能性がある。ただし8月13日〜16日はお盆休暇の最大ピークと重なり、近畿総体とは別の観光需要が同じ宿泊在庫を取り合うため、価格は別軸で高止まりする点に注意したい。

結果として、会場直近の宿が取れない場合の取り方は次の3パターンに整理できる。①競技日の前後1日にずらして会場直近の戻り在庫を狙う、②競技日にこだわるなら半径30km圏内の広域分散(米原・甲賀・近江八幡・東近江の中価格帯ビジネスホテル)に切り替える、③お盆明けの8月17日〜20日に開幕日程をずらせる競技(卓球・自転車ロードなど)であれば、お盆ピーク明けの相対的な需要谷を狙う。

まとめ — スポーツMICEの宿泊需要は「分散ピーク」と「読みにくい谷間」の二層で動く

近畿総体2026は、近畿6府県30競技・31日間という規模の大きさゆえに、宿泊需要が「主管・滋賀の8月第1週ピーク」と「府県横断で散発するサブピーク」の二層で立ち上がる。本稿の集計でも、主管・滋賀の中規模ビジネスホテル・旅館の上位群が早期完売LT85〜90と最も尖り、その隣接県(京都・大阪)のホテルでも上位群が早期完売LT85〜90を観測した。価格面でも、彦根・守山・宇陀・姫路といった会場都市で前年同月比+30〜146%の上振れが確認できる。

受け手のホテル側からみれば、近畿総体は一過性の高需要イベントではなく、7月22日から8月21日まで断続的にピークが移動する「分散型MICE」として捉える必要がある。連日継続型イベントが宿泊需要・ADRに与える影響については、大相撲五月場所2026 両国宿泊需要分析が15日間連続開催のケースを定量的に検証している。会場が遠い府県でも、選手・引率団の宿泊圏に入ればチャンスは生まれる。逆に予約する利用者側は、会場直近にこだわらず、半径30km圏の中価格帯と会期内の谷間日を組み合わせて取り直すことが現実解となる。

本稿で取り上げた残室・価格データは、メトロエンジンリサーチが追跡する近畿6府県のOTA公開価格に基づく推定値である。直販やコーポレート契約、団体専用枠は別建てで動いているため、実際の現地需給はさらにタイトになっている可能性が高い点も付言しておきたい。

⚠ 将来日程のADRに関する注意:本記事のADR・残室データは2026年6月28日時点でOTAに公開されている販売価格・在庫の平均であり、チェックイン日に近づくにつれて変動します。本稿の分析対象は7月28日以降(執筆時点から30日以上先)ですが、戻り在庫や直前値下げ、追加供給の可能性により実際の数値は変動します。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

メトロエンジンリサーチ&コンサルティングが集約する近畿6府県のOTA公開価格データおよび残室カーブ(2026年5月〜6月時点、対象施設は本文記述のとおり)と、公益財団法人全国高等学校体育連盟および滋賀県教育委員会の公開資料を組み合わせた。価格・残室データは2026年6月28日時点のスナップショットに基づく。

■ 試算前提

業態別ADRはエリア集計の中央値ベース。予約進度(LT)は当日からの日数で表し、累積完売率は会場最寄駅から所定半径内の対象施設の合算ベース。試算は本稿執筆時点(6月28日)から30日以上先の在庫を主たる対象とし、直近30日内は短期キャンセル戻りの影響が大きいため別途文中で記述。

■ 限界・留意点

本記事の数値はOTA公開価格・残室の集計であり、団体予約や直接予約は含まれないため、実需の総量を過小評価する可能性がある。また会期中の運営側手配(学校団体・選手団優先枠)は表示価格に反映されないことが多く、谷間日の見かけ上の空室は実需の存在を必ずしも否定しない。価格・残室は日次更新のため、本記事公開後に変動する。

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