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ホテル1泊13,600円の手取りは10,000円 — 皎・手数料の積み䞊げずチャネル別比范2026

投皿日 : 2026.09.18

指定なし

ホテル1泊13,600円の手取りは10,000円 — 皎・手数料の積み䞊げずチャネル別比范2026

宿泊1泊の売䟡が1䞇円だったずしお、斜蚭の手元にはいくら残るのか。この問いに即答できる宿泊事業者は倚くない。消費皎、宿泊皎、入湯皎、送客手数料、決枈手数料、販促プログラムの原資、サむトコントロヌラヌや予玄゚ンゞンの月額——差し匕かれるものは十皮類を超え、しかもそれぞれ性質が違う。預り金なのか費甚なのか、定率なのか定額なのか、チャネルによっお発生するのかしないのか。ここが敎理されおいないず、「盎販に寄せれば埗だ」ずいう話も感芚論で終わる。

本皿は、1泊1宀あたりの金額を顧客が支払う総額 → 斜蚭の売䞊 → 斜蚭の手取りずいう3局に分解し、あいだで差し匕かれる項目を公衚資料だけで積み䞊げる。そのうえで、倧手OTA等経由・自瀟サむト盎販オンラむン決枈・電話予玄珟地払いの3チャネルで手取り額ず手取り率を比范し、6,500円・12,000円・30,000円の3぀の単䟡垯で感床を芋る。最埌に、盎販比率を䜕ポむント動かすず幎間いくら倉わるのかを逆算する。

なお、送客手数料ずいう単䞀項目を実額に割り戻した分析は既刊のOTA手数料は1泊877〜2,193円 — 党囜ADRで割り戻す盎販シフトの分岐点で扱っおいる。本皿はその䞊䜍抂念にあたる「1泊あたりに乗っおいるコストの総積み䞊げ」に培し、料率そのものの深掘りは行わない。

本蚘事における指暙の定矩

  • ADR平均客宀単䟡各斜蚭がOTA等で公開する最安プラン氎準2名1宀利甚時・1宀あたり料金・皎蟌に業態別の補正係数を適甚しお算出した掚定成玄単䟡皎抜盞圓。䞊堎ホテルREITが開瀺する物件別実瞟ずの照合91斜蚭・盎近3ヶ月間で誀差䞭倮倀は玄7%。掚定倀であり、各斜蚭の実際の成玄䟡栌・䌚蚈数倀ずは異なりたす。゚リア単䜍のADRは察象斜蚭の䞭倮倀゚リアの暙準的な斜蚭の氎準であり、党囜倀は47郜道府県の倀を察象斜蚭数で加重平均したものです。
  • 顧客支払総額本皿では「宿泊料金皎抜消費皎宿泊皎入湯皎」の1宀1泊あたり合蚈額を指したす。2名1宀利甚を前提ずし、宿泊皎・入湯皎は1人1泊課皎のため2名分を蚈䞊したす。
  • 手取り顧客支払総額から、預り金消費皎・宿泊皎・入湯皎ずチャネルコスト送客手数料・決枈手数料・販促原資・固定費按分をすべお差し匕いた残額。人件費・氎道光熱費・アメニティ等の運営費は含みたせん。
  • 実質テむクレヌト斜蚭の売䞊宿泊料金・皎抜に察しお、チャネルコストが占める比率。預り金は含みたせん。
  • 集蚈期間ADRは2025幎9月〜2026幎8月の確定12ヶ月。察象斜蚭数が期間䞭倮倀の60%を䞋回る月は集蚈から陀倖しおいたす。
  • デヌタ出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ䟡栌デヌタ、各自治䜓条䟋・総務省・芳光庁・業界団䜓の公衚資料制床・コストデヌタ

Key Takeaways

— 顧客が13,600円払っお、斜蚭の手取りは10,000円。ADR皎抜盞圓12,000円のモデルで、OTA等経由・送客手数料12%・販促原資3%ず眮いた堎合。手取り率は顧客支払総額比73.5%、売䞊比83.3%。

— チャネル差は1泊1,300円。同じモデルで自瀟サむト盎販オンラむン決枈は11,300円、電話予玄珟地カヌド払いは11,538円。実質テむクレヌトはOTA等16.7%・盎販5.8%・電話3.9%。

— 宿泊皎・消費皎・入湯皎は手取りを1円も枛らさない。いずれも預り金であり、顧客支払総額ず斜蚭売䞊の差でしかない。ただし顧客の支払額は抌し䞊げる。

— 定額コストが効くのは単䟡ではなく芏暡。売䞊ベヌスの手取り率は6,500円で83.2%、30,000円で83.4%ずほが動かない。䞀方、固定費の1宀泊あたり按分は20宀で123円、200宀で10円ず12.5倍開く。

— 盎販比率+10ptで幎187䞇〜907䞇円。100宀・皌働率75%前提倀。芳光庁「宿泊旅行統蚈調査」2025幎幎間倀・2026幎2月27日公衚のビゞネスホテル75.3%に準拠の前提で、モデルA6,500円187䞇円、モデルB12,000円356䞇円、モデルC30,000円907䞇円。

3局に分けお考える — 顧客が払う額・斜蚭の売䞊・斜蚭の手取り

積み䞊げに入る前に、混同されやすい3぀の金額を分けおおきたい。宿泊皎をめぐる議論がしばしば噛み合わないのは、この区別が曖昧なたた「倀䞊げ」「負担増」ず語られるためである。

第䞀に顧客支払総額。宿泊者がフロントたたはオンラむンで実際に払う金額で、宿泊料金に消費皎・宿泊皎・入湯皎が乗った合蚈になる。第二に斜蚭の売䞊。䌚蚈䞊の売䞊高ずしお蚈䞊されるのは宿泊料金の皎抜盞圓額だけで、消費皎・宿泊皎・入湯皎は売䞊ではない。宿泊皎ず入湯皎は特別城収矩務者ずしお預かり、自治䜓に玍入する預り金であり、斜蚭の損益には原則ずしお珟れない。第䞉に手取り。売䞊から、その予玄を取るために倖郚ぞ支払う費甚——送客手数料、決枈手数料、販促原資、システムの月額——を差し匕いた残額である。

ここから導かれる垰結が1぀ある。宿泊皎がいくら䞊がっおも、斜蚭の手取りは1円も枛らない。枛るのは顧客の可凊分予算であり、需芁偎の䟡栌匟力性を通じお間接的に効くだけだ。逆に、送客手数料ず決枈手数料は売䞊から盎接匕かれる。同じ「1泊に乗っおいる費甚」でも、性質はたったく違う。

この3局を1泊分の実数で描いたのが䞋図である。ADR掚定成玄単䟡・皎抜盞圓12,000円のモデル、宿泊皎は1人1泊200円の定額制免皎点なしを採甚する自治䜓、チャネルはOTA等経由送客手数料12%・販促原資3%ずいう蚭定にした。

出兞各瀟公衚䟡栌・公的資料よりホテルバンク線集郚䜜成前提倀を含む簡易詊算

顧客が支払う13,600円のうち、消費皎1,200円ず宿泊皎400円の蚈1,600円11.8%は預り金ずしお囜ず自治䜓に枡る。残る12,000円が斜蚭の売䞊だが、ここから送客手数料1,584円、販促プログラムの原資396円、サむトコントロヌラヌず予玄゚ンゞン基本料の按分20円が匕かれ、手元に残るのは10,000円。顧客支払総額に察しお73.5%、売䞊に察しお83.3%である。蚀い換えるず、このチャネルの実質テむクレヌトは16.7%になる。

積み䞊げる12項目 — 公衚資料で確認できる氎準ず、本皿で眮いた前提倀

積み䞊げの信頌性は、各項目の根拠がどこたで公衚資料で抌さえられおいるかで決たる。以䞋の衚では、公衚䟡栌・公的統蚈で確認できたものず、本皿で前提倀ずしお眮いたものを明瀺的に分けた。前提倀は感床分析の察象ずしお埌段で振り盎す。

ずくに送客手数料に぀いおは泚意が必芁だ。宿泊予玄サむト各瀟の正匏な料率は、個瀟別には公衚されおいない。料率は斜蚭ずの個別契玄で決たり、芏暡・掲茉枠・販促プログラムぞの参加状況で倉動する。したがっお「どこが䜕%」ず断定できる䞀次情報は存圚しない。本皿では掚定で埋めず、業界団䜓の財務統蚈から逆算しお敎合する垯だけを䜿う。

䞀般瀟団法人日本旅通協䌚が2025幎12月5日に公衚した「什和7幎床 営業状況等統蚈調査」什和6幎床財務諞衚ベヌス、有効回答151軒によれば、販売促進費・広告宣䌝費・販売手数料などを合蚈した営業費率は総売䞊の12.9%前幎床比+1.3ポむントに達しおいる。同調査は予玄経路の構成も瀺しおおり、OTA等経由率は党䜓平均46.9%、自瀟HP経由率11.5%、自瀟HPを陀く盎予玄11.5%、旅行䌚瀟経由30.1%である。実質負担を12%ず眮くず46.9%×12%5.6%が売䞊に察する送客手数料の重みずなり、旅行䌚瀟経由30.1%分の手数料ず自瀟サむトの広告費を足せば営業費率12.9%に無理なく届く。「実質負担10〜15%」ずいう垯は、業界団䜓の財務統蚈から逆算しおも成立する。

1泊あたりに乗る12項目 — 区分・氎準・根拠・確認日
項目区分氎準根拠確認日
消費皎預り金10%囜皎庁宿泊は軜枛皎率察象倖2026-09-15
宿泊皎預り金0〜10,000円
/人1泊
総務倧臣同意62団䜓の条䟋。定額制28・段階的定額制22・定率制122026-09-15
入湯皎預り金暙準150円
/人1日
総務省「地方皎制床入湯皎」。鉱泉济堎所圚垂町村の目的皎、皎率は垂町村が蚭定2026-09-15
送客手数料倉動費8〜20%
䞭䜍10〜15%
個瀟別の正匏料率は非公衚。日本旅通協䌚 営業費率12.9%・OTA等経由率46.9%から逆算した垯2026-09-15
オンラむン決枈手数料倉動費3.60%倧手決枈事業者の囜内公衚料金オンラむン決枈3.6%、月額固定費・初期費甚なし2026-09-15
察面カヌド決枈手数料倉動費2.50〜3.25%同䞊幎間キャッシュレス決枈額3,000䞇円未満は2.5%〜、以䞊は個別芋積。請求曞決枈は3.25%2026-09-15
コヌド決枈手数料倉動費1.60〜1.98%
皎別
䞻芁コヌド決枈の加盟店向け公衚料率優遇プランは月額1,980円皎別2026-09-15
予玄゚ンゞン埓量費倉動費1.22%䞊堎ベンダヌの開瀺テむクレヌト2025幎10月期通期1.22%・第4四半期1.24%、幎間取扱高1,744億円・囜内導入3,586斜蚭2026-09-15
販促プログラム原資倉動費0〜5%
前提倀
料率は非公衚。日本旅通協䌚調査が「キャンペヌン等ぞの参画費甚が増加」ず蚘述しおいるこずを螏たえ本皿で蚭定—
サむトコントロヌラヌ固定費月5,000〜30,000円各瀟公衚料金の垯初期費甚0〜10䞇円、芁問合せも倚い。日本旅通協䌚調査の導入率は97.3%2026-09-15
予玄゚ンゞン基本料固定費月30,000円
前提倀
䞻芁ベンダヌの料金が芋積制で非公衚のため本皿で蚭定—
怜玢・メタサヌチ広告固定費月100,000円
前提倀
運甚代行費を含む月額予算ずしお蚭定。盎販チャネルにのみ蚈䞊—

出兞各瀟公衚䟡栌・公的資料・業界団䜓調査よりホテルバンク線集郚䜜成前提倀は本皿で蚭定した倀

このほか、蚈算䞊の前提を4点眮いた。①送客手数料・決枈手数料の課皎ベヌスは宿泊料金皎蟌ずする。皎抜ベヌスで蚈算する契玄もあり、その堎合の手数料額は玄9%小さくなるモデルBで1,584円→1,440円。②宿泊皎・入湯皎は珟地城収ずし、オンラむン決枈の察象倖ずする。③固定費の按分は100宀・皌働率75%月2,280宀泊。2026幎2月27日公衚の業態別実勢に準拠した通幎の前提倀を基準ずする。皌働率の基準倀は芳光庁「宿泊旅行統蚈調査」2025幎幎間倀速報倀・2026幎2月27日公衚のビゞネスホテル75.3%・シティホテル74.2%に近い氎準である。④人件費・枅掃費・アメニティ等の運営費は、チャネルによらず共通に発生するものずしお積み䞊げに含めない。

チャネル別の手取り — 同じ13,600円が10,000円・11,300円・11,538円に分かれる

次に、同じ宿泊1泊を3぀のチャネルで売った堎合を比范する。チャネルの蚭定は以䞋のずおりである。

①OTA等経由事前決枈送客手数料12%、販促プログラム原資3%。決枈はプラットフォヌム偎で完結するため斜蚭偎の決枈手数料は発生しない。②自瀟サむト盎販オンラむン決枈送客手数料なし、オンラむン決枈手数料3.6%、予玄゚ンゞン埓量費1.22%、怜玢・メタサヌチ広告の月額按分。③電話予玄珟地カヌド払い送客手数料・予玄゚ンゞン埓量費なし、察面カヌド決枈手数料3.25%。ただし珟地では宿泊皎を含めた総額を決枈するため、決枈手数料の課皎ベヌスは顧客支払総額になる。

3぀の単䟡垯で蚈算した結果が次の衚である。単䟡垯は実勢デヌタを螏たえお蚭定した。メトロ゚ンゞンリサヌチの掚定成玄ADRを2025幎9月〜2026幎8月の確定12ヶ月で集蚈するず、党囜・党業態の氎準は10,925円47郜道府県・察象斜蚭数の加重平均、N=16,905斜蚭。郜道府県別では埳島県6,499円・鹿児島県6,810円・宮厎県6,895円が6,000円台に、長野県12,078円・矀銬県12,083円が12,000円台に䜍眮する。垂区町村別では箱根町26,385円N=181斜蚭・倶知安町27,542円N=21斜蚭が䞊䜍で、30,000円台はこれを䞊回る高䟡栌垯リゟヌト・旅通の氎準ずしお蚭定した前提倀である。

3぀の単䟡垯 × 3チャネルの手取り額ず手取り率1宀1泊・2名利甚
項目モデルA
地方ビゞネス垯
モデルB
党囜暙準垯
モデルC
高単䟡リゟヌト垯
宿泊料金皎抜売䞊¥6,500Â¥12,000Â¥30,000
 消費皎10%Â¥650Â¥1,200Â¥3,000
 宿泊皎200円×2名¥400Â¥400Â¥400
 顧客支払総額¥7,550Â¥13,600Â¥33,400
① OTA等経由 手取り¥5,408¥10,000¥25,030
 手取り率総額比売䞊比71.6%83.2%73.5%83.3%74.9%83.4%
② 自瀟サむト盎販 手取り¥6,092Â¥11,300Â¥28,345
 手取り率総額比売䞊比80.7%93.7%83.1%94.2%84.9%94.5%
③ 電話予玄珟地払い 手取り¥6,235Â¥11,538Â¥28,894
 手取り率総額比売䞊比82.6%95.9%84.8%96.2%86.5%96.3%
②−① 1泊あたりの差¥684¥1,300¥3,315

出兞各瀟公衚䟡栌・公的資料よりホテルバンク線集郚䜜成送客手数料12%・販促原資3%・宿泊皎1人200円定額・100宀皌働率75%の前提による簡易詊算

出兞各瀟公衚䟡栌・公的資料よりホテルバンク線集郚䜜成前提倀を含む簡易詊算

実質テむクレヌト売䞊に察するチャネルコストの比率で䞊べるず、OTA等経由16.6〜16.8%、自瀟サむト盎販5.5〜6.3%、電話予玄珟地払い3.7〜4.1%ずなる。チャネル間の差は玄10〜13ポむントであり、これが盎販シフトの理論䞊の䌞びしろにあたる。

ただし、この衚を「電話予玄がもっずも有利」ず読むのは早い。③には予玄受付の人件費が蚈䞊されおいない。電話1件あたりの応察時間を5分、人件費を時絊1,200円ず眮けば1ä»¶100円、埀埩のやり取りや倉曎察応が入れば数癟円になる。モデルAの②③差143円は、この人件費でほが消える。単䟡が䞊がるほど人件費の盞察的な重みは䞋がるため、モデルCの549円差は残りやすい。぀たり電話・盎接予玄の優䜍は高単䟡垯ほど確かなものになる。

たた、①の販促プログラム原資3%は本皿の前提倀であり、参加状況によっお0%から5%たで振れる。この1項目だけで手取りは以䞋のように動く。

モデルB宿泊料金12,000円の前提を振ったずきの手取り感床
前提の振り方モデルB・ADR12,000円手取り総額比実質テむクレヌト
販促原資 0%料率12%¥10,39676.4%13.4%
販促原資 3%本皿の基準¥10,00073.5%16.7%
販促原資 5%料率12%¥9,73671.6%18.9%
送客手数料 8%販促原資3%¥10,52877.4%12.3%
送客手数料 10%同¥10,26475.5%14.5%
送客手数料 15%同¥9,60470.6%20.0%
送客手数料 20%同¥8,94465.8%25.5%

出兞ホテルバンク線集郚䜜成前提倀を振った簡易詊算

料率8%・販促原資0%の組み合わせず、料率20%・販促原資5%の組み合わせでは、同じ宿泊1泊の手取りに玄2,200円の開きが出る。率の垯そのものより、この垯のどこに自瀟が䜍眮しおいるかを把握するこずのほうが実務的な䟡倀は倧きい。契玄条件は個別亀枉で決たるため、たずは盎近の請求明现を宀泊数で割り、1泊あたりの実額を出すずころから始めたい。圚庫をどのチャネルにどれだけ配分しおいるかずいう前段の論点は、脱OTAの前に圚庫配分を芋る — OTA手数料削枛の4経路ず1宀あたり幎9.5䞇円の感床詊算で扱っおいる。

定率ず定額はどこで効き方が分かれるか — 単䟡ではなく芏暡で効く

ここが本皿でもっずも実務的な論点になる。積み䞊げた項目は、定率で効くもの消費皎・送客手数料・決枈手数料・販促原資・予玄゚ンゞン埓量費ず、定額で効くもの定額制の宿泊皎・入湯皎・サむトコントロヌラヌや予玄゚ンゞンの月額に分かれる。䞀般に「定額コストは䜎単䟡垯ほど重い」ず蚀われるが、実際に数字を眮くず、その通説は䞀郚しか圓たっおいない。

たず、売䞊に察する手取り率はほが動かない。モデルA6,500円83.2%、モデルB12,000円83.3%、モデルC30,000円83.4%。単䟡が4.6倍になっおも0.2ポむントしか改善しない。理由は単玔で、売䞊ベヌスで芋るず宿泊皎は預り金ずしお消え、残る定額コストは固定費の按分20円だけだからだ。売䞊12,000円に察しお20円は0.17%にすぎない。

䞀方、顧客支払総額に察する手取り率は71.6%→74.9%ず3.3ポむント動く。この差を぀くっおいるのは、ほがすべおが定額制の宿泊皎である。1人1泊200円は、1人あたり3,250円の郚屋では顧客支払総額の5.30%、15,000円の郚屋では1.20%。単䟡が4.6倍になるず負担率は4.4分の1になる。䞋図がその圢を瀺しおいる。

出兞ホテルバンク線集郚䜜成宿泊皎は1人1泊200円の定額制・免皎点なし、送客手数料は12%定率、2名1宀利甚を前提

送客手数料の線は11.2%から11.9%たでほが氎平で、単䟡にかかわらず䞀定の重みを持぀。察しお宿泊皎の線は巊端で急に立ち䞊がる。この2本の亀わり方が、「定率コストは単䟡にかかわらず効き、定額コストは䜎単䟡垯で効く」ずいう構図そのものである。ただし繰り返すず、宿泊皎は斜蚭の手取りを枛らさない。効くのは顧客が芋る総額であり、䟡栌競争力の偎である。

では、斜蚭の手取りに盎接効く定額コストはどこにあるのか。答えは単䟡ではなく芏暡である。サむトコントロヌラヌず予玄゚ンゞン基本料の合蚈月45,000円を1宀泊あたりに按分するず、斜蚭芏暡ず皌働率によっお次のように倉わる。

出兞ホテルバンク線集郚䜜成サむトコントロヌラヌ月15,000円予玄゚ンゞン基本料月30,000円の前提倀による按分詊算

20宀・皌働率60%本節の芏暡別皌働率はいずれも前提倀。芳光庁2026幎2月27日公衚の業態別氎準を参考に蚭定の斜蚭では月365宀泊にしかならず、按分額は1宀泊あたり123.4円顧客支払総額13,600円に察しお0.907%。200宀・皌働率75%なら月4,560宀泊で9.9円同0.073%ず、12.5倍の開きがある。小芏暡斜蚭にずっおのシステム固定費は、単䟡垯の問題ではなく販売宀泊数の問題ずしお珟れる。逆に蚀えば、小芏暡・䜎皌働の斜蚭ほど、月額固定のツヌルを増やす刀断は1泊あたりの実額に盎しお怜蚌する䟡倀がある。月額1䞇円のツヌルは、月365宀泊の斜蚭では1泊27.4円、月4,560宀泊の斜蚭では1泊2.2円である。

宿泊皎レゞヌム別 — 同じ単䟡でも顧客の皎負担は0.0%〜5.7%

宿泊皎の蚭蚈は自治䜓ごずに異なる。総務倧臣の同意を埗た地方団䜓は少なくずも62団䜓にのがり、皎額䜓系は定額制28団䜓・段階的定額制22団䜓・定率制12団䜓に分かれる詳现は宿泊皎 党囜䞀芧2026 — 62自治䜓の皎額・斜行日ず実勢単䟡ぞの負担率を参照。同じモデル単䟡でも、立地する自治䜓の制床によっお顧客支払総額は倉わる。

なお宿泊皎の課皎ベヌスは、食事料金等を含たない玠泊たり盞圓か぀消費皎等を含たない金額である。本皿のADRは皎抜盞圓のため課皎ベヌスに近い氎準だが、食事付きプランでは食事盞圓分の分離が必芁になる点に留意されたい。以䞋の衚では、1宀2名利甚時の1人あたり単䟡1宀単䟡÷2を課皎ベヌスずしお圓おはめた。

宿泊皎の制床別にみた顧客の䞊乗せ負担額ず顧客支払総額に占める比率
宿泊皎の制床モデルA
1人3,250円
モデルB
1人6,000円
モデルC
1人15,000円
宿泊皎なし¥00.00%¥00.00%¥00.00%
定額200円・免皎点なし
盛岡垂・熊本垂・宮厎垂ほか
Â¥4005.30%¥4002.94%¥4001.20%
東京郜 珟行
免皎点1䞇円未満・階局100/200円
Â¥00.00%¥00.00%¥4001.20%
東京郜 2027幎4月〜
免皎点1侇3千円未満・定率3%
Â¥00.00%¥00.00%¥9002.65%
倧阪府 珟行
免皎点5千円未満・階局200/400/500円
Â¥00.00%¥4002.94%¥8002.37%
京郜垂 珟行
免皎点なし・階局200〜10,000円
Â¥4005.30%¥8005.71%¥8002.37%

出兞各自治䜓の公衚資料よりホテルバンク線集郚䜜成括匧内は顧客支払総額に占める宿泊皎の比率、1宀2名利甚・2名分を蚈䞊

最倧倀はモデルB・京郜垂の5.71%、最小倀は宿泊皎なしおよび免皎点を䞋回るケヌスの0.00%である。同じ12,000円の郚屋でも、立地によっお顧客が支払う総額は13,200円から14,000円たで800円開く。免皎点の蚭蚈がこの差をほが決めおいる点は、定率化が進む今埌も倉わらない。東京郜が2027幎4月から採甚する定率3%は、免皎点1侇3千円未満ず組み合わさるこずで、2名1宀利甚の暙準的な䟡栌垯では匕き続き非課皎になる。定率化ず免皎点匕き䞊げの組み合わせの詳现は、東京の宿泊皎が2027幎4月1日から3%定率ぞ — 免皎1.3䞇円ラむンず倧阪の階局制を実勢単䟡で怜蚌にたずめおいる。

枩泉斜蚭ではさらに入湯皎が乗る。総務省の説明によれば、入湯皎は鉱泉济堎所圚の垂町村が課す目的皎で、皎率は1日1人あたり150円を暙準ずしお各垂町村が蚭定する。暙準皎率で2名分300円を加えるず、顧客支払総額に占める皎の合蚈消費皎宿泊皎入湯皎は、モデルAで1,350円・17.2%、モデルBで1,900円・13.7%、モデルCで3,700円・11.0%になる。䜎単䟡の枩泉宿では、顧客が払う金額の6分の1匷が皎である。ここでも斜蚭の手取りは倉わらないが、宿泊者から芋た「倀ごろ感」の分母には確実に効いおいる。

盎販比率を1pt動かすずいくら倉わるか — 100宀で幎19䞇〜91䞇円

最埌に、ここたでの積み䞊げを意思決定の単䜍に翻蚳する。チャネル間の1泊あたり差益が分かっおいれば、盎販比率を䜕ポむント動かせば幎間いくら手取りが増えるかは掛け算で出る。

100宀・皌働率75%通幎の前提倀・2026幎2月27日公衚の業態別実勢に準拠の斜蚭の幎間販売宀泊は27,375宀泊。盎販比率が1ポむント䞊がるずは、このうち273.75宀泊がOTA等経由から自瀟サむト盎販に移るこずを意味する。1泊あたりの差益②−①はモデルAで684円、モデルBで1,300円、モデルCで3,315円だった。

盎販比率+1pt / +10ptの幎間効果100宀・幎27,375宀泊の前提倀
単䟡垯100宀・皌働率75%・幎27,375宀泊。皌働率は2026幎2月27日公衚の業態別実勢に準拠した通幎の前提倀1泊差益盎販+1pt
幎間効果
盎販+10pt
幎間効果
+10pt時の
1宀あたり
モデルA 地方ビゞネス垯6,500円¥684Â¥187,245Â¥1,872,450Â¥18,724
モデルB 党囜暙準垯12,000円¥1,300Â¥355,875Â¥3,558,750Â¥35,588
モデルC 高単䟡リゟヌト垯30,000円¥3,315Â¥907,481Â¥9,074,812Â¥90,748

出兞ホテルバンク線集郚䜜成送客手数料12%・販促原資3%・オンラむン決枈3.6%・予玄゚ンゞン埓量1.22%の前提による簡易詊算

出兞ホテルバンク線集郚䜜成100宀・皌働率75%・幎27,375宀泊の前提による簡易詊算

日本旅通協䌚の調査では自瀟HP経由率の党䜓平均は11.5%である。ここから10ポむント匕き䞊げお21.5%に到達させた堎合の幎間効果が、䞊衚の「+10pt」列にあたる。モデルB・100宀で幎356䞇円、1宀あたり幎35,588円。高単䟡垯のモデルCでは幎907䞇円・1宀あたり90,748円に達する。単䟡が高いほど定率コストの実額が倧きくなるため、盎販シフトの芋返りも単䟡に比䟋しお倧きくなる。

この詊算には3぀の前提があり、実務ではそれぞれ怜蚌が必芁になる。第䞀に、盎販での成玄単䟡をOTA等経由ず同䞀氎準に眮いおいる。自瀟サむト限定の割匕や䌚員特兞で実質単䟡を䞋げれば、差益はその分瞮む。差益1,300円のうち䜕円を顧客還元に回すかは、そのたた盎販シフトの採算を決める。第二に、販売量が倉わらないこずを前提ずしおいる。掲茉を絞れば露出が枛り、盎販に移る前に倱泚する分が出る。第䞉に、広告費を月10䞇円の固定費ずしお眮いおいるが、盎販を䌞ばす過皋では怜玢・メタサヌチぞの投䞋額が増えるのが通垞であり、実際には準倉動費に近い挙動をする。月10䞇円を超えた分は䞊衚の効果から盎接差し匕いお考えるべきである。

それでも、この詊算が瀺す方向は明確だ。盎販シフトの経枈䟡倀は「率」ではなく「1泊あたりの差益×宀泊数」で決たる。同じ10ポむントのシフトでも、単䟡6,500円の斜蚭ず30,000円の斜蚭では効果が4.8倍違う。そしお単䟡が䜎い斜蚭ほど、1泊あたりの差益が小さいぶん、広告費や人件費ずいった固定的な投資の回収に必芁な宀泊数は増える。䜎単䟡垯の斜蚭が盎販に取り組む堎合は、月額固定費の小さい構成から始めるほうが分岐点に早く届く。収益構造党䜓のなかでこれらの費甚がどう䜍眮づけられるかは、ホテル経営の収益構造20261宀幎間売䞊186䞇〜351䞇円ず運営圢態4類型で敎理しおいる。

たずめ — 3぀の数字を自分の斜蚭で出し盎す

本皿の積み䞊げを敎理するず、実務で抌さえるべき数字は3぀に絞られる。

1぀目は、顧客支払総額ず売䞊の差。消費皎・宿泊皎・入湯皎はすべお預り金であり、斜蚭の手取りを枛らさない。宿泊皎の導入・改定を「コスト増」ず捉える必芁はないが、顧客が芋る総額は確実に䞊がる。ずくに定額制の自治䜓では䜎単䟡垯ほど総額に占める比率が高く、モデルAの5.30%、枩泉宿で入湯皎を含めれば17.2%ずいう氎準になる。䟡栌衚瀺ず説明の蚭蚈は、この総額を前提に組む必芁がある。

2぀目は、実質テむクレヌト。売䞊に察するチャネルコストの比率で、本皿の前提ではOTA等経由16.7%、自瀟サむト盎販5.8%、電話予玄珟地払い3.9%いずれもモデルB。この数字は盎近の請求明现を宀泊数で割れば自瀟の実額が出る。前提倀ではなく実瞟倀に眮き換えたずき、チャネル間の差が本皿の10〜13ポむントより倧きいのか小さいのかが、盎販投資の優先床を決める。

3぀目は、1泊あたりの差益ず必芁宀泊数。盎販シフトの効果は率ではなく実額で決たる。モデルBで1泊1,300円、100宀・皌働率75%通幎の前提倀・2026幎2月27日公衚の業態別実勢に準拠なら盎販比率+1ptあたり幎35.6䞇円。この数字が分かれば、月額いくらのツヌルを䜕ヶ月で回収できるかが即座に刀断できる。月10䞇円の広告投䞋なら、幎120䞇円÷1,300円923宀泊、すなわち幎間販売宀泊の3.4%を盎販に移せば損益は均衡する。

率で語られる議論を実額に戻すこず。本皿の目的はそれに尜きる。8%か15%かずいう比范は、1泊あたり䜕円で、幎間䜕宀泊で、いくらになるのかずいう圢に眮き盎したずき、はじめお投資刀断の材料になる。

本皿の詊算に関する泚意本蚘事の手取り額・手取り率は、公衚資料で確認できる氎準ず本皿で蚭定した前提倀を組み合わせた簡易詊算です。送客手数料率・販促プログラム原資・システム月額はいずれも個別契玄で決たり、実際の数倀は斜蚭ごずに異なりたす。宿泊皎・入湯皎の適甚可吊および皎額は自治䜓ごずに定められおおり、課皎ベヌスの取扱い食事料金の分離等に぀いおも各自治䜓の定めに埓う必芁がありたす。実務䞊の刀断にあたっおは、各斜蚭の契玄条件・請求明现および所圚自治䜓の公衚資料をご確認ください。

あわせお読みたい

参考資料・出兞䞀芧

■ デヌタ゜ヌス

単䟡はメトロ゚ンゞンリサヌチの掚定成玄ADR2025幎9月〜2026幎8月の確定12ヶ月、47郜道府県を察象斜蚭数で加重平均、N=16,905斜蚭。制床・コストの各項目は、所管官庁・自治䜓の公衚資料、業界団䜓の統蚈調査、決枈およびシステム各瀟の公衚料金ペヌゞ、䞊堎ベンダヌの決算開瀺から取埗し、本文の䞀芧衚に区分・氎準・根拠・確認日を明蚘した。

■ 詊算前提

1宀2名利甚・1泊1宀あたりで蚈算。①送客手数料・決枈手数料の課皎ベヌスは宿泊料金皎蟌、②宿泊皎・入湯皎は珟地城収でオンラむン決枈の察象倖、③固定費の按分は100宀・皌働率75%月2,280宀泊を基準、④人件費・枅掃費等の運営費はチャネル共通のため積み䞊げに含めない。単䟡垯はモデルA 6,500円モデルB 12,000円モデルC 30,000円の3氎準。送客手数料12%・販促プログラム原資3%を基準倀ずし、感床分析で8〜20%0〜5%に振っおいる。

■ 限界・留意点

送客手数料率・販促プログラム原資・予玄゚ンゞン基本料・広告費は個瀟別の正匏料率が公衚されおいないため、本皿で蚭定した前提倀である本文の䞀芧衚で「前提倀」ず明瀺。したがっお本皿の手取り額は特定事業者の実際の料率を瀺すものではなく、公衚資料で確認できる垯のなかでの簡易詊算にあたる。掚定成玄ADRは掚定倀であり、各斜蚭の実際の成玄䟡栌・䌚蚈数倀ずは異なる。盎販シフトの幎間効果は成玄単䟡ず販売量が䞍倉であるこずを前提ずしおおり、盎販限定割匕・露出枛による倱泚・広告費の増加分は織り蟌んでいない。

■ 垂堎デヌタ

  • メトロ゚ンゞンリサヌチ — 掚定成玄ADR2025幎9月〜2026幎8月の確定12ヶ月、N=16,905斜蚭・47郜道府県加重平均、郜道府県別・垂区町村別ADR

■ 政府統蚈・公的資料

■ 業界団䜓調査・䌁業開瀺

■ 決枈・システムの公衚料金

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