リビタはライフスタイルホテル「ザ シェア ホテルズ クム 金沢」が2019年度グッドデザイン賞を受賞。そのほか、戸建てリノベ事業「HOWS Renovation」の「八雲の家」が2019年度グッドデザイン・ベスト100。複合シェアオフィス「12SHINJUKU」の受賞と合わせて、10年連続の受賞となった。
アクティビティとインテリアデザインとがひとつながりに
ザ シェア ホテルズ クム 金沢は、全国の遊休不動産を街のコミュニティスペースとして再生するリノベーションホテルTHE SHARE HOTELSの新店。
収容人員の効率性を高めた客室構成で収益性を確保し、同時に広い共用部を生み出した。1F共用部は天井格子のパーティションシステムにより多様なイベントを受け入れ、金沢の新しい文化サロンとして機能している。
全国の中心市街地には中小規模の遊休不動産が多く存在し、街の空洞化の一因となっている。同施設が立地する石川県金沢市のオフィス街も同様である。こうした建物の多くは容積率がさほど大きくなく、大規模事業者にとっては収益性に乏しい。
逆に地方の小規模事業者にとっては相応の投資が必要となるため手を出しづらく、結果として有効に利用されづらい状況である。同社は、こうした建物をリノベーションの手法で投資を抑え、また客室の収益効率を高めながら事業性をバランスさせ、ホテルへと再生する。
一方、地方創生が叫ばれる現在、Uターンして地域を盛り上げようとする地域プレイヤーが増えている。こうした背景から、同社はホテルという場を地域プレイヤーの活動拠点として提供し、一歩踏み込んだローカル観光を求める旅行者との接点をつくることで、双方にメリットをもたらすことができると考えたという。
事業関係者
プロデューサー:株式会社リビタ 中瀨真実、長谷部修一、北島優
ディレクター:株式会社リビタ 北島優、杉山文野
デザイナー:YUSUKE SEKI 関祐介+株式会社エスティプランニング 龍井慎一郎
グッドデザイン賞審査委員による評価コメントは以下の通り。
「ホテルの多くがロビー空間をパブリック空間と位置付ける一方で、作りがエクスクルーシブであったり、デザインがパブリック空間と何ら脈絡を持たない装飾的なもので埋まっている事例は多々ある。
そんな中でこのホテルは、パブリック空間を意識した1階に、公開のためのパーティションシステムを導入し、かつそれを印象的な格子天井へとまとめている。ホテルでは珍しい、機能とそこで想定されるアクティビティとインテリアデザインとがひとつながりになっている点が評価された。」
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