（出典：株式会社日本旅行）
株式会社日本旅行は、中央アジアに位置するキルギス共和国のアラバエフ・キルギス国立大学およびキルギス総合国立大学と提携を結んだ。この協定は、キルギス人材の育成および日本国内における就業機会の提供を目的としている。
キルギスでは「かつて日本人とキルギス人は兄弟で、魚好きが日本へ、肉好きがキルギスへ来た」という伝承が存在し、その影響もあってか、キルギス人の顔立ちは日本人に似ており、日本に対して親しみを持つ人々が多い。また、第二次世界大戦後にはキルギスのタムガ村に125名の日本兵が抑留されていたが、全員が無事に帰国したという歴史的な背景もある。同村には抑留者文化センターがあり、現在でも当時の資料が保存されている。
（出典：株式会社日本旅行）
アラバエフ・キルギス国立大学は、キルギスにおいて最初に「日本学院」を設置した大学である。同大学では日本語と日本に関する専門教育を提供しており、在学中には日本でのインターンシップを通じて実践的な経験を積むことができる。また、卒業後には日本で即戦力として活躍できる人材の育成を目指している。さらに、キルギスの最高学府であり、唯一大統領直下の大学であるキルギス総合国立大学も、2024年9月に新たに「日本学院」を創設し、同様の教育プログラムを提供する予定である。日本旅行の常務取締役である吉田圭吾氏が、同大学の理事に就任し、9月より日本講座を開講することが決定している。
（出典：株式会社日本旅行）
日本旅行は、両大学との相互協力を通じて、日本文化に精通した高度なキルギス人材を育成し、日本企業に対してインターンや技能実習生、特定技能、高度人材として紹介することを目指す。この取り組みは、日本の人材不足問題の解決や、多様な人材に対する需要の高まりに対応するための一助となるものである。
この取り組みの一環として、2024年秋にはキルギス人材セミナーの開催が予定されており、日本市場における人材雇用の認識向上、日本企業によるキルギス人材の採用支援、技能開発と労働力の流動化に関するセミナーとワークショップの共同開催、キルギスにおける日本語教育の促進などが協力分野として掲げられている。これらの取り組みを通じて、日本とキルギスの両国が連携し、さらなる協力関係を築いていくことが期待される。