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九州ふっこう応援割 熊本、販売開始前の10月土曜は稼働72〜80% — 佐賀・大分・福岡と比べる起点

投稿日 : 2026.09.11

熊本県

佐賀県

大分県

福岡県

九州ふっこう応援割 熊本、販売開始前の10月土曜は稼働72〜80% — 佐賀・大分・福岡と比べる起点

令和8年熊本地震からの観光需要回復を目的とする「九州ふっこう応援割」は、10月1日宿泊分から対象になる。予約の受付開始日は県ごとに異なり、観光庁の9月11日更新の案内では熊本県が9月15日、佐賀県がオンライン9月24日、長崎県が9月第3週、大分県が9月下旬で、福岡・宮崎・鹿児島の3県は未公表となっている。本稿は熊本の販売開始を起点に、開始前の10月土曜の在庫消化と掲載価格を、まだ開始していない佐賀・大分・福岡と並べて記録する。開始後の観測は3日分以上たまってから扱うため、ここでは応援割の効果についての結論は出さない。

本記事における指標の定義

  • 掲載価格(掲載平均価格):各宿泊日について、対象施設がOTA等で公開している販売価格の平均(2名1室利用時の1室あたり料金・税込、素泊まり〜食事付きプランを含む全プラン平均)。応援割の割引適用後の支払額でも、推定成約ADRでもありません。本稿の観測は販売開始前のものです。
  • ADR(平均客室単価):各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。エリア単位のADRは対象施設の中央値。本稿では宿泊月が終わった確定月にのみ使用しています。
  • OCC(稼働率):エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。本稿では「推定稼働率」と表記します。OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、施設全体の実稼働率とは異なります。
  • ブッキングカーブ:宿泊日に向けたOTA残室数の推移。LT(リードタイム)=宿泊日までの日数。本稿はLT45以内の観測のみを使用しています。
  • 1日あたり消化pt:推定稼働率が1日あたり何ポイント上がったか(期間の増分÷日数)。
  • 対象施設:総客室の30%以上をOTAに掲載する施設で構成した固定の集合(各宿泊日で同じ施設)。データ出典はメトロエンジンリサーチ。
Key Takeaways
  • 熊本の受付開始は9月15日10時、佐賀のオンライン受付は9月24日。15日〜23日は開始済みの熊本と未開始の佐賀・大分・福岡を同じ宿泊日で比べられる(観光庁 2026年9月11日更新)。
  • — 開始前(2026年9月10日観測)の熊本の10月土曜は推定稼働率72.7〜79.5%(各日358〜361施設/約1.4万室)。10月3日はLT45の60.5%から+14.9pt。
  • — 9月3日→10日の消化速度は、10月3日・10日で熊本が対照3県平均を+0.29pt/+0.27pt上回ったが、10月17日は−0.10pt。開始前から差は宿泊日で揺れている。
  • — 掲載価格はLT45比で熊本が−2.2%(10/3)・−3.4%(10/10)、佐賀・福岡は上昇。熊本の旅館は消化最速の0.99pt/日で価格−3.9%、ビジネスホテルは+8.0%。
  • — 効果は熊本の速度そのものではなく対照群との差が開始前から広がったかで測る。確定後の比較用に2025年10月の推定成約ADR(熊本10,428円・N=374)を残す。

九州ふっこう応援割の販売開始日 — 熊本9/15、佐賀9/24、3県は未公表

割引率は熊本県と鹿児島県が旅行・宿泊料金の60%、その他の5県が50%で、上限は1泊2万円(2泊以上の交通付宿泊商品は3万円、宿泊地が2県以上にまたがる周遊型は3.5万円)である。対象は10月1日〜12月25日宿泊分で、予算がなくなり次第終了する。制度設計の詳細は九州ふっこう応援割が確定 — 熊本・鹿児島60%/5県50%で整理している。

差分比較の観点で重要なのは、県ごとに開始日がずれていることだ。熊本県は9月15日10時から、宿泊施設への直接予約(電話・Web)、旅行会社、OTAの3経路で受付を始める。一方、佐賀県はオンライン予約サイトが9月24日、旅行会社が10月2日からの受付となる。このずれによって、9月15日から佐賀の開始前日にあたる23日までは、「開始済みの熊本」と「未開始の県」を同じ宿泊日で並べられる。

表1 県別の割引率・予約受付開始日と本稿での扱い(2026年9月11日時点)
割引率予約受付開始(9/11時点)本稿での扱い
熊本県60%9月15日 10時処置群
佐賀県50%オンライン9月24日/旅行会社10月2日対照群(9/23まで)
大分県50%9月下旬対照群(開始日確定まで)
福岡県50%未公表対照群
長崎県50%9月第3週比較期間と重なるため除外
宮崎県50%未公表本稿では扱わない
鹿児島県60%未公表本稿では扱わない

出典:観光庁「九州ふっこう応援割」(2026年9月11日更新)、トラベルWatch(2026年9月11日)よりホテルバンク編集部作成

熊本の10月土曜、販売開始前の到達点 — 推定稼働率72〜80%

熊本県の10月の土曜4日について、9月10日観測時点の到達点を確認する。対象は360施設前後・約1.4万室(主要予約サイト掲載ベース)で、観測カバレッジは各日98.9%以上である。10月3日(土)はLT45(2026年8月19日)の推定稼働率60.5%から、LT23(9月10日)には75.4%まで上がった。掲載価格は約31,400円から約30,700円で、ほぼ横ばいである。

3連休の初日にあたる10月10日(土)は、LT45の66.6%からLT30で79.5%に達し、4日のなかで最も埋まっている。10月17日と24日はまだLT45からの観測日数が短く、それぞれ9日分と2日分しかない。そのため、開始前の消化速度を比べる対象としては10月3日と10日が中心になる。

表2 熊本県 10月土曜の推定稼働率・掲載価格(LT45時点→2026年9月10日観測)
宿泊日(熊本県)対象施設/客室LT45時点 推定稼働率9/10時点 推定稼働率LT45時点 掲載価格9/10時点 掲載価格
10月3日(土)360施設/13,899室60.5%75.4%(LT23)¥31,382¥30,694
10月10日(土)358施設/14,007室66.6%79.5%(LT30)¥33,593¥32,462
10月17日(土)359施設/14,066室75.4%78.7%(LT37)¥35,455¥34,474
10月24日(土)361施設/14,083室71.9%72.7%(LT44)¥31,745¥30,473

対象 各日358〜361施設/客室13,899〜14,083室(主要予約サイト掲載ベース)。LT45以内の観測のみ。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

佐賀・大分・福岡と並べた10月3日(土)のブッキングカーブ

同じ10月3日(土)について、対照群の3県と推定稼働率の推移を重ねた。LT45時点では熊本と佐賀がともに60.5%、大分が63.2%、福岡が69.9%で、熊本は4県のなかで低い位置から始まっている。9月10日(LT23)時点では熊本が75.4%、佐賀68.5%、大分71.8%、福岡81.5%となり、熊本は佐賀・大分を上回って福岡に次ぐ水準まで上がった。

LT45からの増分は熊本が+14.9pt、福岡+11.6pt、大分+8.6pt、佐賀+8.0ptである。この期間には8月28日の制度詳細公表が含まれ、公表後の予約の動きは発表3日で7県すべての土曜が加速発表7日後も10月の土曜は7県すべて加速で扱った。本稿で使う「開始前」は、公表後かつ販売開始前の期間である点に注意したい。

10月3日(土)宿泊分。対象 熊本360施設/13,899室、佐賀132施設/4,167室、大分453施設/10,870室、福岡430施設/29,881室(主要予約サイト掲載ベース・観測カバレッジ98.5%以上)。LT45→LT23。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

1日あたりの消化速度 — 熊本は宿泊日によって対照群より速い日も遅い日もある

販売開始の効果を測る物差しになるのが、推定稼働率が1日あたり何pt上がるかという消化速度だ。直近1週間(9月3日→9月10日)で見ると、10月3日(土)は熊本が1日0.71pt、対照3県の単純平均が0.43ptで、熊本が+0.29pt上回っている。室数に換算すると熊本の10月3日分は1日約98室のペースで埋まっている。10月10日(土)も熊本0.71ptに対し対照3県は0.44ptで、差は+0.27ptである。

ただし、熊本がすべての宿泊日で速いわけではない。10月17日(土)は熊本0.34ptに対し、対照3県の平均は0.45ptで、熊本のほうが0.10pt遅い。さらに一つ前の週(8月27日→9月3日)の差は、10月3日で+0.16pt、10月10日で+0.32ptだった。つまり開始前の時点ですでに県ごとの消化速度には差があり、その差も宿泊日や週によって動いている。開始後の数値を見るときは、熊本の速度そのものではなく「熊本と対照群の差が開始前からどれだけ変わったか」を読む必要がある。

9月3日→9月10日の推定稼働率の増分÷7日。対象 10/3:熊本360施設/13,899室・佐賀132/4,167・大分453/10,870・福岡430/29,881、10/10:熊本358/14,007・佐賀131/4,162・大分450/10,827・福岡428/29,771、10/17:熊本359/14,066・佐賀133/4,171・大分452/10,836・福岡429/29,783(主要予約サイト掲載ベース)。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

表3 10月土曜の1日あたり消化pt — 熊本と対照3県(2026年8月27日〜9月10日観測)
宿泊日期間熊本佐賀大分福岡対照3県 単純平均熊本との差
10月3日(土)8/27→9/30.730.500.540.670.57+0.16
10月3日(土)9/3→9/100.710.430.340.510.43+0.29
10月10日(土)8/27→9/30.910.560.560.660.59+0.32
10月10日(土)9/3→9/100.710.200.470.660.44+0.27
10月17日(土)9/3→9/100.340.590.360.400.45−0.10

単位:1日あたり消化pt(推定稼働率の増分÷日数)。対象施設数・客室数は上図注記と同じ(主要予約サイト掲載ベース)。客室数で加重した対照3県平均は、9/3→9/10で10/3が0.46pt、10/10が0.57pt。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

対照群の平均の取り方でも差の大きさは変わる。福岡は対象客室が約3万室と大きいため、客室数で加重すると対照3県の平均は10月3日が0.46pt、10月10日が0.57ptとなり、熊本との差は+0.25ptと+0.14ptに縮まる。県を1単位として扱う単純平均と、市場規模を反映する加重平均の両方を示しておくのが、後の比較で数字を読み違えないための備えになる。

掲載価格 — 熊本は据え置きからやや低下、対照3県は上昇が中心

同じ期間の掲載価格の動きを、LT45時点を100とした指数で比べた。10月3日(土)の熊本は9月10日時点で97.8(−2.2%)で、佐賀106.6(+6.6%)、福岡103.3(+3.3%)、大分100.4(+0.4%)となっている。10月10日(土)も熊本は96.6(−3.4%)で、大分108.4、佐賀105.3、福岡99.2だった。

熊本は消化が速いにもかかわらず、掲載価格が上がっていない。ただし、この数字だけで理由は特定できない。掲載平均価格は、価格改定のほかに、高価格帯の客室から先に埋まって販売中プランの構成が変わることや、プランの追加・入れ替えでも動く。また、応援割の割引が各予約経路の表示価格にどう反映されるかは経路によって異なりうるため、開始後の掲載価格が下がっても、それが割引の反映なのか価格改定なのかは区別できない。本稿では、開始前の熊本が「価格を大きく動かさずに在庫消化が進んでいた」という事実の記録にとどめる。

10月3日(土)宿泊分の掲載平均価格(2名1室・1室あたり・税込・全プラン平均)をLT45時点=100として指数化。対象 熊本360施設/13,899室、佐賀132施設/4,167室、大分453施設/10,870室、福岡430施設/29,881室(主要予約サイト掲載ベース)。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

業態別 — 熊本の旅館は消化が最も速く、ビジネスホテルは価格が上昇

業態別に分けると、熊本の動きの中身が見えてくる。10月3日(土)の直近1週間の消化速度は、熊本の旅館(168施設・3,098室)が1日0.99ptで、対照3県の旅館(佐賀0.66、大分0.49、福岡0.29)をいずれも上回った。その一方で旅館の掲載価格はLT45から−3.9%(約42,500円→約40,800円)と下がっている。熊本県全体の掲載価格が横ばいから低下になった背景には、この旅館の動きがある。

熊本のビジネスホテル(58施設・7,326室)は1日0.77ptで消化が進み、掲載価格も+8.0%(約17,800円→約19,200円)上がった。対照群のビジネスホテルは佐賀0.43pt(+16.1%)、大分0.37pt(+3.2%)、福岡0.50pt(+6.4%)だった。業態によって価格と消化の組み合わせが違うため、開始後の比較も県全体だけでなく業態別に行うと、どこで予約が動いたかを特定しやすい。熊本のシティホテル(12施設)とリゾート(18施設)は対象施設が少なく、佐賀・大分では業態として集計できる施設数がそろわないため、下の表では参考値として扱う。

9月3日→9月10日の1日あたり消化pt。対象(10/3)ビジネス:熊本58施設/7,326室・佐賀20/1,832・大分39/3,731・福岡180/23,206、旅館:熊本168/3,098・佐賀74/1,668・大分231/3,658・福岡57/1,068。10/10も同規模(主要予約サイト掲載ベース)。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

表4 熊本県の業態別 推定稼働率・消化pt・掲載価格(10月3日宿泊分、LT45→2026年9月10日観測)
熊本県・業態(10/3宿泊分)対象施設/客室推定稼働率 LT45→9/10消化pt/日(9/3→9/10)掲載価格 LT45→9/10
ビジネスホテル58施設/7,326室58.5%→77.2%0.77¥17,786→¥19,214(+8.0%)
旅館168施設/3,098室62.9%→77.9%0.99¥42,506→¥40,845(−3.9%)
シティホテル(参考)12施設/1,421室77.1%→85.4%0.57¥24,706→¥27,550(+11.5%)
リゾート(参考)18施設/1,021室68.2%→75.3%0.21¥41,550→¥41,846(+0.7%)

LT45(8月19日)→LT23(9月10日)。主要予約サイト掲載ベース。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

販売開始後に何をどう比べるか — 差分比較の設計と注意点

ここまでの数字を開始前の基準として、9月15日以降は次の設計で比較する。考え方は、熊本の消化速度の変化から、同じ期間の対照群の変化を差し引くというものだ。開始前の時点で熊本と対照群の間にはすでに0.1〜0.3pt程度の差があるため、開始後の熊本の速度が高いというだけでは応援割の効果とは言えない。見るべきは、その差が開始前の週と比べて広がったかどうかである。

表5 販売開始後の差分比較の設計
項目設定
処置群熊本県(9月15日10時 受付開始)
対照群佐賀県・大分県・福岡県(いずれも各県の受付開始日の前日まで)
除外長崎県(9月第3週の開始が比較期間と重なるため)
開始前の期間9月8日〜9月14日
開始後の期間9月15日〜9月18日(平日)を主、9月19日〜23日(5連休)は別に表示
比較できる期限9月23日(佐賀のオンライン受付開始の前日)。大分の開始日が確定した時点で見直す
対象宿泊日10月3日・10日・17日・24日(いずれも土曜)
指標1日あたり消化pt、掲載平均価格の変化率(業態別:ビジネス・旅館)
集計対照群は単純平均と客室数加重平均の両方を示す

出典:ホテルバンク編集部作成

注意点は3つある。1つ目は9月19日〜23日の5連休で、連休中は旅行中の人が多く、先の予約の入り方が平日と変わりやすい。そのため、開始後の最初の4日(9月15日〜18日)を主な比較期間とし、連休にかかる日は別に示す。2つ目は、佐賀のオンライン受付が始まる9月24日以降は対照群が縮み、比較の前提が崩れることだ。大分の「9月下旬」がいつになるかでも比較できる期間は短くなる。3つ目は掲載価格の読み方で、前節のとおり割引が表示価格に反映されるかどうかは予約経路で異なりうるため、価格の変化は需給の動きとして説明できる範囲にとどめる。

10月が確定した後の基準値 — 前年10月の推定成約ADR

10月の推定成約ADRは、宿泊月が終わって確定するまで使わない。確定後に前年同月比で比べるための基準として、2025年10月(確定月)の推定成約ADRを残しておく。熊本県は約10,400円(N=374施設)、佐賀県は約12,000円(N=147)、大分県は約14,600円(N=446)、福岡県は約11,200円(N=466)だった。掲載平均価格とは算出の土台が違う(最安プラン水準に業態別の補正をかけた税抜相当の推定値で、県内施設の中央値)ため、上の掲載価格と金額を直接比べないでほしい。

表6 2025年10月の県別推定成約ADR(確定月・県内対象施設の中央値)
2025年10月 推定成約ADR(確定)対象施設数
熊本県¥10,428374施設
佐賀県¥11,978147施設
大分県¥14,610446施設
福岡県¥11,229466施設

推定成約ADR(税抜相当・県内対象施設の中央値)。REIT開示実績との照合で誤差中央値約7%の推定値。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

九州の宿のレベニュー担当が開始前後に見ておきたいこと

開始前の熊本では、旅館は価格を大きく上げずに消化を進め、ビジネスホテルは消化と価格上昇を同時に進めていた。どちらも需給に沿った動きとして読める。開始後の数日は、自館の同じ宿泊日について「開始前1週間の1日あたり販売室数」と「開始後の1日あたり販売室数」を比べ、同じ県内の他業態や、開始が遅い隣県の動きと並べてみるのが実務的だ。自館の伸びが県全体の伸びを上回っていれば、応援割の需要をうまく取り込めていると判断でき、下回っていれば、対象プランの見せ方や販売経路の設定を見直す余地がある。

割引の原資には上限があり、予算がなくなり次第終了する。10月の土曜は熊本県全体で見てもLT23〜LT44の段階で推定稼働率が72〜80%に達しており、残る在庫をどの宿泊日にどの価格で出すかが、開始後の収益の伸びしろを左右する。県別の割引原資の配分は九州応援割155億円、熊本は10月の15.7日分、年末の段差は12/25で一旦切れる — 12/26の実質負担は2.3〜2.7倍で試算している。

まとめ

九州ふっこう応援割の受付は熊本県が9月15日10時に始まり、佐賀県のオンライン受付開始(9月24日)までの約9日間は、開始済みの県と未開始の県を同じ宿泊日で並べて比べられる。開始前(9月10日観測)の熊本の10月土曜は推定稼働率72〜80%で、10月3日と10日は対照3県より1日0.27〜0.29pt速く消化していたが、10月17日は0.10pt遅かった。掲載価格は熊本が−2〜−3%とほぼ横ばい、対照3県は上昇が中心で、熊本の旅館は消化が最も速い一方で掲載価格は下がっていた。

開始前から県ごとの差があるので、効果は差の変化で測る必要がある。熊本の販売開始から3日分以上の観測がたまる9月18日以降に、この基準との差分を別稿で扱う。

将来日程の数値に関する注意:本記事の10月宿泊分の推定稼働率・掲載価格は、調査時点(2026年9月10日観測)でOTAに公開されている在庫と販売価格に基づく途中経過であり、宿泊日に近づくにつれて変動します。掲載価格は販売開始前の観測で、応援割の割引適用後の支払額ではありません。推定稼働率は総客室の30%以上をOTAに掲載する施設の在庫消化に基づく推定値で、OTA掲載外の客室を消化済み側に数えるため、施設全体の実稼働率より高めに出る傾向があります。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

メトロエンジンリサーチの都道府県別ブッキングカーブ(熊本・佐賀・大分・福岡、2026年10月3日・10日・17日・24日宿泊分、2026年8月19日〜9月10日観測、LT45以内の観測のみ)と、2025年10月(確定月)の推定成約ADR。制度の割引率・上限・県別の受付開始日は観光庁の案内(2026年9月11日更新)とトラベルWatchの報道(2026年9月11日)で確認。

■ 試算前提

1日あたり消化pt=推定稼働率の期間増分÷日数(8月27日→9月3日、9月3日→9月10日の各7日間)。対照3県の平均は県を1単位とする単純平均と、対象客室数で加重した平均の2通りで示す。掲載価格指数は各宿泊日のLT45時点=100。対象施設は各宿泊日で固定の集合(総客室の30%以上をOTAに掲載する施設)で、熊本のシティホテル(12施設)・リゾート(18施設)は施設数が少ないため参考値扱い。

■ 限界・留意点

観測はすべて熊本の販売開始前(2026年9月10日時点)で、応援割の効果は含まない。掲載価格は割引適用前の表示価格の平均で、割引が表示価格に反映されるかは予約経路で異なりうる。推定稼働率はOTA販売在庫の消化に基づく推定で、施設全体の実稼働率とは異なる。9月19日〜23日の5連休と、対照群の受付開始(佐賀9月24日、大分9月下旬)により比較できる期間は限られる。推定成約ADRはREIT開示実績との照合で誤差中央値約7%の推定値で、掲載価格とは算出の土台が異なる。

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