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【2025年4月最新】横浜市のシティホテルを徹底分析!安定成長を続ける国際都市の宿泊市場

投稿日 : 2025.04.29

神奈川県

ホテル統計データ

横浜市のシティーホテル、分布状況

メトロエンジンリサーチによると、横浜市のシティーホテルの分布状況は以下の通り。

出典:メトロエンジンリサーチ

出典:メトロエンジンリサーチ

メトロエンジンリサーチによると、横浜市のシティーホテルは、観光・ビジネスの主要エリアに集中的に分布している。地図からも読み取れるように、特にホテルが密集しているのは、横浜駅周辺、みなとみらい地区、関内・桜木町エリアであり、これらが中心的な滞在拠点となっている。

横浜駅は新幹線や空港リムジンバスが発着する交通の要所であり、みなとみらい地区は国際会議場や大型商業施設が並ぶエリア、関内・桜木町は行政機関や文化施設が集積する地域と、それぞれ異なる特性を持つ。こうした立地特性に応じて、ビジネス、観光、イベント参加など多様な宿泊ニーズをカバーしている点が特徴だ。

さらに、新横浜エリアにもホテルが点在しており、新幹線利用者や周辺のビジネス需要に応えている様子がうかがえる。加えて、金沢区(八景島周辺)にも若干数のホテルが見られ、観光レジャーを目的とした滞在にも対応していることが考えられる。

このように、横浜市のシティーホテルは、交通利便性と観光資源の両方を意識した立地戦略により、多様なニーズに応える体制が整っていることが推察される。

横浜市のシティーホテル、施設数の推移

緩やかな増加基調、需要回復とエリア魅力の再評価が後押し

横浜市におけるシティーホテル・施設数の推移には以下の傾向が見られた。

出典:メトロエンジンリサーチ

横浜市におけるシティーホテルの施設数は、2020年から2025年にかけて、おおむね右肩上がりの増加傾向を示している。
一時的な増減は見られるものの、2020年初頭には約20施設だったものが、2025年1月時点では24施設まで増加した。

特に、2023年以降にかけて施設数の伸びがやや加速している点が注目される。これには、観光需要の回復だけでなく、横浜市内各所で進む再開発や大型施設のオープン、国際会議・イベントの再活性化などが影響していると考えられる。

また、既存ホテルのリブランドや、ワーケーション・長期滞在需要を見込んだ新たな施設形態の登場も、施設数の増加を後押ししている可能性がある。

考察

横浜市のシティーホテル市場は、観光・ビジネスの両需要の復調と、エリアとしての総合的な魅力の再評価により、堅調な成長を続けていると言える。

みなとみらい地区や関内エリアの再開発、新たな国際イベントの開催、訪日外国人旅行者(インバウンド)の回復傾向が背景にあり、今後も一定の施設数増加が続く可能性が高い。

特に、アジア圏からの短期・中期滞在ニーズや、国内層の都市型観光需要を取り込めるかが、今後の成長を左右するポイントになるだろう。

横浜市のシティーホテル、部屋数の推移

新規開業と大型ホテルの存在感により、部屋数は緩やかに拡大

横浜市におけるシティーホテル・部屋数の推移には以下の傾向が見られた。

出典:メトロエンジンリサーチ

横浜市におけるシティーホテルの部屋数は、2020年初頭に約5,200室程度でスタートし、その後は緩やかな増加傾向を示している。2025年1月時点では、約6,600室まで拡大しており、コロナ禍を挟みながらも着実に供給量が伸びたことがわかる。

特に、2023年から2024年にかけて部屋数が大きく増加している点が特徴的だ。この時期には、新たなホテル開業だけでなく、大型施設の本格稼働や、既存ホテルによる客室改装・増室の動きも影響していると考えられる。

施設数の増加と連動しながらも、部屋数ベースでは大型ホテルの存在感が際立ち、単なる数の拡大ではなく、収容力そのものが高まっている様子が読み取れる。

考察

横浜市のシティーホテル市場は、施設数の増加と並行して、部屋数ベースでも堅実な成長軌道を描いている。
観光・ビジネス両面での需要回復に応じた供給体制の整備が進んでおり、特にみなとみらい地区や新横浜エリアなど、大型開発が進んだ地域を中心に、受け入れ体制が強化された。

今後は、国際イベントの誘致や、国内外のMICE(会議・報奨旅行・国際会議・展示会)需要をターゲットとした高付加価値型ホテルの拡充が、横浜市の宿泊市場にさらに厚みをもたらす可能性があるだろう。

横浜市のシティーホテル、稼働率の推移

観光・ビジネス両需要を背景に全国平均を上回る水準で安定推移

横浜市のシティーホテルの稼働率の推移を全国平均と比較して分析すると、以下のような傾向が見られた。

出典:メトロエンジンリサーチ

横浜市におけるシティーホテルの稼働率は、全国平均と概ね同様の動きを示しながらも、一貫して全国平均をやや上回る水準で推移している時期が多いのが特徴だ。

2020年にはコロナ禍の影響により大幅に低下したものの、2021年以降は徐々に回復基調に転じ、2023年以降は70%前後の高稼働を維持。特に2023年後半から2024年にかけては、全国平均を上回る月が目立ち始めている。

この背景には、横浜市が持つ国際都市としての機能、みなとみらい地区での大型イベント・展示会の再開、さらに観光資源(山下公園、赤レンガ倉庫など)の人気回復が複合的に作用していると考えられ、加えて、ビジネス・会議需要と観光需要のバランスが取れている点も、高水準を支える要因となっているだろう。

考察

横浜市のシティーホテル市場は、都市型観光地でありながらもビジネス都市としての機能を兼ね備えていることから、季節変動に左右されにくい安定した稼働率を実現している。

特に、横浜駅・みなとみらい・関内といった各エリアがそれぞれ異なる宿泊ニーズに応えている点が、市全体の稼働率を底上げしているといえるだろう。

また、外資系ラグジュアリーホテルの進出や、ライフスタイル型ホテルの開業も進み、訪日外国人旅行者だけでなく、国内層の高付加価値志向にも対応できる受け皿が広がっている。

横浜市のシティホテル市場の今後の展望

今後も横浜市のシティーホテル市場は、国際会議・展示会(MICE)の開催、観光需要のさらなる回復に支えられ、安定した高稼働を維持することが期待されている。また、2027年の横浜国際園芸博覧会(GREEN EXPO 2027)など、大型国際イベントも控えており、中長期的にはさらなる稼働率向上の追い風となるのではないだろうか。

一方で、施設数・部屋数の増加に伴う競争環境の激化も予想されるため、今後はブランディング強化や滞在価値の向上、ターゲット層に応じたサービス戦略の深化が求められる局面に入っていくと考えられるが、横浜市の都市としての魅力と、多様な宿泊ニーズに応える柔軟なホテル戦略が融合することで、今後もさらなる成長と発展が期待されている。

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