欧州最大のホテルチェーンであるアコーは、中国EC大手のアリババと戦略的提携を行うことを11月7日に発表した。両者は今後5年にわたり、旅行者の体験を向上させるためデジタルアプリやロイヤルティプログラムの開発を協力して行う。
世界規模でデジタル対応の新ロイヤルティプログラムを提供
同発表はマクロン仏大統領が訪中の際の使節団の一員としてアコーが中国国際輸入博覧会(2019 China International Import Expo)を訪れた際の特別式典において行われた。
同戦略的提携は、アリババが中国全土で抱える7億人近い消費者へアコーが提供するサービスの利用を促進するものであり、アコーの顧客が旅行する上でアリババの包括的な環境においてシームレスにサービス統合されることを可能とするものであるという。
アリババの旅行商品販売プラットフォーム「Fliggy」は消費者がホテル、ケータリングやエンターテイメント、その他のライフスタイルサービスを予約するのに利用されている。支払いはデジタル支払いサービスのアリペイによって行うことができる。
また、アコーは中国の旅行者向けに”Haoke”(ウェルカム)プログラムを展開。中国語や中華料理、中国語スタッフ、支払いシステムなどの中国旅行客のニーズに適したサービスで歓待する。
アコーとアリババの同提携はアコーにより間も無く立ち上げられるライフスタイルロイヤルティプログラム「ALL – Accor Live Limitless(オール・アコー・ライブ・リミットレス)」の開始に向け重要な役割を果たすという。
アリババは同プログラムの展開へ向けて中国だけでなく世界中で、システム開発、消費者分析、データマーケティングなどにおいて協力を行う。
アコーのCEO Sebastien Bazin氏は中国の世界旅行産業における重要性を指摘した上で、「(同提携が)中国とフランスの経済関係を象徴的に強めるものとなり、オール・アコー・ライブ・リミットレスのプログラムが中国の旅行者にエキサイティングなイベントと利益をもたらすものとなる」と述べた。
また、アリババグループCEO Daniel Zhang氏は「アリババの提供するビジネスオペレーションシステムにより、アコーを含む旅行産業パートナーは販売からマーケティング、ブランド管理、顧客管理、サービスイノベーションに至るビジネスオペレーションについて完全にデジタル化することが可能になる」と述べた。
【合わせて読みたい】