2023年11月時点の東京都港区の既存ビジネスホテルの施設数・部屋数・稼働率の推移をお伝えする。
東京都・港区の既存ビジネスホテルの分布
メトロエンジンリサーチによると、東京都の既存ビジネスホテルの分布は台東区・新宿区・港区・豊島区・中央区に集中しており、東京都全体の施設数 1,887施設に対し1,360施設と約72%を占めている。その中でも港区は、台東区・新宿区に次いで3位、202施設(10.7%)のビジネスホテルが分布している。
出典:メトロエンジンリサーチ
東京都 |
施設数 |
部屋数 |
台東区 |
479 施設 | 23,776 室 |
新宿区 |
285 施設 | 23,469 室 |
港区 |
202 施設 | 32,009 室 |
豊島区 |
199 施設 | 12,797 室 |
中央区 |
195 施設 | 26,196 室 |
千代田区 |
134 施設 | 19,539 室 |
大田区 |
125 施設 | 10,368 室 |
渋谷区 |
117 施設 | 8,881 室 |
品川区 |
84 施設 | 9,494 室 |
江東区 |
67 施設 | 10,435 室 |
合計 |
1,887 施設 | 176,964 室 |
出典:メトロエンジンリサーチ
東京都・港区の既存ビジネスホテル施設数の推移
東京都・港区の既存ビジネスホテル施設数は13%の微増
東京都港区の既存ビジネスホテル施設数は13%の微増。
2019年1月時点の87施設から直近の2023年11月時点の98施設と4年10ヶ月で11施設(13%)の増加となっている。
出典:メトロエンジンリサーチ
施設数の推移にコロナ禍の影響はあったのか
コロナ禍の影響下にあった期間を 2020年1月〜2022年5月(ほぼ沈静化していた時期)とした上で、期間を分けて影響を考察してみたい。
結論、施設数の推移にはコロナ禍の影響がうかがえる。コロナ禍以前の 2019年1月〜2020年1月は11施設の増加。コロナ禍の影響下にあったとされる 2020年1月〜2022年5月は増加なし、コロナ禍が沈静化した 2022年5月〜2023年11月の期間も同様に増加なしの結果となっている。
最終数値に減少こそなかったが、コロナ禍以前の増加傾向から鑑みると、東京都港区のビジネスホテルの施設数の推移はコロナ禍の影響を受け施設数の増加が鈍化(停滞)したことを読み取ることができる。
集計日 |
施設数 |
増減 |
2019年1月 |
87 施設 | |
2020年1月(コロナ禍) |
98 施設 | + 11 施設 |
2022年5月(沈静化) |
98 施設 |
± 0 施設 |
2023年11月 |
98 施設 | ± 0 施設 |
出典:メトロエンジンリサーチ
東京都・港区の既存ビジネスホテル部屋数の推移
東京都・港区の既存ビジネスホテル部屋数の推移は15%の微増
東京都・港区の既存ビジネスホテル部屋数の推移は2,014室の増加。施設数推移のグラフとほぼ同じ形状で推移していると言って良い。単純に部屋数を施設数で割ることによって求めた平均部屋数では、2019年1月時点が154室に対し、2023年10月時点では157室となっている。
出典:メトロエンジンリサーチ
部屋数の推移にコロナ禍の影響はあったのか
施設数の時と同様にコロナ禍の影響化にあった期間を 2020年1月〜2022年5月(ほぼ沈静化していた時期)とした上で、期間を分けて影響を考察してみたい。
部屋数の推移は、先程考察した施設数の推移とは違った結果を確認することができる。施設数の推移は、コロナ禍以前の増加傾向から鑑みると、東京都港区のビジネスホテルの施設数の推移はコロナ禍の影響を受け施設数の増加が鈍化(停滞)したことを読み取ることができきたのに対し、部屋数の推移は、コロナ禍以前の2019年1月〜2020年1月は1,234室の増加。コロナ禍の影響下にあったとされる2020年1月〜2022年5月では増加推移の鈍化は否めないながらも223室の増加、コロナ禍が沈静化した2022年5月〜2023年10月の期間では557室の増加となった。
この結果からは、施設数の推移の考察だけでは読み取れなかった、新規開業についてはコロナ禍の影響を受けながらも進められ、加えて、コロナ禍以前よりも大型(部屋数の多い)の施設が新規開業をしてきたことがうかがえる。
集計日 |
施設数 |
増減 |
2019年1月 |
13,357 室 | |
2020年1月(コロナ禍) |
14,591 室 | + 1,234 室 |
2022年5月(沈静化) |
14,814 室 |
+ 223 室 |
2023年10月 |
15,371 室 | + 557 室 |
出典:メトロエンジンリサーチ
東京都・港区の既存ビジネスホテル稼働率の推移
出典:メトロエンジンリサーチ
東京都・港区の既存ビジネスホテルの稼働率は、全国の稼働率とほぼ同様の推移を見せている。グラフからもコロナ禍(2020年1月〜2022年5月)の影響は読み取れ、2022年の5月以降からは順調な回復基調となっていることが確認できる。
コロナ禍以前は全国の稼働率を上回っていた港区は、コロナ禍(2020年1月〜2022年5月)では若干ながらも全国の稼働率を下回る推移を見せ、2022年5月以降から回復基調に入った後は、2022年10月以降は全国の稼働率を最大10%程度上回る順調な回復をみせている。
まとめ
東京都・港区のビジネスホテルの現状は、施設数の増加に関してはコロナ禍の影響を受け、推移が鈍化したことがうかがえた。一方で、部屋数の増加はコロナ禍の影響は感じながらも、緩やかな増加傾向を保っていたことから、コロナ禍以前より大型なビジネスホテルの新規開業が進んでいたことが推察できた。
また、稼働率の推移ではコロナ禍が沈静化したとされる2022年5月以降から順調な回復基調となり、2022年10月時点で全国の稼働率を上回り、以降は全国の稼働率を最大10%程度上回る順調な回復をみせている。
この結果は、東京・港区が日本国内の中でも有数の観光地であることを暗に示していることに加えて、訪日外国人からも人気の高い観光地であることを同時に示している。
この傾向は、東京都・港区での「都市再開発プロジェクトの推進」や、その流れの中での「海外ラグジュアリーブランドの進出」からも読み取ることができるため、ぜひ「2023年11月最新!東京都港区の新規開業施設を徹底解説」を拝読いただきたい。
本記事の分析からは、東京都・港区では「国際都市・東京の賑わい創出と国際競争力の向上」に向けて準備が着々と進められており、2024年以降も全国の稼働率を推進していく都市の一つとして大きな期待が寄せられていることがうかがえる。
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