WBFホテル&リゾーツ(株)(大阪市北区豊崎3-14-9、設立2009年12月1日、資本金600万円、従業員1,04名)は本日4月27日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けた。負債総額は債権者575名に対して約160億円。
同社は国内外の旅行業を手がける(株)ホワイト・ベアーファミリーのグループ会社として設立された。
ホワイト・ベアーファミリーは、関西の中堅旅行業者として国内主催旅行「しろくまツアー」「ジオツアー」、海外主催旅行「ハッピーホリデー」を看板商品とするほか、ホテル業、レンタカー事業、EC事業など、事業領域は多岐にわたる。近年はインバウンド需要を取り込み、業容は拡大してきた。
WBFホテル&リゾーツは、ホテル・リゾートの運営受託、ホテル・リゾート・フィットネスの運営事業を担当し、積極的にグループ企業と連携し2019年3月期の売上高は47億8,428万円をあげていた。
保有5施設(北海道:5施設)、賃借・運営受託22施設(北海道:4施設、関東:1施設、関西:17施設)の合計27施設(合計客室数:約3,900室)のホテルを展開。
しかし、2020年に入り、新型コロナウイルスの世界的な蔓延で出入国の制限を受けたほか、国内でも外出自粛などが旅行業界を直撃。2月以降は宿泊客のキャンセルが相次ぎ、計画を下回る推移を強いられていた。加えて、ホテル開設などに多額の資金を銀行借入金に頼っていたため、金利負担が重く、金融機関と返済条件の緩和などを協議していた。
4月7日に緊急事態宣言が発令され、終息の見通しも立たないことから、現在の事業を支えきれないと判断、今回の措置となった。
なお、民事再生法の適用の申請はWBFホテル&リゾーツのみで、複数の企業から再建支援の表明を受けており、スポンサー企業を選定することを予定している。
また、ホワイト・ベアーファミリー(旅行業)、WBFリゾート沖縄(株)(沖縄及び九州におけるホテル運営業)、その他の関係会社は、法的手続はとっておらず、従前どおり、通常の営業を続けている。
負債は申請時点で債権者約575名に対して約160億円。新型コロナウイルス関連破綻では最大の大型倒産となった。
同社は、2020年1月18日に「ホテルWBF新大阪スカイタワー」(400室)を開業したばかり。
また、新規開業予定としては、2020年5月1日(金)に開業予定であった「ホテルWBF IRUONAY OTARU」(92室)があり、7月中旬への開業延期を4月10日に発表していた。
さらに、2020年10月には「ホテルWBFグランデ関西エアポート」(700室)が開業予定で、新規開業も相次ぎ計画していた。
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