トップ > 宿泊垂堎動向 > 業態間で開く䟡栌の二極化2026郜道府県×カテゎリ別ADR前幎同月比を分解

業態間で開く䟡栌の二極化2026郜道府県×カテゎリ別ADR前幎同月比を分解

投皿日 : 2026.07.12

倧阪府

業態間で開く䟡栌の二極化2026 — カテゎリ別ADR前幎同月比

「ホテル垂況は奜調」ずいう芋出しが䞊ぶ䞀方で、珟堎の実感ぱリアや業態によっお倧きく食い違う。䞊堎ホテルREITの月次実瞟を芋れば垂堎党䜓のADR客宀単䟡は前幎同月比でなお䞊昇基調にあるが、その平均の裏偎では、業態ホテルカテゎリず地域の組み合わせによっお䟡栌の方向が真っ二぀に分かれおいる。本皿では、郜道府県×ホテルカテゎリ別の掚定成玄ADRの前幎同月比2026幎6月・察2025幎6月を分解し、いたホテル垂堎で䜕が起きおいるのかを定量的に読み解く。

本蚘事における指暙の定矩

  • ADR平均客宀単䟡各斜蚭がOTA䞊で公開する最安プラン氎準2名1宀利甚時・1宀あたり料金・皎蟌に業態別の補正係数を適甚しお算出した掚定成玄単䟡皎抜盞圓。䞊堎ホテルREITが開瀺する物件別実瞟ずの照合91斜蚭・盎近3ヶ月間で誀差䞭倮倀は玄7%。掚定倀であり、各斜蚭の実際の成玄䟡栌・䌚蚈数倀ずは異なりたす。゚リア単䜍のADRは察象斜蚭の䞭倮倀゚リアの暙準的な斜蚭の氎準。
  • 前幎同月比YoY2026幎6月の掚定成玄ADRを2025幎6月ず比范した倉化率。
  • 察象カテゎリ掚定成玄ADRの怜蚌が枈んでいるビゞネス・シティ・リゟヌト・旅通・カプセルの5業態のみを察象ずしたす。
  • デヌタ出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ。REIT開瀺の成玄ADRは消費皎抜き衚瀺で、本蚘事の掚定成玄ADRも皎抜盞圓の氎準です。
Key Takeaways
  • — REIT実瞟ではADRは前幎比プラスJHR6.6%・むンノィンシブル3.9%を維持する䞀方、郜道府県×業態で芋るず䟡栌の方向は真っ二぀に割れおいる。
  • — 䞻芁8郜道府県×5業態の前幎同月比は、䞊端の神奈川シティ20.9%から䞋端の倧阪リゟヌト−36.7%たで57.6ポむントの開き。
  • — 倧阪の二桁マむナスは実力䜎䞋ではなく2025幎䞇博特需の反動。ビゞネスADRは䞇博期の¥13,000台から¥7,900台の平垞氎準ぞ回垰。
  • — 䞇博反動の倧阪を陀くず、ビゞネス−0.4%・カプセル−0.6%が暪ばいで底堅く、シティ−5.9%・旅通−5.2%はやや軟調。
  • — 䟡栌の匷匱はむンバりンド需芁の取り蟌み床で遞別。沖瞄リゟヌト17.7%が象城。マクロ平均ではなく「地域×業態」セル単䜍の需絊把握が芁。

平均は䞊昇、内蚳は分裂 — 二極化の党䜓像

たず垂堎党䜓の枩床感を抌さえおおきたい。䞊堎ホテルREITの2026幎5月月次実瞟を芋るず、ゞャパン・ホテル・リヌト投資法人8985の倉動賃料等導入29ホテル合蚈でADRは前幎同月比6.6%、星野リゟヌト・リヌト投資法人3287のポヌトフォリオ党䜓で2.4%、むンノィンシブル投資法人8963の囜内101物件で3.9%ず、いずれもプラスを維持しおいる。぀たりマクロで芋れば、ホテル垂堎は䟝然ずしお倀䞊げ局面のなかにある。

しかしながら、この「プラスの平均」は、方向の異なる無数の動きを均した結果にすぎない。郜道府県ずホテルカテゎリを掛け合わせお掚定成玄ADRの前幎同月比を䞊べるず、最も匷い組み合わせず最も匱い組み合わせのあいだには実に57.6ポむントもの開きが生じおいた。同じ「ホテル」ずいう括りのなかで、䞀方は2割䞊がり、もう䞀方は3割超䞋がっおいる。これが2026幎前半の日本のホテル垂堎を貫く二極化の実像である。

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ、ホテルバンク線集郚より䜜成

䞊のチャヌトは、䞻芁8郜道府県×5業態の掚定成玄ADR前幎同月比を匷い順に䞊べたものである。䞊端の神奈川県シティ20.9%から䞋端の倧阪府リゟヌト−36.7%たで、垯は連続的ではなく明確に二぀の塊に分かれおいる。プラス圏に固たるのはむンバりンド需芁を取り蟌むリゟヌト業態ず銖郜圏の䞀郚、マむナス圏に沈むのは関西党域である。二極化を生んでいる芁因は、倧きく「地域芁因」ず「業態芁因」の二軞に敎理できる。

第䞀の軞地域 — 䞇博反動の関西ず、むンバりンド沖瞄

二極化を最も鮮明に描き出しおいるのが、倧阪府ず沖瞄県の察比である。倧阪府では党業態が二桁のマむナスに沈み、ビゞネス業態は前幎同月比−32.8%、リゟヌト業態は−36.7%ず急萜した。䞀方の沖瞄県はリゟヌト業態17.7%、ビゞネス業態13.6%ず、ほが同じ幅だけ逆方向に振れおいる。同じ囜内垂堎でありながら、䟡栌の方向が正反察に開いおいるのだ。

倧阪の䞋萜は、ホテルの実力䜎䞋ではない。2025幎に開催された倧阪・関西䞇博の特需の反動である。次のチャヌトは倧阪府ビゞネス業態の掚定成玄ADRの月次掚移だが、2025幎4月から9月にかけお¥12,000〜¥13,000台ぞ跳ね䞊がり、閉幕埌の2026幎に入るず¥8,000〜¥9,000台の平垞氎準ぞ戻っおいる様子が芋お取れる。関西テレビの報道でも䞇博期間䞭の倧阪は䟡栌䞊昇率で「東京超え」ず報じられ、月刊ホテレスの調査でも倧阪の反動枛が党囜平均を抌し䞋げたず指摘されおいる。぀たり2026幎6月の倧幅マむナスは、異垞倀だった前幎ず比范した芋かけ䞊の萜ち蟌みであり、垂堎の構造的な悪化ではないず捉えるのが正しい。

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ、ホテルバンク線集郚より䜜成

察照的に、沖瞄県のリゟヌト業態は前幎からさらに氎準を切り䞊げおいる。蚪日倖囜人数は2025幎䞊半期に過去最速で2,000䞇人を突砎し、宿泊需芁の抌し䞊げが続いおいる。沖瞄リゟヌトの掚定成玄ADRは繁忙期の倏堎に向けお再び䞊昇曲線を描いおおり、前幎倏の高倀をさらに䞊回る展開が芋蟌たれる。地域ずいう軞で芋れば、䟡栌の匷匱はむンバりンド需芁をどれだけ取り蟌めおいるかによっお遞別されおいるこずがわかる。蚪日需芁ず郜道府県別ADRがどう連動しお底入れ・反転しおきたかは、倖囜人宿泊が底入れ反転した2026幎春もあわせお参考になる。

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ、ホテルバンク線集郚より䜜成

第二の軞業態 — 関西を陀けばリゟヌトずカプセルが底堅い

地域芁因、ずりわけ倧阪の反動があたりに倧きいため、単玔に47郜道府県を平均するず党業態が小幅マむナスに芋えおしたう。そこで、䞇博反動ずいう特殊芁因を取り陀いた「党囜倧阪府を陀く」ベヌスで業態別の前幎同月比を再蚈算した。するず、業態ごずの底堅さの差が浮かび䞊がっおくる。

出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ、ホテルバンク線集郚より䜜成倧阪府を陀く46郜道府県ベヌス

倧阪を陀いたベヌスでは、ビゞネス業態−0.4%ずカプセル業態−0.6%がほが暪ばいで螏みずどたっおいる。宿泊特化型の底堅さは、出匵・囜内移動ずいった実需に支えられた需芁基盀の安定性を映しおいる。加えお、宿泊単䟡の絶察氎準が䜎いカプセルや廉䟡ビゞネスは、円安䞋で䟡栌に敏感な旅行者の受け皿にもなりやすい。䞀方、シティ業態−5.9%ず旅通業態−5.2%はやや軟調だった。シティホテルは前幎の高皌働・高単䟡の反動が出やすく、旅通は2食付きの高単䟡プランが倚いぶん、䟡栌に慎重な局の需芁倉動を受けやすい構造がある。この旅通業態の単䟡が䌞び悩む背景には倕食原䟡の䞊昇ず䟡栌転嫁のずれもあり、その構造は二食付旅通の倕食原䟡率䞊昇ずADR転嫁ギャップで業態別・地域別に掘り䞋げおいる。

もっずも、これらの平均は「゚リアを均した姿」にすぎない。次章で芋るように、同じ業態でも立地によっお方向はさらに枝分かれしおいく。

郜道府県×業態マトリクスで読む亀差点

ここたで芋た二぀の軞は独立しお働くのではなく、掛け合わさっお珟れる。地域が匷くおも匱い業態はあり、地域が匱くおも盞察的に持ちこたえる業態がある。以䞋のマトリクスは、䞻芁8郜道府県×5業態の2026幎6月掚定成玄ADRず前幎同月比を䞀芧化したものである。サンプル数Nが小さいセルは掚定の振れが倧きくなるため、参考倀ずしお扱っおほしい。

郜道府県 ビゞネス シティ リゟヌト 旅通 カプセル

各セル䞊段2026幎6月の掚定成玄ADR、䞋段前幎同月比出兞メトロ゚ンゞンリサヌチ、ホテルバンク線集郚より䜜成

マトリクスを俯瞰するず、いく぀かの瀺唆が読み取れる。第䞀に、倧阪府の列はすべおのセルが赀マむナスに染たっおおり、地域芁因が業態の別を問わず䞀様に効いおいるこずがわかる。䞇博反動は特定の業態ではなく、関西の宿泊需絊そのものを平幎氎準ぞ匕き戻したのである。第二に、沖瞄県・京郜府・東京郜のリゟヌト業態がそろっおプラス圏にあり、レゞャヌ・むンバりンド需芁を取り蟌む業態が地域を跚いで匷含んでいる。第䞉に、神奈川県のシティ20.9%のように、銖郜圏近郊でも斜蚭の入れ替わりやリブランドを背景に単䟡を切り䞊げおいる゚リアが存圚する。二極化は「勝ち負け」ではなく、需芁構造の違いが䟡栌に玠盎に反映された結果ず読むべきだろう。

䟡栌戊略ぞの瀺唆 — 平均で語らない

今回の分解が瀺す最倧の実務的な含意は、「党囜平均」や「業界党䜓の䞊昇率」ずいったマクロ指暙だけでは自通の眮かれた立ち䜍眮を芋誀るずいうこずだ。垂堎が二極化しおいるずき、平均は誰の実像でもない。関西の斜蚭が党囜平均のプラスを前提に匷気の䟡栌を眮けば取りこがしを招きかねず、逆に沖瞄のリゟヌトが「業界は反動局面」ずいう䞀般論に匕きずられお匱気に構えれば、䞊向く需芁を単䟡に反映しそこねる䜙地が生たれる。

重芁なのは、自通が属する「地域×業態」ずいうセル単䜍で需絊を読むこずである。䞇博反動のように前幎が異垞倀だった局面では、前幎同月比の䞋萜幅そのものよりも、平垞幎の氎準に察しおどこにいるかを芋る芖点が有効だ。䞀方でむンバりンド需芁を取り蟌める立地・業態では、前幎の高倀が倩井ではなく通過点になりうる。段階的なプラむシングでリヌドタむムごずの需芁曲線に䟡栌を合わせおいくこずで、䞊向く需芁を着実に単䟡ぞ乗せおいく機䌚が広がっおいる。同じ゚リア・業態のなかでも斜蚭ごずに䟡栌の付け方が分かれおいく実態に぀いおは、RMツヌル普及ず䟡栌分散が゚リア×業態別の倉動幅から読み解いおいる。二極化する垂堎は、平均に埋もれた収益機䌚を芋極める解像床を、これたで以䞊に求めおいるずいえる。

⚠ 倧阪・関西の反動リスクに぀いお本蚘事の倧阪府の前幎同月比は、2025幎の倧阪・関西䞇博による䞀時的な需芁急増の反動を匷く含みたす。䞋萜幅は前幎が異垞倀であったこずに起因する芋かけ䞊のもので、垂堎の構造的な悪化を意味するものではありたせん。詳现は倧阪䞇博のホテルADRぞの圱響分析もあわせおご参照ください。

たずめ

2026幎前半の日本のホテル垂堎は、REIT実瞟が瀺すずおりマクロでは倀䞊げ基調を保ちながら、その内偎で業態ず地域によっお䟡栌の方向が真っ二぀に割れる二極化局面にある。䞻芁8郜道府県×5業態のあいだで前幎同月比の開きは57.6ポむントに達し、䞊端の神奈川シティ・沖瞄リゟヌトず䞋端の倧阪各業態が䞡極を圢成した。二極化を駆動するのは、䞇博反動で平垞氎準ぞ戻る関西ずいう地域芁因ず、むンバりンド需芁を取り蟌むリゟヌト業態ずいう業態芁因である。垂堎党䜓の平均が䞊を向いおいおも、自通が属するセルの需絊を個別に読み解くこずが、これたで以䞊に重芁になっおいる。

あわせお読みたい

参考資料・出兞䞀芧

関連蚘事