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車中泊プランの相場は1台3,300円 — 宿の駐車場を売る99軒とRVパーク686件【2026年秋】

投稿日 : 2026.09.23

指定なし

車中泊プランの相場は1台3,300円 — 宿の駐車場を売る99軒とRVパーク686件【2026年秋】

秋のドライブシーズンに入り、車で移動する旅行者の受け皿が全国で増えている。日本RV協会が認定する車中泊施設「RVパーク」は2026年8月末時点で全国686件(2026年9月4日発表)、国土交通省が登録する「道の駅」は令和8年9月4日現在で1,234駅にのぼる。この数字は通常、宿泊施設にとって「客室の外に流れていく需要」として語られてきた。

だが、見方を変えれば別の読み方ができる。車中泊の旅行者が対価を払っているのは「安全に停められる区画」「トイレ」「風呂」であり、その3つは多くの宿がすでに持っている。本稿は、宿の駐車場と入浴設備を1台いくらの商品として値付けできるかを、実際に販売されているプランの料金と公開データから逆算する。

既刊との線引き:ホテルバンクでは既にスマートIC事業中50箇所、10km圏の客室は中央値1,130室 — 高速IC周辺の宿泊供給空白マップ2026お盆マイカー帰省で選ばれる「高速IC近接の宿」を公開している。いずれも「宿に泊まる車客」を扱った記事だ。本稿の主題は「宿に泊まらない車客をどう商品化するか」であり、対象が異なる。

本記事における指標の定義

  • ADR(平均客室単価):各施設がOTA等で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値(エリアの標準的な施設の水準)。
  • 客室ストック:直近3ヶ月(2026年6月17日〜9月17日)に宿泊価格の観測があった施設の客室数合計。営業実態のない登録施設を除くための定義であり、OTA等に掲載のない旅館・民宿・簡易宿所は含みません。
  • 高速IC近の言及率:宿泊者口コミのうち、立地について「高速道路のインターチェンジが近い」「車でのアクセスが良い」といった趣旨の言及が含まれた口コミの割合(直近24ヶ月・2024年9月以降に投稿された口コミを対象)。評価点ではなく言及の頻度です。
  • データ出典:メトロエンジンリサーチ/一般社団法人日本RV協会/国土交通省/くるま旅クラブ株式会社(各節に明記)
Key Takeaways
  • — 車中泊の受け皿はRVパーク686件・道の駅1,234駅まで増えたが、宿の駐車場を開放する湯YOUパークは99軒。観測できる38,174施設の0.26%にとどまる。
  • — 公開プラン名406.6万件のうち「車中泊」を含むのは46件(0.001%)。うち16件が入浴を束ねており、価値は「駐車区画+風呂」に集約されている。
  • — 1台1泊の相場は3,300円(掲載377区画の中央値、中位50%は2,500〜3,850円)。推定成約ADR全国中央値約9,500円の約35%を、1泊ごとの変動費をほとんど伴わずに積める。
  • — 実販売事例では自館の入浴を束ねて平日5,500円が成立(仙石原品の木一の湯)。100台の駐車場で10区画・稼働50%なら秋91日間で約150万円、入浴込みで約265万円。
  • — 需要(車アクセスの口コミ言及率)と供給(客室1万室あたりRVパーク密度)がともに上位なのは滋賀・静岡・三重・山梨・福島の5県。

車中泊の受け皿は3層ある — RVパーク686件、道の駅1,234駅、宿の駐車場99軒

車中泊の受け皿は、運営主体と課金構造で3層に分かれる。この層の違いが、宿にとっての意味をそのまま決めている。

車中泊の受け皿3層 — 制度・件数・運営主体・課金構造の比較
制度件数運営・登録主体課金宿にとっての意味
RVパーク686件一般社団法人日本RV協会(認定)有料(施設が設定)認定要件を満たせば宿の駐車場も認定対象になる
道の駅1,234駅国土交通省(登録)駐車場は原則無料無料の代替。ただし仮眠目的の休憩施設で宿泊用途ではない
湯YOUパーク99件くるま旅クラブ株式会社(日本RV協会子会社)有料(入浴を含む設計)旅館・ホテル・日帰り温泉の余剰駐車場を活用する枠組み

出典:一般社団法人日本RV協会(2026年8月末時点・2026年9月4日発表)/国土交通省「道の駅」一覧(令和8年9月4日現在)/くるま旅クラブ株式会社「湯YOUパークパートナー一覧」(2026年9月18日時点の提携施設数)

注目すべきは3層目の規模感である。宿の駐車場を車中泊向けに開放する枠組みである湯YOUパークの提携施設は99件。一方、当社が直近3ヶ月に宿泊価格を観測できた国内の宿泊施設は38,174施設・1,593,959室にのぼる。駐車場という資産を持ちながら、それを車中泊向けの商品として登録している宿は、観測できる施設母数の0.26%にとどまる。

湯YOUパークのエリア別内訳は、北陸・甲信越が20件で最も多く、以下、関東12件、中国12件、東北10件と続く。都道府県単位では長野県の12件が最多だ。温泉地と車移動が重なる地域に集中している一方、四国は4件と薄い。

出典:一般社団法人日本RV協会 RVパーク掲載情報(2026年9月17日確認・掲載ベース597件)/くるま旅クラブ株式会社「湯YOUパークパートナー一覧」(2026年9月18日時点)よりホテルバンク編集部作成

※RVパークの都道府県別件数は公式検索サイトの掲載情報から集計した597件が対象。協会が公表する認定件数686件との差は、掲載作業が追いついていない施設があると公式FAQに記載されているためであり、県別の順位は掲載ベースの傾向として参照されたい。

公開プラン名407万件のうち「車中泊」は46件 — 商品化はまだ始まっていない

受け皿の制度は整いつつあるが、宿が自ら「車中泊」を名前に掲げて売っている例は、まだきわめて少ない。当社が収集した公開プラン名の集計(重複除去後4,066,359件)のうち、名称に「車中泊」を含むものは46件だった。比率にすると0.001%である。

この46件を分解すると、車中泊プランが何を束ねた商品なのかが見えてくる。

「車中泊」を含む公開プラン名46件に現れる構成要素の内訳
プラン名に含まれる要素件数構成比読み取れること
入浴・温泉・風呂・湯1634.8%入浴を明示的に束ねている。単価の主要な根拠
RVパーク(認定表示)1634.8%協会認定を信頼材料として名前に出している
素泊まり1328.3%食事なしを明示。客室商品との混同を避ける表示
電源・コンセント・充電715.2%電源は差別化要素。付けている宿は少数
トイレ48.7%24時間トイレは要件だが、訴求としては使われていない

出典:メトロエンジンリサーチ(公開プラン名 N=4,066,359件/うち「車中泊」を含むもの46件)よりホテルバンク編集部作成

要素の並びから分かるのは、車中泊プランの価値が「駐車区画+入浴」の組み合わせに集約されているという点だ。入浴を束ねた名称が16件と最多で、電源を名前に出しているのは7件しかない。電源設備の新設には工事が伴うが、大浴場や立寄り湯はすでに稼働している宿が多い。つまり追加投資がほぼ不要な組み合わせで、すでに商品が成立しているということになる。

車で来る客が厚い県 — 滋賀0.86%・静岡0.68%、全国平均は0.23%

どのエリアで車中泊の商品化が効くのかを、需要側の手がかりから絞り込む。宿泊者口コミのうち、立地について高速インターの近さや車アクセスの良さに言及した口コミの割合を都道府県別に集計した。対象は2024年9月以降に投稿された口コミ8,676,710件で、うち該当する言及は20,295件(全国0.23%)だった。

出典:ホテルバンク編集部調べ(2024年9月〜2026年9月に投稿された宿泊者口コミ N=8,676,710件を分析)

首位は滋賀県の0.86%で、全国平均の3.7倍にあたる。以下、静岡県0.68%、徳島県0.61%、福島県0.59%、新潟県0.57%と続く。いずれも大都市圏を縦断する高速道路の通過県、あるいは鉄道より車での到達が現実的な地域だ。逆に東京都0.08%、神奈川県0.08%、大阪府0.14%と、鉄道結節の強い都市圏では言及がほとんど出ない。この構造は既刊のホテル駐車場が評価される街、されない街で示した傾向と一致している。

次に、供給側の密度を見る。客室ストック1万室あたりのRVパーク件数を取ると、車中泊の受け皿が客室に対して相対的に厚い県が浮かび上がる。

出典:一般社団法人日本RV協会 RVパーク掲載情報(2026年9月17日確認)/メトロエンジンリサーチ(客室ストック N=38,174施設・1,593,959室)よりホテルバンク編集部作成

山梨県11.65件、滋賀県11.55件、茨城県11.01件、和歌山県10.61件、三重県10.16件が上位に並ぶ。客室ストックが厚い東京都は0.05件、大阪府0.45件、神奈川県1.24件と2桁違う。滋賀県・静岡県・三重県・山梨県・福島県は、需要側の言及率と供給側の密度がともに上位に入る県であり、車で来る客の厚みと、車中泊の受け皿の厚みが重なっている。

需要の厚みと受け皿の重なり — 47都道府県マップ

円の大きさはRVパークと湯YOUパークの合計件数、色は高速IC近の口コミ言及率を示す。濃い円が重なる地域が、車で来る客と受け皿の両方が厚いエリアだ。

出典:一般社団法人日本RV協会 RVパーク掲載情報(2026年9月17日確認)/くるま旅クラブ株式会社(2026年9月18日時点)/ホテルバンク編集部調べ(口コミ N=8,676,710件)

客室ストック1万室あたりRVパーク件数 上位20県と需要側の言及率・推定成約ADR
都道府県RVパーク湯YOUパーク道の駅客室ストック1万室あたりRVパーク高速IC近言及率推定ADR(2025年秋)
山梨県2422220,606室11.650.43%¥11,600
滋賀県1412012,119室11.550.86%¥9,100
茨城県2351620,884室11.010.33%¥6,900
和歌山県1523614,142室10.610.18%¥9,500
三重県2331822,629室10.160.46%¥11,100
徳島県70187,425室9.430.61%¥6,100
奈良県70188,838室7.920.14%¥14,500
福島県2203728,079室7.840.59%¥7,500
兵庫県3143741,253室7.510.24%
静岡県4122754,651室7.500.68%¥13,200
福井県812111,031室7.250.34%¥11,100
島根県702910,209室6.860.20%¥10,700
千葉県3812956,826室6.690.18%¥10,100
香川県921813,494室6.670.35%¥8,000
鳥取県63179,305室6.450.13%¥8,600
佐賀県53118,017室6.240.33%¥12,200
山口県922414,757室6.100.40%¥7,500
青森県912814,791室6.080.18%¥8,000
岐阜県1335521,551室6.030.33%¥11,900
群馬県1413323,247室6.020.33%¥12,000

出典:一般社団法人日本RV協会/くるま旅クラブ株式会社/国土交通省「道の駅」一覧/メトロエンジンリサーチ/ホテルバンク編集部調べ

※客室ストック1万室あたりRVパーク件数の上位20県。推定ADRは2025年9〜11月の推定成約ADR平均。兵庫県は対象施設数が薄いため掲載を控えた。

1台1泊の相場は3,300円 — 掲載377区画の中央値

では、駐車区画1台はいくらの商品なのか。RVパークの公式掲載情報から、料金表示のあった377区画の1台1泊料金を集計した。中央値は3,300円、中位50%のレンジは2,500〜3,850円だった。

出典:一般社団法人日本RV協会 RVパーク掲載情報(2026年9月17日確認、都道府県別検索結果に料金表示のあった N=377区画)よりホテルバンク編集部作成

3,000〜3,999円が43.2%で最も厚く、2,000〜2,999円が28.1%。5,000円以上の区画も11.1%あり、上限は入浴や電源、貸切風呂などを束ねた設計で形成されている。

この相場を客室単価と並べると、位置関係がはっきりする。2025年秋(9〜11月)の推定成約ADRの全国中央値は約9,500円だった。1台3,300円は、その約35%の水準にあたる。ただし駐車区画は客室と異なり、清掃・リネン・アメニティといった1泊ごとの変動費がほとんど発生しない。同じ売上でも手元に残る比率は客室より高くなる構造にある。

実販売事例 — 仙石原品の木一の湯「車中泊ビギナープラン」の値付け

相場の上限側に、参考になる実販売事例がある。箱根で温泉旅館を展開する株式会社一の湯は2026年6月4日、仙石原品の木一の湯で「車中泊ビギナープラン」の販売を発表した。同社は「道の駅ならぬ道の湯」を掲げており、旅館の設備を車中泊客に開放する設計になっている。

仙石原品の木一の湯「車中泊ビギナープラン」の販売条件
項目内容
実施施設仙石原品の木一の湯(神奈川県足柄下郡箱根町仙石原)
料金(1台・税込)平日 5,500円/繁忙期 6,600円/休前日 7,700円
含まれるもの指定駐車場での車中泊、大浴場の時間内無制限利用、24時間トイレ、電子レンジ、タオル
大浴場の通常料金1,400円(プラン内では時間内何度でも利用可)
オプションポータブル電源レンタル 1,100円/ロビーのフリードリンク 1名1,100円
販売期間2026年6月10日〜9月30日(予定)
受入台数1日1台限定
車両条件全長5m×全幅2m以上の車両は利用不可

出典:株式会社一の湯 プレスリリース(2026年6月4日)。ホテルバンク編集部が2026年9月17日に内容を確認

平日5,500円という設定は、RVパーク掲載区画の中央値3,300円を2,200円上回る。差額の根拠として明快なのが大浴場の通常料金1,400円であり、2名で利用すれば入浴分だけで2,800円に相当する。駐車区画の使用料に自館の入浴を束ねることで、区画単体の相場を上回る単価が成立していることになる。1日1台限定という絞り込みも、既存の宿泊客の駐車場と競合させない運用設計として理解できる。

検索データ側でも、この商品への関心は確認できる。ホテルバンクでは「一の湯 車中泊」「箱根 一の湯 車中泊」といった宿名×車中泊の検索から流入が発生しており、車中泊の受け入れが宿の指名検索を生む商品になり得ることを示している。

100台の駐車場を持つロードサイド旅館の試算 — 10区画の開放で秋90万〜210万円

ここまでの実測値を使って、駐車場を商品化した場合の売上規模を試算する。対象は幹線道路沿いに100台の駐車場を持つ旅館で、そのうち一部を車中泊用に開放するケースを想定した。あくまで公開データに基づく簡易試算であり、実際の導入判断には各施設の駐車場稼働状況と設備条件の確認が必要である。

ロードサイド旅館100台の駐車場を車中泊向けに開放する場合の試算前提
前提設定根拠
対象期間秋の91日間(9月1日〜11月30日)秋のドライブシーズン
開放区画10区画/20区画/30区画(総100台のうち)既存宿泊客の駐車需要を確保した上での余剰分
区画単価3,300円/台・泊(入浴別料金)RVパーク掲載377区画の中央値
入浴を束ねる場合5,820円/台・泊3,300円+立寄り入浴1,400円×平均1.8名
区画稼働率30%/50%/70%の3シナリオ感度を見るための幅

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

開放区画数×区画稼働率別の秋91日間(9月1日〜11月30日)売上試算
開放区画稼働30%稼働50%稼働70%稼働50%・入浴込み
10区画¥900,900¥1,501,500¥2,102,100¥2,648,100
20区画¥1,801,800¥3,003,000¥4,204,200¥5,296,200
30区画¥2,702,700¥4,504,500¥6,306,300¥7,944,300

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成(秋91日間の簡易試算)

10区画・稼働50%で秋の3ヶ月に約150万円、入浴を束ねれば約265万円。30区画まで広げ、入浴込みで稼働50%なら約794万円になる。1区画あたりに落とすと、稼働50%の秋91日間で約15万円の売上だ。通年(365日・稼働40%)に換算すれば10区画で約480万円規模になる。

この売上のアップサイドが効いてくるのは、平日の駐車場が空いているロードサイド立地の宿である。駐車場そのものを貸し出す形での収益化については、ホテルの屋上・遊休駐車場を貸すと年334万〜974万円でNOIへの寄与を試算している。既刊の廃校ホテル転用投資マップ2026で扱った遊休ストックの活用と発想は同じで、こちらはすでに保有している資産を、建てずに商品化する方向の話になる。

秋から始めるための要件整理 — 認定条件は設備ではなく運用で決まる

日本RV協会が公表するRVパークの認定条件を整理すると、宿が新たに設備投資すべき項目は限られている。多くは既存設備の開放時間と運用ルールの設計で満たせる内容だ。

RVパーク認定条件と多くの宿での対応状況
認定条件内容多くの宿での状況
駐車スペース幅4m×縦7m既存区画の統合・線引き変更で対応できる範囲
トイレ24時間利用可能館内トイレの夜間開放と動線分離の設計が論点
電源100V電源が使用可能(1台20A以上推奨)新設工事が必要になる可能性がある項目
入浴施設近隣にあること(車で15分圏内)自館に大浴場があれば最も強い差別化要素になる
ゴミ処理対応可能なこと既存の廃棄物処理の枠内で運用設計が可能
出入り入退場制限を緩やかに(いつでも出入り可)夜間のフロント無人化との整合が論点
看板設置(ロゴは協会が提供)導入コストは軽い
連泊複数日の利用が可能客室在庫と異なる販売単位の設計が必要

出典:一般社団法人日本RV協会「RVパーク」認定条件(2026年9月17日確認)よりホテルバンク編集部作成

設備面で唯一まとまった投資が必要になるのは電源だ。前述のとおり、公開プラン名46件のうち電源を名前に出しているのは7件にすぎず、電源を備えることは現時点では明確な差別化余地として残っている。一方で一の湯の事例のように、ポータブル電源のレンタル(1,100円)を有料オプションに置くことで、工事を伴わずに電源需要へ応える設計も成立している。

まとめ — 受け皿は686件に増え、宿側の参加は99軒にとどまる

本稿の要点を整理する。

第一に、受け皿の制度は整った。RVパークは686件、道の駅は1,234駅。車中泊の旅行者が「どこに停めるか」で困る局面は、少なくとも制度上は解消に向かっている。

第二に、宿側の参加はまだ始まっていない。宿の駐車場を開放する湯YOUパークは99件、公開プラン名407万件のうち「車中泊」を含むものは46件。駐車場と入浴設備という必要条件を満たす宿は全国に数万規模で存在するが、それを商品として値付けしている例はきわめて少ない。

第三に、値付けの参照点は明確である。区画単体の相場は1台1泊3,300円(中央値)。自館の入浴を束ねれば、実販売事例では平日5,500円という設定が成立している。推定成約ADRの全国中央値約9,500円に対し、区画単体でも約35%の単価を、変動費をほとんど伴わずに積むことができる。

第四に、効くエリアは特定できる。滋賀県・静岡県・三重県・山梨県・福島県は、車で来る客の口コミ言及率と、客室ストックに対するRVパーク密度がともに上位に入る。秋のドライブシーズンにこの商品を立ち上げる余地が最も大きい地域である。

車中泊は、宿の外で起きている現象ではない。駐車場と風呂という既存資産に値札を付けるかどうかという、宿側の商品設計の問題である。

あわせて読みたい

参考資料・出典一覧

■ 車中泊施設・制度

■ 政府統計・公的データ

■ 事業者発表

■ 市場データ

  • メトロエンジンリサーチ — 推定成約ADR(2025年9〜11月・都道府県別)、客室ストック(2026年6月17日〜9月17日に価格観測があった38,174施設・1,593,959室)、公開プラン名の集計(N=4,066,359件)
  • ホテルバンク編集部調べ — 宿泊者口コミの立地言及分析(2024年9月〜2026年9月に投稿された N=8,676,710件)

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