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『改装済みで綺麗』が満足度を跳ね上げる宿 全国TOP30 2026|築年より清潔感

投稿日 : 2026.07.26

調査

『改装済みで綺麗』が満足度を跳ね上げる宿 全国TOP30 2026|築年より清潔感

「建物は古いけれど、部屋に入った瞬間に印象が変わった」——宿泊者の口コミには、こうした改装・リノベーションによる清潔感の跳ね上がりを評価する声が数多く含まれる。ホテルバンク編集部は、宿泊者口コミをNLPで意味解析し、「改装済み・リノベで綺麗」を評価するタグ(room_renovated)の言及率を全国規模で集計。改装が満足度を押し上げている宿を全国TOP30として抽出した。

本記事における指標の定義

  • 改装言及率:各施設の直近24ヶ月の宿泊者口コミ総数に対し、「改装済み・リニューアル・リノベで綺麗」と好意的に触れた口コミの割合。言及率は「頻度」であり「評価スコア」そのものではありません。
  • ADR(平均客室単価):各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。「※掲載」表記の施設は推定成約ADRの対象外業態のため、OTA掲載最安価格(税込)の中央値を参考値として記載。
  • データ出典:口コミ=ホテルバンク編集部調べ/価格=メトロエンジンリサーチ

集計対象は、直近24ヶ月に口コミ150件以上・かつ改装への好意的言及20件以上を確保できた全国100施設。この母集団を改装言及率の高い順に並べ、上位30施設をランキングした。都道府県ごとに閾値を変える方式は母集団を歪めるため用いず、全国一括で集計している。TOP30の改装言及率は平均13.8%(中央値12.9%)、口コミ総数は延べ29,312件にのぼる。

Key Takeaways
  • — 改装言及率の全国TOP30は平均13.8%(中央値12.9%・口コミ延べ29,312件)、首位は万平ホテル28.07%。築年より清潔感の回復が満足度を押し上げる。
  • — 上位は温泉旅館15施設・都市ビジネスホテル15施設が拮抗。改装再評価は温泉地と地方中核都市に厚い。
  • — 改装優等生は価格を上げず「納得感」のコスパ帯に集中。改装は価格の納得感を回復させる成長投資と読める。

改装言及率TOP30 — 都市ビジネスホテルと温泉旅館が15施設ずつ拮抗

ランキングを俯瞰して最初に目を引くのは、業態の見事なバランスである。TOP30は都市部のビジネス・シティホテルが15施設、温泉旅館・リゾートが15施設と、ちょうど半々に分かれた。改装による清潔感の再評価は、特定の業態だけの現象ではなく、築年を重ねたあらゆるタイプの宿に共通する成長ドライバーだと読める。

首位は軽井沢の万平ホテル(長野県、改装言及率28.07%)。明治27年創業のクラシックホテルが、創業130周年に合わせて約1年半の全館休館を経て2024年にグランドオープンした直後の口コミが、圧倒的な改装言及を集めた。2位の草津ホテル(群馬県、20.82%)、3位のホテル石庭(山梨県、18.33%)と、上位は温泉地の宿が続く。一方で7位の沖縄ハーバービューホテル(16.60%)、8位の熊本ワシントンホテルプラザ(15.92%)、9位の東急ステイ池袋(15.54%)など、都市ビジネスホテルも上位に食い込んでいる。

改装言及率 全国TOP30 一覧(施設名・エリア・業態・口コミ数・改装言及率・推定ADR)
#施設名 エリア業態 口コミ数改装言及率 推定ADR
1万平ホテル長野県リゾート/クラシック43128.07%¥46,000
2草津ホテル群馬県温泉旅館46620.82%¥21,700
3ホテル石庭山梨県温泉旅館63318.33%¥9,700
4白樺リゾート 池の平ホテル長野県リゾート81418.06%¥25,800
5日光金谷ホテル栃木県クラシックホテル82916.89%¥36,800
6曲水の庭 ホテル玉泉島根県温泉旅館65316.69%¥18,000
7沖縄ハーバービューホテル沖縄県シティホテル1,07816.6%¥12,500
8熊本ワシントンホテルプラザ熊本県ビジネスホテル76015.92%¥9,800
9東急ステイ池袋東京都ビジネスホテル92015.54%¥22,100
10リッチモンドホテル仙台宮城県ビジネスホテル95614.33%¥14,400
11ケイズハウス伊東温泉静岡県ゲストハウス78914.32%¥15,200※掲載
12軽井沢ホテル ロンギングハウス長野県リゾート74114.17%¥18,400
13箱根ホテル小涌園神奈川県温泉リゾート74413.98%¥27,700
14リーガロイヤルホテル大阪ヴィニェット コレクション大阪府シティホテル1,10413.41%¥22,300※掲載
15横浜ロイヤルパークホテル神奈川県シティホテル1,13713.1%
16東急ステイ水道橋東京都ビジネスホテル1,21712.74%¥20,900
17ダイワロイネットホテル横浜公園神奈川県ビジネスホテル98212.73%¥20,500
18大江戸温泉物語Premium 鬼怒川観光ホテル栃木県温泉旅館77112.71%¥22,800
19伊東ホテルジュラク静岡県温泉リゾート97112.67%¥32,200
20倉敷アイビースクエア岡山県ヘリテージ/リゾート1,26211.81%¥16,200
21河口湖ホテル山梨県温泉旅館1,07011.21%¥20,200
22鴨川グランドホテル千葉県温泉リゾート1,07210.73%¥26,100
23熊本ホテルキャッスル熊本県シティホテル1,43910.63%¥13,200
24三井ガーデンホテル仙台宮城県ビジネスホテル1,12510.4%¥16,500
25ワン・ステーションホテル熊本熊本県ビジネスホテル1,03610.14%¥14,300
26丸ノ内ホテル東京都シティホテル1,2649.97%¥53,200
27The Okura Tokyo東京都ラグジュアリー9669.83%¥90,600
28伊良湖オーシャンリゾート愛知県リゾート1,7629.82%¥17,200
29名古屋観光ホテル愛知県シティホテル1,1149.78%¥29,600
30東急ステイ新橋東京都ビジネスホテル1,2069.7%¥21,200

■ネイビー=温泉旅館・リゾート系 ■ブルー=都市ビジネス・シティホテル系。改装言及率は直近24ヶ月・口コミ150件以上/改装言及20件以上の全国100施設からの抽出(N=各施設口コミ総数)。

出典:ホテルバンク編集部調べ(宿泊者口コミのNLP解析)

図1:改装言及率TOP20(■ネイビー=温泉旅館・リゾート/■ブルー=都市ホテル)

出典:ホテルバンク編集部調べ(宿泊者口コミのNLP解析)

価格は上げず「納得感」を上げる — 改装優等生はコスパ帯に集中

改装が満足度を跳ね上げる宿は、必ずしも高価格帯ではない。TOP30の推定ADR(データ確認できた29施設)は中央値¥20,900、うち20施設が¥25,000未満に収まる。最安はホテル石庭の約¥9,700、最高はThe Okura Tokyoの約¥90,600と幅は広いが、分布の重心は明確に中価格帯にある。

ここに「築年より清潔感、コスパ再評価」というテーマの核心がある。改装は必ずしも客室単価を引き上げるための高級化投資ではなく、古い建物の弱点だった清潔感・設備の陳腐化を解消し、同じ価格でも「この値段でこの綺麗さなら納得」という価格の説得力を回復させる投資として機能している。散布図(図2)を見ると、横軸のADRと縦軸の改装言及率の間に強い相関はなく、¥10,000台のビジネスホテルから¥40,000台のクラシックホテルまで、価格帯を問わず改装が評価されていることがわかる。価格に対する『納得感』が口コミにどう表れるかは、『値段以上』と評価される宿の共通項が口コミ2万件から掘り下げている。

図2:推定ADR×改装言及率(円の大きさ=口コミ数、■ブルー=都市ホテル/■ネイビー=温泉・リゾート)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

図3:TOP30の業態内訳

図4:推定ADR帯の分布(29施設)

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

温泉旅館パターン — 客室改装が清潔感と格を同時に押し上げる

温泉旅館・リゾート側の代表格が、首位の万平ホテルである。約1年半の全館休館で、愛宕館の全30室に同ホテル初となる温泉風呂を設え、碓氷館・アルプス館も含めて客室を刷新した。130年の歴史を持つ建物のクラシックな趣を残しながら、清潔感と快適性を現代水準に引き上げたことが、宿泊直後の口コミで「改装で見違えた」という声を集中的に生んでいる。(出典:株式会社万平ホテル プレスリリース、2024年)

もう一つの好例が13位の箱根ホテル小涌園(神奈川県、13.98%)。藤田観光グループが運営する同館は、1959年開業の建物を全面的に建て替え、2023年7月にグランドオープンした。150室すべてにベッドを備えた新客室、最上階の露天風呂付き大浴場、庭園を望む吹き抜けロビーなど、館全体を刷新したことで、改装への好意的言及が上位に並んだ。歴史ある温泉地の宿が建て替え・大規模改修によって清潔感の評価を一段引き上げる——この方向性は、5位の日光金谷ホテルや18位の大江戸温泉物語Premium鬼怒川観光ホテルにも共通して見られる。(出典:藤田観光株式会社/箱根ホテル小涌園 公式リリース、2023年)改装と並んで温泉旅館の評価を左右するのが湯そのものの魅力で、その集積地は湯めぐりが評判の宿 全国TOP30で分析している。

都市ビジネスホテルパターン — 大規模リノベで築古の不利を反転

都市部では、客室単価を大きく変えずに大規模リノベーションで清潔感を刷新する動きが目立つ。TOP30には東急ステイの3施設(池袋・水道橋・新橋)がそろって入り、リッチモンドホテル仙台、ダイワロイネットホテル横浜公園、三井ガーデンホテル仙台といった全国展開型のビジネスホテルが名を連ねた。いずれも推定ADRは¥14,000〜¥22,000のコスパ帯にありながら、改装言及率10〜16%と高い評価を得ている。都市ビジネスホテルが評価軸で温泉旅館を逆転する構図は改装に限らず、サウナで評判の宿 全国TOP30でも同じ動きが確認できる。

都市ビジネスホテルにとって、立地はそのままに客室・水回りをリノベーションすることは、築年数という不利を「同価格で清潔・快適」という強みに反転させる有効な手段である。建設費と人件費の高騰で新築開発のハードルが上がるなか、既存資産の再活用は業界全体で重心が移りつつあるテーマだ。客室のみの改修は坪あたり50〜100万円、共用部・設備更新まで含む全面改修でも120〜200万円程度が目安とされ、新築に比べて投資回収の見通しが立てやすい点も、この流れを後押ししている。(出典:月刊ホテレス 2025年10月号 特集「ホテルリノベーションの深化と真価」ほか)

地理で読む — 改装再評価は温泉地と地方中核都市に厚い

TOP30のエリア分布を見ると、最多は東京都の5施設だが、長野県・熊本県・神奈川県が各3施設で続き、山梨県・栃木県・宮城県・静岡県・愛知県が各2施設と、温泉地と地方中核都市に厚く分布している。とりわけ軽井沢・草津・箱根・鬼怒川・河口湖といった歴史ある温泉リゾートと、熊本・仙台・名古屋といった地方都市のホテルが目立つ。

これは、築年を重ねた宿の母数がこれらのエリアに多いことの裏返しでもある。首都圏の新築ラッシュ地帯とは異なり、既存ストックが厚いエリアほど「改装による再評価」の余地が大きい。宿泊者が価格に納得し、リピートや高評価につながる——改装は、築古が集積する地方にこそコスパ再評価のチャンスをもたらしているといえる。

まとめ — 改装は「価格の納得感」を回復させる成長投資

全国TOP30の顔ぶれは、改装・リノベーションが業態や価格帯を問わず満足度を押し上げていることを示している。温泉旅館は客室改装で清潔感と格を同時に引き上げ、都市ビジネスホテルは大規模リノベで築古の不利を強みへ反転させる。共通するのは、単価を上げるための高級化ではなく、同じ価格帯で「この綺麗さなら納得」という価格の説得力を回復させるという方向性だ。

建設費が高止まりし新築のハードルが上がるなか、既存資産をどう磨き直すかは、これからの宿泊業の重要な成長テーマとなる。清潔感という最も基本的な価値を改装で取り戻すことが、コスパの再評価とリピートの獲得に直結する——TOP30の宿泊者の声は、その手応えを裏づけている。

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参考資料・出典一覧

■ データソース

宿泊者口コミをNLPで意味解析し、改装・リノベーションによる清潔感を評価するタグの言及率を全国100施設・直近24ヶ月で集計(ホテルバンク編集部調べ)。推定ADRはOTA公開価格データに基づく推定成約単価。

■ 試算前提

改装言及率=該当タグ言及口コミ数÷総口コミ数。都道府県ごとに閾値を変えず全国一括で集計し、母集団の偏りを避けた。TOP30の改装言及率は平均13.8%・中央値12.9%、口コミ総数は延べ29,312件。

■ 限界・留意点

言及率は口コミ記述の傾向を示すもので満足度の因果を証明しない。改装時期・範囲は各施設で異なり、推定ADRは公開価格ベースの近似値。口コミ言語や母集団規模の差により順位は変動しうる。

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