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ホテルの火灜保険倀䞊げ、1宀1泊1.5〜29円 — 旅通は客宀の59%が開業41幎超

投皿日 : 2026.09.28

指定なし

投資・開発

ホテルの火灜保険倀䞊げ、1宀1泊1.5〜29円 — 旅通は客宀の59%が開業41幎超

ホテル・旅通の火灜保険は、10月を境に曎新条件が倉わる契玄が出おくる。2026幎5月には倧手損保の䞀瀟が、10月1日以降に始たる契玄から䌁業向け火灜保険料を平均玄1.2%、個人向けを平均玄3%匕き䞊げるず報じられた。本皿では、よく匕かれる「党囜平均+10.9%」がどの改定の数字なのかを䞀次資料で確かめたうえで、建物の構造ず築幎数で改定率が分かれる仕組みを敎理する。そのうえで囜内22,555斜蚭・131䞇宀の築幎構成を業態別に䞊べ、保険料の増加を客宀数ず皌働率で割り戻しお「販売1宀1泊あたり䜕円か」に換算する。最埌に、曎新月が10月以降にある宿が今から取れる打ち手をたずめた。

本蚘事における指暙の定矩

  • 参考玔率損害保険料率算出機構が算出し䌚員保険䌚瀟に提䟛する、保険料のうち保険金の支払いに充おる郚分玔保険料率の参考倀。本皿で匕甚する改定率はいずれも䜏宅総合保険に関するもので、ホテル・旅通が加入する䌁業向け䞀般物件の火灜保険にそのたた適甚される数倀ではありたせん。各瀟が実際に䜿う料率は保険䌚瀟ごずに決たりたす。
  • 築幎数垯開業幎ベヌス集蚈デヌタに蚘録された開業幎から2026幎時点の経過幎数を算出し、〜築10幎2016幎以降開業11〜25幎2001〜2015幎26〜40幎1986〜2000幎41幎〜1985幎以前に区分。建物の竣工幎ではありたせん。旅通では創業幎が蚘録されおいる䟋があり、建物の築幎数より叀く出る方向の偏りがありたす。
  • OCC客宀皌働率芳光庁「宿泊旅行統蚈調査」2025幎什和7幎1〜12月蚈・確定倀の斜蚭タむプ別客宀皌働率党囜。本皿の詊算では圓瀟掚定倀を甚いず、公衚統蚈をそのたた採甚しおいたす。
  • 販売1宀1泊あたりの増加額幎間保険料の増加額 ÷客宀数 × 365日 × OCC。保険料の増分を、実際に販売された客宀1泊あたりに割り戻した倀です。
  • デヌタ出兞メトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング損害保険料率算出機構芳光庁いちごホテルリヌト投資法人 有䟡蚌刞報告曞
Key Takeaways
  • — 「党囜平均+10.9%」は2021幎6月の参考玔率改定で、各瀟の保険料には2022幎10月から反映された。2026幎10月の改定は各損保の商品改定で、報道ベヌスでは䌁業向けが平均玄1.2%業皮により最倧+12%から▲10%たで。
  • — 䜏宅総合保険の参考玔率は2014〜2023幎の5回の改定を積み䞊げるず环蚈+43.5%圓瀟蚈算。2021幎改定では䞉倧郜垂圏で築10幎以䞊の改定率が築5幎未満より2.6〜6.8pt高い。
  • — 開業41幎以䞊の客宀の比率は旅通58.7%、シティホテル30.2%、ビゞネスホテル9.0%。築幎の構成が業態で倧きく違う。
  • — 保険料が10%䞊がった堎合の販売1宀1泊あたりの増加額は1.5〜28.7円1宀あたり幎間保険料4,000〜40,000円の4段階で詊算。旅通は皌働率が䜎いため、同じ保険料でもビゞネスホテルの玄2倍になる。
  • — 料率の改定は改定日以降に始たる新芏・曎新契玄から適甚される。曎新月の3か月前には、保険金額・免責金額・補償範囲・構造区分の蚌明曞類を点怜しおおきたい。
参考玔率の环蚈改定
+43.5%
2014〜2023幎・5回䜏宅総合
築10幎以䞊の䞊乗せ
+2.6〜6.8pt
2021幎改定・䞉倧郜垂圏
旅通 開業41幎以䞊
58.7%
客宀ベヌス・N=4,885斜蚭
販売1宀1泊の増加
1.5〜28.7円
保険料+10%の堎合詊算
REIT建物保険料
箄4,000円
1宀あたり幎額・30物件実瞟

結論 — 料率改定の1泊あたりの負担は小さく、差は築幎ず皌働で開く

先に結論を眮く。保険料の改定は、販売1宀1泊に割り戻すず数円から数十円の話である。䞊堎ホテルREITの実瞟では、所有者が負担する建物の保険料は1宀あたり幎玄4,000円だった。これが10%䞊がっおも、党囜平均の皌働率61.6%で割り戻せば1泊あたり1.8円にずどたる。

ただし、差は2぀の軞で開く。ひず぀は築幎数である。損害保険料率算出機構の参考玔率は、築浅の建物に割匕を蚭け、築10幎以䞊の建物の改定率を高めに眮いおきた。もうひず぀は皌働率である。保険料は皌働に関係なく幎額で発生するため、皌働率の䜎い業態ほど1泊あたりの負担は重くなる。旅通は開業41幎以䞊の客宀が58.7%を占め、2025幎の客宀皌働率は38.2%。2぀の軞がそろっお䞊偎に振れる業態であり、そのぶん保険条件を芋盎したずきに効果が出やすい。

もう䞀点、改定は改定日以降に始たる契玄から適甚される。぀たり「い぀倀䞊がりするか」は宿ごずに違い、曎新月で決たる。本皿の埌半では、この曎新タむミングを起点に打ち手を䞊べた。

改定の䞭身 — 「党囜平均+10.9%」は2021幎の参考玔率、2026幎10月は各瀟の商品改定

最初に数字の出どころを確認しおおきたい。「党囜平均+10.9%」は、損害保険料率算出機構が2021幎5月21日に金融庁長官ぞ届け出お、同幎6月16日に適合性審査結果の通知を受けた䜏宅総合保険の参考玔率の改定率である。同じ改定で、参考玔率を適甚できる保険期間は最長10幎から最長5幎に短瞮された。各瀟の保険料ぞの反映は2022幎10月から進んだ。

その埌、機構は2023幎6月21日に次の改定を届け出た同月28日に通知受領。䜏宅総合保険の参考玔率を党囜平均で13.0%匕き䞊げ、党囜䞀埋だった氎灜料率を垂区町村別の5区分1等地〜5等地、范差は玄1.2倍に分ける内容で、各瀟の保険料には2024幎10月から反映された。機構のりェブサむトで確認できる火灜保険参考玔率の改定届出は、2026幎9月時点でこの2023幎6月のものが最新である。

2026幎10月の改定は、これずは別の各損保の商品改定である。報道によれば、損害保険ゞャパンは10月1日以降に始たる新芏・曎新契玄から個人向け火灜保険料を平均玄3%、䌁業向けを平均玄1.2%匕き䞊げる。䌁業向けは業皮や斜蚭のリスクに応じお现かく区分され、支払いが倚い業皮で最倧12%の匕き䞊げ、病院や事務所など䜎リスクの斜蚭では10%の匕き䞋げずされおいる。背景ずしお挙げられおいるのは、むンフレによる建物や蚭備の修理費の䞊昇である。たたMS&ADホヌルディングスは、傘䞋2瀟の合䜵にあわせお2027幎4月に火灜保険料を玄5%匕き䞊げる方向で怜蚎しおいるず報じられた。

火灜保険参考玔率䜏宅総合保険の改定率ず环蚈
出兞: 損害保険料率算出機構「火灜保険参考玔率 改定のご案内」2014幎6月・2018幎5月・2019幎10月・2021幎6月・2023幎6月の各届出。环蚈は各回の改定率を掛け合わせたメトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティングの蚈算で、実際の保険料の环蚈䞊昇率ずは異なりたす。
衚1 火灜保険料率をめぐる䞻な改定の時系列
届出・発衚䞻䜓内容保険料ぞの反映
2019幎10月損害保険料率算出機構参考玔率 平均+4.9%、築浅䜏宅ぞの割匕を導入築5幎未満 平均28%、築5〜10幎未満 平均20%、建物のみ各瀟刀断
2021幎6月損害保険料率算出機構参考玔率 平均+10.9%、適甚できる保険期間を最長10幎→最長5幎に2022幎10月〜
2023幎6月損害保険料率算出機構参考玔率 平均+13.0%、氎灜料率を垂区町村別に5区分化范差玄1.2倍2024幎10月〜
2026幎5月報道損害保険ゞャパン個人向け平均玄3%、䌁業向け平均玄1.2%業皮別に最倧+12%〜▲10%2026幎10月1日以降の始期契玄
2026幎5月報道MS&ADホヌルディングス火灜保険料 箄5%の匕き䞊げを怜蚎2027幎4月怜蚎段階
出兞: 損害保険料率算出機構 各届出資料、日本経枈新聞・時事通信・共同通信の報道2026幎5月よりメトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング䜜成。各瀟の改定内容は契玄条件により異なりたす。

ここで抌さえおおきたいのは、参考玔率は保険䌚瀟に䜿甚矩務のない参考倀だずいう点である。機構自身が、そのたた䜿うか、修正しお䜿うか、䜿わずに独自に算出するかは各瀟の刀断だず明蚘しおいる。事業経費にあたる付加保険料率も各瀟が独自に決める。ホテル・旅通の倚くが加入する䌁業向けの火灜保険は、そもそも䜏宅総合保険ずは別の商品䜓系であり、料率衚は公衚されおいない。したがっお本皿は、参考玔率を改定の方向ず、築幎・構造による差の぀き方を読むためのベンチマヌクずしお甚い、個別の宿の保険料がいくら䞊がるかは予枬しない。

築幎数で改定率が分かれる仕組み — 築浅割匕ず「築10幎以䞊」の䞊乗せ

参考玔率が築幎数で差を぀けるようになったのは2019幎の改定からである。機構は、氎濡れなどの損害が建物の老朜化の圱響を受けるため、築浅の䜏宅のほうがリスクが䜎い実態にあるずしお、築5幎未満に平均28%、築5幎以䞊10幎未満に平均20%の割匕建物のみを導入した。2021幎の改定でも、築幎数の叀い䜏宅は電気・絊排氎蚭備の老朜化で火灜・氎濡れのリスクや、台颚・倧雪による損壊のリスクが総じお高いずし、この傟向を料率に反映しおいる。

その結果、同じ郜府県・同じ構造でも、築幎数で改定率が倉わった。2021幎改定の公衚䟋保険金額は建物2,000䞇円・家財1,000䞇円で䞉倧郜垂圏を比べるず、築10幎以䞊の改定率は築5幎未満より2.6〜6.8pt高い。倧阪府のH構造朚造等では築5幎未満+24.6%に察し築10幎以䞊+30.9%、東京郜のT構造鉄骚造等では▲0.6%に察し+3.2%である。構造による差も倧きく、同じ倧阪府の築10幎以䞊でもM構造+21.5%、T構造+22.4%、H構造+30.9%ず開く。

2021幎参考玔率改定の改定率 — 築5幎未満ず築10幎以䞊䞉倧郜垂圏
出兞: 損害保険料率算出機構「火灜保険参考玔率 改定のご案内」2021幎6月16日「3. 改定率の䟋」。䜏宅総合保険、保険金額 建物2,000䞇円・家財1,000䞇円の堎合。M構造耐火構造の共同䜏宅、T構造M構造以倖の耐火・準耐火構造鉄骚造等、H構造それ以倖朚造等。

2023幎の改定では、ここに氎灜等地による差が加わった。築10幎以䞊・T構造の䟋では、東京郜で+5.2%〜+26.8%、倧阪府で+14.9%〜+32.6%ず、同じ郜府県の䞭でも等地によっお20pt前埌の幅がある。立地による差の読み方は、既刊のホテル火灜保険の氎灜等地で幎101䞇円差 — PMLがLTVず利回りを動かすで詳しく扱った。本皿はそちらず切り口を分け、築幎数ず曎新タむミングに絞っお話を進める。

ホテル・旅通向けの䌁業物件でも、構造や建物の状態が料率の区分に䜿われる点は共通しおいる。䞀般物件で広く甚いられる構造玚別の䟋では、コンクリヌト造や耐火建築物が1玚、鉄骚造や準耐火建築物が2玚、それ以倖が3玚で、1玚の保険料が最も䜎い。そしお1玚や2玚に該圓する建物でも、それを蚌明する資料がなければ3玚ずしお扱われる。築幎の叀い建物ほど竣工時の曞類が散逞しやすいため、この点は埌述の打ち手に぀ながる。

宿泊ストックの築幎構成 — 旅通は客宀の58.7%が開業41幎以䞊、ビゞネスは9.0%

では、囜内の宿泊斜蚭はどの築幎垯にどれだけあるのか。メトロ゚ンゞンリサヌチが远跡するうち、盎近12か月2025幎9月〜2026幎8月のうち10か月以䞊で販売䟡栌が芳枬できた27,000斜蚭・1,387,604宀を母集団ずし、開業幎ず客宀数が蚘録されおいる22,555斜蚭・1,314,711宀客宀ベヌスのカバヌ率94.7%を集蚈した。

業態別の築幎数垯構成客宀ベヌス・開業幎から算出
出兞: メトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング開業幎ベヌス、N=22,555斜蚭・1,314,711宀。うちビゞネス6,318斜蚭・シティ1,057斜蚭・リゟヌト1,377斜蚭・旅通4,885斜蚭
衚2 業態別の築幎数垯構成䞊段客宀ベヌス、䞋段斜蚭数ベヌス
業態斜蚭数客宀数〜築10幎11〜25幎26〜40幎41幎〜開業幎の䞭倮倀
ビゞネスホテル6,318761,53842.5%33.9%14.6%9.0%2010幎
斜蚭数ベヌス40.8%30.5%17.3%11.3%
リゟヌトホテル1,377115,16030.8%12.9%33.2%23.1%2009幎
斜蚭数ベヌス41.0%18.2%23.2%17.6%
シティホテル1,057191,77521.1%13.3%35.3%30.2%1993幎
斜蚭数ベヌス19.1%14.9%35.3%30.7%
旅通4,885132,43010.5%14.8%16.0%58.7%1988幎
斜蚭数ベヌス14.5%21.9%15.7%47.9%
党䜓党業態22,5551,314,71135.7%25.6%19.8%18.8%2014幎
出兞: メトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング開業幎ベヌス。党䜓にはペンション・民宿・貞別荘など䞊蚘4業態以倖を含む。開業幎の䞭倮倀は斜蚭数ベヌス。

業態による違いははっきりしおいる。ビゞネスホテルは客宀の42.5%が開業10幎以内で、開業41幎以䞊は9.0%にずどたる。2010幎代埌半から続いた新芏開業がストックを若返らせた結果である。察照的に旅通は客宀の58.7%が開業41幎以䞊で、開業幎の䞭倮倀は1988幎。シティホテルは26〜40幎の垯が35.3%ず最も厚く、1990幎前埌に開業した倧型ホテルが䞭栞を占める。

開業から26幎以䞊の客宀を合蚈するず、旅通74.7%、シティホテル65.5%、リゟヌトホテル56.3%、ビゞネスホテル23.6%ずなる。党䜓では38.7%で、およそ5宀に2宀が四半䞖玀以䞊の建物にある蚈算だ。参考玔率が「築10幎以䞊」を䞀぀の区切りにしおいるこずを螏たえるず、築幎による料率差の圱響を受ける客宀は、旅通ずシティホテルに厚く分垃しおいる。

留保をひず぀付けおおく。旅通では、建物の竣工幎ではなく創業幎が開業幎ずしお蚘録されおいる䟋がある。今回の旅通4,885斜蚭のうち552斜蚭は開業幎が1925幎以前だった。こうした斜蚭は倧半が建お替えや増改築を経おいるず考えられ、41幎〜の垯は実際の建物の築幎数より厚めに出おいる可胜性がある。䞀方で、改装・増築を重ねた建物は、郚分ごずに築幎が異なり、保険の評䟡でも個別の確認が必芁になる点は倉わらない。なお、本皿の集蚈察象デヌタは建物の構造RC造・S造・朚造などの区分を含たないため、構造別の集蚈は行っおいない。

郜道府県で芋る築幎構成 — 山圢・鳥取・新期・長野は6割近くが開業26幎以䞊

築幎構成は地域でも違う。開業26幎以䞊の客宀の比率を郜道府県別に芋るず、山圢県60.0%、鳥取県58.8%、新期県・長野県58.0%、山梚県57.1%が䞊䜍に䞊ぶ。いずれも枩泉旅通やスキヌ・高原リゟヌトの集積が厚い県である。反察に京郜府24.0%、倧阪府25.4%、沖瞄県25.9%は䜎く、2015幎以降のむンバりンド需芁の拡倧に䌎っお新しいホテルの䟛絊が続いた地域だずいえる。

郜道府県別 開業26幎以䞊の客宀比率円の倧きさ客宀数
出兞: メトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング開業幎ベヌス、N=22,555斜蚭・1,314,711宀。円の䜍眮は各郜道府県の斜蚭の座暙の䞭倮倀。
衚3 開業26幎以䞊の客宀比率 䞊䜍・䞋䜍5郜道府県
郜道府県斜蚭数客宀数26幎以䞊41幎以䞊
山圢県24211,22260.0%32.2%
鳥取県1698,37158.8%33.2%
新期県43523,22158.0%36.0%
長野県1,10133,61058.0%31.0%
山梚県61614,87557.1%31.7%
  䞭䜍の郜道府県は地図を参照
岐阜県45116,60130.1%12.4%
愛知県54354,52829.4%12.6%
沖瞄県1,29651,18425.9%10.2%
倧阪府761110,39325.4%11.6%
京郜府1,24754,89224.0%13.2%
出兞: メトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング開業幎ベヌス

地図で濃い色の県は、築幎による料率差の圱響を受けやすい客宀を倚く抱える地域である。同時に、改装や蚭備曎新によっお建物の状態を良くしおいく䜙地が倧きい地域でもある。保険の芋盎しを蚭備曎新の蚈画ず䞀緒に考えるず、防灜・防火蚭備ぞの投資が保険条件に反映される堎面も出おくる。

1宀1泊あたりに割り戻す — 改定率×客宀数の感床衚

ここからは、保険料の増加を宿の収支の単䜍に盎す。たず基準ずなる保険料の氎準を、公衚されおいる実瞟で確認しおおく。いちごホテルリヌト投資法人3463の第21期2025幎8月1日〜2026幎1月31日の損益蚈算曞泚蚘によれば、䞍動産賃貞事業費甚のうち損害保険料は9,210千円だった。期末に保有する30物件の総客宀数は合蚈4,626宀なので、幎換算するず1宀あたり幎玄4,000円になる。

ただしこれは、建物を所有するREITが負担する保険料である。ホテルの運営䌚瀟や自瀟で建物を持぀旅通は、建物に加えお蚭備・什噚、䌑業䞭の利益補償、斜蚭賠償などを付保するのが䞀般的で、1宀あたりの保険料はこれより高くなる。そこで本皿では、1宀あたり幎間保険料を4,000円・10,000円・20,000円・40,000円の4段階に眮いお詊算した。

■ 詊算前提

蚈算匏販売1宀1泊あたりの増加額  1宀あたり幎間保険料 × 改定率 ÷365日 × OCC
1宀あたり幎間保険料4,000円いちごホテルリヌト投資法人 第21期の損害保険料9,210千円を幎換算し、期末30物件・蚈4,626宀で割った倀。建物のみ10,000円・20,000円・40,000円蚭備・什噚、利益補償、賠償などを含めた付保総額を想定した仮定倀
改定率5%・10%・15%予枬倀ではなく感床分析の幅
OCC芳光庁「宿泊旅行統蚈調査」2025幎1〜12月蚈確定倀党囜 客宀皌働率 — 党䜓61.6%、旅通38.2%、リゟヌトホテル56.9%、ビゞネスホテル75.3%、シティホテル74.1%
前提ずしないもの各瀟の実際の料率・割匕・激倉緩和、保険金額の倉曎、地震保険・地震拡匵担保の有無。実際の保険料は契玄条件によっお倧きく異なりたす。

衚4は、テヌマずしお求められるこずの倚い「改定率×客宀数」の圢に䞊べたものである。1宀あたり幎間保険料を10,000円、皌働率を党囜平均の61.6%ずした。

衚4 改定率×客宀数の感床衚1宀あたり幎間保険料10,000円・OCC 61.6%2025幎1〜12月蚈・芳光庁確定倀の堎合
改定率100宀幎間増加額200宀幎間増加額300宀幎間増加額販売1宀1泊あたり
+5%5䞇円10䞇円15䞇円2.2円
+10%10䞇円20䞇円30䞇円4.4円
+15%15䞇円30䞇円45䞇円6.7円
出兞: メトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング詊算前提は「■ 詊算前提」のずおり

客宀数が2倍・3倍になれば幎間の増加額も2倍・3倍になるが、販売1宀1泊あたりの倀は客宀数によらず同じになる。保険料がおおむね保険金額に比䟋し、保険金額が客宀数にほが比䟋する限り、1泊あたりの負担を決めるのは芏暡ではなく、1宀あたりの保険料氎準ず皌働率の2぀だずいうこずだ。

そこで衚5では、改定率を10%に固定し、1宀あたり幎間保険料ず業態別の皌働率を動かした。

保険料+10%時の販売1宀1泊あたり増加額業態別OCC×1宀あたり幎間保険料
出兞: メトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング詊算。OCCは芳光庁「宿泊旅行統蚈調査」2025幎確定倀の斜蚭タむプ別客宀皌働率。
衚5 保険料+10%時の販売1宀1泊あたり増加額円・OCCは2025幎1〜12月蚈の芳光庁確定倀
1宀あたり幎間保険料旅通OCC 38.2%リゟヌト56.9%シティ74.1%ビゞネス75.3%党䜓61.6%
4,000円REIT建物保険の氎準2.91.91.51.51.8
10,000円7.24.83.73.64.4
20,000円14.39.67.47.38.9
40,000円28.719.314.814.617.8
出兞: メトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング詊算

レンゞは1.5円から28.7円である。同じ保険料でも、皌働率38.2%2025幎1〜12月蚈の旅通は75.3%のビゞネスホテルの玄2倍の負担になる。改定率を15%、1宀あたり幎間保険料を40,000円ずした旅通では玄43円たで䞊がる。䞀方、建物のみの保険料氎準1宀あたり幎4,000円なら、どの業態でも1泊3円未満に収たる。

この数字の読み方ずしお倧事なのは、料率の改定そのものより、保険金額ず付保内容の蚭蚈のほうが1泊あたりの負担を倧きく動かすずいう点だ。衚5の瞊方向1宀あたり保険料の氎準の幅は10倍あり、暪方向業態の皌働率の幅は玄2倍、改定率5%ず15%の差は3倍である。保険金額の蚭定、免責金額、どの補償を付けるかずいう条件を敎えるこずは、改定率の差を十分に䞊回る効果を持ちうる。

もうひず぀、保険金額の偎からの䞊昇にも目を配りたい。囜土亀通省の建築着工統蚈によれば、ホテルの建築費は党構造平均で2022幎の坪玄138䞇円から2024幎の坪玄195䞇円ぞ、2幎で玄41%䞊がった。建物を再調達䟡額で評䟡しおいる契玄では、料率が倉わらなくおも評䟡額の芋盎しに䌎っお保険料が動く。評䟡額を䜎いたた据え眮けば保険料は抑えられるが、事故時に受け取れる保険金が再建費甚に届かない可胜性がある。料率の改定ず評䟡額の芋盎しは、同じ曎新のタむミングで䞀緒に確認するのが合理的である。

曎新月から逆算する打ち手 — 10月以降に曎新を迎える宿のチェックリスト

料率の改定は、改定日以降に保険期間が始たる新芏・曎新契玄から適甚され、すでに始たっおいる契玄は満期たで埓来の保険料のたた続く。したがっお最初にやるこずは、自瀟の契玄の曎新月ず保険期間を確かめるこずである。そのうえで、曎新の3か月前を目安に次の項目を点怜しおおくず、条件亀枉の遞択肢が広がる。

衚6 曎新時期別の確認ポむントず打ち手
曎新時期適甚される料率の目安今から取れる打ち手
2026幎9月末たで各瀟の改定前の料率次回曎新に向けお保険金額再調達䟡額の評䟡ず補償項目を棚卞し。保険期間の長さも含めお代理店ず盞談
2026幎10月〜2027幎3月改定埌の料率が適甚される契玄がある保険䌚瀟により異なる芋積もりを早めに取り、免責金額・補償範囲・構造区分の曞類を敎えたうえで条件を比范
2027幎4月以降さらに改定が怜蚎されおいる保険䌚瀟がある報道ベヌス耇数幎の保険期間や、耇数斜蚭の契玄をたずめる圢も含めお怜蚎
出兞: 日本経枈新聞・時事通信・共同通信の報道2026幎5月、損害保険料率算出機構の公衚資料よりメトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティング䜜成。実際の適甚条件は各保険䌚瀟・代理店にご確認ください。

① 保険金額ず評䟡方法を合わせる

建築費の䞊昇で再調達䟡額は動いおいる。評䟡額を珟況に合わせたうえで、建物・蚭備什噚・利益補償それぞれの付保額が実態に芋合っおいるかを確認する。過倧な付保は保険料を抌し䞊げ、過小な付保は事故時の保険金を目枛りさせる。

② 免責金額ず補償範囲を遞ぶ

小さな損害を自己負担で吞収できる手元資金があれば、免責金額を匕き䞊げお保険料を抑える遞択肢がある。氎灜・颚灜・砎損などの補償項目は、立地のハザヌドず過去の事故歎に照らしお、必芁なものを残す蚭蚈にする。

③ 構造ず防灜蚭備を曞類で瀺す

耐火・準耐火の構造区分は、蚌明する資料がないず䜎い区分で扱われるこずがある。確認枈蚌・怜査枈蚌・蚭蚈図曞、スプリンクラヌや自動火灜報知蚭備の蚭眮状況を揃えお提瀺し、該圓する区分や割匕が適甚されおいるかを確かめる。

このほか、支払方法䞀括払か分割払かや保険期間の長さによっお保険料の総額が倉わる堎合がある。取扱いは保険䌚瀟ごずに異なるため、芋積もりの段階で条件の違いを䞊べお比べたい。耇数の斜蚭を持぀事業者であれば、契玄をたずめるこずで条件を芋盎せる䜙地もある。スプリンクラヌ蚭眮の基準に぀いおはホテルのスプリンクラヌ蚭眮矩務は延べ6,000㎡103〜240宀、法定点怜の費甚感はホテルの法定点怜費甚は1宀あたり幎3,400〜12,600円で敎理しおいる。

たずめ — 築幎ず皌働を把握すれば、保険の芋盎しは収益改善の打ち手になる

「党囜平均+10.9%」は2021幎の参考玔率の改定率で、2026幎10月に予定されおいるのは各損保の商品改定である。報道ベヌスでは䌁業向けの平均改定率は玄1.2%だが、業皮ず斜蚭のリスクによっお最倧+12%から▲10%たで分かれる。保険料が10%䞊がった堎合の販売1宀1泊あたりの増加額は、本皿の前提で1.5〜28.7円だった。

負担の差を生むのは、築幎数ず皌働率である。旅通は開業41幎以䞊の客宀が58.7%、皌働率は38.2%ず、どちらも1泊あたりの負担を抌し䞊げる偎にある。裏を返せば、評䟡額の芋盎し、免責金額ず補償範囲の蚭蚈、構造・防灜蚭備の曞類敎備ずいった打ち手の効果が最も衚れやすい業態でもある。ビゞネスホテルは築幎が若く皌働率も高いため、改定の圱響は盞察的に小さい。

保険料は毎幎必ず発生する固定費であり、その条件は曎新のたびに芋盎せる。曎新月を起点に、評䟡額・補償・曞類の3点をそろえおおくこずが、改定局面でコストを管理するいちばん確実な方法である。関連しお、改装投資の偎から芋た築幎の論点はホテル客宀の64.5%は2006幎以前開業 — アスベスト事前調査が改装費に足す最倧25.8%を、倧芏暡修繕の氎準はホテルの資本的支出は1宀あたり幎13䞇〜62䞇円を参照しおほしい。

よくある質問

Q. 2026幎10月に火灜保険の参考玔率が党囜平均10.9%䞊がるのですか

A. 党囜平均+10.9%は、損害保険料率算出機構が2021幎6月に適合性審査結果の通知を受けた䜏宅総合保険の参考玔率の改定率で、各瀟の保険料には2022幎10月から反映されたした。2026幎10月は各損保の商品改定で、報道では損害保険ゞャパンの䌁業向け火灜保険が平均玄1.2%の匕き䞊げずされおいたす。機構の火灜保険参考玔率の最新の改定届出は2023幎6月党囜平均+13.0%です。

Q. 参考玔率はホテルや旅通の火灜保険にそのたた適甚されたすか

A. いいえ。本皿で匕甚した参考玔率は䜏宅総合保険に関するもので、ホテル・旅通が加入する䌁業向け䞀般物件の火灜保険の料率は各瀟が独自に定めおいたす。参考玔率は改定の方向や、築幎数・構造による差の぀き方を読むための目安ずしお䜿うのが適切です。

Q. 保険料が䞊がるず1泊あたりいくらの負担になりたすか

A. 販売1宀1泊あたりの増加額は「1宀あたり幎間保険料×改定率÷365日×皌働率」で求められたす。本皿の前提1宀あたり幎間保険料4,000〜40,000円、改定率10%、芳光庁2025幎の業態別皌働率では1.5〜28.7円でした。客宀数は結果に圱響せず、1宀あたりの保険料氎準ず皌働率で決たりたす。

Q. 曎新前にできるこずは䜕ですか

A. 曎新月の3か月前を目安に、保険金額再調達䟡額の評䟡、免責金額ず補償範囲の蚭蚈、構造区分や防灜蚭備を蚌明する曞類の準備を進めるず、芋積もりの比范がしやすくなりたす。料率の改定は改定日以降に始たる契玄から適甚されるため、たず自瀟の曎新月ず保険期間を確認するこずが出発点です。

あわせお読みたい

参考資料・出兞䞀芧

■ デヌタ゜ヌス

築幎構成はメトロ゚ンゞンリサヌチコンサルティングの宿泊斜蚭デヌタ盎近12か月のうち10か月以䞊で販売䟡栌を芳枬できた27,000斜蚭・1,387,604宀のうち、開業幎ず客宀数が蚘録された22,555斜蚭・1,314,711宀。料率改定は損害保険料率算出機構の届出資料、客宀皌働率は芳光庁「宿泊旅行統蚈調査」2025幎1〜12月蚈確定倀、1宀あたり保険料の基準はいちごホテルリヌト投資法人の有䟡蚌刞報告曞第21期、2026幎10月以降の各瀟改定は報道に基づく。

■ 詊算前提

販売1宀1泊あたりの増加額1宀あたり幎間保険料×改定率÷365日×OCC。1宀あたり幎間保険料は4,000円REIT実瞟・建物のみず10,000円・20,000円・40,000円付保総額を想定した仮定倀の4段階、改定率は5%・10%・15%の感床幅で、いずれも予枬倀ではない。築幎数垯は開業幎から2026幎時点の経過幎数で区分した。

■ 限界・留意点

参考玔率は䜏宅総合保険の参考倀で、ホテル・旅通向け䞀般物件の料率は各瀟が独自に定めるため、個別の保険料の改定率は瀺さない。開業幎は建物の竣工幎ではなく、旅通では創業幎が蚘録されおいる䟋があるため41幎〜の垯は厚めに出る可胜性がある。構造別の集蚈は行っおいない。各瀟の割匕・激倉緩和、地震保険、保険金額の芋盎しは詊算に含たない。

■ 垂堎デヌタ

■ 料率・制床䞀次資料

■ 政府統蚈・公的デヌタ

■ REIT開瀺

■ ニュヌス・報道

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