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グランドメルキュール北海道、規格外野菜を使った朝食ブッフェを開始

投稿日 : 2025.09.09

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世界110か国以上で5,700軒のホテルを展開するアコーホテルズのイビススタイルズ札幌では、2025年8月から、北海道蘭越町の農家7人によって結成されたグループ「Hokkaido Agriculture Club頂(いただき)」が育てた規格外野菜を活用した朝食ブッフェの提供を開始した。これにより、食品ロス削減と地産地消の推進を図っている。

(出典:アコー

同ホテルでは2024年より、同グループが生産する5種のミニトマトを朝食で提供しており、その多様な形や色が話題となり、利用客から高く評価されてきた。今年はその連携を拡充し、これまで市場には出回らなかったキズや形の不揃いな野菜の活用にも取り組む。なすやとうもろこし、かぼちゃなどの規格外野菜をメニューに取り入れる予定で、内容は収穫状況に応じて都度考案される。収穫直後の使用に加え、一部は冷凍保存することで、北海道産野菜の提供期間を従来の8月から9月まで延ばす方針である。

及川農園の及川肇氏は、かつて農業コンサルタントとして活動していた。しかし、1999年に脱サラし、蘭越町で農業を始めた。農家の方から「コンサルタントは口だけでおいしい野菜を作れない」と言われたことがきっかけで就農を決意したという。現在は、化学肥料や農薬の使用を最低限に抑えた農法を実践しており、妻のかをり氏と共に広大な農地を管理している。こうした手法で育てられた野菜は、ニセコの高級レストランなどでも高く評価されている。

従来、規格外品は加工センターや近隣レストラン、自家消費に限られていたが、今回、ホテルが通常よりも高い価格で買い取ることで、生産者にとって新たな販路と安定した生産環境が得られることとなる。一方、ホテル側も食材価格高騰のなかでコスト転嫁を抑えつつ、食品ロス削減と地域支援を実現できるという経営上の利点がある。

(出典:アコー

イビススタイルズ札幌では2024年から、朝食ブッフェにおける「食べ残しゼロ」の呼びかけや、調理時に出た野菜くずの堆肥化といった食品ロス削減の取り組みを継続してきた。今回の施策はそれらの延長線上にある新たな試みであり、ブッフェ台では生産者紹介のPOPを設置し、SNSで農園の様子を紹介するなど、背景にある想いを伝える工夫も行っている。

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