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タクシー業界で全国初「ふれ愛交通」新型コロナ関連倒産

投稿日 : 2020.05.14

大阪府

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(株)ふれ愛交通(大阪市平野区平野東4-5-19、設立1988年1月、資本金1,800万円)は5月13日、大阪地裁に破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。新型コロナウイルス関連倒産としては、タクシー業界では全国初となった。

女性が乗務するピンク色のタクシーを運行

同社は、1988年1月に設立したタクシー事業者。設立当初は梱包などの運送付帯サービスを主力に手掛けていたが、2004年頃に関係会社より介護タクシー事業を譲り受けて以降は福祉関連事業に進出。

2006年には一般タクシー事業にも進出し、大阪府下の事業者や一般ユーザーを対象に営業を展開していた。福祉車両やジャンボタクシーなど約100台を所有し、病院や介護施設に基盤を構築するなど地元に密着した公共交通機関として地位を確立。とりわけ、女性乗務員が運転するピンク色に塗装したハイブリッド車両は「幸せを運ぶ、ピンクのタクシー」として親しまれていた。障害者施設や病院などへの送迎ルートが増加し客数が伸長した2016年5月期には年収入高約7億円を計上していた。

しかし、ドライバー不足による稼働率の低下や人件費上昇などにより収益は低迷。インバウンド需要や女性顧客の取り込みに注力し、業績回復に努めていたものの、近時は新型コロナウイルス感染拡大の影響により外国人旅行客数が低調に推移。さらに外出自粛により一般顧客の乗車も伸び悩み、4月の一般タクシー事業の売上高は前年比約80%減少するなど、極めて厳しい状況となっていた。

セーフティネット融資や雇用調整助成金なども検討したものの5月の給与支給に間に合わないことから申請を断念。5月11日には、従業員を解雇していた。

なお、社会的影響の大きな介護タクシー事業に限り、破産手続き開始決定後も破産管財人の管理の下、事業を継続する予定となっている。

負債総額は約1億3,000万円。

TSRTDBが報じた。

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