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JAM福井勝山東急ホテル、初の冬は最安プラン+19〜32%|勝山市「1.9万→3.3万円」の実態は同一施設+10%

投稿日 : 2026.10.26

福井県

エリア・施設分析

JAM福井勝山東急ホテル、初の冬は最安プラン+19〜32%|勝山市「1.9万→3.3万円」の実態は同一施設+10%

西日本最大級とされるスキー場「スキージャム勝山」(福井県勝山市)は2026年4月1日に「JAM福井勝山マウンテンリゾート」へ改称し、ゲレンデ直結のオフィシャルホテルは旧「ホテルハーヴェスト スキージャム勝山」から「JAM福井勝山東急ホテル&リゾーツ」(100室)として営業を始めた。東急ホテルズ&リゾーツのブランドが福井県に付いた最初の施設であり、リゾート公式サイトによれば2026-27シーズンのゲレンデ営業は2026年12月19日から2027年4月4日までの予定で、同ブランドで迎える最初の冬が目前にある。

この半年で勝山市の宿泊単価は様変わりしたように見える。市区町村別の掲載価格の系列では、勝山市は2025年4〜10月に1.7万〜2.0万円台で推移していたものが、2026年4月以降は3.0万〜3.5万円台へ切り上がった。しかし勝山市の掲載施設は十数軒しかなく、1〜2軒の出入りで中央値が大きく動く。上昇のうちどれだけが同一施設の値上げで、どれだけが掲載される施設の入れ替わりによるものか。本稿では勝山市の宿泊ストックを施設単位で棚卸しし、2025年と2026年の両方で掲載が確認できる10施設に固定して単価の変化を分解したうえで、リブランド後初の冬に向けた現在の掲載水準を読み解く。

本記事のデータについて
• ADR(平均客室単価)=各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。
• エリア(都道府県・市区町村)単位のADRは、対象施設の推定成約単価の中央値(エリアの標準的な施設の水準)です。
• 掲載価格に言及する箇所は、2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
• OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。
• 出典:メトロエンジンリサーチ(国内約168,000施設のOTA公開価格を継続追跡、うち稼働確認済み約27,000施設)

※本稿の勝山市の集計は、2024年4月〜2027年3月の宿泊日について主要予約サイトの掲載価格(2名1室・税込・全プラン平均)が観測できた施設を対象とし、同一施設の複数掲載は名寄せして集計した。「稼働中」は直近3か月(2026年8〜10月)に販売価格が確認できた施設を指す。JAM福井勝山東急ホテル&リゾーツの時系列は、旧名称時代を含む同一施設の掲載価格を接続したものである。市区町村単位の推定成約ADRは対象が4〜7施設と薄いため参考値にとどめ、本文では掲載価格を主に用いる。

Key Takeaways
  • — +58.1% → +9.9%:勝山市の掲載価格の中央値は2025年8月¥20,000→2026年8月¥31,600(N=14施設)で+58.1%だが、18か月すべてで掲載のある固定10施設に絞ると+9.9%。上昇の大半は掲載施設の入れ替わり
  • — 14施設・275室:勝山市で2026年8〜10月に販売価格が確認できた宿泊施設。勝山ニューホテル(103室)とJAM福井勝山東急ホテル&リゾーツ(100室)の2軒で客室の74%を占める
  • — 夏冬の二山:JAM福井勝山東急ホテル&リゾーツの全プラン平均は8月+13.3%・9月+15.6%(前年同月比)と固定10施設を上回る一方、同月の最安プランは−5.2%・−6.5%。伸びは上位プランの構成による
  • — 冬の最安プラン+19〜32%:2026年10月20日時点の掲載水準で2027年1月¥52,100(+19.0%)・2月¥53,600(+31.6%)。福井県全体の1月¥36,900(N=289施設)の約1.4倍
  • — 12月19日開幕:2026-27シーズンのゲレンデ営業は2026年12月19日〜2027年4月4日の予定。東急ホテルズ&リゾーツのブランドで迎える最初の冬の成約水準が次の観測点

リブランドの事実 — 東急ホテルズ&リゾーツ初の福井、ゲレンデ直結100室

まずは一次情報で輪郭を押さえておきたい。旅行情報サイトの紹介記事(2026年5月27日)によると、JAM福井勝山マウンテンリゾートは最長滑走距離約5,800m・全16コースを持ち、オフィシャルホテルのJAM福井勝山東急ホテル&リゾーツは全100室で、4名定員の洋室、5名定員の和洋室、メゾネット、恐竜ラボルームといった客室構成をとる。温泉、屋内プール、ラウンジのドリンクと軽食、焚き火などは宿泊料金に含まれるインクルーシブ型で、北陸新幹線の福井駅からえちぜん鉄道の勝山駅を経て無料送迎バス約30分、車なら中部縦貫自動車道の勝山ICから約20分という立地だ。

同ホテルが2026年8月10日に出したプレスリリースでは、福井県立恐竜博物館まで車で約10分と案内されており、博物館の閉館後に貸し切りで見学する「プレミアムナイトミュージアムツアー」付き宿泊(大人1名35,400円〜、先着15名)を8月13日から販売した。リゾート運営会社の勝山高原開発株式会社は2026年10月9日、元アルペンスキー日本代表の皆川賢太郎氏を副社長兼リゾート事業執行責任者に迎えたと発表しており、「西日本最大級から、西日本最高峰へ」を掲げて冬商戦に入る。

JAM福井勝山マウンテンリゾートとオフィシャルホテルの概要(2026年10月時点の公表情報)
項目内容出典
リゾート名称JAM福井勝山マウンテンリゾート(旧スキージャム勝山)、2026年4月1日改称旅行情報サイト記事(2026年5月27日)
オフィシャルホテルJAM福井勝山東急ホテル&リゾーツ(旧ホテルハーヴェスト スキージャム勝山)、全100室旅行情報サイト記事(2026年5月27日)
ゲレンデ最長滑走距離約5,800m・全16コース旅行情報サイト記事(2026年5月27日)
館内温泉大浴場、屋内プール、JAMラウンジ(インクルーシブ)PR TIMES(2026年8月10日)
アクセス恐竜博物館まで車で約10分、勝山ICから約20分、勝山駅から送迎バス約30分PR TIMES(2026年8月10日)
2026-27 ゲレンデ営業2026年12月19日(土)〜2027年4月4日(日)予定リゾート公式(リフト券早割ページ)
1日リフト券(大人・休日)通常6,200円、早割4,500円(最大31%OFF、12月18日まで)リゾート公式(リフト券早割ページ)
運営会社勝山高原開発株式会社(2026年10月9日、皆川賢太郎氏が副社長に就任)リゾート公式 ニュース

出典:旅行情報サイト記事(2026年5月27日)、PR TIMES(2026年8月10日)、JAM福井勝山マウンテンリゾート公式サイトよりホテルバンク編集部作成

勝山市の宿泊ストック — 稼働中は14施設275室、2軒で客室の74%

次に、この施設がどれほどの重みを持つ町なのかを確かめる。メトロエンジンリサーチが追跡するうち、勝山市で2026年8〜10月に主要予約サイトの販売価格が確認できた宿泊施設は、名寄せのうえで14施設・275室だった。内訳は103室の勝山ニューホテルと100室のJAM福井勝山東急ホテル&リゾーツの2軒で203室(74%)を占め、残る12施設は旅館・ペンション・温浴施設併設の宿・1棟貸しの貸別荘など、いずれも12室以下の小規模施設である。10室未満の施設が9つあり、そのうち4つは1室だけを掲載する貸別荘・ライダーズハウスだ。

つまり勝山市の宿泊市場は、100室級のホテル2軒と、数室の宿が並ぶ裾野という二層構造になっている。掲載単価の中央値は14施設の真ん中、7〜8番目の施設の価格で決まるため、小規模施設が1軒掲載をやめ、別の1軒が加わるだけで中央値は数千円単位で動く。この構造を頭に置いて、以降の単価の読み方を考える必要がある。周辺客室が少数の大型施設に集中する構図は全国の主要スキー場でも共通しており、その供給構造はスキー場3km圏の客室は4.0万室、上位3か所で39% — 主要30スキー場の宿泊供給と今冬価格にまとめている。

勝山市で稼働中の宿泊施設(2026年8〜10月に販売価格を確認、14施設・275室)
施設客室数区分リゾートからの距離
勝山ニューホテル103シティホテル4.5km
JAM福井勝山東急ホテル&リゾーツ100リゾートホテル—
料亭旅館板甚12旅館5.3km
ペンション 星の子11ペンション0.2km
平尾ペンション10ペンション6.0km
あまごの宿9旅館6.9km
勝山市 ペンションUPO8ペンション2.9km
日帰り天然温泉 恐竜のお宿&SPA8ビジネスホテル3.7km
横倉鉱泉6旅館4.7km
勝山天然温泉 水芭蕉4温浴施設3.7km
Dinosaur Agri1貸別荘4.3km
志ろきや1貸別荘5.2km
ディノハウス勝山11貸別荘5.1km
ディノハウス勝山21ライダーズハウス5.6km

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(勝山市で2026年8〜10月に販売価格が確認できた施設、名寄せ後 N=14施設・275室。距離はJAM福井勝山東急ホテル&リゾーツからの直線距離)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(円の大きさ=客室数)

月別単価の2つの山 — 8月の恐竜と1〜2月の雪

JAM福井勝山東急ホテル&リゾーツの掲載価格(全プラン平均・2名1室・税込)を月別に重ねると、この施設には年に2つの山があることが分かる。2025年は2月が¥55,300で最も高く、次いで12月の¥54,400、8月の¥54,300、1月の¥50,200と続き、4〜7月と9〜11月は3.7万〜4.3万円台の谷になる。福井県全体の掲載価格は11〜3月に3.0万〜3.3万円台、4〜10月に2.4万〜2.8万円台という、冬の蟹シーズンに寄った一山型であり、勝山の「夏と冬の二山」は県の季節性とは明らかに違う。夏の山は恐竜博物館の夏休み需要で、Forbes JAPANによれば同博物館の2024年度の来場者は126万人に達している。福井県内で恐竜エリアが駅前・温泉とは別の価格階層を形づくっている点は、福井3クラスタのADR階層 — 駅前・温泉・恐竜、アッパーミドル空白の投資余地で詳しく分析している。

2026年に入るとこの二山がそのまま持ち上がった。1月¥60,800(前年同月比+21.1%)、2月¥61,000(+10.3%)とリブランド前の冬からすでに上向き、リブランド後の8月は¥61,500(+13.3%)、9月は¥47,500(+15.6%)、7月は¥47,100(+10.1%)である。一方で4月は¥39,600(−3.1%)、6月は¥39,300(+5.0%)と、谷の月の伸びは控えめだ。需要の山の月に値付けを伸ばし、谷の月は据え置く、という輪郭が同一施設の時系列から読める。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(JAM福井勝山東急ホテル&リゾーツ、旧名称時代を含む同一施設の掲載価格。2026年10月以降と2027年1〜3月は調査時点の掲載水準に基づく推定)

単価上昇の分解 — 「2.0万→3.2万円」のうち、同一施設の値上げは+10%

ここからが本稿の核心である。勝山市の掲載施設(名寄せ後)の掲載価格の中央値は、2025年8月の¥20,000(N=14施設)から2026年8月の¥31,600(N=14施設)へ+58.1%上がった。市区町村別の掲載価格の系列が示す「1.7万〜2.0万円台から3.0万〜3.5万円台へ」という動きと整合する。ただし、2025年4月から2026年9月までの18か月すべてで掲載が確認できる施設に対象を固定すると、様相は変わる。固定10施設の中央値は2025年8月¥28,700から2026年8月¥31,600へ+9.9%、9月は¥26,300から¥28,800へ+9.8%、7月は¥27,500から¥29,500へ+7.2%である。

固定10施設の中央値は2025年の時点ですでに2.6万〜2.8万円台にあり、全施設の中央値(1.7万〜2.2万円台)より5,000円〜1万円近く高かった。両者の差は、2025年に掲載のあった1万〜2万円台の小規模施設が2026年夏には掲載されておらず、代わって1室だけを掲載する貸別荘とライダーズハウスの2軒(2名1室で7万〜8万円台)と8室の宿が新たに加わったことで埋まった。2026年8月は全施設の中央値と固定10施設の中央値が¥31,600で一致しており、入れ替わりの影響が出尽くした形になる。

言い換えると、勝山市の「+58%」の内訳は、同一施設の値上げが+10%前後、残りの大半が掲載される施設の入れ替わりである。勝山市の市場全体の単価が6割上がったわけではなく、低価格帯の掲載が減り高価格帯の掲載が増えた結果、中央値が高い方へ寄った。リブランドしたJAM福井勝山東急ホテル&リゾーツ自身の8月の伸び(+13.3%)は固定10施設の中央値(+9.9%)を上回っており、同一施設ベースで見ても市内の平均的な値上げ幅より一歩先を行っている。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(勝山市、施設ごとの月平均掲載価格の中央値。全施設は月によりN=12〜15、固定コホートは2025年4月〜2026年9月の全月で掲載が確認できる10施設)

勝山市の掲載価格の分解 — 全施設・固定10施設・JAM福井勝山東急ホテル&リゾーツ(8月・9月の前年同月比)
系列2025年8月2026年8月前年同月比2025年9月2026年9月前年同月比
勝山市・全施設の中央値(名寄せ後)¥19,990
N=14
¥31,602
N=14
+58.1%¥19,656
N=14
¥28,826
N=14
+46.7%
勝山市・固定10施設の中央値¥28,748¥31,602+9.9%¥26,262¥28,826+9.8%
JAM福井勝山東急ホテル&リゾーツ(全プラン平均)¥54,267¥61,470+13.3%¥41,067¥47,471+15.6%
JAM福井勝山東急ホテル&リゾーツ(最安プラン)¥39,487¥37,419−5.2%¥25,084¥23,464−6.5%
福井県・掲載価格(参考)¥27,976
N=319
¥28,611
N=376
+2.3%¥25,177
N=317
¥26,604
N=375
+5.7%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(掲載価格は2名1室・税込。勝山市の推定成約ADRは2025年8月¥19,500(N=4)→2026年8月¥22,200(N=7)で+13.7%だが対象が薄く参考値)

施設ごとの価格分布を2つの8月で並べると、入れ替わりの中身がより見えやすい。2025年8月は14施設のうち7施設が2万円未満に集まり、中央値はその帯の上端に乗っていた。2026年8月は2万円未満が6施設に減り、4万円前後〜8万円台に6施設が並ぶ。中央値はこの2つの塊の間に落ちるため、個々の施設が大きく値上げしなくても中央値は跳ねる。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(勝山市の掲載施設の8月の月平均掲載価格、各点=1施設、名寄せ後 N=14施設ずつ。1施設は2026年8月に¥146,400で図の上端付近にある)

興味深いのは、同じ月の最安プランで見るとJAM福井勝山東急ホテル&リゾーツは8月¥37,400(−5.2%)、9月¥23,500(−6.5%)と前年をわずかに下回っている点だ。全プラン平均が+13〜16%伸びているのは、入口の価格を上げたからではなく、恐竜博物館のナイトツアー付きや2食付きといった上位プランの構成が厚くなったためと読める。同じ現象は勝山市の推定成約ADR(最安水準に業態係数を掛けた推定値)にも表れており、2026年8月は¥22,200(N=7施設)と前年の¥19,500(N=4施設)から+13.7%にとどまる。

リブランド後初の冬 — 1〜2月の最安プランは+19〜32%で掲載中

それでは、冬はどう値付けされているのか。調査時点(2026年10月20日)でJAM福井勝山東急ホテル&リゾーツが掲載している2027年1月の最安プラン水準は¥52,100で、2026年1月の¥43,800に対し+19.0%、2月は¥53,600で2026年2月の¥40,800に対し+31.6%、3月は¥38,500で+13.0%である。全プラン平均ではさらに大きく、1月¥89,200(+46.7%)、2月¥89,800(+47.2%)、3月¥65,600(+28.5%)と掲載されている。前の冬(2025-26シーズン)の全プラン平均が2024-25シーズン比で1月+21.1%・2月+10.3%だったことを踏まえると、2シーズン続けて二桁の引き上げを掲載段階で打ち出していることになる。

ただし、これらは宿泊日の2〜4か月前の掲載水準であり、チェックイン日に近づくにつれてプランの追加や価格調整で変動する。12月については調査時点で掲載が確認できる宿泊日が14日分と限られるため、本稿では1〜3月で比較している。全プラン平均の伸びが最安プランの伸びを上回る構図は夏と同じで、リフト券付きや2食付きといった上位プランを冬にも厚く積んでいることを示す。福井県全体の2027年1月の掲載水準が¥36,900(N=289施設)、2月が¥35,800(N=262施設)であることと比べれば、ゲレンデ直結100室の冬の最安水準は県の平均的な施設の1.4〜1.5倍に置かれている。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(JAM福井勝山東急ホテル&リゾーツの各月の最安プラン水準、2名1室・税込。2026-27シーズンは2026年10月20日時点の掲載水準)

JAM福井勝山東急ホテル&リゾーツの冬季(1〜3月)掲載価格 — 3シーズン比較
月2024-252025-26前季比2026-27(掲載時点)前季比
1月・最安プラン¥36,429¥43,756+20.1%¥52,089+19.0%
2月・最安プラン¥38,748¥40,757+5.2%¥53,629+31.6%
3月・最安プラン¥29,946¥34,039+13.7%¥38,453+13.0%
1月・全プラン平均¥50,198¥60,778+21.1%¥89,171+46.7%
2月・全プラン平均¥55,306¥60,984+10.3%¥89,779+47.2%
3月・全プラン平均¥49,396¥51,036+3.3%¥65,600+28.5%

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(JAM福井勝山東急ホテル&リゾーツ、2名1室・税込。2026-27シーズンは2026年10月20日時点の掲載水準に基づく推定で今後変動する)

この値付けを支える需要側の材料も確認しておく。ホテルバンク編集部が集計した同施設の宿泊者口コミ547件(2024年11月〜2026年10月)を分析すると、ゲレンデへの近さに触れた声が30.3%(166件、うち肯定的な評価142件)で最も多く、子ども向け設備への言及が26.1%(143件、肯定132件)、家族旅行としての言及が15.9%(87件)と続く。温泉(54件中肯定50件)と屋内プール(55件中肯定48件)も9割前後が肯定的で、「子連れでも安心」「プールが楽しい」といった声が目立つ。スキーと家族という2つの軸がそろって評価されている施設であり、冬の上位プランが受け入れられる土台はある。

運営者への示唆 — 二山型リゾートの値付け余地をどう使うか

勝山の事例から、地方のスキーリゾートやリブランドを検討するオーナーが持ち帰れる論点は3つある。第一に、市区町村単位の単価系列は施設数が少ない町ほど母集団の入れ替わりに敏感で、「エリアの単価が上がった」と読む前に固定コホートで確かめたい。勝山市では見かけの+58%のうち、同一施設の値上げは+10%前後だった。自施設の値付け余地を測る物差しは、エリアの中央値ではなく、同じ顔ぶれの施設がどれだけ上げたかにある。

第二に、二山型の需要を持つ施設では、谷の月を据え置き山の月に集中して引き上げる設計が同一施設の時系列から確認できた。JAM福井勝山東急ホテル&リゾーツは4月・6月を前年並みに保ちながら、8月と1〜2月で二桁の引き上げを掲載している。夏の恐竜需要と冬の雪需要は客層が重なる(家族連れ)ため、夏に獲得した顧客へ冬のプランを案内する導線が作りやすいのも、この立地の強みといえる。

第三に、入口の価格ではなく上位プランの構成で平均単価を伸ばす手法である。最安プランは前年並みかやや下げつつ、全プラン平均は+13〜47%で掲載されているのは、ナイトミュージアムツアー付き(大人35,400円〜)やインクルーシブの特典を束ねたプランが平均を押し上げているためだ。リゾート側がリフト券早割を最大31%OFFで12月18日まで販売し、送迎バスも12月18日から4月4日まで運行予定としていることを踏まえれば、リフト券付きと送迎付きを組み合わせた冬プランの厚みが、初の冬の成約単価を決める鍵になる。こうした上位プランがどこまで成約に結びつくかは、1〜2月の宿泊日が近づいた時点の掲載水準と推定成約ADRで改めて確かめたい。リフト券と宿泊を合算した1日あたりの総額を主要スキー場で並べたリフト券2026-27とスキー宿1泊を合算 — 1日の総額は野沢1.5万円〜ルスツ7.1万円も、冬プランの価格設計の物差しになる。

よくある質問

Q. JAM福井勝山東急ホテル&リゾーツはどんな施設ですか。
A. 旧ホテルハーヴェスト スキージャム勝山が2026年4月1日にリブランドしたゲレンデ直結のオフィシャルホテルで、全100室です。温泉、屋内プール、ラウンジのドリンクと軽食などを宿泊料金に含むインクルーシブ型で、福井県立恐竜博物館まで車で約10分、勝山ICから約20分の立地にあります。

Q. 勝山市のホテル単価は本当に6割上がったのですか。
A. 勝山市の掲載施設の掲載価格の中央値は2025年8月の¥20,000から2026年8月の¥31,600へ+58.1%上がりましたが、2025年4月〜2026年9月の全月で掲載のある固定10施設に絞ると+9.9%です。上昇の大半は、1万〜2万円台の小規模施設が掲載されなくなり、高単価の貸別荘などが加わった掲載施設の入れ替わりによるものです。

Q. リブランド後初の冬の価格はどのくらいですか。
A. 2026年10月20日時点の掲載水準では、2027年1月の最安プランが¥52,100(前季比+19.0%)、2月が¥53,600(+31.6%)、3月が¥38,500(+13.0%)です。全プラン平均は1月¥89,200、2月¥89,800で、いずれもチェックイン日に近づくにつれて変動します。

Q. 2026-27シーズンのゲレンデ営業はいつからですか。
A. リゾート公式サイトによれば、2026年12月19日から2027年4月4日までの予定です。大人・休日の1日リフト券は通常6,200円で、12月18日までは早割の4,500円で販売されています。

まとめ

JAM福井勝山東急ホテル&リゾーツは2026年4月1日のリブランド後、8月の掲載価格(全プラン平均)が前年同月比+13.3%、9月が+15.6%と、同一施設ベースで勝山市の固定10施設の中央値(+9.9%・+9.8%)を上回る伸びを示した。一方、勝山市全体の掲載単価の中央値が+58%になった主因は掲載される施設の入れ替わりであり、市場全体の単価が6割上がったわけではない。リブランド後初の冬に向けては、調査時点で1〜2月の最安プラン水準が+19〜32%、全プラン平均が+47%前後で掲載されている。2026年12月19日のゲレンデオープンを迎えた後、実際の成約がこの水準にどこまで追いつくかが、ブランド転換の効果を測る次の観測点になる。

⚠ 将来日程の掲載価格に関する注意:本記事の2026年10月以降および2027年1〜3月の数値は、調査時点(2026年10月20日)で主要予約サイトに公開されている販売価格に基づく推定であり、チェックイン日に近づくにつれて変動します。現時点で高く設定されている価格が直前の調整で下落する可能性がある点にご留意ください。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

メトロエンジンリサーチのOTA公開価格データ(勝山市・福井県の月次の掲載価格と推定成約ADR、勝山市の施設別の月平均掲載価格、宿泊日2024年4月〜2027年3月)、勝山市の宿泊施設の棚卸し(2026年8〜10月に販売価格が確認できた施設を稼働中とした)、ホテルバンク編集部による宿泊者口コミの集計(547件・2024年11月〜2026年10月)、およびリゾート公式サイト・PR TIMES・旅行情報サイトの公表情報。

■ 試算前提

掲載価格は2名1室・税込の全プラン平均で、JAM福井勝山東急ホテル&リゾーツの冬季比較は最安プラン水準を併記した。エリアの値は施設ごとの月平均掲載価格の中央値、固定コホートは2025年4月〜2026年9月の全月で掲載が確認できる10施設。同ホテルの時系列は旧名称時代の掲載を同一施設として接続し、2026年10月以降の月は2026年10月20日時点の掲載水準を用いた。

■ 限界・留意点

勝山市の掲載施設は月によりN=12〜15と少なく、1〜2施設の出入りで中央値が数千円単位で動く。市区町村単位の推定成約ADRは対象が4〜7施設のため参考値にとどまる。将来月の掲載価格は直前のプラン追加や価格調整で変わり、成約価格を示すものではない。全プラン平均はプラン構成の変化でも上下するため、同一プランの値上げ幅とは一致しない。

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