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日本でも広がる「旅ラン」の波:観光とランニングが融合する新たな旅行スタイル

投稿日 : 2025.04.22

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インバウンド

(出典:スカイスキャナー・ジャパン株式会社

スカイスキャナー・ジャパン株式会社は、近年注目を集める「旅ラン」、すなわちランニングやマラソンを目的とした旅行の動向を探るべく、国内外に向けた調査を実施した。この背景には、2025年3月2日に開催された東京マラソンにおいて、全体の46%を外国人ランナーが占めたという事実がある。参加者の国際的な広がりが、スポーツを目的とする旅行の新たな潮流を明確に示している。

(出典:スカイスキャナー・ジャパン株式会社

今回の調査では、アメリカ・中国・韓国の三カ国に居住する、ランニングに関心を持つ745名に対し、2025年中に「旅ラン」を予定しているか質問した。その結果、全体の63.8%が1回以上の旅ランを予定していると回答した。国別に見ると、中国が最も高く81.4%、次いでアメリカが66.4%、韓国が43.2%と続いた。この結果から、中国市場における「旅ラン」熱の高まりが顕著に見て取れる。また、ランニングやマラソンが旅行の目的の1つとして人気が急上昇していることも判明した。

(出典:スカイスキャナー・ジャパン株式会社

加えて、調査では海外ランナーが参加を希望するマラソン大会についても尋ねたところ、最も人気が高かったのは東京マラソンであり、全体の43.6%が「参加してみたい」と回答した。さらに大阪マラソンが4位、京都マラソンが5位にランクインしており、日本のマラソン大会が国際的に高い関心を集めていることが明らかとなった。また、単に有名な大会に参加することにとどまらず、観光地として魅力のある場所で走ること自体を楽しみたいと考える人が増えていることも読み取れる。(出典:スカイスキャナー・ジャパン株式会社

こうした旅ランのトレンドは、日本国内においても着実に広がっている。18歳以上の日本人1,000人を対象に実施された調査によれば、約40%が2025年に旅ランを予定していると回答している。そのうち15%は海外での旅ランを希望しており、日本人旅行者の中でも「走ることを旅の目的に組み込む」傾向が強まりつつある。(出典:スカイスキャナー・ジャパン株式会社

旅ランへの関心の理由として最も多かったのは「健康のため」であり、5割以上がこの項目を選択した。他にも「新しい景色を楽しむため」や「特別な思い出づくり」「仲間との共有体験」といった動機が上位に挙げられており、ランニングが旅行の一環として楽しまれる傾向が強まっていることが明らかとなった。(出典:スカイスキャナー・ジャパン株式会社

さらに、旅ランの目的地選びにおいて重視される要素を尋ねたところ、海外・日本いずれの回答者も共通して「旅行先の景観や魅力」と「費用」が上位2位に並ぶ結果となった。このことから、もともと観光地として知られていた地域において、ランニングという体験が加わることで、ランナーからの支持を集めている都市が存在することが見て取れる。

スカイスキャナーが発表した「トラベルトレンドレポート2025」においても、スポーツを軸としたアクティブな旅の人気は顕著に高まっていると指摘されている。旅ランの人気拡大の背景には、共通の趣味を持つ人々と体験を共有したいというニーズの高まりがある。また、コロナ禍を経て健康志向が強まったことや、SNSを通じて世界中の雰囲気が可視化されるようになったことも、旅ラン人気を後押しする要因となっていると思われる。

 

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