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2023年5月最新!大阪市&中央区ホテルトレンド:新規開業エリアの特性と魅力を徹底解説

投稿日 : 2023.05.26

新規ホテル情報

ホテル統計データ

2023年5月最新の大阪市の新規開業施設について、その中でも中央区のホテルトレンド・考察をお伝えする。

大阪市の新規開業施設分布

メトロエンジンリサーチによると、大阪市の新規開業施設の分布は中央区・北区・浪速区に集中している。

中央区に新規開業施設が集中

大阪市内で新規開業施設が集中している中央区・北区・浪速区だが、その中でも中央区に新規開業施設が集中している。

メトロエンジンリサーチによると、2023年以降の大阪市の新規開業施設は25施設(9,442室)。
内、中央区に11施設(3,026室)が開業予定となっており、施設数では全体の44%、部屋数でも32%を占めている。

順位

大阪市 施設数 割合 部屋数(推定) 割合

1位

中央区 11 施設 44% 3,026 室 32.0%

2位

北区 7 施設 28% 2,512 室 26.6%

3位

浪速区 4 施設 16% 1,033 室 10.9%

4位

西区 2 施設 8% 371 室 3.9%

5位

此花区 1 施設 4% 2,500 室 26.5%

合計

25 施設 9,442 室

出典:メトロエンジンリサーチ

なぜ、中央区に集中しているのか?

中央区とは?

中央区は、大阪都心6区の一角を成す、大阪市を構成する24行政区の1つである。大阪府庁や大阪市役所などの行政機関が立地しており、政治・経済の中枢としての役割を担う一方、多くの企業や商業施設が集積するビジネス街としても知られている。観光面では数多くの歴史的な名所や観光スポットを有し、代表的なものとしては、大阪城、天満橋筋商店街、道頓堀などが挙げられる。

中央区に新規開業施設が集中している理由?

中央区に新規開業施設が集中している理由は、以下の要因が考えられる。

○ 宿泊需要の増加

宿泊需要の増加といえば、2025年に大阪で開催される国際博覧会(大阪・関西万博)が想起されると思われるが、この点を除いても、中央区は観光客のみではなくビジネスでも多く利用されるエリアである。

多くの企業が集積するビジネス街であり、国際会議や展示会などのビジネスイベントも頻繁に開催されるため、多くのビジネスマンが滞在する必要性が生まれている。

同時に、大阪城や道頓堀などの人気観光スポットを有し、独特の文化を持ち合わせている点から、訪日外国人からの人気も年々高まっていることから、宿泊需要が増加傾向にあり、新規開業施設が集中する要因となっていると考えられる。

○ 交通インフラの整備

中央区は交通の要所に位置しており、交通インフラの整備が進んでいるエリアである。鉄道においては、大阪駅や梅田駅が中心となり、JR線や私鉄の多くの路線が交差している。また、地下鉄も充実しており、御堂筋線や四つ橋線などが主要地下鉄が中央区内を走っていることから、大阪市内外へのアクセスが容易になっている。

さらに、道路網も整備されており、高速道路や幹線道路が通過している。また、関西国際空港や他の都市へのアクセスも優れており、観光客やビジネスマンにとって利便性の高いエリアとなっていることなどが、新規開業施設が集中する要因となっていると考えられる。

中央区の新規開業予定施設を一部紹介

メトロエンジンリサーチによると、2023年〜2026年に開業予定の中央区の新規施設・部屋数トップ3は以下の通り。

順位

施設名 部屋数(推定) 開業予定時期

1位

(仮称)東横INN 
  大阪なんば駅前
617 室

2023年7月3日

2位

ダブルツリー
by ヒルトン大阪城
377 室 2024年4月1日

3位

(仮称)ヒューリック
心斎橋 開発計画

288 室

2024年1月1日

出典:メトロエンジンリサーチ

1位の「(仮称)東横INN 大阪なんば駅前」は、大阪メトロ御堂筋線 なんば駅に徒歩1分の好立地に2023年7月3日開業予定の地上14階、617室の大型ビジネスホテル。ホテル目の前には「なんばウォーク(地下街)」の入り口があり、JR難波駅、大阪メトロ 四つ橋線・御堂筋線 なんば駅、近鉄・阪神 大阪難波駅に数分でアクセスできる。当初は2016年の竣工を予定していたが、新型コロナウィルスの影響もあり複数回工期を後退させ、ついに2023年7月3日に開業の予定となっている。

2位の「ダブルツリー by ヒルトン大阪城」は、ヒルトンにとっては大阪で3施設目のホテルとなり、関西初進出となる「ダブルツリーbyヒルトン」ブランドは、世界49ヶ国に615軒以上展開している、ヒルトンの中でも急成長中のアップスケール・ホテルブランドとなっている。立地は、株式会社日本経済新聞社と大和ハウス工業株式会社が進める「日本経済新聞社旧大阪本社跡地」の複合施設「大阪・大手前一丁目プロジェクト」の施設内にあり、同施設の6階から20階まで15フロアで展開する、大阪城に最も近いホテルの一つである。

3位の「(仮称)ヒューリック 心斎橋 開発計画」は、大阪のメインストリートである御堂筋および長堀通に面した「心斎橋」の交差点に立地し、大阪メトロ御堂筋線・長堀鶴見緑地線 心斎橋駅に直結。本計画は「心斎橋プラザビル(本館・東館・新館)」および「心斎橋フジビル」を建替え、新たなランドマークとして店舗・宿泊施設・事務所の複合施設を一体開発するものとなっている。ホテルは、16階~28階にヒューリックグループが運営する「ザ・ゲートホテル」が、京都に続く関西2軒目として計画されており、地上約120mの最上階に大阪の景色を一望できるルーフトップバーを設置するなど、上質で快適な空間を提供する予定となっている。

中央区の新規開業予定施設の特徴

中央区の新規開業予定施設には、立地・ターゲットの2点で大きな特徴が見受けられる。繰り返しになるが、中央区は交通インフラが整備されており、ビジネスの中心地であると同時に国内外の観光客に人気のスポットを多数有しているエリアである。

特徴としては、大阪の中心地である「なんば駅」徒歩1分・「心斎橋駅」直結など、交通アクセスに特化すると同時に、高級感を維持しつつ機能性を持たせた施設が開業を予定しており、大阪を代表するビジネス街を訪れるビジネスマンと国内外の観光客(富裕層)の双方を受け入れることを想定している点が特徴となっている。

中央区の今後の展望

中央区は大阪の中心地であり、ビジネスと観光の両面で魅力的なエリアとなっている。加えて、大阪では2025年の国際博覧会(大阪・関西万博)が予定されており、予想入場者数の2,800万人、約350万人のインバウンド誘客が見込まれている。

アクセスに優れ、人気の観光スポットを多数有する中央区には、国際博覧会(大阪・関西万博)の波及効果として観光客が増加し、宿泊施設の需要が高まることが既に予測されている。

実際に、今回ご紹介した施設の他に7施設が2025年までの開業を予定しており、国内のみではなく多くの訪日外国人の受け皿となることで、大阪のみではなく関西エリア全体への経済波及効果が大きく期待されている。

 

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