株式会社愛トラベル(広島市安佐南区川内6-44-32、設立1998(平成10)年6月、資本金5500万円、従業員22名)は3月10日までに事業を停止。新型コロナウイルス感染症の影響で予定したツアーの中止が相次ぎ、経営継続が不可能となり、広島地裁に自己破産を申請した。
豪雨災害で打撃、感染症でツアー中止が相次ぎ追い討ち
出典:愛トラベル
同社は、1998年(平成10年)6月に設立された国内旅行業者。大型観光バスの導入を進めて、自社企画した中国・四国エリアの観光名所を巡る日帰りバスツアーを主体に全国的に事業を展開した。
広島市と福山市の2拠点で積極的な格安プランの広告宣伝、営業活動を行い、ピークの2002年5月期の売上高は約20億円を計上。その後、売上高は14億円前後で推移していた
しかし、2010年9月に総務省が貸切バス事業者への指導・監督を強化したことで業容を縮小。近年は同業者との価格競争の激化や節約志向の高まりなどで最低募集定員すれすれの集客しかできないツアーなどもあり、年売上高は10億円を下回る低迷が続いていた。
また、2018年夏に発生した西日本の豪雨災害「平成30年7月豪雨」の影響を受けて売り上げが大きく減少し、採算も悪化。このため、割安感のあるツアーを企画して立て直しを図っていた。
しかし、業況は改善せず厳しい資金繰りが続くなか、新型コロナウイルス感染症の影響で予定したツアーの中止が相次いだため、経営継続が困難となった。
広島地裁へ自己破産申請する旨の告示書を本店事務所に掲示して事業を停止した。
負債は約3億円。
全国的に多業種で倒産が拡大している。春季の観光シーズンを迎え、新型コロナウイルスの影響が終息を迎えないことから、さらに加速度的に倒産が拡大する恐れがある。
また、今次倒産を迎える企業の特徴としては、過去の台風や豪雨、地震などの災害や今冬の暖冬による雪不足などの気候変動の影響を受けた上で、最後の追い討ちが新型コロナウイルスとなっている模様だ。
新型コロナウイルスの影響を受けて法的申請をしたケースは中国地方ではじめて。
出典:愛トラベル
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