米ホテル市場は、2018年9月、客室稼働率(OCC)が68.0%となり、前年同月比で2.1%減少した。また、ADRは1.9%増加の131USD、RevPARは0.3%減少の89.1USDとなり、三つの鍵となるKPIで増減が分かれた。RevPARは2010年3月から102ヶ月連続の記録的増加からついに減少に転じた。
RevPARの増加が102ヶ月でストップ、ヒューストンで大幅後退
STRによると、米ホテル産業は三つの鍵となる指数において異なる増減を示した。
2018年9月と2017年9月の比較において、以下の通りとなった。
・客室稼働率(OCC):-2.1%,68.0%
・ADR:+1.9%,131USD(1USD=113円、2018年10月現在)
・RevPAR:-0.3%,89.1USD
RevPARは2010年3月以来102ヶ月連続で増加を続ける記録的なものとなっていたが、2018年8月まででストップとなり、9月減少に転じた。
全米の各地域市場においては、カリフォルニア州サンフランシスコ地域がRevPARにおいて13.3%増加し239.64USDとなり、ADRも13.6%増加の274.69USDとなった。
また、フロリダ州マイアミ地域がOCCで8.7%増加の64.2%と最大の増加幅となった。
そのほか、アリゾナ州フェニックスではOCCが5.1%増加の63.7%、ADRが6.6%増加の110.37USD、RevPARが12.1%増加の70.26USDと好調な指数を示した。
全体では全米のトップ25地域市場のうち13市場でRevPARは増加した。
減少した地域として最大となったのは、テキサス州ヒューストンでOCCで30.8%の減少で59.1%に、ADRは7.7%減少の105.75USDとなり、RevPARは36.2%減少の62.48USDとなった。
ヒューストンの大幅な減少の背景には、昨年の夏にヒューストンを襲ったハリケーンにより、2017年9月には避難住民や支援要員、保険、メディア関係者などが多数ホテルに押し寄せた結果として、ホテルの稼働を大きく押し上げていたことがあり、前年同月比の減少は一過性のものにすぎないとみられる。
ヒューストンの減少幅が全米市場に与えた影響も大きかったことから、RevPARが減少へ転じたことは、米ホテル市場の景気後退への入り口ではないとみられている。
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