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セクシュアルマイノリティの旅行ニーズと対応:じゃらんリサーチセンターの調査から

投稿日 : 2023.06.02

指定なし

新規ホテル情報

じゃらんリサーチセンター』は、LGBT等のセクシュアルマイノリティに対する旅行サービスの提供について調査を行った。同行者や旅行場面ごとの困難を抱えるLGBT当事者は、特に会社の同僚との旅行や宿泊施設の性や関係性に基づくプランの選択などで問題を感じていることがわかった。

調査結果をみると、個々の旅行者に対する適切な選択肢の提供とプライバシーの確保がLGBT当事者から求められていることがわかる。また、性別に基づくサービス提供や先入観に基づくサービス提供、性別の聴取などに問題意識があることが明らかになった。

旅行者の関係性に基づいて提供されるプランの利用が難しく、自由に選択できる浴衣やアメニティ、人と対面しないチェックイン・チェックアウトなどの要望が寄せられている。具体的には、トランスジェンダーは「ミスジェンダリング」が問題であり、宿泊時の性別の聴取の必要性が理解できないという意見もみられた。ほかにも個室風呂や貸切風呂の有無、またその泉質がどうであるかなどを明確に記載してほしいという意見もみられた。


(出典:じゃらんリサーチセンター

旅行施設においては、LGBT当事者への対応は特別なものではなく、すべての顧客を差別せず平等に扱うことが重要であると認識されている。各施設の対応は異なり、レインボーフラッグの掲示やアメニティの提供形態などにも差が見られる。

例えば大分県の「由布の彩 YADOYA」では、2010 年から大人 2 名限定の離れの宿をコンセプトにしており、コロナ禍以降に LGBT 当事者の方も利用できるフォトウエディング会社と提携しているが、LGBT だからといって特別扱いはしていない。アメニティは男女別としているが、男性用セットにもパックを入れる などして多様性を尊重できるように対応しようとしている。LGBT当事者への対応方法には正解がなく、それぞれの施設が適切な方法を模索する必要がある。(出典:由布の彩 YADOYA

以上の結果を基に、『じゃらんリサーチセンター』は、旅行時は特別な配慮より個を尊重した多様な選択肢が重要であるとしている。また、LGBT等のセクシュアルマイノリティに対する適切な旅行サービスの提供について、社会全体での貢献を目指している。

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