小田急箱根グループでは2020年度にかけて箱根エリアにおいて、新型海賊船や新型ゴンドラの導入を含む総額100億円規模の大型投資を開始することを発表した。小田急の2019年3月期の第一四半期の決算状況と合わせてお送りする。
この度の大規模投資は、日本有数の観光地、箱根において交通サービスを中心に事業を展開している小田急箱根グループが2018年度から2020年度にかけて、乗り物の新造や駅舎改良をはじめとする総額100億円規模の大型投資を順次開始するもの。
箱根観光船 新型海賊船の建造
「心ときめくクルーズ」をコンセプトに、新たな海賊船を建造。温かみのある木材を床から天井まで贅沢に使い、調度品についても細部までこだわってクラシック感を演出する。船体の色は湖面に映える上品な黄金色を採用。内外装のデザインは、「ななつ星in九州」などの観光列車のデザインで評価の高い水戸岡鋭治氏(ドーンデザイン研究所代表)が担当する。
出典:小田急
箱根ロープウェイ 新型ゴンドラの導入
より安全性の高いゴンドラを目指して、早雲山~大涌谷間に安全性能に優れた CWA社製の最新型ゴンドラTARIS(タリス)を日本初導入する。扉開口部を大型化して乗客の乗り降りの際の安定感が向上する。また、 ゴンドラのガラス面の拡大によって一層パノラマビューを楽しめる。
出典:小田急
箱根登山鉄道 箱根登山電車新型車両の追加導入
2014年就役の眺望が優れた最新車両アレグラ号を追加導入。増備によって車両運用を円滑化し、繁忙期には全列車を3両編成で運転する。また、車体の更新時期を迎える2000形車両について、制御装置の更新および空調装置の搭載場所を室内から屋根上に変更することで、車内空間を拡充する。さらに、2021年の鋼索線開業100周年に向けて、現在のケーブルカー車両を内装、外装ともに大規模リニューアル。あわせて、ケーブルカー巻上設備を新造して、安全性も高める。
出典:小田急
以上のほか、箱根登山バスの路線バス車両の増車や早雲山駅舎の改築および改修、大涌谷駅待合室の新設、箱根キャリーサービス運搬車両の増強などを行う。
また、GPS等を用いてバスの位置情報を収集し、スマートフォンに配信するバスロケーションシステムの導入や訪日外国人向けに情報媒体の多言語対応を強化するなど投資先は多方面にわたる。
出典:小田急
良好な業績を背景に東京五輪へ受入体制整備を急ぐ
小田急は7月27日に行われた2019年3月期の第一四半期の決算発表で、前期(2017年度 第1四半期)から3.6%増の131,034(百万円)の営業収益を発表、営業利益も前期比4.3%増の16,776(百万円)、経常利益では前期比6.8%増の17,217(百万円)となるなど好調な業績を背景に、今回の大規模投資に至った模様だ。詳細は以下の表を参照。
出典:小田急
噴火の影響から観光客が回復を見せる箱根で、小田急が2020年東京五輪に向けてさらなる受入体制の整備を実施する。
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