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アリババ、近未来ロボットホテル、中国杭州市に12月開業

投稿日 : 2018.11.19

海外

新規ホテル情報

中国のeコマースの巨人、アリババグループが初の近未来ホテル「Flyzoo Hotel」を本年12月に中国杭州市の同社の本社近くに開業する。

顔認証技術、客室IoT、配送ロボット

多くの近未来設備を導入した同ホテルでは、レセプションでは、無人チェックインシステムを導入。

高さ1メートルほどのロボットが受付を「担当」し、顧客によるIDスキャンと顔認証により受け付けが完了する。

ホテル内の至る所にロボットが導入されており、音声コミュニケーションにより、ロボットが顧客を客室までガイドする。

また、顧客は顔認証技術によって客室のドアを開錠することができるという。

さらに、客室内では食事の注文などのルームサービスやテレビのチャンネルの変更、室内温度や光の強弱、カーテンの開封にいたるまで室内のIoT機器を音声によって管理できる。

アリババが導入しているのは「Tmall Genie」と呼ばれるAI管理システム。

本年9月に発表されたホテル内での配送ロボットは、食事の配膳からランドリー・サービスまで全ての宿泊客の注文に音声やジェスチャーで対応するもので、同ホテルにも導入予定。

同ホテルのCEOのWang Qun氏は、「新たなAIシステムは当ホテルの経営の効率性を改善し、通常の労働力の半分以上を削減することに成功した。」という。

他方で、清掃には人的な労働力を維持した。

スマートホテルへの取り組みはHISの「変なホテル」など日本でも行われており、無人チェックイン、客室内のAIスピーカーやタブレットの導入などに注目が高まっているが、特にアリババが最先端を行くのは、顔認証技術で、チェックインやエレベーターの作動、客室ドアの開錠など多くの場面でスタッフと顧客の双方の労力の省力化に成功をしている。

一方で、顔認証情報は中国の公安警察にも報告されるものとされ、中国の国柄を反映する事情も含まれている。

アリババグループは、11月2日に、9月四半期2018年の業績を発表し、85,148百万人民元(円換算で、約1兆3,8百万円相当)、前年比で54%増の売上高を示した。

同グループは、ホテル産業に限らず、小売店舗などでもAIを活用した流通・サプライチェーンの変革、小売店経営の効率化、顧客の新たな購入経験の開発に取り組んでいる。

China Dailyなど複数の中国ローカルメディアが報じている。

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