ホテル特化型メディア

眠っていたデータから新たな付加価値を

トップ > コラム > 出張規定の見直しは必至!:コロナ後の宿泊料金上昇と出張規定調整の必要性

出張規定の見直しは必至!:コロナ後の宿泊料金上昇と出張規定調整の必要性

投稿日 : 2024.01.26

コラム

ダイナミックプライシング

ホテル関連ニュース

コロナ禍以降、宿泊業界は深刻な打撃を受けたものの、今年一年をかけて宿泊需要の回復傾向にあり、経済産業省の発表によれば、宿泊業は2019年12月に比べ13%高い水準にまで回復している。これは、感染症のステージが5類に移行し、ビジネス出張の機会が増えると同時に、インバウンド旅行客の増加により料金の引き上げが図られているためだ。

メトロエンジンの調査によると、2023年6月時点で旅行需要の回復を受けて全国的に宿泊料金が上昇傾向にある。特に、都市部ではビジネス・シティホテルの客室単価が大幅に上昇しており、東京では前年比で66%増、他主要都市部でも平均宿泊価格が前年比で33%増となっている。東京では平均価格で11,000円、京都では12,700円と一万円台を突破しており、大阪では平均8,500円と、10,000円に近い水準まで価格が上昇している。他の都市でも、コロナ前の水準に戻りつつある。

では現在の出張規定はどうだろうか。例えば、公務員の出張規定では、宿泊費用の支給額は、課長級で都市部では14,800円、係長級で10,900円、それ以下の階級で8,700円となっており、地方ではこれよりも1,000~2,000円ほど安い価格が設定されている。またこの費用は「食卓料」も含んでいることを考慮すると、先ほどのメトロエンジンの調査と比べ、現在の出張規定では賄えきれない価格になってきていることが明らかだ。また今後さらにインバウンドの回復や円安&インフレが進むことを考えると、この差は広がるばかりといえる。(画像出典:財務省)

このような状況を考慮すると、日本の企業における出張規定の見直しは、宿泊業界の現状と経済の動向を踏まえ、柔軟に対応すべき時が来ていると言える。特に、ビジネス出張が多い都市部における宿泊料金の上昇は無視できない事実であり、現行の出張規定では宿泊費用をカバーするのが困難な状況にある企業も少なくないのではないだろうか。企業側も、出張費用の実情に即した規定の見直しを検討し、従業員が出張に際して適切な宿泊施設を利用できるようにすることが重要である。

一方で宿泊料金は曜日や予約のタイミングによって大きく変動するため、料金改定の参考データが不足しているのが現状である。メトロエンジンではホテルの価格情報などに関するビッグデータを保有しており、地域やホテルカテゴリーなど細かい指定のもと過去の価格などを参照できる。詳細はこちらから。

 

関連記事