岩手県花巻市のホテル「ホテル花城」は、9月30日で閉館するとホームページで公表した。
1978年に開業した同ホテルは6階建てで、4～6階に全34室の客室、1階にレストラン、2～3階に宴会場がある。花巻空港から車で15分と立地の良さから県外からのビジネス客の宿泊でにぎわったほか、結婚披露宴や法事、地元企業の入社式などで多くの市民に利用されてきた。ピークは2006年頃で、当時の年間売り上げは約5億円あったという。
しかしながら新型コロナの影響で宿泊・宴会ともに利用者が激減し、昨年11月に宿泊部門を休止。レストランと宴会部門は営業を続けていたが、結婚式や法人宴会の縮小により会場利用が減り、現時点で回復の見込みが立たないことから閉館を決断した。
ホテル特製の「洋梨のタルト」を最後に楽しもうと注文が相次いだ。スタッフの予想をはるかに上回る勢いで予約が殺到し、予定分のケーキの材料と梱包資材が底をついたため8月19日に予約受付を打ち切った。
閉館を惜しむ声が聞かれる中、同ホテルの小田島修司取締役社長はホームページ上で「創業以来、43年間ご愛顧いただき心より感謝申し上げます」と述べている。