2023年5月最新の東京23区の新規開業施設についての考察をお伝えする。
東京23区の新規開業施設分布
メトロエンジンリサーチによると、東京23区の新規開業施設の分布は港区に集中している。
なぜ、港区に集中しているのか?
既存施設数は現在3位の港区
2023年以降の新規開業施設が集中している港区だが、既存施設数は台東区、新宿区、港区に次ぐ3位(202施設)となっている。
順位 |
東京23区 |
既存施設数 |
1位 |
台東区 | 479 施設 |
2位 |
新宿区 | 285 施設 |
3位 |
港区 | 202 施設 |
4位 |
豊島区 | 199 施設 |
5位 |
中央区 | 195 施設 |
6位 |
千代田区 | 134 施設 |
7位 |
大田区 | 125 施設 |
8位 |
渋谷区 | 117 施設 |
9位 |
墨田区 | 116 施設 |
10位 |
品川区 | 84 施設 |
出典:メトロエンジンリサーチ
新規開業施設は港区に約28%が集中
2023年〜2040年にかけて東京23区の新規開業施設は63施設・13,759室が予定されているが、約28.3%の17施設・4,764室が港区に集中している。
順位 |
東京23区 | 施設数 | 割合 |
1位 |
港区 | 17 施設 | 28.3% |
2位 |
中央区 | 12 施設 | 20.0% |
3位 |
渋谷区 |
7 施設 | 11.7% |
千代田区 |
7 施設 | 11.7% | |
5位 |
台東区 | 6 施設 | 10.0% |
6位 |
大田区 | 4 施設 | 6.7% |
7位 |
北区 | 3 施設 | 5.0% |
8位 |
品川区 | 2 施設 | 3.3% |
9位 |
中野区 |
1 施設 | 1.7% |
板橋区 | 1 施設 | 1.7% | |
合計 |
63 施設 |
出典:メトロエンジンリサーチ
港区では都市再開発プロジェクトによる新規開業施設が集中
港区では都市再開発プロジェクトの一環として新規開業ホテルが計画されているケースが非常に多く、具体的には「虎ノ門エリア」「赤坂エリア」「品川駅エリア」「北青山三丁目エリア」「神宮外苑エリア」などが挙げられる。
港区は、観光・ショッピング・文化の全ての面において国内のみならず訪日外国人にも人気のエリアとなっている。主な観光スポットとしては東京タワー・お台場・東京湾でのクルーズなどがあり、六本木・麻布十番には数多くのレストラン・バー・ショッピング施設が立ち並んでいる。
今後、港区での都市再開発プロジェクトが多数進行することにより、従来にも増して都市の利便性が高め、国内のみならず訪日外国人の増加が見込まれていることがうかがえる。
施設名 |
部屋数(推定) | 竣工 開業予定日 |
(仮称)虎ノ門ヒルズ |
506室 | 2023年7月15日 |
東京ワールドゲート赤坂 |
490室 | 2024年8月31日 |
(仮称)シナガワグース跡地 |
473室 | 2024年12月31日 |
(仮称)北青山三丁目地区市街地 |
460室 | 2026年1月1日 |
(仮称)神宮外苑地区市街地 |
387室 | 2036年12月31日 |
(仮称)神宮外苑地区市街地 |
384室 | 2032年12月31日 |
(仮称)西麻布三丁目北東地区 |
358室 | 2027年12月31日 |
出典:メトロエンジンリサーチ
港区の開業予定施設・都市再開発プロジェクトを一部紹介
(仮称)虎ノ門ヒルズ ステーションタワー
「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」は、地上49階、高さ約266mの日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅と一体的に開発される多用途複合超高層タワー。オフィス、地下鉄駅前広場と一体となった商業施設、東京初進出のハイクラスホテルなどに加え、最上階には新しい価値や体験、情報を発信する舞台となる情報発信拠点「TOKYO NODE」を開設予定。
駅と街の一体的な開発により「交通結節点」としての機能をさらに強化し、情報発信拠点を構え、新たな体験や価値、コンテンツや情報を創出し、東京から広く世界に向けて発信することを目指している。
東京ワールドゲート赤坂 赤坂トラストタワー
東京ワールドゲート赤坂 赤坂トラストタワーは、森トラストとNTT都市開発が東京都港区赤坂2丁目に新設する地上43階、地下3階、高さ209.14m、延べ面積209,283㎡の超高層ビル。 オフィスを主体とし、高層部にホテルやサービスアパートメント、低層部に店舗やクリニックおよび歴史・文化発信施設を設ける予定。
地下3階~地下1階に駐車場、1~3階にカフェ&レストランやミュージアム、3階の一部及び5~36階にオフィス、38階~43階にホテルやサービスアパートメントを配置する大規模複合開発プロジェクトとなっている。
(仮称)シナガワグース跡地 新複合施設建設計画
(仮称)シナガワグース跡地 新複合施設建設計画は、品川駅高輪口前の複合施設「シナガワグース」跡地(東京都港区高輪3丁目)に、事務所、商業、ホテル、MICE(カンファレンス、多目的ホール)などで構成する地上29階、地下4階、高さ約160m、延べ面積約313,100㎡の超高層ビル計画。
低層部に商業施設、中層部にオフィス、高層部にホテルを計画。 建て替えプロジェクトは、トヨタ自動車に敷地の一部を譲渡し共同で行い、新設ビルの一部に同社のオフィスが入る予定となっている。
港区の今後の展望
東京都港区は、日本の中でも重要なビジネス地区であり、高級住宅地としても知られている。
特に観光に於いては、東京タワーや六本木ヒルズなどの観光スポットがあり、今後も観光の中心地としての役割と、訪日外国人観光客の増加が見込まれている。
今回、特に注目したいのは、観光・ビジネス・交通・文化施設が一体となった、大規模複合施設の建設計画が都市再開発プロジェクトのもとに数多く進行している点である。
駅と街の一体的な開発を行うことにより、交通インフラの利便性がさらに強化され、新たな体験や価値を東京から世界に向けて発信することにより「観光立国 日本」の中心的役割を担っていくことが期待されている。
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