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ホテルの客室料金の決め方とは?料金設定の仕組みから変動理由まで解説!

投稿日 : 2022.09.19

レベニューマネジメント

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ホテルの料金は「いつ泊まっても一年中同じ」ということはほとんどなく、利用者が増える週末や連休には料金が上がるなど、需要に応じて変動するのが一般的です。

細かく変動するホテルの客室料金は、いったいどのようにして決まっているのでしょうか。ホテルの料金設定の仕組みや、客室料金が変動する理由、最適な料金設定を行う方法まで、丁寧に解説します。

ホテルの客室料金設定のための5つの仕組み

「以前泊まったホテルにまた泊まろうとしたら、値上がりしていた」「同じホテルでも曜日によって宿泊料金に大きな差がある」といった経験がある人も多いことでしょう。

季節や曜日、予約のタイミングなどさまざまな要因によって変動することの多いホテルの宿泊料金は、いったいどのようにして決まっているのでしょうか。ホテルの客室料金を設定する5つの仕組みについて解説します。

なお、以下の5つの仕組みのうち、ひとつだけでなく複数を組み合わせているホテルが多いことを念頭に置いてください。

ホテルの原価から料金を割り出す

商売の基本は「原価に利益を上乗せした価格でモノやサービスを買ってもらう」ことです。小売業であれば、商品の仕入れや店舗の維持管理、販売スタッフの人件費などにコストがかかっていて、そのコストは販売価格に上乗せされています。

小売業と違ってモノを売るわけではありませんが、ホテルにも「原価」があり、建物の取得・維持費用、人件費、広告宣伝費、清掃費など、さまざまなコストがかかっています。

当然のことながら、これらのコストを上回る売上を得ることができなければ、ホテル経営は成り立ちません。そこで、ホテル運営にかかる原価を計算し、利益が出る宿泊料金を設定するというのがひとつの方法です。

ホテルの客室の種類から料金設定する

同じホテルであっても「すべての客室が同じ料金」というホテルはまれで、館内に異なるグレードの客室があり、グレードに応じて異なる客室料金が設定されていることがほとんどです。

具体的には、客室の広さや設備、内装のグレード、階数、眺望などによって料金が変わってきます。そうすることで、「広い部屋の料金を高くする」「海が見える部屋の料金を高くする」など、付加価値の高い客室の料金が自然と上がることになります。

ホテルの利用者層に応じて料金設定する

ホテルの立地や価格帯、設備などによって利用者層が異なり、それによって宿泊利用が集中する日も変わってきます。出張ビジネスマンが多いホテルの場合、平日、特に水曜日や木曜日に利用者が増える傾向があるため、これらの曜日の宿泊料金を高く設定しつつ、日曜日は安くするなどの調整が必要になってきます。

一方、家族連れが多いホテルの場合、週末が書き入れ時になります。特に学校が休みになる春休みや夏休み中などの週末は思い切って料金を上げ、平日は料金を下げるといった対応になるでしょう。

ホテルの競合の平均価格に合わせる

宿泊料金の決定にあたっては、競合となるホテルや旅館の料金を把握し、エリアの相場をもとに料金設定を行うことも大切です。

競合ホテルに比べて高すぎる料金にしてしまうと、選ばれなくなってしまいますし、安すぎる料金にしてしまうと、必要以上の値引きで収益が悪化してしまいます。そのため、エリア内の競合の料金を踏まえて、バランスの取れた料金設定にすることが重要なのです。

人工知能サービスを利用してホテルの料金設定をする

多くのホテルでは、需要と供給の状況に合わせて柔軟に宿泊料金を変動させるダイナミックプライシングを導入しています。ダイナミックプライシングにおいては、過去の実績やカレンダーなど、さまざまな情報を収集・分析した上で、それに基づいて需要を予測し、料金調整を行います。

ところが、このプロセスには膨大な手間がかかる上、担当者のカンに頼っている部分もあるのが実情です。最近では膨大なデータに基づいて、最適な客室料金を提案するAIシステムが開発されており、こうしたサービスを取り入れるホテルも増えています。

AIシステムを活用することで、より高精度な料金設定ができるだけでなく、現場の業務負荷が軽減できるというメリットもあります。

ホテルの料金が変動する理由とは?

宿泊する日や予約するタイミングによってホテルの料金が変動するのは半ば常識になっていますが、そもそも、ホテルの客室料金はなぜ変動するのでしょうか。

ホテルは在庫が繰越せない産業

前提として、ホテルは在庫の繰り越しができない産業であることが挙げられます。小売業であれば「需要が少ない時期に売れ残った商品を保管しておき、需要が多いときに売る」ということができますが、ホテルではそれができません。

需要が少ないからといって、部屋を空室のまま遊ばせておくようなことはできるだけ避けたいもの。そこで、需要が少ないときは客室料金を下げて空室を埋める工夫が生まれたのです。

ホテルの収益最大化を図るため

需要と供給の状況に応じて客室料金を柔軟に変動させるということは、需要が少ない時期には料金が下がり、需要が多い時期には料金が上がるということです。

ゴールデンウィークや年末年始など、需要が集中する時期にはそれに応じて宿泊料金を引き上げることによって、プラスアルファの売上・利益が得られます。また、需要が少ない閑散期には、値引きをしてでも客室を埋めたほうが売上・利益が向上します。このように、需要に応じた柔軟な料金変動は、ホテルの収益最大化につながるのです。

ホテルの客室料金設定には需要と供給のバランスが重要

ホテルの客室料金設定にはさまざまな方法がありますが、いずれの場合も需要と供給のバランスが重要になってきます。

いくら連休の書き入れ時だからといって、あまりにも料金を上げすぎるとお客様に敬遠されかねません。また、いくら空室を埋めたいからといって、赤字になるほど値引きをしたり、過剰な値引きによってブランド価値を棄損してしまったりしては本末転倒です。

ホテルの客室料金設定においては、いかに正確に需要を予測し、その需要に見合った適切な料金が導き出せるか、また、いかに最適なタイミングで料金変更が行えるかがポイントになります。

ホテルの価格変動システムとは?

ホテルの価格変動システムは、需要と供給の状況に応じて柔軟に客室料金を変動させる仕組みのことです。簡単に言ってしまえば「人気のある日を高く売り、人気のない日を安く売る」仕組みだと言えるでしょう。

また、宿泊する日程だけでなく予約するタイミングも重要で、同じ日程・同じホテル・同じ部屋でも、予約するタイミングによって料金が変動することもあります。これは、空室状況などに応じて料金の調整が行われることがあるからです。

ホテルの需要は季節や曜日などによって大きく変動するため、過去のデータやカレンダーを基に需要を予測し、最適な料金を導き出すことが大切なのです。需要予測に基づいて、最適な料金を設定し、収益を最大化することを「レベニューマネジメント」と呼びます。

レベニューマネジメントシステムとは

前述の通り、ホテル経営におけるレベニューマネジメントとは、需要予測に基づいた最適な料金設定を行い、収益最大化を図ることです。このレベニューマネジメントをサポートしてくれるのが「レベニューマネジメントシステム」です。

レベニューマネジメントシステムを導入することで、複雑な料金調整が自動化できます。最適な客室料金を導き出すには、過去の売上実績やカレンダー、イベント情報などを収集・分析し、今後の需要を予測する必要がありますが、レベニューマネジメントシステムがAIや機械学習を駆使して最適な料金を提案してくれるため、現場の負担を軽減しながらレベニューマネジメントが実践できるのです。

ホテルの料金調整の際、売上を落とさない方法

客室料金の設定は、ホテルの収益を左右するデリケートな問題です。

いくら需要の多い時期でも極端に料金を上げてしまうと、お客様に敬遠され思うように客室稼働率が上がらないばかりか、「人の足元を見るホテルだ」と悪印象を持たれてしまう可能性があります。反対に、過剰な値引きはホテルの収益悪化につながります。

そこでポイントになってくるのが、正確に需要を予測し、それに見合った最適な価格を導き出すことです。そのためには、レベニューマネジメントツールの活用も視野に入れるべきでしょう。

また、ホテルのコンセプトや利用者層に合った価格戦略も重要になってきます。例えば、出張者のリピーターが多いビジネスホテルであれば、「日によって極端な料金差がないほうが安心して泊まってもらえる」との考えのもと、あえて料金を大きく変動させないのもひとつの戦略です。一方、イベントや記念日など特別な機会に利用されることの多い高級ホテルやリゾートホテルの場合は、連休やイベントの時期に思い切って料金を上げることで収益アップが見込めるでしょう。

「需要と供給の状況に応じて料金が変動する」というのが多くのホテルにおける基本的な料金設定の考え方ですが、「いつ・どんなときに料金を変動させるか」「どの程度まで変動の幅を持たせるか」は、ホテルの思想や戦略が表れる部分でもあるのです。

まとめ

ほとんどのホテルで変動料金が導入されている背景には、「在庫が繰り越せない」「季節や曜日などによって需要が大きく変動する」というホテル特有の事情があります。

「売り時」を逃してしまうと売れなくなってしまうからこそ、需要に応じた最適な料金を導き出し、最適なタイミングで料金変更を実施することが収益を左右する重要な要素になっています。これからのホテル経営においては、レベニューマネジメントツールの導入も含めた自動化・効率化がさらに加速していくでしょう。

■記事作成:メトロエンジン株式会社

2016年創業。ダイナミックプライシングを活用したSaaSシステムのパイオニアとして躍進。ビックデータから人工知能・機械学習を活用し、客室単価の設定を行うダイナミックプライシングツールをホテルなど宿泊事業者に提供。また、レンタカー業界や高速バス業界など幅広い業界のDX支援事業も展開している。

サービスに関するお問合せ先:sales@metroengines.jp

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