一般社団法人宿泊施設関連協会(JARC)が発足を記念した講演・パーティーを東京、ホテルグランドパレスで、昨日9月6日に開催した。デービット・アトキンソン氏が「新・生産性立国論」の講演を行い、講演後のパーティーには多くの宿泊施設関係者が集い賑わった。
(主催者挨拶を行う同協会理事長の林悦男氏)
JARC発足記念会
同会の開催にあたり、同協会理事長の林悦男氏は、
「本協会は昨年11月に法人登記を行い、本年3月から本格的に活動を開始しました。本協会には自動車で言えば部品業界にあたるホテルの食品、化粧品、イベント、ITなど様々な宿泊施設をバックアップし支える企業が集っております。
ホテルの「安心」、「安全」、「清潔」「環境(エコ)」、「利便(コンビニエンス)」をサポートするため、会報誌の発行、セミナー、シンポジウム、講習会、懇親会などを実施してまいります。
今朝には北海道の地震被害の発生が報じられているところ、1日も早い被災地の復旧復興を願うとともに、宿泊施設の災害の際の社会的な責任、安全を保障するために、どのような準備をしていくか、また外国人労働者の増加とその教育の問題などについて具体的に検討してまいります。」などと述べた。
デービット・アトキンソン氏「高品質・低価格から脱却を」
講演では、株式会社小西美術工藝社 代表取締役デービット・アトキンソン氏が「新・生産性立国論〜高品質低価格という妄想が日本を滅ぼす〜」と題して、日本の一人当たりの所得の低下と労働者の生産性の低迷の問題について、日本は人材の品質が高いにも関わらず、多くの日本人経営者が採用する「高品質・低価格」路線に大きな問題があるとして、「高品質・高価格」路線への転換と最低賃金の引き上げ、女性の所得向上などについて強く訴えた。
また来賓として、国土交通省観光庁観光産業課長 鈴木貴典氏、日本政府観光局(JNTO)統括理事 志村務氏、国連世界観光機関(UNWTO)駐日事務所代表 本保芳明氏、公益社団法人日本観光振興協会理事長 久保成人氏などが同協会への期待について挨拶を行なった。
宿泊業界のプラットフォームへ
講演後のカクテルパーティーでは、レベニューマネジメントツールを提供するメトロエンジンやホテルスパの総合企業クレドインターナショナル、ホテルアメニティを提供するサン・パシフィック・エンタープライズ、株式会社SHOEI、株式会社中部衛生検査センター、⼀般社団法人観光品質認証協会などがブース出展を行い、参加者に商材や業務の紹介などを行なっていた。
また、パーティー終盤には豪華賞品が当たる抽選会が開催されるなど大いに盛り上がり、ホテル関係者やサプライヤー企業、有識者、各種関連団体などの参加者同士の交流も盛んに行われ、会場は賑わった。
観光立国の中枢を担う宿泊業界にとって、同協会の提供する業界プラットフォームとしての機能の重要性が今後さらに高まりそうだ。
カクテルパーティーの模様
【関連協会】
「(一社)宿泊施設関連協会(JARC)発足記念会」
「JARC親睦会が開催ー宿泊関連企業が集う」
「日本を代表するPMSベンダーTAP、林悦男会長『30年の歴史と未来』を語る」