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【2025年10月最新】都心再生が描く、多様な滞在価値の未来図:神戸市の新規開業施設

投稿日 : 2025.10.17

兵庫県

新規開業施設

新規ホテル情報

神戸市の新規開業施設の分布

メトロエンジンリサーチによると、神戸市における新規ホテル開業は、「三宮エリア」「新神戸エリア」「元町・花隈エリア」を中心に分布している。

まず、三宮エリアでは、JR・阪急・阪神・地下鉄など複数の路線が交わる交通結節点としての利便性を背景に、新たなホテル開発が集中的に進んでいる。再開発が進む神戸三宮再整備事業とも連動し、ビジネス・観光双方の需要を見込んだ中規模〜大型施設の開業が目立つ。ブランドホテルからライフスタイル型ホテルまで多様なタイプが登場しており、神戸の“玄関口”としての機能をさらに高めている。

一方、新神戸エリアでは、新幹線の停車駅という立地特性を活かし、出張利用や短期滞在に適した利便性重視型のホテルが増加している。周辺には自然や文化施設も多く、観光とビジネスを両立できる滞在拠点として注目度が高まっている。

さらに、元町・花隈エリアでは、旧居留地や中華街(南京町)などの観光資源を活かした個性派ホテルの開業が進んでいる。異国情緒あふれる街並みに調和するデザイン性の高い施設が増え、国内外の旅行者にとって魅力的な宿泊エリアとして進化を遂げている。

今後も、三宮を中心とした再開発の進展や、神戸空港の国際化に向けた動きとともに、多様な宿泊ニーズに対応する施設展開が続くことが予想される。本記事では、これらの立地特性と新規開業動向をもとに、神戸市の宿泊市場における最新の潮流を解説していく。

出典:メトロエンジンリサーチ

出典:メトロエンジンリサーチ

神戸市の新規開業施設がもたらす「都心再生と地域資源の融合」

近年の神戸市では、再開発事業や観光需要の回復を背景に、新規ホテル開業が相次いでいる。特徴的なのは、行政主導の都市再整備から自然と調和するリゾート型施設まで、立地やコンセプトの異なるプロジェクトが同時期に進行している点だ。

まず注目されるのは、「(仮称)神戸市役所本庁舎2号館再整備事業(323室)」。神戸都心の象徴的存在である庁舎再開発の一環としてホテルが併設される予定で、行政・商業・観光を融合した新たな都市機能の中核を担う。再開発によるエリア価値向上とともに、ビジネス需要の拡大が期待されている。

次に、「EVOL HOTEL KOBE(70室)」は、三宮中心部で進行中の再整備と連動し、デザイン性と利便性を両立した新世代型ホテルとして2028年春に開業予定だ。コンパクトながらも上質な空間設計を特徴とし、国内外の観光客や若年層を中心に支持を集めることが見込まれる。

一方、「(仮称)六甲山サイレンスリゾート サイレンス・リング(35室)」は、市街地とは対照的に、自然と静寂をテーマにしたリゾート型施設。六甲山の豊かな自然環境を背景に、ウェルネス志向や長期滞在型のニーズを取り込む構想で、観光資源の再活用という点でも注目されている。

さらに、「(仮称)小野柄通5丁目プロジェクト新築工事(223室)」は、三宮駅近郊で進む複合再開発の一環として2027年春の開業を予定。商業・業務機能と連携しながら、出張や観光の拠点となる中核的なホテルとして整備が進められている。

これらの多様な開発が進行することで、神戸市の宿泊市場は「都心再生」と「地域資源の融合」を両輪とした新たな成長局面を迎えつつある。都市と自然、再開発とリゾートが交差する神戸ならではの宿泊市場の広がりに、今後も注目が集まるだろう。

施設名 部屋数(推定) 竣工
開業予定日

(仮称)小野柄通5丁目プロジェクト新築工事

223 室 2027年春

EVOL HOTEL KOBE

70 2028年春

(仮称)六甲山サイレンスリゾートサイレンス・リング

35 室 2027~2028年

(仮称) 神戸市役所本庁舎2号館再整備事業

323 室 2029年

出典:メトロエンジンリサーチ

神戸市の新規開業施設の紹介

神戸市では、行政主導の再開発から自然環境を生かしたリゾートまで、多様な開業計画が進んでいる。各施設は立地やコンセプトごとに異なる特徴を持ち、それぞれが異なるターゲット層に向けて新たな滞在価値を提案している。ここでは、その中でも注目度の高い3施設を紹介する。

EVOL HOTEL KOBE

2028年春に開業予定の「EVOL HOTEL KOBE」は、全70室を備えるデザインホテル。三宮中心部で進む再整備事業と連動し、利便性とスタイルを両立させた次世代型ホテルとして期待されている。コンパクトながら上質な空間づくりにこだわり、国内外の観光客や若年層を中心に、神戸らしい洗練された滞在体験を提供する。

 

(仮称)六甲山サイレンスリゾート サイレンス・リング

2027〜2028年にかけて開業予定の「(仮称)六甲山サイレンスリゾート サイレンス・リング」は、自然と静寂をテーマにした全35室のリゾート型施設。六甲山の雄大な自然環境を背景に、心身をリセットできる滞在をコンセプトとしており、ウェルネス志向や長期滞在ニーズに応える新たな拠点となる見込みだ。都市部からのアクセスも良く、週末リトリートの需要にも対応する。

 

(仮称)神戸市役所本庁舎2号館再整備事業

2029年に竣工予定の「(仮称)神戸市役所本庁舎2号館再整備事業」では、行政・商業・宿泊が一体となった大規模複合開発が計画されている。全323室のホテルは、都心再生の象徴として整備され、ビジネス需要だけでなく観光・交流機能の強化にも寄与する。神戸市の中心に新たなにぎわいを生み出す都市型ホテルとして注目されている。

このように、神戸市では都心再生を担う大型開発と、地域資源を活かしたリゾート開発が並行して進んでおり、ラグジュアリーからライフスタイル型まで多様な施設が登場しつつある。都市と自然の融合を体現する宿泊空間が増えることで、神戸の魅力はさらに深化していくだろう。

都市と自然が融合する、神戸宿泊市場の未来像

神戸市の新規開業施設は、都心の再整備による大型複合ホテルから、六甲山などの自然資源を活かしたリゾート型施設、そして三宮周辺で計画されるデザインホテルまで、多様なスタイルでの開発が進んでいる。これらの動きは、開港都市として培われた国際性と山・海に囲まれた自然環境を背景に、現代の旅行者が求める快適性と体験価値を両立させることで、都市全体の宿泊機能を進化させている。

都心再整備が推進する神戸滞在の高度化

JR・阪急・阪神・地下鉄など複数の路線が交わる三宮エリアでは、神戸市役所本庁舎2号館再整備事業をはじめとした大規模再開発が進行中だ。ビジネス・観光双方の需要を取り込む高機能ホテルが相次ぎ、都市の中核としての役割を一層強化している。一方、新神戸エリアでは新幹線駅直結という立地特性を活かし、利便性重視の中規模ホテルや長期滞在型施設の需要が高まっている。さらに、元町・花隈エリアでは旧居留地や南京町などの観光資源と調和する個性派ホテルの開業が続き、街歩きや食文化と結びついた都市滞在の魅力が広がっている。

都市と自然の共存が生み出す新たな滞在価値

海と山に囲まれた神戸は、都市的利便性と自然の豊かさが共存する希少な都市だ。近年のホテル開発では、六甲山の自然環境を舞台にしたリゾート型施設や、ウォーターフロントを活かしたライフスタイルホテルなど、地域資源とデザイン性を融合した新たな宿泊スタイルが登場している。これにより、出張や観光にとどまらず、ウェルネスやリトリートなど「心の滞在価値」を重視する層にも裾野が広がっている。

今後の展望

今後、神戸市の宿泊市場は、三宮再整備の進展や神戸空港の国際化に向けた動きを背景に、さらなる拡大が期待される。都心再生と地域資源の活用を両輪としながら、多様な滞在ニーズに応えることで、神戸は“都市と自然が響き合う宿泊都市”として新たなステージへと進化していくだろう。

従来は京阪神観光の通過点としての側面が強かった神戸だが、今後は宿泊そのものが目的となる「滞在型都市」としての存在感を高めていくと考えられる。再開発による都市機能の刷新と、自然・文化資源の再評価が重なり合うことで、“神戸らしい時間を過ごす”という新しい旅の価値が定着していくだろう。

 

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